JP2004518828A - 伸張可能なポリマー繊維およびそれから生産される物品 - Google Patents

伸張可能なポリマー繊維およびそれから生産される物品 Download PDF

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Abstract

伸張可能な合成ポリマー繊維は、弾性ポリマーから形成される軸コアと該コアに接合している非弾性ポリマーから形成される2つ以上の翼とを含む。該繊維は、実質的に放射状に対称な横断面を有する。かかる繊維は、靴下のような衣料品を形成するのに使用することができる。

Description

【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、少なくとも2つのタイプのポリマーから形成されたマルチ翼の伸張可能な合成ポリマー繊維をはじめとする、伸張可能な繊維に関する。本発明はまた、かかる繊維を生産する方法にも関する。本発明はまた、糸、衣料品などをはじめとする、該繊維から形成される物品にも関する。
【0002】
(関連技術の説明)
スポーツウェアや靴下のような、いろいろな衣料品をはじめとする、合成繊維から形成された多くの製品に伸張性を与えることが望ましい。
【0003】
Ishiiに付与された米国特許第4,861,660号に開示されているように、合成フィラメントに伸張性を与えるためのいろいろな方法が知られている。1つの方法では、繊維は2または3次元的に捲縮される。別のかかる方法では、伸張可能なフィラメントは、弾性ポリマー、例えば、天然もしくは合成ゴム、またはポリウレタンエラストマーのような合成エラストマーから生産される。しかしながら、これらの方法のいずれにもそれに関連した欠点がある。Ishiiは、2つのポリマーから形成されるフィラメントに非対称性を与えることによって、かかるフィラメントの欠点を克服しようと試みている。非対称性は、複合体ローブフィラメント成分が交互に反対の異なる方向に軸フィラメント成分の周りにらせん状にぐるぐる巻きにさせる。従って、得られた複合フィラメントは、改善された伸張性と良好な感触およびつやとを示す。しかしながら、それらの非対称な横断面のために、Ishii繊維は、穏和な熱処理後に、それらの軸方向らせん状ねじれに加えて、実質的な3次元またはらせん状捲縮を持つようになりうる。この3次元捲縮特性は、繊維にトルクを与え、かかる繊維から構築された布に実質的な、多くの場合望ましくない「縁反り」を与えることが分かった。かかる繊維の固有の嵩高さおよびむらは、それらから一様な低坪量または低剪断の布を構築することを困難にしている。これらの理由のために、Ishii繊維は、それらから編まれたまたは織られた布において多くの場合不満足なものである。
【0004】
Breenらに付与された米国特許第3,017,686号もまた、2つのポリマーから製造されたフィラメントを開示している。これらのポリマーは、それぞれが弾性特性を持たない、熱可塑性の硬質ポリマーである。ポリマーは、フィラメントのひれが曲がりくねった構造、または「ラッフル」を有するように収縮に十分な差を有するために選ばれる。Breenは、隣接フィラメント間の密な充填が可能ではないようにフィラメント上のひれが方向を変える頻度に心を配っており、伸張性には心を配っていない。従って、Breen特許に開示されているフィラメントは、今日の布の多くで望まれている高回復を示さない。
【0005】
従って、伸張可能であり、かつ、好ましくは望ましくない2または3次元捲縮特性なしで、優れた伸張と回復力とを有する、繊維およびそれからの物品、ならびにかかる繊維および物品を製造する便利な方法を求める要求が依然として存在する。
【0006】
(発明の概要)
本発明は、実質的に放射状に対称な横断面を有する伸張可能な合成ポリマー繊維を提供することによって、先行技術に関連した問題を解決する。これは、有意なレベルの2または3次元捲縮なしに高い伸張と高い一様性との予期しない組合せを与える。結果として、本発明の繊維は、滑らかな、嵩高くない、高度に伸張可能な布においての使用に十分に適している。かかる結果は、Ishiiに付与された米国特許第4,861,660号によるそれとは反対の教示を考慮するとは予期されなかった。
【0007】
このように、本発明に従って、実質的に放射状に対称な横断面を有し、かつ、熱可塑性の弾性ポリマーを含む軸コアと、該コアに接合している少なくとも1つの熱可塑性の非弾性ポリマーを含む複数の翼とを含む伸張可能な合成ポリマー繊維が提供される。
【0008】
さらに、本発明に従って、上述の伸張可能な合成ポリマー繊維を含む衣料品が提供される。
【0009】
本発明はさらに、少なくとも1つの熱可塑性の非弾性ポリマーを含む溶融物と、熱可塑性の弾性ポリマーを含む溶融物とを紡糸口金に通過させて、それぞれが実質的に放射状に対称な横断面を有し、かつ、弾性ポリマーを含む軸コアと、該コアに接合している非弾性ポリマーを含む複数の翼とを含む複数の伸張可能な合成ポリマー繊維を形成する工程と、繊維が紡糸口金の毛細管を出た後でそれらを急冷して該繊維を冷却する工程と、該繊維を集める工程とを含む連続ポリマー繊維を紡糸するための溶融紡糸方法を提供する。
【0010】
(発明の詳細な説明
本発明に従って、一般に図1、2A、2B、3、4、8および9の10で示される、伸張可能な合成ポリマー繊維が提供される。本発明の繊維は、図1の12で示される軸コアと図1の14で示される複数の翼とを含む。本発明によれば、軸コアは熱可塑性の弾性ポリマーを含み、翼は、該コアに接合している熱可塑性の非弾性ポリマーの少なくとも1つを含む。好ましくは、熱可塑性の非弾性ポリマーは永久に延伸可能である。
【0011】
本明細書において使用されるように、用語「繊維」は用語「フィラメント」と交換可能である。用語「糸」は単一フィラメントの糸を含む。用語「マルチフィラメント糸」は一般に、2つ以上のフィラメントから成る糸に関する。用語「熱可塑性」は、繰り返し溶融加工(例えば溶融紡糸)することができるポリマーを意味する。「弾性ポリマー」とは、モノ成分繊維の形態で、希釈剤なしで100%を超える破壊伸長を有し、かつ、その長さの2倍に伸張され、1分間保持され、次に放された場合に、放されてから1分以内にその元の長さの1.5倍未満に収縮するポリマーを意味する。本発明の繊維における弾性ポリマーは、ASTM標準D790 Flexural Properties at RT or 23℃(室温または23℃での屈曲特性)に従って、かつ、実質的に本明細書に記載されるような条件下で紡糸されたモノ成分繊維中に存在する場合に、平方インチ当たり約14,000ポンド(96,500キロパスカル)、より典型的には平方インチ当たり約8500ポンド(58,600キロパスカル)未満の屈曲弾性率を有することができる。本明細書において使用されるように、「非弾性ポリマー」は、弾性ポリマーではない任意のポリマーを意味する。かかるポリマーはまた、「低弾性」、「硬質」、および「高い弾性率」とも言うことができる。「永久に延伸可能な」とは、ポリマーが降伏点を有し、ポリマーがかかる点を越えて伸張される場合には、それがその元の長さに戻らないであろうことを意味する。
【0012】
本発明の繊維は、それらが繊維の長さに沿って互いに接合された少なくとも2つのポリマーからなり、各ポリマーが異なる総称クラス、例えば、ポリアミド、ポリエステルまたはポリオレフィンにある場合に「二成分」繊維と言われる。ポリマーの弾性特性が十分に異なる場合には、同じ総称クラスのポリマーを使用することができ、得られた繊維は「複合」繊維である。かかる複合繊維もまた、本発明の範囲内である。
【0013】
本発明の繊維は、有意な2または3次元捲縮特性なしにその長軸の周りに捩られる。(かかるより高次元の捲縮においては、繊維の長軸それ自体がジグザグまたはらせん状構造を呈し、かかる繊維は本発明のものではない)。本発明の繊維は、実質的にらせん状ねじりと1次元らせん状ねじりとを有するとして特徴付けられるかもしれない。完全に360°らせん状ねじりは繊維において望ましい伸張特性を達成するのに必要ではないことが観察されたので、「実質的にらせん状ねじり」は、弾性コアの周りを完全に通るらせん状ねじりと、コアの周りを部分的にだけ通るらせん状ねじりとの両方を含む。図2Aは、ほぼ完全に円周である実質的にらせん状ねじりを持った繊維10を示し、図2Bは、ほぼ完全に非円周である実質的にらせん状ねじりを持った繊維10を示す。「1次元」らせん状ねじりとは、繊維の翼は実質的にらせん状でありうるが、繊維の軸は、2または3次元捲縮を有する繊維に比べて低い張力でさえも実質的に真っ直ぐであることを意味する。しかしながら、図3の繊維10によって例示されるような、いくらかの波むらを有する繊維は、本発明の範囲内である。
【0014】
2および3次元捲縮の存在または不在は、(いかなる非直線性をも引き延ばすことによって)繊維を実質的に整直するために必要な伸張の量から判断することができ、らせん状ねじりを有する繊維の放射状対称の尺度である。本発明の繊維は、繊維を実質的に整直するために、約10%未満の伸張、より典型的には約7%未満の伸張、例えば約4%から約6%を必要とすることができる。
【0015】
本発明の繊維は、図1から理解できるように、実質的に放射状に対称な横断面を有する。「実質的に放射状に対称な横断面」とは、繊維をその長軸回りに360/n度(ここで、「n」は繊維の「n次」対称を表す整数である)回転すると、回転前と実質的に同じ横断面になるように、翼が置かれていて、かつ、そのような寸法のものである横断面を意味する。横断面は、サイズ、ポリマーおよびコア周りの角間隔の点から見て実質的に対称である。この実質的に放射状に対称な横断面は、有意なレベルの2または3次元捲縮なしに高い伸張と高い一様性との予期しない組合せを与える。かかる一様性は、例えばガイドおよび編み針による繊維の高速度加工において有利であり、滑らかな、非ピッキー(non−picky)布、特にメリヤスのようなシーヤーを製造する際に有利である。実質的に放射状に対称な横断面を有する繊維は、自己捲縮ポテンシャルを持たない、すなわち、それらは有意な2または3次元捲縮特性を持たない。一般にTextile Research Journal,1967年6月,p.449を参照のこと。
【0016】
最大横断面放射状対称のために、コアは、例えば、図1、4、8、および9に見られるような、実質的に円形のまたは正多面体の横断面を有することができる。「実質的に円形の」とは、繊維横断面の中心で互いに90°で交差する2つの軸の長さの比が約1.2:1以下であることを意味する。米国特許第4,861,660号のコアに比べて、実質的に円形のまたは正多面体のコアを使用すると、翼の数に関して後で記載するように、エラストマーがロール、ガイドなどと接触するのを防ぐことができる。複数の翼は、コアの周りに任意の望ましいやり方で、例えば、図1に示すように不連続的に、すなわち、翼ポリマーがコア上に連続的なマントルを形成しないやり方で、または例えば、米国特許第3,418,200号の図4および5に例示されるように、隣接する翼がコア表面で接する状態で、配置することができる。翼は、実質的に放射状対称が維持されるという条件で、同じサイズまたは異なるサイズのものであることができる。さらに、各翼は、もう一度実質的に放射状の幾何学的対称とポリマー組成対称とが維持されるという条件で、他の翼とは異なるポリマーのものであることができる。しかしながら、製造の簡単さと放射状対称を達成することの容易さとのために、翼はほぼ同じ寸法のものであり、同じポリマーまたはポリマーのブレンドから製造されることが好ましい。製造の容易さのために翼が不連続的にコアを取り巻くこともまた好ましい。
【0017】
