JPS6320249Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は例えば一定量の種子（種籾）を連続的
に送出する繰出ロールを内蔵するホツパーと、該
ホツパーに連結させる播種シユートと、播種用の
溝を形成する整地体などを備え、湛水した代掻き
後の圃場などに種子を直播する湛水直播機に関す
る。

「従来の技術」 従来、特開昭53−103807号公報に示す如く、エ
ンジン及び走行輪及び操向ハンドルを備え、種子
繰出ロールを設けた歩行型の播種機があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来技術は、平行リンク機構により上下動
させるものであつたから、整地体を上下動させた
場合、整地体が機体前後方向に移動して走行輪と
の相対位置が変化するから、方向転換を行う枕地
長さが不均一となり、播種されない場所と重複し
て播種された場所が枕地に発生し易いと共に、整
地体の前後傾斜が機体に対して常に略一定になる
から、枕地での旋回などハンドルを持上げること
により機体と同方向に整地体が前下りに傾斜し、
整地体前部が土中に突込み易い姿勢になる等の構
造上並びに機能上の問題が発生した。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、機体前部にエンジンを、ま
た機体中間部に左右走行輪を、さらに機体後部に
操向ハンドルを設けると共に、複数の種子収納ホ
ツパーと種子繰出ロールを機体左右方向に並設し
た湛水播種機において、前記種子繰出ロールの下
方で左右走行輪の間及び外側に設ける複数のフロ
ート形の整地体の前端を平面視で前記左右走行輪
前端より後方に位置させると共に、機体に設けた
水平状の揺動支点軸に前記整地体１９を連結し、
各々の整地体の前端を上下動自在に構成したこと
を特徴とするものである。

「作用」 従つて、前記整地体前端を平面視で走行輪前端
より後方に位置させたから、走行輪の前方に整地
体前端を延設させた従来技術に比べ、前記整地体
前端に働く突上げ力で後部が沈下する不具合をな
くし得、走行輪の転動反力変化などに影響される
ことなく整地体を安定良く着地支持し得ると共
に、前記揺動支点軸に整地体を連結して整地体前
端を上下動自在に構成したから、平行リンク機構
により整地体を支持させた従来技術に比べ、機体
に対し殆んど前後に変位させることなく整地体前
端を上下動させ得、例えば耕盤深さなどが変化し
ても枕地長さを略一定に保つように機体を移動さ
せ得、また枕地での方向転換などで操向ハンドル
を持上げて機体を前下りに傾斜させても、整地体
前端が接地圧により上動して土中に突入するのを
回避し得、従来に比べて前記整地体上面への泥土
の乗り上げを減少させて播種深さ並びに播種密度
（間隔）を略一定に維持し得、しかも前記種子収
納ホツパー及び種子繰出ロールと前記整地体の組
合せ構造の簡略化並びに操向ハンドルの操縦など
取扱い操作性の向上などを容易に図り得るもので
ある。

「実施例」 以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は６条用の歩行型湛水直播機の側面
図、第２図は同平面図であり、図中１はエンジ
ン、２は前記エンジン１の後部に固設するミツシ
ヨンケース、３は前記ケース２に伝動ケース４を
介して連設する播種駆動ケース、５は前記エンジ
ン１の下面を覆う前部フロート、６は前記ミツシ
ヨンケース２の両側にスイングケース７を介して
装設する左右一対の走行輪、８は前記駆動ケース
３に門形フレーム９を介して固定する操向ハンド
ルである。

