JPS6338727Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は例えば一定量の種子（種籾）を連続的
に送出する繰出ロールを内蔵するホツパーと、該
ホツパーに連結させる播種シユートと、播種用の
溝を圃場に形成する整地体などを有する播種装置
を機体に装備させ、湛水した代掻き後の土壌など
に種子を直播するようにした湛水直播機に関す
る。

「従来の技術」 従来、実開昭56−1415公報に示す如く、歩行型
の湛水直播機があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来技術は、ホツパーからの種子供給能力
を容易に向上させ得ず、ホツパーが小容量では種
子供給頻度が高くなり易い不具合があると共に、
ホツパーを大容量にすることによつて湛水直播作
業を連続して行えるが、ホツパー内の種子量変化
によつて本機バランスが不安定になり易い不具合
があり、大型多条化を容易に望み得ない等の構造
上及び機能上の問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、種子を収納するホツパー並
びに整地体を備える播種装置を三点リンク機構を
介して走行部に装設する湛水直播機において、前
記ホツパーを支える播種フレームを該ホツパーの
下方側に設けると共に、その播種フレーム下方に
前記整地体を配設させ、前記播種フレームを支え
る支持部材に前記三点リンク機構を連結させ、さ
らに、前記ホツパーの上方域を覆うカバー装置を
配設させ、ホツパー上方域を覆う作用状態とホツ
パー上方域を開放する非作用状態とに切換可能に
カバー装置を取付けたことを特徴とするものであ
る。

「作用」 従つて、前記播種フレームによりホツパーを下
方側で支えるから、任意容量のホツパー構造を簡
単に構成し得ると共に、播種フレームの下方に整
地体を配設させるから、ホツパーから播種面まで
の距離が短く、適正な種子送り動作を容易に得ら
れ、また播種フレームを支える支持部材に三点リ
ンク機構を連結させるから、三点リンク機構によ
り上昇支持した際の播種部の前後及び左右方向の
バランス設定が容易で播種部の上昇支持を安定良
く行い得、しかも雨水によつて前記ホツパーが濡
れるのをカバー装置によつて防止し得、また直射
日光が前記ホツパーに当るのをカバー装置によつ
て防止し得、天候に左右されることなく播種作業
を簡便に行い得ると共に、カバー装置によつて阻
止されることなくホツパーへの種子補給並びに種
子残量又は種子減少状態などの確認を容易に行い
得、従来に比べて播種作業性の向上並びに前記ホ
ツパー構造の簡略化などを容易に図り得るもので
ある。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は全体の概略側面図、第２図は同平面
図であり、図中１は播種専用の走行車で構成する
乗用走行部で、２は前車体、３は後車体、４，５
は回動支点軸６を介して水平方向にのみ折曲げ自
在に前後車体２，３を結合する連結フレーム、
７，８は前後車体２，３の左右にスイングケース
９，１０を介して取付ける水田用前後車輪、１１
は前車体２に基端を固着させる支柱、１２は前車
体２の後部上方に前記支柱１１を介して取付ける
運転席、１３は前車体２の前部上方に設ける操向
ハンドル、１４は後車体３に搭載するエンジンで
ある。

また、図中１５は前車体２の前部に三点リンク
機構１６を介して昇降自在に装設する８条播き用
の播種部である播種装置であり、１７は水溶性酸
素発生剤をコーテイングした催芽済の種籾を収納
するホツパー、１８は播種フレーム１９を介して
前記ホツパー１７を固定支持させるフロート整地
体、２０は前記フレーム１９に固設させる左右バ
ンパー、２１は前記バンパー２０に起伏可能に支
持させる筋引きマーカー、２２，２３，２４は左
右の各フレーム１９…を連結固定させる支持部材
であるパイプフレームである。

第３図に示す如く、フレキシブルワイヤ（図示
省略）などを介して回転駆動する種子繰出ロール
２５を前記ホツパー１７の種子溜部２６に内蔵
し、二条用の種子放出バケツト２７，２８を前記
ロール２５の外周面に並列形成すると共に、前記
溜部２６に流下する種子量をレバー２９を介して
調節する流出規制シヤツタ３０を設ける。また前
記溜部２６に上端部を連通させ、二又形下端に二
条分の種子を分岐落下させる二又形播種シユート
３１を備え、前記ロール２５を回転させて各バケ
ツト２７，２８によつて二条分の種籾を掬上げ、
そのバケツト２７，２８からシユート３１に種籾
を投入するように形成すると共に、各整地体１８
の下面に作溝突起３２を、また左右最外側の整地
体１８の外側下面に培土寄せ板３３を設け、前記
突起３２によつて開設する溝に前記シユート３１
から種籾を落下直播させていくように構成してい
る。