繊維横断面は、サイズ、ポリマー、およびコア周りの角間隔の点から見て実質的に対称であるが、一様でない急冷または不完全なポリマー溶融物流れまたは欠陥のある紡糸オリフィスのような因子のために、完全な対称からの小さな変動がいかなる紡糸方法においても一般に起こることは理解される。かかる変動が、1次元らせん状ねじれによって、一方、2および3次元捲縮を最小限して、所望の伸張と回復の繊維を提供するというような本発明の目的を損ねるほど十分な程度のものではないという条件で、かかる変動は差し支えないことが理解されるべきである。すなわち、米国特許第4,861,660号におけるように、繊維は意図的に非対称にされない。
【0018】
翼はコアから外側へ突き出ており、それらは、効果的な加熱の後に特に、コアに接合して、コアの周りに少なくとも部分的方向に複数のらせんを形成している。かかるらせんのピッチは、繊維が伸張される時に増えることができる。本発明の繊維は、複数、好ましくは3−8、より好ましくは5または6の翼を有する。使用される翼の数は、繊維の他の特徴とそれが製造され、使用されるであろう条件とに依存することができる。例えば、5または6翼は、特にモノフィラメントがより高い延伸率および繊維張力で製造される場合に使用することができる。この場合、エラストマーがロール、ガイドなどとの接触から守られ、その結果、より少ない翼が使用された場合よりも破壊、ロールラップおよび摩耗を受けにくく、十分にコアの周りに翼間隔が点在することができる。より高い延伸率および繊維張力の効果は、ロールおよびガイドに繊維をより強く押しつけることであり、こうして翼を外側へ開き、エラストマーコアをロールまたはガイドと接触するようにする。従って、高い延伸率および繊維張力での2よりも多い翼が好ましい。モノフィラメントでは、製造の容易さと減少したコア接触との最適組合せにとって5または6翼が多くの場合好ましい。マルチ繊維糸が望ましい場合、他の繊維の存在によってエラストマーコアとロールまたはガイドとの間の接触の可能性が減少するので、2または3ほどの少ない翼を使用することができる。
【0019】
製造の容易さのために翼がコアを不連続的に取り巻いていることが好ましいが、コアはその外面上で、翼がコアに接触するポイントの間に非弾性ポリマーのシースを含んでもよい。図4は、シース16を有する繊維10を示す。シース厚さは、繊維コアの最大半径の約0.5%から約15%の範囲にあることができる。シースは、コアと翼ポリマーとの間により多くの接触ポイントを提供することによって、コアへの翼の接合を助けることができ、このことは、二成分繊維中のポリマーが互いに十分に接合しない場合、特に有用な特徴である。シースはまた、繊維が少数の翼を有する場合に特に、コアと、ロール、ガイドなどとの間の摩耗接触を減少させることもできる。
【0020】
本発明のマルチ翼付き横断面のコアおよび/または翼は、中実であってもよいし、または中空または空隙を含んでもよい。典型的には、コアおよび翼は両方とも中実である。さらに、翼は、卵形、T−、C−またはS−形状のような任意の形状を有してもよい(例えば、図4を参照のこと)。有用な翼形状の例は、米国特許第4,385,886号に見られる。T、C、またはS形状は、先に記載されたようなガイドおよびロールとの接触からエラストマーコアを守るのを助けることができる。
【0021】
全翼ポリマー対コアポリマーの重量比は、特性、例えば、コアからの所望の弾性および翼ポリマーからの他の特性の所望のミックスを与えるために変えることができる。例えば、約10/90から約70/30、好ましくは約30/70から約40/60の範囲の非弾性翼ポリマー対弾性コアポリマーの重量比を用いることができる。繊維が伴糸と共に使用されない用途(例えば靴下)において高い伸張と組み合わせて高い耐久性を得るためには、約35/65から約50/50の範囲の翼/コア重量比が多くの場合好ましい。
【0022】
上に言及したように、本発明の繊維のコアは、任意の熱可塑性の弾性ポリマーから形成することができる。有用なエラストマーの例には、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステルアミドエラストマーおよび熱可塑性ポリエーテルエステルアミドエラストマーが含まれる。
【0023】
有用な熱可塑性ポリウレタンコアエラストマーには、高分子量グリコールと、ジイソシアネートと、少なくとも1つのジオールまたはジアミン連鎖延長剤とから調製されたものが含まれる。ジオール連鎖延長剤は、それを使って製造されたポリウレタンがジアミン連鎖延長剤を使用した場合よりも低い融点を有するので、好ましい。弾性ポリウレタンの調製に有用な高分子量グリコールには、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリカーボネートグリコールおよびそれらのコポリマーが含まれる。かかるグリコールの例には、ポリ(エチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレン−co−2−メチル−テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(エチレン−co−1,4−ブチレンアジペート)グリコール、ポリ(エチレン−co−1,2−プロピレンアジペート)グリコール、ポリ(ヘキサメチレン−co−2,2−ジメチル−1,3−プロピレンアジペート)、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)グリコール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンノナノエート)グリコール、ポリ(2,2−ジメチル−1,3−プロピレンドデカノエート)グリコール、ポリ(ペンタン−1,5−カーボネート)グリコール、およびポリ(ヘキサン−1,6−カーボネート)グリコールが含まれる。有用なジイソシアネートには、1−イソシアナト−4−[(4−イソシアナトフェニル)メチル]ベンゼン、1−イソシアナト−2−[(4−イソシアナトフェニル)メチル]ベンゼン、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、2,2−ビス(4−イソシアナトフェニル)プロパン、1,4−ビス(p−イソシアナト,アルファ,アルファ−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)および2,4−トリレンジイソシアネートが含まれる。有用なジオール連鎖延長剤には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロピレンジオール、ジエチレングリコール、およびそれらの混合物が含まれる。好ましい高分子量グリコールは、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレン−co−2−メチル−テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(エチレン−co−1,4−ブチレンアジペート)グリコール、およびポリ(2,2−ジメチル−1,3−プロピレンドデカノエート)グリコールである。1−イソシアナト−4−[(4−イソシアナトフェニル)メチル]ベンゼンが好ましいジイソシアネートである。好ましいジオール連鎖延長剤は1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールである。1−ブタノールなどのようなモノ官能性連鎖停止剤を、ポリマーの分子量を調節するために添加することができる。有用な熱可塑性ポリエステルエラストマーには、ポリエーテルグリコールと、例えば、約250未満の分子量の低分子量ジオールと、ジカルボン酸またはそれのジエステル、例えば、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルとの反応によって製造されたポリエーテルエステルが含まれる。有用なポリエーテルグリコールには、ポリ(エチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレン−co−2−メチルテトラメチレンエーテル)グリコール[テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランとの共重合から誘導される]およびポリ(エチレン−co−テトラメチレンエーテル)グリコールが含まれる。有用な低分子量ジオールには、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロピレンジオール、およびそれらの混合物が含まれ、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールが好ましい。有用なジカルボン酸には、任意に少量のイソフタル酸、およびそれらのジエステル(例えば、<20モル%)を伴ったテレフタル酸が含まれる。
【0024】
本発明の繊維のコアを製造する際に使用することができる有用な熱可塑性ポリエステルアミドエラストマーには、米国特許第3,468,975号に記載されたものが含まれる。例えば、かかるエラストマーは、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール。2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−ジ(メチロール)シクロヘキサン、ジエチレングリコール、またはトリエチレングリコールと、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3,4−ジメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、またはドデカン二酸、またはそれらのエステルとの反応によって製造されたポリエステルセグメントを用いて調製することができる。かかるポリエステルアミド中のポリアミドセグメントの例には、ヘキサメチレンジアミンまたはドデカメチレンジアミンとテレフタル酸、蓚酸、アジピン酸、またはセバシン酸との反応によって、およびカプロラクタムの開環重合によって調製されたものが含まれる。
【0025】
米国特許第4,230,838号に記載されたもののような、熱可塑性ポリエーテルエステルアミドエラストマーもまた、繊維コアを製造するために使用することができる。かかるエラストマーは、例えば、低分子量(例えば、約300から約15,000)のポリカプロラクタム、ポリエナントラクタム、ポリドデカノラクタム、ポリウンデカノラクタム、ポリ(11−アミノウンデカン酸)、ポリ(12−アミノドデカン酸)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアゼレート)、ポリ(ヘキサメチレンセバケート)、ポリ(ヘキサメチレンウンデカノエート)、ポリ(ヘキサメチレンドデカノエート)、ポリ(ノナメチレンアジペート)などと、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、テレフタル酸、ドデカン二酸などとからジカルボン酸−末端ポリアミドプレポリマーを調製することによって、調製することができる。プレポリマーは、次に、ヒドロキシ末端ポリエーテル、例えばポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレン−co−2−メチルテトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(エチレンエーテル)グリコールなどと反応させることができる。
【0026】
上に言及したように、翼は、非弾性、または硬質ポリマーから形成することができる。かかるポリマーの例には、非弾性ポリエステル、ポリアミド、およびポリオレフィンが含まれる。
【0027】
