JPH0145301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンクリート建造物のスラブを支持す
る型枠装置に係り、特にベランダと梁とを形成す
るのに際して組み立て及び取外しが容易なベラン
ダ・梁用型枠装置に関する。

コンクリートを打設してビルデイングを建築す
る場合、スラブを支持するために型枠装置が使用
される。第５図はかかる型枠装置の従来例を示し
ており、下部の階に立設された複数のサポート５
１，５１…にベランダスラブＡを支持するスラブ
支持部５２と梁Ｂの下面を支持する横梁５３とが
支持され、この横梁５３に梁Ｂの両側面を支持す
る梁支持部材５４，５４が立ち上がり状に取付け
られている。そして、コンクリートが上面から打
設される合板５５がこれらのスラブ支持部５２、
横梁５３及び梁支持部材５４，５４に取り付けら
れた根太用ビーム５６，５６…に支持されて組み
付けられて、上部の階のベランダスラブＡ、梁Ｂ
及び床スラブＣが一体的に形成されるようになつ
ている。しかしながら、この従来の型枠装置にお
いては、コンクリートの固化後にスラブ支持部５
２、横梁５３及び梁支持部材５４，５４を夫々、
別個に取り外さなくてはならず、その作業が面倒
であつた。特に集合住宅用ビルデイングにあつて
は上下の階の間が狭いため、作業に困難をきたし
ていたばかりでなく、さらに上部の階の施工の際
の型枠装置の組み立ても面倒なものとなつてい
た。

本考案はこのような従来の欠点を除去するため
に、スラブ支持部と梁支持部とを一体に組み付け
ると共に該梁支持部を横梁に回動可能に取り付
け、さらに梁の一側面を支持するために側面支持
材を横梁に着脱可能に取り付けたものである。

以下、本考案の一実施例を第１図ないし第４図
を参照して具体的に説明する。

本考案の一実施例の側面図及び斜視図を示す第
１図及び第２図において、上端部及び下端部にス
クリユージヤツキ２，２′が夫々、取り付けられ
て伸縮可能に形成されたサポート１が下部の階の
スラブ上に立設されると共に、クロスブレース
３，３で転倒しないように相互に連結されてい
る。このサポート１の上端部にはアルミニウム押
出型材等からなる長尺な横梁４が水平状に横架さ
れており、この横梁４に梁Ｂの側面を支持する梁
支持部材５と側面支持材６とが取り付けられてい
る。梁支持部５は梁ＢのベランダスラブＡ側の側
面を支持するものであり、上部にはベランダスラ
ブＡを支持するスラブ支持部材７の一端部が固着
されると共に、このスラブ支持部材７と梁支持部
材５との間に斜め方向に強化材８が連結されてス
ラブ支持部材７が梁支持部材５に一体的に取り付
けられている。そして、前記梁支持部材５の下端
部は第４図に示すように、ヒンジ１０を介して前
記横梁４に回動可能に枢着しており、該ヒンジ１
０を中心に梁支持部材５とスラブ支持部材７とが
横梁４に対して一体的に回転するようになつてい
る。更に前記横梁４とこのスラブ支持部材７との
各室外側端部の間には逆ねじが切られたターンバ
ツクル９が取り付けられ、該ターンバツクル９の
回転でスラブ支持部材７が水平状に支持されるよ
うになつている。一方、前記側面支持材６は床ス
ラブＣ側の梁Ｂの室内向きの側面を支持するもの
であり、横梁４上に着脱可能に取り付けられてい
る。この側面支持材６は三角形状に形成されてお
り、横梁４への取り付けは第３図に示すように、
横梁４の上面に長手方向に形成されたあり溝４ａ
に逆Ｔ字形の係合部材１１がスライド可能に取り
付けられると共に、前記側面支持材６の底部片６
ａには係合部材１１が挿入される孔が開口されて
おり、この孔に係合部材１１を挿入した後、該係
合部材１１のスリツト（図示せず）に楔１２を打
ち込むことで行なわれ、側面支持材６の位置調整
及び固定が可能となつている。このような係合部
材と楔とを使用することで側面支持材６の固定及
び取り外しが簡単に行なわれるが、本考案におい
てはボルトとナツトを使用して側面支持材６の固
定及び取り外しを行なつてもよい。

ベランダスラブＡ、梁Ｂ及び床スラブＣを形成
するためのコンクリートは合板１９上面に打設さ
れるが、この合板１３は以上のようなスラブ支持
部材７、梁支持部材５、横梁４及び側面支持材６
に取り付けられた根太用ビーム１３，１３…を介
して所定形状に組み付けられる。第１図におい
て、１４はアンカー用ボルト１５によつて本考案
に係る型枠装置全体を既設スラブＣに固定するた
め、各サポート１，１の下部に取り付けられた補
強材、１６は足場用板であり、又、１７は型枠装
置外面に張設された安全用のネツト、１８は安全
柵である。

以上のような本考案の型枠装置において、前記
合板１９上に打設されたコンクリートが固化して
ベランダスラブＡ、梁Ｂ及び床スラブＣが形成さ
れた後は、前記ターンバツクル９を締付けると共
にスクリユージヤツキ２を回転させてサポート１
を縮めると、スラブ支持部材７と梁支持部材５は
ヒンジ１０を中心に一体的に傾むいて合板１９及
び根太ビーム１３とともにベランダスラブＡ、梁
Ｂから離脱する。又、楔１２を取り外すことで側
面支持材６も根太ビーム１３、合板１９とともに
梁Ｂ側面から簡単に離脱する。従つて、型枠装置
の取り外し作業が簡単になると共にその作業の迅
速化が図られる。又、さらに上部の階の形成のた
めに使用するには、サポート１、横梁４、梁支持
部材５及びスラブ梁支持部材７を各部材に根太ビ
ーム１３及び合板１９をセツトして組み立てた状
態のままで、クレーン等によつて移動させること
ができるから、その組み立ても容易となる。

従つて、以上説明した本考案によれば、ベラン
ダと梁の型枠が同時に取付けられるため、型枠組
立工事が容易・迅速になり、またスラブ支持部と
梁支持部とが一体的に横梁に回動して、これらの
取り外しが容易となつていると共に、側面支持材
の取り外しも容易となつているから、型枠装置全
体の取り外しが簡略化され、作業能率及び運搬性
の向上が図られ、更に、型枠部材の数も減り、管
理も容易なるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例の側面図
及び斜視図、第３図及び第４図はその要部の斜視
図、第５図は従来例の側面図である。 ４…横梁、５…梁支持部材、６…側面支持材、
７…スラブ支持部材、Ａ…ベランダスラブ、Ｂ…
梁、Ｃ…床スラブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベランダスラブと床スラブとを梁を介して一体
   に形成するスラブ間に架設された横梁と、この横
   梁に回動可能に枢支され梁の一側面を支持する梁
   支持部と、この梁支持部に一体的に取り付けられ
   ベランダスラブを支持するスラブ支持部と、前記
   横梁に着脱可能に取り付けられ梁の他側面を支持
   する側面支持材とから型枠を形成したことを特徴
   とするベランダ・梁用型枠装置。