JPS6339318Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、小梁相当位置で互いに分離した複数
個のスラブ底型枠と、根太、大引、左右一対のト
ラス体、両トラス体間に正面視Ｘ字形状に張設し
たブレース等で枠組された支保装置とを一体化し
てなるスラブ用大型型枠の改良に関する。この種
のスラブ用大型型枠は、スラブ底型枠と支保装置
とが一体化されており、型枠工事の簡略化、工期
の短縮等に非常に有効である。

しかし、従来では、スラブ用大型型枠を、クレ
ーン等で吊り上げて、柱の間から所定の位置に挿
入したり、脱型後、柱の間から外方へ引き出した
りする必要上、大型型枠の左右幅を柱の間隔より
も狭く設定していたので、柱の内側に当該大型型
枠のスラブ底型枠ではカバーできない隙間が生
じ、この隙間部分に、別途、巾狭のスラブ底型枠
をセツトしてコンクリート打設を行なつていた。

このため、大型型枠を使用しているにも拘ら
ず、前記隙間部分を閉塞する巾狭のスラブ底型枠
や、それを支保する多数の根太、大引、パイプサ
ポート等を必要とし、それらのための人工数、作
業時間もかなり必要で、スラブ用大型型枠本来の
長所を十分に活かすことができなかつた。

本考案は、この点で改良されたスラブ用大型型
枠を提供するものであり、冒頭に記したスラブ用
大型型枠における前記各スラブ底型枠の左右両側
方に、前記支保装置により前後方向の支軸周りで
揺動自在に枢支された巾狭のスラブ底用補助型枠
を設け、各補助型枠とそれに対応するトラス体の
下弦材との間に、正面視において上端側ほど外側
に位置するように傾斜し、側面視において略Ｖ字
形状を呈する２本のターンバツクル機構付き方杖
を、各方杖の上端部が前記補助型枠に回動自在に
枢支され、下端部が前記下弦材に固着した受け金
具に対して係脱自在に係合した状態に設けたこと
を特徴としている。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第４図は本考案に係るスラブ用大型
型枠を示す。１…はプレキヤストコンクリート製
小梁２に相当する位置で互いに分離した合板等よ
りなる複数個のスラブ底型枠、３はプレキヤスト
コンクリート製大梁４に相当する位置で前記スラ
ブ底型枠１…と分離した合板等よりなる片持スラ
ブ底型枠である。Ａは、前記スラブ底型枠１…や
片持スラブ底型枠３を支持する多数本の根太５
…、根太５…を支持する大引６…、大引６…を支
持する左右一対のトラス体Ｂ…、前後方向の複数
箇所において左右のトラス体Ｂ…間に正面視Ｘ字
形状に張設したブレース７…等によつて枠組され
た支保装置であり、支保装置Ａと前記スラブ底型
枠１…及び片持スラブ底型枠３とは、釘止め等の
手段により互いに一体化されている。８…は前記
トラス体Ｂ…を支持するねじ式ジヤツキである。
図示のねじ式ジヤツキ８…はトラス体Ｂ…に一体
に固着するか又は着脱自在に取り付けるものであ
るが、トラス体Ｂ…と別体にして、単にトラス体
Ｂ…を載せるようにしたものでもよい。９ａ…は
トラス体Ｂ…の上弦材、９ｂ…は下弦材、９ｃ…
は斜材、９ｄ…は鉛直材である。

前記各スラブ底型枠１…の左右両側方には、前
記支保装置Ａの根太５…により前後方向の軸芯周
りで揺動自在に枢支された巾狭のスラブ底用補助
型枠Ｃ…が設けられている。図示の各補助型枠Ｃ
は、合板等よりなる巾狭のスラブ底型枠１０ａと
根太１０ｂ…及び大引１０ｃとを一体化して構成
したものである。