有用な熱可塑性の非弾性翼ポリエステルには、ポリ(エチレンテレフタレート)(「2G−T」)およびそれのコポリマー、ポリ(トリメチレンテレフタレート)(「3G−T」)、ポリブチレンテレフタレート(「4G−T」)、ならびにポリ(エチレン2,6−ナフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリ(乳酸)、ポリ(エチレンアゼレート)、ポリ(エチレン2,7−ナフタレート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(アルファ,アフファ−ジメチルプロピオラクトン)、ポリ(パラ−ヒドロキシ安息香酸)、ポリ(エチレンオキシ安息香酸)、ポリ(エチレンイソフタレート)、ポリ(テトラメチレンテレフタレート)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタレート)、ポリ(デカメチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(トランス)、ポリ(エチレン1,5−ナフタレート)、ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(シス)、およびポリ(1,4−シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(トランス)が含まれる。
【0028】
好ましい非弾性ポリエステルには、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ならびにポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)およびそのコポリマーが含まれる。ポリ(エチレンテレフタレート)のような比較的高融点のポリエステルが使用される場合には、それが低い温度で紡糸できるように、該ポリエステル中にコモノマーを組み入れることができる。かかるコモノマーは、4−12の炭素原子を有する線状の、環式の、および分枝した脂肪族ジカルボン酸(例えば、ペンタン二酸)、テレフタル酸以外の8−12の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸(例えばイソフタル酸)、3−8の炭素原子を有する線状の、環式の、および分枝した脂肪族ジオール(例えば1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、および2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール)、ならびに4−10の炭素原子を有する脂肪族および芳香脂肪族エーテルグリコール(例えばヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル)を含むことができる。コモノマーは、約0.5から15モルパーセントの範囲のレベルでコポリエステル中に存在することができる。イソフタル酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、1,3−プロパンジオール、および1,4−ブタンジオールは、容易に商業的に入手でき、安価であるので、ポリ(エチレンテレフタレート)にとって好ましいコモノマーである。
【0029】
翼ポリエステルはまた、かかるコモノマーが繊維特性に悪影響を及ぼさないという条件で、少量の他のコモノマーを含有することができる。かかる他のコモノマーには、例えば、約0.2から5モルパーセントの範囲のレベルでの、5−スルホイソフタル酸ナトリウムが含まれる。非常に少量の、例えば、全成分を基準にして約0.1重量%から約0.5重量%の3官能性コモノマー、例えばトリメリット酸を粘度調節のために組み入れることができる。
【0030】
有用な熱可塑性の非弾性翼ポリアミドには、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(ナイロン6,6)、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリエナンタミド(ナイロン7)、ナイロン10、ポリ(12−ドデカノラクタム)(ナイロン12)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6,10)、ポリ(ヘキサメチレンドデカミド)(ナイロン6,12)、ドデカメチレンジアミンとn−ドデカン二酸とのポリアミド(ナイロン12,12)、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンとドデカン二酸とから誘導されるPACM−12ポリアミド、30%ヘキサメチレンジアンモニウムイソフタレートと70%ヘキサメチレンジアンモニウムアジペートとのコポリアミド、30%までのビス(p−アミドシクロヘキシル)メチレンと、テレフタル酸およびカプロラクタムとのコポリアミド、ポリ(4−アミノ酪酸)(ナイロン4)、ポリ(8−アミノオクタン酸)(ナイロン8)、ポリ(ヘプタメチレンピメラミド)(ナイロン7,7)、ポリ(オクタメチレンスベラミド)(ナイロン8,8)、ポリ(ノナメチレンアゼラミド)(ナイロン9,9)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(ナイロン10,9)、ポリ(デカメチレンセバカミド(ナイロン10,10)、ポリ[ビス(4−アミノ−シクロヘキシル)メタン−1,10−デカンジカルボキサミド]、ポリ(m−キシレンアジパミド)、ポリ(p−キシレンセバカミド)、ポリ(2,2,2−トリメチルヘキサメチレンピメラミド)、ポリ(ピペラジンセバカミド)、ポリ(11−アミノウンデカン酸)(ナイロン11)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、およびポリ(9−アミノノナン酸)(ナイロン9)ポリカプロアミドが含まれる。コポリアミド、例えば、ヘキサメチレン部分が全ジアミンから誘導された部分の約75−90モル%で存在することができるポリ(ヘキサメチレン−co−2−メチルペンタメチレンアジパミド)もまた使用することができる。
【0031】
有用なポリオレフィンには、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンならびにエチレンまたはプロピレンの1つまたは複数と他の不飽和モノマーとのコポリマーおよびターポリマーが含まれる。例えば、非弾性ポリプロピレン翼と弾性ポリプロピレンコアとを含む繊維は、本発明の範囲内であり、かかる繊維は複合繊維である。
【0032】
弾性ポリマーと非弾性ポリマーとの組合せは、ポリアミド翼を持ったポリエーテルアミド、例えば、ポリエーテルエステルアミドエラストマーコアと、ポリエステル翼を持ったポリエーテルエステルエラストマーコアとを含むことができる。例えば翼ポリマーは、ナイロン6−6と、それのコポリマー、例えば、約1重量%アップから約15重量%のナイロン−12と任意に混合された、ヘキサメチレン部分が約80モル%で存在するポリ(ヘキサメチレン−co−2−メチルペンタメチレンアジパミド)とを含むことができ、コアポリマーは弾性のセグメント化ポリエーテルエステルアミドを含むことができる。「セグメント化ポリエーテルエステルアミド」とは、硬質セグメント(短鎖ポリアミド)に(エステル基によって)共有接合した軟質セグメント(長鎖ポリエーテル)を有するポリマーを意味する。同様な定義は、セグメント化ポリエーテルエステル、セグメント化ポリウレタンなどに該当する。ナイロン12は、コアがAtofinaからのPEBAXTM3533SNをベースにする場合に特に、翼のコアへの接合を改善することができる。別の好ましい翼ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)とそのコポリマー、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、およびポリ(テトラメチレンテレフタレート)から成る群から選択される非弾性ポリエステルを含むことができ、それと共に使用するのに好適な弾性コアは、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールおよびポリ(テトラメチレン−co−2−メチル−テトラメチレンエーテル)グリコールから成る群から選択されるポリエーテルグリコールと、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルと、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールから成る群から選択される低分子量ジオールとの反応生成物を含むポリエーテルエステルを含むことができる。
【0033】
弾性ポリエーテルエステルコアは、本明細書のほかの所で記載されるように、接合促進添加物が使用される場合に特に、非弾性ポリアミド翼と共に使用することができる。例えば、かかる繊維の翼は、(a)ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)およびそれと2−メチルペンタメチレンジアミンとのコポリマーと、(b)ポリカプロラクタムとから成る群から選択されることができ、かかる繊維のコアは、(a)ポリエーテルエステルアミドと、(b)ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールまたはポリ(テトラメチレン−co−2−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールと、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルと、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールから成る群から選択されるジオールとの反応生成物と、から成る群から選択することができる。
【0034】
上に記載されたポリマーを製造する方法は、当該技術において公知であり、触媒、共触媒、および当該技術において公知であるような連鎖分枝剤の使用を伴ってもよい。
【0035】
コアの高い弾性は、繊維が伸張され、弛緩される場合に、接合した翼によってコアがねじられる時にコアが圧縮力、ねじり力、および外延力を吸収することを可能にする。これらの力は、それらの接合が余りにも弱い場合には、翼とコアポリマーとの剥離を引き起こすであろう。接合は、1つまたは複数の翼およびコア組成物の選択によって、または先に記載したようなシースの使用によって、および/または接合を増強する添加物の、いずれかのまたは両方のポリマーへの使用によって増強することができる。各翼が同じまたは異なる程度のコアへの接合を有するように、1つまたは複数の翼に添加物を添加することができる。従って、典型的にコアおよび翼ポリマーは、繊維が製造され、使用されている間に剥離が最小限であるように互いに接合するであろう十分な相溶性を有するように選択されるべきである。
【0036】
また、接合を改善するために、翼および/またはコアポリマーに添加物、例えば、全翼ポリマーを基準にして例えば5重量%のナイロン12、すなわち、AtofinaからRilsan「AMNO」として市販されている、「12」または「N12」としても知られているポリ(12−ドデカノラクタム)を添加することができる。また、無水マレイン酸誘導体(例えばBynel(登録商標)CXA、E.I.du Pont de Nemours and Companyの登録商標またはAtofinaからのLotader(登録商標)エチレン/アクリルエステル/無水マレイン酸ターポリマー)を使用して、ポリエーテル−アミドエラストマーを改質してポリアミドへのその接合を改善することができる。別の例として、約400から約5000の範囲の数平均分子量を有する熱可塑性ノボラック樹脂、例えばHRJ12700(Schenectady International)を弾性(コ)ポリエーテルエステルコアに添加して、(コ)ポリアミド翼へのその接合を改善することができるであろう。ノボラック樹脂の量は、1−20重量%の範囲、より好ましくは2−10重量%の範囲にあるべきである。本明細書において有用なノボラック樹脂の例には、フェノール−ホルムアルデヒド、レゾルシノール−ホルムアルデヒド、p−ブチルフェノール−ホルムアルデヒド、p−エチルフェノール−ホルムアルデヒド、p−ヘキシルフェノール−ホルムアルデヒド、p−プロピルフェノール−ホルムアルデヒド、p−ペンチルフェノール−ホルムアルデヒド、p−オクチルフェノール−ホルムアルデヒド、p−ヘプチルフェノール−ホルムアルデヒド、p−ノニルフェノール−ホルムアルデヒド、ビスフェノール−A−ホルムアルデヒド、ヒドロキシナフタレン−ホルムアルデヒドおよびマレイン化ロジン(特に部分マレイン化ロジン)のアルキル(t−ブチルのような)フェノール変性エステル(ペンタエリスリトールエステルのような)が含まれるが、これらに限定されない。例えばコポリエステルエラストマーとポリアミドとの間の改善された接合を提供するための技術については、1999年8月27日に出願された許容(allowed)米国特許出願第09/384,605号を参照のこと。