また第３図は要部の側面図、第４図は同背面
図、第５図はその部分断面側面図であり、図中１
０，１１，１１はボルト１２によつて着脱可能に
連結する横軸１３，１４を介して一体的に固定す
る播種フレーム、１５は前記の中央の播種フレー
ム１０をこの方面に固定したブラケツト１６を介
して門形フレーム９に前後にのみ回転自在に取付
ける水平状の揺動支点軸、１７は前記の左右の播
種フレーム１１の外側に固定したブラケツト１８
に起伏可能に設ける走行軌跡形成用筋引マーカ、
１９は前記フレーム１０，１１の下端に固定し一
対の作溝突起２０，２１及び播種溝２２，２３を
形成してなるフロート形の整地体であるフロー
ト、２４，２５は前記フロート１９の底面に固定
し前記播種溝２２，２３の内側方向からこれに臨
ませる培土板、２６，２７は前記の中央のフロー
ト１９前端をこの上方の伝動ケース４底面に連結
支持させる揺動リンク、２８は前記支点軸１５を
中心に前記の各フロート１９…の前端側を持上げ
その後端側を押下げるべく調節ボルト２９を介し
て播種フレーム１０に付勢してなるスプリング、
３０は前記播種フレーム１０，１１の上端側に固
定する種子収納ホツパー、３１は前記ホツパー３
０の溜部３２に回転軸３３を介して軸支させ２条
用の種子放出用バケツト３４，３５を外周面に並
列形成してなる種子繰出ロール、３６は前記溜部
３２に仕切板３７を介して上端を連結させ下端を
分岐させ、各播種溝２２，２３前端部に臨ませて
種子を落下案内する二又形播種シユート、３８は
前記回転軸３３の突出外側端に固定させる手動回
転用撮、３９は前記駆動ケース３と播種フレーム
１０，１１間に架設して繰出ロール３１を回転駆
動するフレキシブルワイヤ、４０は前記ワイヤ３
９の駆動力を断続するクラツチレバー、４１は前
記ホツパー３０底部をシヤツタレバー４２を介し
て開閉するメインシヤツター、４３は前記溜部３
２への種子の流下量を調整レバー４４を介して調
節する流出規制シヤツター、４５は前記ホツパー
３０上面に開閉可能に設ける蓋である。

そして、機体前部にエンジン１を、また機体中
間部に左右走行輪６を、さらに機体後部に操向ハ
ンドル８を設けると共に、複数の種子収納ホツパ
ー３０と種子繰出ロール３１を機体左右方向に並
設した湛水播種機において、前記種子繰出ロール
３１の下方で左右走行輪６の間及び外側に設ける
複数のフロート形の整地体１９の前端を平面視で
前記左右走行輪６前端より後方に位置させると共
に、機体に設けた水平状の揺動支点軸１５に前記
整地体１９を連結し、各々の整地体１９の前端を
上下動自在に構成している。

また、第１図及び第２図において、４６，４６
は左右の筋引マーカー１７，１７を昇降操作する
マーカーレバー、４７，４７はサイドクラツチレ
バー、４８は走行クラツチレバー、４９は播種ク
ラツチレバーである。

本実施例は上記の如く構成しており、湛水した
代掻き後の圃場に種籾を直播するもので、催芽し
た種籾に過酸化石炭と焼石膏の混合した水溶性酸
素発生剤を予めコーテイングすると共に、メイン
シヤツター４１を閉じた状態でホツパー３０にそ
の種籾を入れ、代掻き後の圃場に移動する。その
後、メインシヤツター４１を開放し、規制シヤツ
ター４３を適宜開閉して溜部３２に種籾を流下さ
せ、そして各フロート１９を田面に降して水田車
輪６によつて牽引すると同時に、フレキシブルワ
イヤ３９を介して繰出ロール３１を回転駆動し、
前記ロール３１のバケツト３４，３５によつて溜
部３２の種籾を掬上げてシユート３６上端に投入
し、前記シユート３６の二又形下端から播種溝２
２，２３を介して突起２０，２１によつて形成す
る田面の溝内に前記種籾を落下させ、培土板２
４，２５によつてその溝を閉じて覆土を行うもの
である。

また第２図の仮想線に示す如く、播種フレーム
１０，１１を横軸１３，１４を介して左右に適当
数連結固定させ、フロート１９及び２条分のシユ
ート３６を一組として播種条数を２条毎に増減で
き、希望する仕様形態を比較的容易に得られるも
のである。