各補助型枠Ｃ…とそれに対応するトラス体Ｂ…
の下弦材９ｂ…との間には夫々２本の方杖１１…
が、正面視において上端側ほど外側に位置するよ
うに傾斜し、側面視において略Ｖ字形状を呈する
ように設けられている。そして、各方杖１１の上
端部は、第３図に示すように、補助型枠Ｃの大引
１０ｃにピン１２周りで回動自在に枢支され、下
端部は第４図に示すように、二叉状とされ、この
二叉状部分を前記下弦材９ｂ…に固着した受け金
具１３…の水平杆１３ａ…に係脱自在に係合さ
せ、ピン１４…にて外れ止めしてある。また、各
方杖１１は、ターンバツクル機構１１ａを有し、
該機構１１ａの操作により方杖１１を伸縮させ
て、補助型枠Ｃのレベル調整を行なえるように構
成してある。

上記の構成によれば、方杖１１…の下端部と受
け金具１３との係合を外すことによつて、第３図
に仮想線で示す如く、補助型枠Ｃを下方へ折りた
たむことができるので、柱１５…の間からのスラ
ブ用大型型枠の出し入れに支障がなく、スラブ用
大型型枠を所定位置まで挿入した状態で、補助型
枠Ｃ…を展張することにより、柱１５…の内側に
形成されたスラブ底型枠１…とプレキヤストコン
クリート製耐震壁１６との間の隙間に、補助型枠
Ｃをセツトすることができる。補助型枠Ｃを展張
したり、折りたたむ操作は、スラブ底型枠１…に
対応する各補助型枠Ｃ…ごとに、しかも、２本の
方杖１１…の下端側を持つて行なえるので、作業
を軽く、容易且つ迅速に行なうことができる。

尚、大引６…、トラス体Ｂ…はアルミ製であ
り、根太５…はアルミ成形品と木材との合成材で
あるが、他の材質を選定してもよい。また、片持
スラブ１７のない建物を対象とする場合には、片
持スラブ底型枠３やその支保手段は省略されるも
のである。

本考案は、上述した構成よりなり、各スラブ底
型枠の左右両側方に、前記支保装置により枢支さ
れた揺動自在なスラブ底用補助型枠を設けたの
で、スラブ底型枠の左右巾を柱の間隔より狭く設
定しても、柱の内側に形成される隙間を前記補助
型枠で閉塞することができ、しかも、各補助型枠
を、前記支保装置と２本の方杖とでしつかりと支
持でき、ターンバツクル機構の操作によるレベル
調整も可能である。

また、各補助型枠は、各別に揺動操作できるの
で大きな操作力を要せず、しかも、２本の方杖の
下端側を持つて行なえるので、脚立等が不要であ
り、容易かつ迅速に揺動操作することができる。

このように、本考案によれば、柱の内側に生じ
る隙間を閉塞する型枠のセツトやその支保工に煩
しい作業や多くの人員、仮設材等を必要とせず、
スラブ用大型型枠の採用による長所を十分に活か
すことが可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は側面
図、第２図は一部切欠平面図、第３図は縦断正面
図、第４図は要部の分解斜視図である。 Ａ……支保装置、Ｂ……トラス体、Ｃ……補助
型枠、１……スラブ底型枠、２……小梁、５……
根太、６……大引、７……ブレース、９ａ……上
弦材、９ｂ……下弦材、１０ａ……巾狭のスラブ
底型枠、１０ｂ……根太、１０ｃ……大引、１１
……方杖、１３……受け金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小梁相当位置で互いに分離した複数個のスラブ
   底型枠と、根太、大引、左右一対のトラス体、両
   トラス体間に正面視Ｘ字形状に張設したブレース
   等で枠組された支保装置とを一体化してなるスラ
   ブ用大型型枠における前記各スラブ底型枠の左右
   両側方に、前記支保装置により前後方向の軸芯周
   りで揺動自在に枢支された巾狭のスラブ底用補助
   型枠を設け、各補助型枠とそれに対応するトラス
   体の下弦材との間に、正面視において上端側ほど
   外側に位置するように傾斜し、側面視において略
   Ｖ字形状を呈する２本のターンバツクル機構付き
   方杖を、各方杖の上端部が補助型枠に回動自在に
   枢支され、下端部が前記下弦材に固着した受け金
   具に対して係脱自在に係合した状態に設けてある
   ことを特徴とするスラブ用大型型枠。