【0037】
無水マレイン酸(「MA」)で機能性化されたポリエステルはまた、接合促進添加物として使用することができるであろう。例えば、ポリ(ブチレンテレフタレート)(「PBT」)は、J.M.Bhattacharya,Polymer International(2000年8月),49:8,pp.860−866に従って、二軸スクリュー押出機中でフリーラジカルグラフト化によってMAで機能性化することができ、Bhattacharyaはまた、2、3重量%の得られたPBT−g−MAがポリ(ブチレンテレフタレート)とナイロン66、およびポリ(エチレンテレフタレート)とナイロン66、との二成分ブレンド用の相溶剤として使用されることをも報告した。例えば、かかる添加物は、本発明の繊維の(コ)ポリアミド翼を(コ)ポリエーテルエステルコアにより強固に接合させるために使用することができるであろう。
【0038】
本発明で使用されるポリマーならびに得られた繊維、糸、および物品は、従来の添加剤を含むことができ、それは重合プロセス中にまたは形成されたポリマーもしくは物品に添加することができ、ポリマーまたは繊維特性を改善する方向で貢献するかもしれない。これらの添加剤の例には、帯電防止剤、酸化防止剤、抗菌剤、防炎加工剤、染料、光安定剤、重合触媒および助剤、接合促進剤、二酸化チタンのような艶消剤、マット化剤、ならびに有機ホスフェートが含まれる。
【0039】
例えば、紡糸および/または延伸プロセスの間に繊維に加えられてもよい他の添加剤には、帯電防止剤、表面滑剤、接合促進剤、親水化剤、酸化防止剤、抗菌剤、防炎加工剤、滑剤、およびそれらの組合せが含まれる。さらに、かかる追加の添加剤は、当該技術において公知であるようにプロセスのいろいろな工程の間に添加されてもよい。
【0040】
本発明の繊維は、連続フィラメント(マルチフィラメント糸もしくはモノフィラメントのいずれか)またはステープル(例えばトウもしくは紡績糸を含む)の形態であることができる。本発明の延伸繊維は、繊維当たり約1.5から約60デニール(den.)(約1.7−67デシテックス(dtex))を有することができる。翼/コア比に依存して、ポリアミド翼を持った本発明の十分に延伸された繊維は、典型的には約1.5から3.0g/デシテックスの、そしてポリエステル翼を持った繊維は、約1−2.5g/デシテックスのテナシティを有する。本発明の得られた繊維は、最終衣料品での改善された着心地の良さと着具合とのために少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約40%のボイルオフ後伸張を有することができる。
【0041】
上の記載は、繊維が実質的に放射状に対称な横断面を有する場合の利点に焦点を合わせているが、かかる対称は、多くの場合望ましいが、以下の場合には本発明の実施形態にとって必要とされない:
(a)伸張可能な合成ポリマー繊維が、少なくとも約20%のボイルオフ後収縮を有し、かつ、繊維を実質的に整直するために約10%未満の伸張を必要とする場合、
(b)伸張可能な合成ポリマー繊維が、弾性ポリマーを含む軸コアと該コアに接合している非弾性ポリマーを含む複数の翼とを含み、該コアがその外面上に、翼がコアと接触するポイントの間に非弾性ポリマーのシースを含む場合、
(c)伸張可能な合成ポリマー繊維が、弾性ポリマーを含む軸コアと該コアに接合している非弾性ポリマーを含む複数の翼とを含み、該コアが実質的に円形のまたは正多面体の横断面を有する場合、あるいは、
(d)伸張可能な合成ポリマー繊維が、弾性ポリマーを含む軸コアと該コアに接合している非弾性ポリマーを含む複数の翼とを含み、翼の少なくとも1つかT、C、またはS形状を有する場合。
【0042】
これらの4つの実施形態によるかかる繊維は、製造され、使用されることができ、かつ、本明細書において記載される利点の1つまたは複数を提供することができる。
【0043】
複数の繊維を含む糸が製造される場合、繊維は、任意で所望の繊維番手のものおよび任意で所望のdpfであることができ、弾性ポリマー対非弾性ポリマーの比は、繊維ごとに異なることができる。マルチフィラメント糸は、複数の異なる繊維、例えば、2から100の繊維を含有することができる。さらに、本発明の繊維を含む糸は、繊維当たりの範囲の線密度を有することができ、本発明のものではない繊維を含むこともできる。
【0044】
本発明の合成ポリマー繊維は、製織、たて編み、よこ編み(丸編みを含む)、または靴下編みをはじめとする公知の方法によって布を形成するのに使用されてもよい。かかる布は優れた伸張と回復力を有する。繊維は、椅子張りや衣料品(ランジェリーや靴下を含む)におけるような織物や布において、小幅物をはじめとする衣料品の全てまたは部分を形成するのに有用であることができる。本発明の繊維および糸を使用して製造された靴下のようなアパレル、および布は、滑らかで、軽量で、非常に一様(「非ピッキー」)であり、良好な伸張および回復特性を有することが分かった。
【0045】
さらに本発明によれば、連続ポリマー繊維を紡糸するための溶融紡糸方法が提供される。この方法は、本発明の繊維を製造するのに使用できる装置の略図である図5に関して説明されるであろう。しかしながら、他の装置を使用してもよいことが理解されるべきである。本発明の方法は、弾性ポリマーを含む溶融物を紡糸口金を通過させて、弾性ポリマーを含む軸コアとコアに接合している非弾性ポリマーを含む複数の翼とを含む複数の伸張可能な合成ポリマー繊維を形成することを含む。図5に関して、示されていない熱可塑性の硬質ポリマー供給物は、20で積重ねプレート紡糸口金アセンブリ35に導入され、示されていない熱可塑性の弾性ポリマー供給物は、22で積重ねプレート紡糸口金アセンブリ35に導入される。プレ融合またはポスト融合紡糸口金パックを使用することができる。2つのポリマーは、所望の横断面を与えるようにデザインされたオリフィスを有する積重ねプレート紡糸口金アセンブリ35から未延伸フィラメント40として押し出すことができる。本発明の方法はさらに、任意の公知の方法で、例えば図5の50で冷気によって、フィラメントが紡糸口金の毛細管を出た後にそれらを急冷して繊維を冷却することを含む。横流れ空気または放射状流れ空気のような、任意の好適な急冷方法が使用されてもよい。
【0046】
フィラメントは、図5に示されるような仕上げアプリケーター60で任意の公知の技術を用いて、任意にステアリン酸マグネシウムを含んだシリコーン油のような仕上げ剤で処理される。急冷後に、これらのフィラメントは次に、少なくとも約20%のボイルオフ後伸張を示すように延伸される。フィラメントは、少なくとも1つの延伸工程で、例えば図5に概略示された供給ロール80(それは150から1000メートル/分で運転することができる)と延伸ロール90との間で、延伸フィラメント100を形成するために延伸されてもよい。延伸工程は、十分に延伸された糸を製造するために紡糸と連結することができ、または、部分配向した糸が望ましい場合には、紡糸と延伸との間に遅れがある分割プロセスで行うことができる。延伸はまた、糸のたて糸としてフィラメントを巻き取る間に成し遂げることもでき、これは当業者によって「延伸整経(draw warping)」と呼ばれている。任意の所望の延伸率(フィラメントの切断によって加工を妨げるものに達しない)をフィラメントに与えることができ、例えば、十分に配向した糸は約3.0から4.5倍の延伸率によって生産することができ、部分配向した糸は約1.2−3.0倍の延伸率によって生産することができる。本明細書において、延伸率は、供給ロール80の周速度で割った延伸ロール90の周速度である。延伸は約15−100℃、典型的には約15−40℃で実施することができる。
【0047】
延伸されたフィラメント100は、任意に、例えば、図5の110でスチームで部分的に弛緩することができる。任意の量の熱−弛緩を紡糸の間に実施することができる。弛緩が大きければ大きいほど、フィラメントはより弾性的になり、下流の作業で起こる収縮がより小さくなる。下に記載するように弛緩された後の延伸された最終フィラメントは、少なくとも約20%のボイルオフ後伸張を有することができる。それを巻き取る前に、それを典型的な硬い糸として取り扱うことができるように、延伸されたフィラメントの長さを基準にして約1−35%だけ、紡糸されたばかりのフィラメントを熱−弛緩することが好ましい。
【0048】
急冷され、延伸され、任意に弛緩されたフィラメントは、次に、図5の巻取機130で、毎分200から約3500メートルおよび毎分4000メートルまでの速度で巻き取ることによって集めることができる。または多重繊維が紡糸され、急冷された場合、繊維は一点に集められ、任意に織り混ぜられ、次に巻取機130で例えば毎分4000メートルまでの速度で、例えば毎分約200から約3500メートルの範囲の速度で、巻き取ることができる。単一フィラメントまたはマルチフィラメント糸は、図5の巻取機130で同じやり方で巻き取られてもよい。多重フィラメントが紡糸され、急冷された場合、フィラメントは、当該技術において行われるように巻き取るに先立って、一点に集め、任意に織り混ぜることができる。
【0049】
延伸された後いつでも、十分に弛緩されて所望の伸張と回復特性を持つようになる間に、二成分フィラメントは乾式−または湿式熱処理されてもよい。かかる弛緩は、フィラメント生産の間に、例えば上述の弛緩工程の間に、またはフィラメントが糸もしくは布に組み入れられた後で、例えばこすって洗う、染色するなどの間に成し遂げることができる。繊維または糸での熱処理は、例えば、ホットロールもしくは熱室を用いて、またはジェット−スクリーンバルキング工程において実施することができる。かかる弛緩熱処理は、その時まで繊維が非弾性繊維のように加工できるように、繊維が糸または布中に組み入れられた後で実施されることが好ましい。しかしながら、必要ならば、高伸張繊維として巻き取られる前に、それを熱処理して十分に弛緩させることができる。最終布におけるより大きな一様性のために、繊維を一様に熱処理し、弛緩することができる。熱処理/弛緩温度は、熱媒体が乾燥空気である場合には約80℃から約120℃、熱媒体が熱水である場合には約75℃から約100℃、そして熱媒体が過圧スチーム(例えばオートクレーブ中で)である場合には約101℃から約115℃の範囲にあることができる。より低い温度は、余りにも少ない熱処理しかもたらさないか、または何の熱処理ももたらすことができず、より高い温度は弾性コアポリマーを溶融させることができる。熱処理/弛緩工程は一般に2、3秒で成し遂げることができる。
【0050】