上記のように２条分のシユート３６とこれを支
えるフロート１９とを一組として設けた場合、ホ
ツパー３０及び繰出ロール３１を２条分に兼用で
き、１条分を一組として播種シユートを設ける従
来手段に比べて簡潔に構成でき、特に廉価で軽量
に製作でき、繰出ロール３１の駆動系なども簡略
化できると共に、３条分を一組として播種シユー
トを設ける手段に比べ、種籾の落下時間差を生じ
ることなく、種籾を一株分毎にまとめて落下させ
ることができ、そのため希望する株間及び条間を
得ることができる。また３組の２条用シユート３
６…及びフロート１９を配設し、６条用播種構造
とした場合、歩行型の湛水直播機として適切な機
体バランスを得られ、例えば６条用田植機に比べ
て小型軽量で簡潔にしかも廉価に構成でき、作業
能率の向上を図ることができると共に、中央のフ
ロート１９を挾んで各フロート１９…間に水田車
輪６，６を位置させ、各車輪６，６幅を二列の播
種条を跨ぐ間隔としたので、前記車輪６，６によ
つて機体を安定良く支持でき、且つ比較的小さな
旋回半径とし、特に前記車輪６，６の走行跡をフ
ロート１９によつて均平にする必要がなく、その
ためフロート１９の整地作用を円滑に行わしめ、
フロート１９下面の突起２０，２１によつて田面
に播種用の溝を正確に形成でき、さらに培土板２
４，２５によつて播種済みの溝を適切に閉鎖で
き、湛水した代掻き後の圃場に種籾を連続的に確
実に直播できるものである。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、機体
前部にエンジン１を、また機体中間部に左右走行
輪６を、さらに機体後部に操向ハンドル８を設け
ると共に、複数の種子収納ホツパー３０と種子繰
出ロール３１を機体左右方向に並設した湛水直播
機において、前記種子繰出ロール３１の下方で左
右走行輪６の間及び外側に設ける複数のフロート
形の整地体１９の前端を平面視で前記左右走行輪
６前端より後方に位置させると共に、機体に設け
た水平状の揺動支点軸１５に前記整地体１９を連
結し、各々の整地体１９の前端を上下動自在に構
成したもので、前記整地体１９前端を平面視で走
行輪６前端より後方に位置させたから、走行輪６
の前方に整地体１９前端を延設させた従来技術に
比べ、前記整地体１９前端に働く突上げ力で後部
が沈下する不具合をなくすことができ、走行輪６
の転動反力変化などに影響されることなく整地体
１９を安定良く着地支持できると共に、前記揺動
支点軸１５に整地体１９を連結して整地体１９前
端を上下動自在に構成したから、平行リンク機構
により整地体１９を支持させた従来技術に比べ、
機体に対し殆んど前後に変位させることなく整地
体１９前端を上下動させることができ、例えば耕
盤深さなどが変化しても枕地長さを略一定に保つ
ように機体を移動させることができ、また枕地で
の方向転換などで操向ハンドル８を持上げて機体
を前下りに傾斜させても、整地体１９前端が接地
圧により上動して土中に突入するのを回避するこ
とができ、従来に比べて前記整地体１９上面への
泥土の乗り上げを減少させて播種深さ並びに播種
密度（間隔）を略一定に維持でき、しかも前記種
子収納ホツパー３０及び種子繰出ロール３１と前
記整地体１９の組合せ構造の簡略化並びに操向ハ
ンドル８の操縦など取扱い操作性の向上などを容
易に図ることができる等の実用的な効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体の側面
図、第２図は同平面図、第３図は要部の側面図、
第４図は同背面図、第５図は同断面側面図であ
る。 １……エンジン、６……走行輪、８……操向ハ
ンドル、１５……揺動支点軸、１９……フロート
（整地体）、３０……種子収納ホツパー、３１……
種子繰出ロール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体前部にエンジン１を、また機体中間部に左
   右走行輪６を、さらに機体後部に操向ハンドル８
   を設けると共に、複数の種子収納ホツパー３０と
   種子繰出ロール３１を機体左右方向に並設した湛
   水播種機において、前記種子繰出ロール３１の下
   方で左右走行輪６の間及び外側に設ける複数のフ
   ロート形の整地体１９の前端を平面視で前記左右
   走行輪６前端より後方に位置させると共に、機体
   に設けた水平状の揺動支点軸１５に前記整地体１
   ９を連結し、各々の整地体１９の前端を上下動自
   在に構成したことを特徴とする湛水直播機。