更に前記三点リンク機構１６は一対のロワーリ
ンク３４，３４とトツプリンク３５とからなり、
各リンク３４，３５を略同一長さとし、且つこれ
らを略平行に架設させるもので、前車体２の前端
下部に球関継手３６を介してロワーリンク３４の
一端を枢着させ、該リンク３４の他端をパイプフ
レーム２３後端に球関継手３７を介して連結させ
ると共に、前車体２の前端上部に球関継手３８を
介してトツプリンク３５の一端を枢着させ、該リ
ンク３５の他端をパイプフレーム２４上端に球関
継手３９を介して連結させる。また前車体２の前
端上部とパイプフレーム２３後端間に一対の横振
れ防止バネ４０，４０を張設すると共に、前車体
２の前方に突出するリフトアーム４１，４１の先
端を、連杆４２，４２を介してロワーリンク３
４，３４中間に連結させる。前記リンク３４側面
の植設ピン４３に前記連杆４２の長孔４４を係合
させると共に、その連杆４２と平行にスプリング
４５をロワーリンク３４とリフトアーム４１間に
張架させ、ホツパー１７に種籾を入れた標準荷重
状態で整地体１８が圃場面に略一定圧力で接地
し、整地体１８の接地圧即ち接地荷重とスプリン
グ４５の引張りバネ力が釣合うように形成する。
そして前車体２に油圧シリンダ４６を取付け、該
シリンダ４６のピストンロツド４７をリフトアー
ム４１，４１に連結させ、播種部１５を一定水平
姿勢で昇降可能に且つ全体的に横揺れ可能に支持
するものである。

ところで第２図にも示す如く、先に述べた走行
用の左右前車輪７，７は左及び右側それぞれ二つ
の整地体１８ａ，１８ｂ及び１８ｃ，１８ｄ間中
央に位置させるように設けて、前車輪７，７の走
行時この車輪７，７の隣接既播種条ａ，ｂ及び
ｅ，ｆ間の略中央を通過走行させると共に、その
走行時前記シユート３１より圃場の播種溝に落下
させた種籾に前車輪７，７によつて培土を順次施
していくように構成している。また、左右の後車
輪８，８は中央左及び右の整地体１８ｂ及び１８
ｃの左右中央に位置させるように設けて、後車輪
８，８の走行時この車輪８，８の隣接既播種条
ｂ，ｄ及びｄ，ｅの略中央を通過走行させると共
に、その走行時播種溝に落下させた種籾に後車輪
８，８によつて培土を順次施していくように構成
している。

一方、前記播種装置１５には各ホツパー１７…
上方域を一体的に覆う防護シート４８を備えたカ
バー装置４９を設けるもので、前記バンパー２０
一端を左右外側の播種フレーム１９に固定させる
連結フレーム５０並びに左右内側の播種フレーム
１９に固定させる支持フレーム５１にそれぞれ支
持パイプ５２，５３を介して枠フレーム５４を固
定支持させ、該フレーム５４の水平縦ガイドフレ
ーム５４ａにスライドリング５５を介して前記防
護シート４８を開閉自在に取付けるように構成し
ている。なお、前記シート４８は図面では前後方
向に開閉する構造となつているが左右方向に開閉
させても同様である。

上記のように、種子を収納するホツパー１７並
びに整地体１８を備える播種装置１５を三点リン
ク機構１６を介して走行部１に装設する湛水直播
機において、前記ホツパー１７を支える播種フレ
ーム１９を該ホツパー１７の下方側に設けると共
に、その播種フレーム１９下方に前記整地体１８
を配設させ、前記播種フレーム１９を支える支持
部材２２，２３，２４に前記三点リンク機構１６
を連結させ、さらに、前記ホツパー１７の上方域
を覆うカバー装置４９を配設させ、ホツパー１７
上方域を覆う作用状態とホツパー１７上方域を開
放する非作用状態とに切換可能にカバー装置４９
を取付けている。