上に言及したように、紡糸口金毛細管は、上に記載したような、または他の二成分または複合繊維を生産するための、本発明の繊維の望ましい横断面に相当するデザインを有する。毛細管または紡糸口金ボアホール(bore hole)は、当該技術において知られているような、米国特許第5,168,143号に記載されているようなレーザー切断、ドリル孔あけ、放電加工(EDM)、およびパンチ孔あけのような、任意の適切な方法によってくり抜かれてもよい。毛細管オリフィスは、本発明の繊維の横断面対称の良好な制御のために、レーザー光を用いてくり抜くことができる。紡糸口金毛細管のオリフィスは、任意の好適な寸法を有することができ、連続(プレ融合)または不連続(ポスト融合)であるようにくり抜くことができる。不連続毛細管は、ポリマーが紡糸口金面の下で融合して本発明のマルチ翼横断面を形成することを可能にするであろうパターンに小さい孔を開けることによって得られてもよい。
【0051】
例えば、本発明のフィラメントは、図6、6A、6Bおよび6Cに例示されたようなプレ融合紡糸口金パックを使って製造することができる。図6(図5に示されるような積重ねプレート紡糸口金アセンブリの側面図)において、ポリマー流れは矢印Fの方向である。紡糸口金アセンブリの第1プレートは、ポリマー溶融物プールを含有するプレートDであり、従来のデザインのものである。プレートDは計量プレートC(断面図6Cに示される)の上に載っており、プレートCは順に任意の分配プレートB(断面図6Bに示される)の上に載っており、プレートBは紡糸口金プレートA(断面図6Aに示される)の上に載っており、プレートAは紡糸口金アセンブリ支持プレートEによって支えられている。計量プレートCは、計量プレートの下の分配プレートBと整列して接触しており、分配プレートは、そこを通って毛細管を有するが実質的なカウンタボアを欠いている紡糸口金Aの上にあって、それと整列して接触しており、紡糸口金プレートは、毛細管よりも大きい孔を有する紡糸口金支持プレート(E)と整列して接触している。整列は、計量プレートCに供給されるポリマーが分配プレートB、紡糸口金プレートAおよび紡糸口金支持プレートEを通過して繊維を形成できるようなものである。従来のプレートである溶融物プールプレートDは、計量プレートに供給するために使用される。ポリマー溶融物プールプレートDおよび紡糸口金アセンブリ支持プレートEは、それらを互いの方向に強く押しつけることができるほど十分に厚くて堅く、こうして、ポリマーが紡糸口金アセンブリの積重ねプレートの間から漏洩するのを防ぐ。プレートA、B、およびCは、レーザー光方法を使ってオリフィスをくり抜くことができるほど十分に薄い。紡糸口金支持プレート(E)の孔は、紡糸したばかりの繊維が孔の縁に接触しないように、例えば約45−60℃でフレア化されることが好ましい。また、ポリマーのプレ融合が望ましい場合、計量プレートC、任意の分配プレートD、および紡糸口金プレートデザインEによって意図される横断面形状がより正確に繊維において示されるように、繊維が形成される前に、ポリマーを約0.3cm未満、一般的には0.15cm未満に互いに接触させる(プレ融合)ことも好ましい。繊維横断面のより正確な画定もまた、米国特許第5,168,143号に記載されているように、プレートを通って孔をくり抜くことによって助けることができ、その特許では、固体状態レーザーからの多モード光が主として単一モード光(例えばTM00モード)に減らされて金属シートの上方0.2から0.3mmの直径100ミクロン未満のスポットに焦点を合わされる。得られた溶融金属は、レーザー光と同軸方向に流れる圧縮流体によって金属シートのより低い表面から追い出される。最も上の分配プレートのトップから紡糸口金面までの距離は、約0.30cm未満に減らすことができる。
【0052】
任意の数の対称的に置かれた翼ポリマー部分を有するフィラメントを製造するために、同数の対称的に配置されたオリフィスが、プレートのそれぞれにおいて使用される。例えば図6Aにおいて、紡糸口金プレートAは、図5の積重ねプレート紡糸口金アセンブリに対して90°方向の平面図で示される。図6AのプレートAは、中央の丸い紡糸口金孔142に連結された、6つの対称的に配置された翼紡糸口金オリフィス140から成る。翼オリフィス140のそれぞれは、異なる幅144と146とを有することができる。開口部152から、中央の丸い孔156に分配オリフィスを連結する任意スロット154へ先細りする分配オリフィス150を有する相補的分配プレートBが、図6Bに示される。翼ポリマー用の計量毛細管160とコアポリマー用の中央計量毛細管162とを持った計量プレートCが、図6Cに示される。ポリマー溶融物プールプレートDは、当該技術において任意の従来のデザインものであることができる。紡糸口金支持プレートEは、図5および6の側面図に示されるように、フィラメントが孔の側面に触れないように、十分に大きい、新たに紡糸されるフィラメントの進路から離れてフレア化された(例えば45−60℃で)直通の孔を有する。積重ね紡糸口金プレートアセンブリ(プレートAからD)は、コアポリマーが、ポリマー溶融物プールプレートDから、計量プレートCの中央の計量孔162を通り、6つの小さな毛細管164を通り、分配プレートBの中央の円形毛細管156を通り、紡糸口金アセンブリプレートAの中央の円形毛細管142を通り、そして紡糸口金支持プレートEの大きなフレア化された孔を通って流れ出るように整列される。同時に、翼ポリマーは、ポリマー溶融物プールプレートDから、計量プレートCの軸ポリマー計量毛細管160を通り、分配プレートBの分配オリフィス150を通り(その中で、任意スロット154が存在する場合には、2つのポリマーは先ず互いに接触する)、紡糸口金プレートAの翼ポリマーオリフィス140を通り、そして最後に紡糸口金アセンブリ支持プレートEの孔を通って流れ出る。
【0053】
本発明の紡糸口金パックは、複数の合成ポリマーの溶融押出しに使用して繊維を生産することができる。本発明の紡糸口金パックでは、紡糸口金プレートは実質的なカウンタボアを持たないので、ポリマーを直接紡糸口金毛細管中に供給することができる。実質的なカウンタボアなしとは、存在する任意のカウンタボア(複数の毛細管の入口を連結する任意のくぼみを含めて)の長さが、紡糸口金毛細管の長さの約60%未満、好ましくは約40%未満であることを意味する。多成分ポリマー流れを直接計量して紡糸口金プレートの繊維形成オリフィスの裏入口で特定ポイント中へ入れることは、標準であるように、多ポリマー流れを紡糸口金オリフィスの実質的に前の供給チャネル中で混ぜ合わせる場合、ポリマー移行における問題を排除する。
【0054】
溝を連結するための、プレートを貫いた適切な孔を持った単一プレートの1面または両面上で、くぼんだ溝の使用によって2つのプレートの機能を1つに合体させることは有用でありうる。例えば、くぼみ、溝および陥没は、紡糸口金プレートの上流側においてくり抜かれることができ(例えば放電加工によって)、分配チャネルまたは浅くて脆いカウンタボアとして機能することができる。
【0055】
本発明の紡糸口金パックを使って、2つ以上のポリマーを含むいろいろな繊維を製造することができる。例えば、本明細書において開示されないおよび/または特許請求されない他の二成分繊維および複合繊維を、米国特許第4,861,660号、同第3,458,390号、および同第3,671,379号に開示されている横断面をはじめとして、そのように製造することができる。得られた繊維横断面は、例えば共存して、偏心シース−コア、同心シース−コア、翼−コア、翼−シース−コアなどでありうる。さらに、本発明の紡糸口金パックは、スプリットできるまたはスプリットできない繊維を紡糸するために使用することができる。
【0056】
図7に、図5に示されるような紡糸口金アセンブリ積重ねプレートの側面図が表され、そこではポリマー流れは矢印の方向である。このアセンブリの使用は、下の実施例6において例示されている。紡糸口金アセンブリの第1プレートは、ポリマー溶融物プールを含有するプレートDである。このプレートは、当該技術において知られている従来のデザインのものであり、それぞれ、非弾性翼およびシースポリマーと弾性ポリマーとの導入用の通路20と22とを含有する。プレートDは計量プレートHの上に載っており、プレートHは順に分配プレートGの上に載っており、プレートGは紡糸口金プレートFの上に載っており、プレートFはプレートCの上に載っており、プレートCはプレートBの上に載っており、プレートBは紡糸口金またはプレートAの上に載っており、プレートAは紡糸口金アセンブリ支持プレートEによって支持されている。ポリマー溶融物プールプレートDおよび紡糸口金アセンブリ支持プレートEは、十分に厚くて堅く、互いの方向に強く押しつけられ、こうして、ポリマーが紡糸口金アセンブリの積重ねプレートの間から漏洩するのを防ぐ。すべての他のプレートは、レーザー光加工方法を用いてオリフィスをくり抜くことができるほど十分に薄い。図7A−7Cおよび図7F−7Hは、図5の断面図によって表される、本発明のある種の繊維を製造する際に有用な代替積重ねプレート紡糸口金アセンブリの平面図を表す。弾性コアポリマーと非弾性翼およびシースポリマーとは、図6の側面図に例示された同じ一般タイプのプレ融合紡糸口金プレートパックアセンブリを用いて、図7A−7Cおよび図7F−7Hで接合される。この代替積重ねプレート紡糸口金アセンブリでは、紡糸口金アセンブリ支持プレートE、紡糸口金プレートA、およびポリマー溶融物プールプレートDは使用されるが、5つのプレートが分配プレートBおよび計量プレートCに置き換わる。図7Aに示される紡糸口金プレートAを貫いて、翼オリフィス210と、中央のコアポリマーおよびシースポリマー孔214と、連結スロット212とがくり抜かれる。図7Bに示されるように、プレートBは、翼オリフィス220と紡糸口金プレートAの上方の中心に置かれた中央のコアポリマーおよびシースポリマー孔222とでくり抜かれる。図7Cに示されるように、それを通って円錐−形状の翼およびシースポリマーオリフィス230と、中央のコアポリマーおよびシースポリマー孔232とがくり抜かれたプレートCがプレートBの上方の中心に置かれる。プレートの環形状の部分234はプレートに連結されたままである。図7Fに示されるように、翼オリフィス240と中央のコアポリマーおよびシースポリマー孔242とでくり抜かれたプレートFがプレートCの上方の中心に置かれる。図7Gに示されるように、翼オリフィス250と、円錐−形状の翼ポリマーおよびシースポリマーオリフィス252と、中央のコアポリマー孔254とでくり抜かれたプレートGがプレートFの上方の中心に置かれる。図7Hに示されるように、それを通って翼ポリマーオリフィス260と、翼ポリマーおよびシースポリマーオリフィス262と、中央のコアポリマー孔264とがくり抜かれたプレートHがプレートGの上方の中心に置かれる。
【0057】
本発明は、次の非限定的な実施例によって例示される。次の試験方法が実施例において使用された。
【0058】
(試験方法)
用語「ボイルオフ後伸張」は、当該技術においては次の用語、「%伸張」、「回復可能伸張」、「回復可能収縮」および「捲縮ポテンシャル」と互換性をもって使用される。用語「回復不能収縮」は、次の用語、「%収縮」、「見かけ収縮」および「絶対収縮」と互換性をもって使用される。
【0059】
実施例で調製された繊維の伸張特性(ボイルオフ後伸張、ボイルオフ後収縮およびボイルオフ後伸張回復)を次の通りに測定した。5000デニール(5550デシテックス)かせを54インチ(137cm)リールに巻き付けた。ループにしたかせの両側は総デニールに含めた。2グラムおもりを付けた初期のかせ長さ(長さCB)と1000グラムおもり(0.2g/デニール)を付けた同長さ(長さLB)とを測定した。かせを95℃の水中で30分間曝し(「ボイルオフ」)、2グラムおもりを付けた初期の(ボイルオフ後)長さ(長さCA初期)と1000グラムおもりを付けた同長さ(長さLA初期)とを測定した。1000グラムおもりを付けた測定の後、追加の長さを、30秒後(長さCA30 )および2時間後(長さCA 時間)に2グラムおもりを付けて測定した。ボイルオフ後の収縮を100×(LB−LA)/LBとして計算した。ボイルオフ後パーセント伸張を100×(LA−CA30 )/CA30 として計算した。ボイルオフ後伸張回復を100×(LA−CA 時間)/(LA−CA初期)として計算した。
【0060】
20%および35%有効伸張での無負荷力についての試験を、次の通りに実施した。ボイルオフ後5000(5550デシテックス)の総デニールを有する二成分繊維かせを調製した。ループにしたかせの両側は総デニールの中に含めた。Instron引張試験機(Canton,MA)を21℃および65%相対湿度で使用した。かせを、その間に3インチ(76mm)のギャップがある試験機ジョーの中に置いた。試験機を3回の伸張−弛緩(負荷−無負荷)サイクルでサイクルさせ、各負荷サイクルは500グラム力(デニール当たり0.2グラム)の最大値を有し、そして次に第3番目の無負荷サイクルで力を測定した。有効デニール(すなわち、試験伸長での実際の線密度)を、第3番目の無負荷サイクルで20%および35%有効伸張について測定した。「20%および35%有効伸張」は、かせが、第3番目のサイクルで500グラム力から、それぞれ、20%および35%弛緩されたことを意味する。20%および35%有効伸張での無負荷力を、有効デニール当たりのミリグラム(mg/デニール)単位で記録した。
【0061】
先ず5000デニール(5550デシテックス)かせ(かせサイズは得られたループの両側を含んだ)を1.25メートルリールに巻き付けることによって、繊維の翼のコアからの剥離を測定した。オートクレーブ中で30分間、かせを102℃スチームに曝した。20cm長さの個々の繊維をかせから選択し、1回半分に折った。得られたループの開放端をボトムで一緒にテープでくっつけ、テープでくっつけたループをフックに垂直に掛けた。デニール当たり1グラムのおもり(25デニールループについて50グラム)を、ループの(テープでくっつけた)ボトム端に取り付けた。ループがたるむポイントまでそのおもりを持ち上げ、次に穏やかに下げて、ループを伸張させて全重量をかけた。かかるサイクル10回の後に拡大下における剥離についてループを検査し格付けした。3試料を次の通りに格付けした。
0=繊維に沿って目に見える翼/コア剥離なし
1=1つまたは複数のノード反転で観察されるわずかな剥離
2=繊維が掛かっていたフックに繊維がこすられた箇所に観察される剥離
3=周縁の剥離(小さなループにおいて、2,3のスポットにおいてのみ)
4=全繊維に沿って剥離を示す小さなループ
5=著しい剥離(繊維に沿って大きなループ全て)
3試料からの結果を平均した。
【0062】
1つの円(R)がコアポリマーの近似最外区域に外接し、他の円(R)が翼ポリマーの近似最内区域に内接するように、繊維の横断面の顕微鏡写真に2つの円を重ねることによって、RおよびRを測定した。
【0063】
(実施例1.A)
図5に例示したような装置を使用して、図1に示したように実質的に対称な6翼横断面を有する本発明の二成分繊維を紡糸した。紡糸口金プレート35と265℃の紡糸口金温度とを用いて、単繊維40を紡糸した。図5の20で、従来通りに調製した、約45−60の相対粘度を有する溶融ナイロンポリマーを、紡糸パックアセンブリ30に導入した。二成分フィラメントの翼部分を形成するナイロンポリマーは、ヘキサメチレン部分が80モル%で存在するポリ(ヘキサメチレン−co−2−メチルペンタメチレンアジパミド)(6/MPMD(80/20)−6)であり、それに全翼ポリマーを基準にして5重量%のナイロン12(ポリ(12−ドデカノラクタム))(「12」または「N12」としても知られている)(AtofinaからのRilsan(登録商標)「AMNO」)が添加していた。翼−コア接合を助けるためにナイロン12を添加した。翼部分は繊維の45重量%であった。繊維のコアを形成する第2のポリマーを、図5の紡糸パックアセンブリ30に22で導入した。コアポリマーは弾性セグメント化ポリエーテルエステルアミド(AtofinaからのPEBAXTM3533SN、屈曲弾性率2800psi(19,300キロパスカル))であり、二成分繊維の55重量%であるコアを作り出すために容積測定により計量した。
【0064】
プレ融合紡糸口金パックアセンブリ30は、図6でAからEと標識した積重ねプレートから構成された。米国特許第5,168,143号に記載された方法を用いて、対称の中心周りに、60度で対称的に配置された6つの翼として、厚さ0.015インチ(0.038cm)のステンレススチール紡糸口金プレートAを通してオリフィスを切り抜いた。図6Aに例示するように、各翼オリフィス140は、対称の中心を通る長軸中心線に垂直であり、先端から、対称の中心と同じ半径の原点を持った中央の丸い紡糸口金孔142(直径0.012インチ[0.030cm])の円周までの長さは0.049インチ(0.124cm)であった。紡糸口金毛細管の入口にはカウンタボアはなかった。先端から0.027インチ(0.069cm)の翼長さ144は幅0.0042インチ(0.0107cm)であり、0.022インチ(0.056cm)の残りの長さ146は幅0.0032インチ(0.0081cm)であった。各翼の先端を先端の幅の半分でラジアス−カットした。厚さ0.015インチ(0.038cm)の分配プレートBを、その分配オリフィスが紡糸口金プレートAの紡糸口金オリフィスに適合するように、紡糸口金プレートAと整列させた。プレートBの6翼オリフィスは、長さ0.094インチ(0.239cm)、幅0.020インチ(0.051cm)であり、それらの翼先端をそれらの幅の半分の半径に丸くした。図6Bに例示するように、分配プレートBの6翼オリフィス150のそれぞれは、丸い(直径0.006インチ[0.015cm])開口端156まで先細になり、次に長さ0.013インチ(0.033cm)の、中央の孔156までの長さ0.0018インチ(0.0046cm)のスロットとして延びていた。このプレートの中央の孔156は、直径0.0125インチ(0.032cm)であった。スロット154は、中央の孔を各翼分配オリフィスの端と連結した。計量プレートCは厚さ0.010インチ(0.025cm)であった(図6C参照)。翼長軸中心線の上方または分配プレートBの対称中心の上方の中心に計量孔のそれぞれを置いた。中央の計量孔152および翼当たり1つの孔160は直径0.010インチ(0.025cm)であり、孔160の中心は孔162の中心から0.120インチ(0.305cm)であった。従来の溶融プールプレートD(図6参照)から濾過した溶融弾性ポリマーを中央の計量孔に供給して、最終繊維内のコア要素を形成した。溶融プールプレートDから非弾性ポリマーをプレートCの6つの外側計量孔に供給して、ポリマー翼にした。紡糸口金支持プレートEの大きな孔(典型的に直径0.1875インチ(0.4763cm))(再び図6参照)を、紡糸口金プレートAの紡糸口金オリフィスと整列させ、45℃でフレア化した。紡糸口金プレートA、分配プレートB、および計量プレートCを、溶融物プールプレートDと紡糸口金支持プレートEとの間に挟んだ。典型的に、プレートEは厚さ0.2−0.5インチ(0.4−1.3cm)であり、プレートDは厚さ0.02−0.03インチ(0.05−0.08cm)であった。
【0065】
新たに紡糸した単繊維40(図5参照)を空気の流れ50で冷却して固化させ、シリコーン油とステアリン酸金属とを含む仕上げ剤(繊維を基準にして約5重量%)を60で塗布した。繊維を供給ロール80と延伸ロール90との間の延伸ゾーンへ送り出し、各ロールの回りに数回巻き付けた。4倍の延伸率のために延伸ロール90の速度は供給ロール80のそれの4倍であり、供給ロールの速度は毎分350メートルであった。繊維を次に、室110中で平方インチ当たり6ポンド(0.87キロパスカル)のスチームで処理し、最終繊維における収縮を減少させるために繊維を部分的に(20%)弛緩させるように、巻取機130を延伸ロール90のそれよりも20%低い速度で運転した。延伸させ部分的に弛緩させた繊維120は、巻取機130で巻き取られ、27デニール(30デシテックス)の線密度を有した。
【0066】
(実施例1.B)
それぞれがナイロン6−12(ポリ(ヘキサメチレンドデカンアミド))、(固有粘度1.18)、Zytel(登録商標)158、E.I.du Pont de Nemours and Companyの登録商標、屈曲弾性率295,000psi(2,000,000キロパスカル)の6つの放射状に対称な翼とPEBAXTM3533SAのコアとを持った10の繊維を有する本発明の二成分糸を、紡糸口金温度が240℃であり、分配プレートBがスロット154を持たず、実施例1.Aにおいて塗布した仕上げ剤の代わりに4重量%のポリエーテルエステル系仕上げ剤を塗布し、延伸率が3.75倍であり、糸を15%弛緩したことを除いては、実施例1.Aにおけるのと実質的に同じ方法で、図5の装置を用いて紡糸した。延伸させ部分的に弛緩させた糸は、80デニール(88デシテックス)の線密度を有した。得られた繊維の横断面の顕微鏡写真を図8に示す。
【0067】
(実施例1.C)
各フィラメント上にポリ(ブチレンテレフタレート)(4G−T)(Crastin(登録商標)タイプ6129、E.I.du Pont de Nemours and Companyの登録商標、350,000psi屈曲弾性率(2,400,000キロパスカル))の5つの放射状に対称な翼を持ち、HYTREL(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours & Company,Inc.の登録商標)3078弾性ポリエーテルエステルコアを有する10のフィラメントから成る本発明の二成分糸を、各プレートが72°離れて対称的に配置された翼ポリマー供給用の5つの孔を有し、計量プレートCが翼の中心線上に翼当たり1つの追加セットの孔を有し、4G−T翼が接合添加物を有さず、実施例1.Aで塗布した仕上げ剤の代わりに米国特許第4,999,120号に記載されたようなポリシロキサンを含む4重量%の仕上げ剤を使用し、供給ロール速度が毎分250メートルであり、延伸率が3.6倍であり、そして弛緩のためのスチーム圧が平方インチ当たり20ポンド(2.9キロパスカル)であったことを除いては、実施例1.Aのものと同様に調製した。延伸させ部分的に弛緩させた糸は、150デニール(165デシテックス)の線密度を有した。
【0068】
計量プレートC上の、翼の中心線上の翼当たり1つの追加セットの孔に関しては、各孔は直径0.005インチ(0.013cm)であり、孔の対称中心から0.0475インチ(0.121cm)であった。しかしながら、追加の孔には、溶融物プールプレートDによって溶融ポリマーを供給しなかった。
【0069】
実施例1.A−Cで調製した糸を、ボイルオフ後伸張、ボイルオフ後収縮、およびボイルオフ後伸張回復について比較した。先ず54インチ(137cm)リールに巻き取られた5000デニール(5550デシテックス)の糸かせを調製することによって、試験を実施した。ループ状にしたかせの両側は総デニールに含めた。軽いおよび重いおもりを付けた初期のかせ長さを測定し、次の測定値を記録した。
CB=2グラムおもりを付けて測定したかせ長さ
LB=1000グラムおもり(デニール当たり0.2グラム)を付けて測定したかせ長さ
【0070】
かせを95℃水中で30分間浸漬させる熱水処理または「ボイルオフ」後に、次の初期のおよび最終の長さを測定した。
CA(初期)=処理後に2グラムおもりを付けて測定したかせ長さ
LA=処理後に1000グラムおもりをかけて(デニール当たり0.2グラム)測定したかせ長さ
CA(30秒)=LA測定の30秒後に1000グラムおもりを取り除いて2グラムおもりをかけて測定したかせ長さ
CA(2時間)=LA測定の2時間後に2グラムおもりをかけて測定したかさ長さ
【0071】
これらの測定値を使用して糸特性値を次の通り計算した。
ボイルオフ後パーセント伸張=100×(LA−CA(30秒))/CA(30秒)
ボイルオフ収縮=100×(LB−LA)/LB
ボイルオフ後パーセント回復=100×(LA−CA(2時間))/(LA−CA(初期)
【0072】
実施例1.A−1.Cの糸について表1に報告するボイルオフ収縮、ボイルオフ後パーセント伸張および伸張回復の糸特性値は、靴下およびアパレル用途にとって好適である。