本実施例は上記の如く構成しており、湛水した
代掻き後の圃場に種籾を直播するもので、規制シ
ヤツタ３０を適宜開放して溜部２６に種籾を流下
させると共に、繰出ロール２５を回転駆動し、前
記ロール２５の各バケツト２７，２８によつて溜
部２６の種籾を掬上げ、その種籾をシユート３１
上端に投入し、該シユート３１の二又形下端から
突起３２によつて形成する田面の播種溝内に前記
種籾を落下させ、培土寄せ板３３或いは前後車輪
７，８によつてその溝を閉じて培土を行うもので
ある。

また斯る作業中においては運転席１２位置より
作業者は良好に播種作業状況を常に目視確認し得
て正確な作業が行えると共に、例えば深水圃場或
いは強風環境での作業条件下においては信頼性が
低下するマーカー２１などに頼ることなく残跡す
る車輪跡を目標に機体を直進させることも可能に
できるもので、したがつて適用範囲も広く作業対
応性に秀れるものである。

さらに、作業途中に降雨或いは雨天で例え作業
を行う事態となつても前記防護シート４８を拡張
させて各ホツパー１７…上方域を該シート４８で
もつて覆うことにより、籾補給時にホツパー１７
内に雨が降り込む或いはホツパー１７が雨に晒さ
れてホツパー１７内に雨水が侵入するなどの不都
合が解消され、常に略一定条件のもとでの確実且
つ安定した播種作業が行われるものである。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、種子
を収納するホツパー１７並びに整地体１８を備え
る播種装置１５を三点リンク機構１６を介して走
行部１に装設する湛水直播機において、前記ホツ
パー１７を支える播種フレーム１９を該ホツパー
１７の下方側に設けると共に、その播種フレーム
１９下方に前記整地体１８を配設させ、前記播種
フレーム１９を支える支持部材２２，２３，２４
に前記三点リンク機構１６を連結させ、さらに、
前記ホツパー１７の上方域を覆うカバー装置４９
を配設させ、ホツパー１７上方域を覆う作用状態
とホツパー１７上方域を開放する非作用状態とに
切換可能にカバー装置４９を取付けたもので、前
記播種フレーム１９によりホツパー１７を下方側
で支えるから、任意容量のホツパー１７構造を簡
単に構成できると共に、播種フレーム１９の下方
に整地体１８を配設させるから、ホツパー１７か
ら播種面までの距離が短く、適正な種子送り動作
を容易に得ることができ、また播種フレーム１９
を支える支持部材２２，２３に三点リンク機構１
６を連結させるから、三点リンク機構１６により
上昇支持した際の播種部１５の前後及び左右方向
のバランス設定が容易で播種部１５の上昇支持を
安定良く行うことができ、しかも雨水によつて前
記ホツパー１７が濡れるのをカバー装置４９によ
つて防止でき、また直射日光が前記ホツパー１７
に当るのをカバー装置４９によつて防止でき、天
候に左右されることなく播種作業を簡便に行うこ
とができると共に、カバー装置４９によつて阻止
されることなくホツパー１７への種子補給並びに
種子残量又は種子減少状態などの確認を容易に行
うことができ、従来に比べて播種作業性の向上並
びに前記ホツパー１７構造の簡略化などを容易に
図ることができる等の実用的な効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は全体の側面図、第２図は同平面図、第３図
は要部の側面説明図である。 １……走行部、１５……播種装置、１６……三
点リンク機構、１７……ホツパー、１８……整地
体、１９……播種フレーム、２２，２３，２４…
…パイプフレーム（支持部材）、４９……カバー
装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 種子を収納するホツパー１７並びに整地体１８
   を備える播種装置１５を三点リンク機構１６を介
   して走行部１に装設する湛水直播機において、前
   記ホツパー１７を支える播種フレーム１９を該ホ
   ツパー１７の下方側に設けると共に、その播種フ
   レーム１９下方に前記整地体１８を配設させ、前
   記播種フレーム１９を支える支持部材２２，２
   ３，２４に前記三点リンク機構１６を連結させ、
   さらに、前記ホツパー１７の上方域を覆うカバー
   装置４９を配設させ、ホツパー１７上方域を覆う
   作用状態とホツパー１７上方域を開放する非作用
   状態とに切換可能にカバー装置４９を取付けたこ
   とを特徴とする湛水直播機。