【0073】
【表1】
Figure 2004518828
【0074】
(実施例2)
シアー靴下レッグブランク(sheer hosiery leg blank)を、実施例1.Aで調製した4つの繊維を用いて編んだ。市販の4−フィード靴下編機(Lanoti Model 400、402針)を使用した。市販のパンティストッキングに典型的である、典型的な4−フィード、全コースジャージーレッグ構造に繊維を編んだ。フィラメントは、巻取リパッケージから直接編まれ、「硬質」糸のように、すなわち、弾性特性なしに挙動した。4つのフィラメントを独立して、そのそれぞれが非弾性糸を靴下編機に供給するために典型的に使用される従来のダンサーリングテンショナーを有する、標準クリールガイドを通して直接機械針に供給した。靴下ブランクを、もも部では700rpmで、足首では800rpmで編んだ。標準のナイロンスパンデックスパンティ形式のパンティ部分を含めて、各ブランクを約2分間で編んだ。
【0075】
靴下ブランクのグリージ(griege)サイズを従来の方法によって調整して、標準サイズ規格に合わせた。次に、生機(greige)靴下レッグブランクを熱処理して、二成分繊維に特有の潜在的伸張を活性化させた。これは、2つの方法のうち1つで行った。1つの方法では、生機パンティストッキングブランクを布袋に入れ、室温で水浴中にかき混ぜた。かき混ぜながら、浴温を45分間にわたってスチームで85℃に上げ、次に室温の水で冷却した。遠心器で袋入りのブランクを脱水し、オーブン中100℃で乾燥した。別の方法では、大気圧スチームを用いて30分間混転スチーミングすることによって、ブランクを収縮させた。いずれの場合においても、本発明の繊維は、高度に伸張可能になったが、弛緩熱処理によって嵩高くはならなかった。次に、ブランクを袋から取り出し、従来の方法でパンティストッキングへ縫い付けた。その衣料品を次に再び袋に入れ、ナイロン靴下にとって標準的な酸性染料手順を用いて、99℃の最高染浴温度で染色した。染色した衣料品を脱水し、乾燥し、標準4インチ(10.2cm)ベース幅の靴下ボード上に載せた。ボーディング(boarding)オートクレーブをセットして、靴下を102℃で4秒間処理し、引き続いて30秒間99℃で乾燥した。布をしわなし状態に保持する一方で、パンティストッキングができるだけ小さいままであるように、パンティストッキングをボード上に置いた。完成衣料品の外観は、シアー靴下用途にとって好適であり、それらは良好な伸張および回復を示した。仕上げの各段階でのそれらの収縮を下に記載するように測定し、完成商品のサイジングの大きさおよび一貫性は、靴下製品の商業生産には好適であることを見出した。
【0076】
収縮と典型的なサイズ標準に合うポテンシャルとを評価するために、クロス−伸張測定値を、生機布について、かつ再び10分間の熱水処理(ボイルオフ)後にとった。クロス−伸張測定は、Dinema S.R.L.機器のジョーの上に各ブランクをすべらせ、ジョーを引き離し、ジョーにかかる力が4500グラムに達した時にパーセント伸張を測定することによって行った。二股下3インチ(7.6cm)(「もも」)、トウと二股との間の中間距離(「ひざ」)、およびトウから約3.5インチ(8.9cm)上(「足」)で測定値をとった。レッグ引張伸張は、各ブランクを機器のジョーの間に長さ方向に圧締めしたことを除いては同様に測定した。伸張値は、ももについては22%、ひざについては21%、足については17%、レッグ引張については138%であった。生機からボイルオフまでの寸法のおよそ17−24%の収縮レベルは、もも、ひざ、足、およびレッグ引張について測定され、さらにボーディングおよび染色後に殆ど変化せず、商業利用に必要とされるように、ブランクが寸法的に安定であることを示した。
【0077】
(実施例3)
実施例1.Bからの糸を使用して、有ひ織機で、インチ当たり102(40/cm)末端を持ったたて糸にTACTEL(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours and Companyの登録商標)70デニール(78デシテックス)6−6ナイロンを使って「千鳥綾」構造によこ糸−伸張織布を構築した。実施例1.Bの80デニール(89デシテックス)10フィラメント二成分糸がインチ当たり100よこ糸(39/cm)でのよこ糸繊維であった。生機織布幅は62.5インチ(159cm)であった。この布は、71℃での弛緩状態磨き洗浄(scour)、引き続く118℃での第2弛緩磨き洗浄を用いて仕上げた。乾燥後、この布は36インチ(91cm)の弛緩幅を有した。この布を、ナイロン用の標準酸性染料を使って100℃で染色した。染色後の湿潤幅は33インチ(84cm)であった。最後に、この布をヒートセットなしに空気乾燥した。最終幅は33.25インチ(84cm)であった。この布は、空気乾燥のみの後では嵩高くなく、滑らかで、しわがなかった。布は良好な伸張および回復と、優れた硬い繊維手触りおよび美観とを示した。弛緩された仕上げ状態で、この布は次の特性を有した。
坪量;4.45オンス/ヤード(151グラム/m)、
厚さ:0.0103インチ(0.0262cm)、
よこ糸番手:インチ当たり112よこ糸(44/cm)、
たて糸番手:インチ当たり192たて糸(76.8/cm)。
【0078】
この布の幅5cm、長さ10cmを、よこ糸のフル伸長までの手伸張について評価した。布は、その弛緩長さの65%伸張することができ、その伸張長さと弛緩長さとの間の差の95%よりも大きい手伸張後回復を示した。
【0079】
(実施例4)
実施例1.Cからの糸を使用して、有ひ織機で、インチ当たり102(40/cm)末端を持ったたて糸にdu PontのTACTEL(登録商標)70デニール(78デシテックス)6−6ナイロンを使って平織によこ糸−伸張織布を構築した。実施例1.Cの150デニール(166デシテックス)10フィラメント二成分糸は、インチ当たり50よこ糸(19.7/cm)でのよこ糸繊維であった。生機織布幅は63.5インチ(161cm)であった。この布は、82℃で20分間の弛緩状態磨き洗浄を用いて仕上げた。この布を、ナイロン用の標準酸性染料を使って100℃で60分間染色し、93℃で乾燥した。最終乾燥幅は33.5インチ(85cm)であった。この布は、嵩高くなく、滑らかで、しわがなかった。布は良好な伸張および回復と、優れた硬い繊維手触りおよび美観とを示した。弛緩された仕上げ状態で、この布は次の特性を有した。
坪量;4.5オンス/ヤード(152グラム/m)、
厚さ:0.0115インチ(0.0292cm)、
よこ糸番手:インチ当たり60よこ糸(23.6/cm)、
たて糸番手:インチ当たり204たて糸(80/cm)。
【0080】
この布の幅5cm、長さ10cmを、よこ糸のフル伸長までの手伸張について評価した。布は、その弛緩長さの72.8%伸張することができ、その伸張長さと弛緩長さとの間の差の97%よりも大きい手伸張後回復を示した。
【0081】
(実施例5)
この実施例は、本発明の繊維を製造する際に接合促進剤(実施例5B参照)を使用することの利点を例示する。図5に例示する装置と実施例1.Aについて記載したものに類似の条件および紡糸口金パックとを用いて二成分繊維を紡糸した。各延伸繊維は26デニール(28.6デシテックス)の線密度を有した。ボイルオフ後特性と剥離格付けとを表2に報告する。
【0082】
(実施例5.A)
エラストマーコアポリマーは、弾性ポリエーテルエステルアミド(AtofinaからのPEBAXTM3533SN)であり、紡糸の間ずっと容積的に計量して各繊維の51重量%であるコアを作り出した。6翼を形成するナイロンブレンドは、実施例1.Aで記載したような、ポリ(ヘキサメチレン−co−2−メチルペンタメチレンアジパミド)であった。得られた繊維の横断面の顕微鏡写真を図9に示す。
【0083】
(実施例5.B)
ヘキサメチレン部分が80モル%存在する6/MPMD(80/20)−6ポリアミド(ポリ(ヘキサメチレン−co−2−メチルペンタメチレンアジパミド))の6翼と、弾性ポリエーテルエステルアミド(PEBAXTM3533SN)のコアとを有する繊維を、翼−コア接合を助けるために実施例1.Aに記載されたような5重量%ポリ(12−ドデカノラクタム)を翼ポリマーに添加したことを除いては、実施例5.Aにおけるのと実質的に同様に紡糸した。
【0084】
先ず5000デニール(5550デシテックス)かせ(かせサイズは得られたループの両側を含んだ)を1.25メートルリールに巻き付けることによって、繊維の翼のコアからの剥離を測定した。オートクレーブ中で30分間、かせを102℃スチームに曝した。20cmの長さを有する個々の繊維をかせから選択し、半分に1回折った。得られたループの開放端をボトムで一緒にテープでくっつけ、テープでくっつけたループをフックに垂直に掛けた。デニール(0.9dN/tex)当たり1グラムのおもり(25デニール[28デシテックス]ループについて50グラム)を、ループのボトム(テープでくっつけた)端に取り付けた。ループがたるむポイントまでそのおもりを持ち上げ、次に穏やかに下げて、ループを伸張して全重量をかけた。10回のかかるサイクルの後に拡大下に剥離についてループを調べて格付けした。3試料を次の通りに格付けした。
0=繊維に沿って目に見える翼/コア剥離なし
1=1つまたは複数のノード反転で観察されるわずかな剥離
2=繊維が掛かっていたフックに繊維がこすられた箇所に観察される剥離
3=周縁の剥離(小さなループにおいて、2,3のスポットにおいてのみ)
4=全繊維に沿って剥離を示す小さなループ
5=著しい剥離(繊維に沿って大きなループ全て)
【0085】
3試料からの結果を平均し、表2に報告する。
【0086】
【表2】
Figure 2004518828
【0087】
コアと翼ポリマーとの選択したペアを用いることは、剥離に耐える繊維を与えることができ(実施例5.A)、接合促進剤を用いることは、繊維の剥離格付けを例えば約2.5の格付けより下へさらに低くする有益な効果を持つことができる(実施例5.B)ことを、これらの結果は示している。
【0088】
(実施例6)
この実施例は、特定の2翼横断面を有する本発明の繊維と、翼と同じポリマーを含み、翼を連続的に連結する薄いシースの使用とを例示する。この場合、各翼の片側(翼の端とは異なるような)がコアに接合し、翼はT−形状を有する(図4参照)。薄いシースは、コアをカプセル化し、エラストマーと表面との接触を排除する。
【0089】
この実施例において繊維を製造する際に、ポリ(ヘキサメチレンドデカンアミド)(Zytel(登録商標)158)を翼ポリマーとして使用し、米国特許第4,906,721号に記載されるように実質的に調製した、ポリ(テトラメチレン−co−2−メチルテトラメチレンエーテル)グリコール軟質セグメントとブチレンテレフタレート(4G−T)硬質セグメントとを有するポリエーテルエステルをコアとして使用した。コポリエーテルグリコールに組み入れられた3−メチルテトラヒドロフランの量は9モル%であり、グリコールの数平均MWは2750であり、4G−T対コポリエーテルグリコールのモル比は4.6:1であった。
【0090】
図7A−7Cおよび図7F−7Hに示すような構造の紡糸口金プレートを用いてポリマーを紡糸した。紡糸口金プレートA(図7A)において、シース−コア孔は0.011インチ[0.028cm]の直径を有した。第1プレートB(図7B)のコア−シース孔は0.008インチ[0.020cm]の直径を有した。第1プレートB(図7B)のコア−シース孔は、0.025インチ[0.064cm]の直径を有し、このプレートの環は0.100インチ[0.254cm]の外径を有した。第3プレートF(図7F)のコア−シース孔は0.125インチ[0.318cm]の直径を有した。第4プレートG(図7G)の中央コア孔は0.025インチ[0.064cm]の直径を有し、このプレートの環は0.100インチ[0.254cm]の外径を有した。第5プレートH(図7H)の中央コア孔は0.033インチ[0.084cm]の直径を有した。
【0091】
中央の孔および環帯は、ポリマー流れが次の通りであるような寸法のものであった。コアポリマーはプレートのそれぞれの中央コア孔を通って真っ直ぐに供給された。翼−シースポリマーは、プレートBの翼オリフィスと中央の孔の外側部分とによって、それぞれ、紡糸口金プレートAの翼オリフィスとコア孔の外側部分とに供給された。翼とコアとの間の最初の接触は、従って、紡糸口金プレートAにおいてであった。プレートCの円錐形状の翼−シースオリフィスは、ポリマーの一部を下向きにプレートBの翼オリフィスの中へ供給し、ポリマーの一部を上向きにプレートFの中央の孔の外縁へ供給し、こうしてシースの一部分を形成した。プレートCの円錐形状の翼−シースオリフィスは、プレートFのオリフィスによって供給された。プレートFのオリフィスは、プレートGのオリフィスによって供給された。プレートGの円錐形状のオリフィスは、プレートFの中央の孔の外縁に供給し、こうしてシースの他の部分を形成した。シースとコアとの間の最初の接触は、従って、プレートFにおいてであった。プレートHのオリフィスは、それぞれ、プレートGのオリフィスに供給した。
【0092】
本実施例で製造した繊維において、翼対コアの重量比は56/44であり、シースは全翼含量の約10重量%であった。このパーセントは約2から約20重量%まで変わることができる。10フィラメントを紡糸し、弛緩なしに3.6倍延伸し、毎分900メートルで巻き取った。大気圧スチームに弛緩暴露すると、繊維は直ちに収縮し、その後良好な伸張と回復とを示した。
【0093】
(実施例7)
本実施例は、本発明の繊維に望まれる伸張と回復とを達成するのに完全に円周らせん状ねじれは不必要であることを示す。
【0094】
実施例1.Cにおいて使用した翼およびコアポリマーを、次の相違点を持って、実施例1.Aで使用したものと同様な紡糸口金パックによって紡糸した。紡糸口金プレートAの翼オリフィスは0.023インチ(0.058cm)の長さを有し、中央の丸孔は0.008インチ(0.200cm)の直径を有した;分配プレートBはスロット154(図6B参照)を欠いていた;10の繊維を紡糸して糸を形成し、各繊維は33重量%翼ポリマーであった;糸を弛緩なしで3.3倍延伸し1040メートル/分で巻き取った。図8および9は、糸中の得られた繊維の顕微鏡写真であり、翼の円周らせん状ねじれと非円周らせん状ねじれとの両方を示している。円周ねじれ区分および非円周ねじれ区分は、完全な弛緩に対して同様な反応を有した:大気圧スチームに曝された10cm長さは4.8cmへ収縮した。繰り返し伸張−弛緩サイクル(10cmへ)は6.5cmの長さをもたらしたが、それは大気圧スチームへの新たな暴露で再び4.8cmに収縮し、可逆的セットを示した。
【0095】
本発明は、その詳細な説明に関係して記載されてきたが、上記の説明は、事実上模範的、説明的なものであり、本発明とその好ましい実施形態とを例示するよう意図されていることが理解されるべきである。型どおりの実験によって、職人は、本発明の精神から逸脱することなく為されるかもしれない明らかな修正および変更を認めるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の6翼繊維の横断側面図である。
【図2】図2Aおよび図2Bはそれぞれらせん状ねじれがほぼ完全に円周である本発明の繊維(2A)およびらせん状ねじれがほぼ完全に非円周である本発明の繊維(2B)を示す。
【図3】繊維がわずかにたるんでいる本発明の繊維を示す。
【図4】本発明によるコアの周りと翼の間とに薄いシースを有する特殊対称2翼繊維の横断面形状図である。
【図5】本発明の繊維を製造するのに有用な装置のプロセス略図である。
【図6】本発明の繊維を製造するために使用することができる、積重ねプレート紡糸口金アセンブリの側面図である。
【図6A】図6にある線6A−6Aで切り取られた積重ねプレート紡糸口金アセンブリに対して90°でのオリフィスプレートAの平面図である。
【図6B】図6にある線6B−6Bで切り取られた積重ねプレート紡糸口金アセンブリに対して90°でのオリフィスプレートBの平面図である。
【図6C】図6にある線6C−6Cで切り取られた積重ねプレート紡糸口金アセンブリに対して90°でのオリフィスプレートCの平面図である。
【図7】本発明の別の実施形態に従ってある種の繊維を製造するために使用することができる積重ねプレート紡糸口金アセンブリの側面図である。
【図7A】図7にある線7A−7Aで切り取られた積重ねプレート紡糸口金アセンブリに対して90°でのオリフィスプレートAの平面図である。
【図7B】図7にある線7B−7Bで切り取られた積重ねプレート紡糸口金アセンブリに対して90°でのオリフィスプレートBの平面図である。
【図7C】図7にある線7C−7Cで切り取られた積重ねプレート紡糸口金アセンブリに対して90°でのオリフィスプレートCの平面図である。
【図7F】図7にある線7F−7Fで切り取られた積重ねプレート紡糸口金アセンブリに対して90°でのオリフィスプレートFの平面図である。
【図7G】図7にある線7G−7Gで切り取られた積重ねプレート紡糸口金アセンブリに対して90°でのオリフィスプレートGの平面図である。
【図7H】図7にある線7H−7Hで切り取られた積重ねプレート紡糸口金アセンブリに対して90°でのオリフィスプレートHの平面図である。
【図8】実施例7で例示されるような本発明の繊維の横断側面図である。
【図9】実施例7で例示されるような本発明の6翼繊維の横断側面図である。

Claims (18)

  1. 伸張可能な合成ポリマー繊維であって、実質的に放射状に対称な横断面を有し、かつ、熱可塑性の弾性ポリマーを含む軸コアと、該コアに接合している少なくとも1つの熱可塑性の非弾性ポリマーを含む複数の翼とを含むことを特徴とする繊維。
  2. 3から8の翼を含み、少なくとも約20%のボイルオフ後伸張を有し、前記繊維を実質的に整直するために約10%未満の伸張を必要とし、実質的に円形のコア横断面を有する繊維であって、かつ、非弾性翼ポリマー対弾性コアポリマーとの重量比が約10/90から約70/30の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の繊維。
  3. 前記非弾性ポリマーが、非弾性ポリアミド、ポリオレフィンおよびポリエステルから成る群から選択され、かつ、前記弾性ポリマーが、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステルアミドエラストマーおよび熱可塑性ポリエーテルエステルアミドエラストマーから成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の繊維。
  4. 前記非弾性ポリマーが、a)ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)およびそれと2−メチルペンタメチレンジアミンとのコポリマーならびにb)ポリカプロラクタムから成る群から選択され、かつ、前記弾性ポリマーが、ポリエーテルアミドであることを特徴とする請求項1に記載の繊維。
  5. 前記非弾性ポリマーが、ポリ(エチレンテレフタレート)およびそれのコポリマー、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ならびにポリ(テトラメチレンテレフタレート)から成る群から選択され、かつ、前記弾性ポリマーが、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールまたはポリ(テトラメチレン−co−2−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールと、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルと、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールから成る群から選択されるジオールとの反応生成物から成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の繊維。
  6. 前記コアがその外面上で、前記翼が該コアに接触するポイントの間に非弾性ポリマーのシースを含むことを特徴とする請求項1に記載の繊維。
  7. 前記翼の前記コアへの接合を改善するために該翼の前記非弾性ポリマーに添加される添加物をさらに含む繊維であって、約2.5より低い剥離格付けを有することを特徴とする請求項1に記載の繊維。
  8. 前記非弾性ポリマーが(a)ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)およびそれと2−メチルペンタメチレンジアミンとのコポリマーならびに(b)ポリカプロラクタムから成る群から選択され、かつ、前記弾性ポリマーがポリエーテルエステルアミドであることを特徴とする請求項7に記載の繊維。
  9. 少なくとも約35%のボイルオフ後収縮を有する伸張可能な合成ポリマー繊維であって、該繊維を実質的に整直するために約10%未満の伸張を必要とすることを特徴とする繊維。
  10. 弾性ポリマーを含む軸コアと、該コアに接合している非弾性ポリマーを含む複数の翼とを含む伸張可能な合成ポリマー繊維であって、該コアがその外面上で、該翼が該コアと接触するポイントの間に非弾性ポリマーのシースを含むことを特徴とする繊維。
  11. 弾性ポリマーを含む軸コアと、該コアに接合している非弾性ポリマーを含む複数の翼とを含む伸張可能な合成ポリマー繊維であって、該コアが実質的に円形のまたは正多面体の横断面を有することを特徴とする繊維。
  12. 弾性ポリマーを含む軸コアと、該コアに接合している非弾性ポリマーを含む複数の翼とを含む伸張可能な合成ポリマー繊維であって、該翼の少なくとも1つがT、C、またはS形状を有することを特徴とする繊維。
  13. 請求項1、9、10、11または12のいずれか1項に記載の繊維を含むことを特徴とする衣料品。
  14. 連続ポリマー繊維を紡糸するための溶融紡糸方法であって、
    少なくとも1つの熱可塑性の非弾性ポリマーを含む溶融物と、熱可塑性の弾性ポリマーを含む溶融物とを紡糸口金に通過させて、実質的に放射状に対称な横断面を有し、かつ、弾性ポリマーを含む軸コアと、該コアに接合している前記非弾性ポリマーを含む複数の翼とを含む複数の伸張可能な合成ポリマー繊維を形成する工程と、繊維が前記紡糸口金の毛細管を出た後でそれらを急冷して該繊維を冷却する工程と、該繊維を集める工程とを含むことを特徴とする方法。
  15. 急冷後に、少なくとも約20%のボイルオフ後伸張を示すように、前記繊維を熱弛緩する追加の工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記熱弛緩が、乾燥空気、熱水または過圧スチームの熱媒体によって、該熱媒体が前記乾燥空気である場合には約80℃から約120℃、該熱媒体が前記熱水である場合には約75℃から約100℃、該熱媒体が前記過圧スチームである場合には約101℃から約115℃の範囲の温度で実施されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 急冷後に、前記繊維が少なくとも約20%のボイルオフ後伸張を示すように、該繊維を延伸する追加の工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  18. 急冷後に、弛緩前の前記繊維長さを基準にして約1−35%の範囲で前記繊維を弛緩する追加の工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
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