JPH0314983Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は左右の感知フロートにより田面に対す
る機体高さ及び左右傾斜を検出し、その検出結果
に基ずいて油圧シリンダーで機体姿勢を制御する
ようにした田植機又は湛水播種機若しくは湛水施
肥機等の水田用農機の感知フロート支持装置に関
する。

(ロ) 従来技術 従来、感知フロートを機体と一体な支持部材に
上下傾動するように支持し、耕盤の高低に応じて
該感知フロートが傾動すると、油圧シリンダーに
附随する制御バルブが開閉して機体を昇降させ、
植付作業中における機体のローリングは左右の車
輪を連繋したシーソー機構により調整する田植機
又は湛水播種機等の水田用農機は既に知られてい
る。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記既知の水田用農機は作業中左右の車輪の接
地圧差によりシーソー機構が作動して機体の左右
傾動を修正するので応答性が悪かつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 前述の問題点を改善すべく、機体の左右傾動を
強制的に修正するローリング制御装置を設けると
共に、該ローリング制御装置の感知装置として、
機体の左右に感知フロートを配設し、それらの感
知フロートを、第７図に示す如く機体に固定した
フレームの両側に、軸支したところ、機体が傾動
すると感知フロートも傾動して一側の感知フロー
トが泥土中に大きく喰い込み、他側の感知フロー
トが浮き上がるため、感知性能が低下すると共に
片側の走行抵抗が大きくなつて機体の直進性も低
下することが判明した。

本考案は前記フレームの中間部を機体に前後方
向に支軸で揺動自在に支承することにより左右の
感知フロートが機体に対してローリングするよう
になし、これにより左右の感知フロートが略水平
な状態でかつ略均等に接地するようにして前述の
諸問題を解決した。

(ホ) 作用 植付又は播種作業を行ないながら水田用作業機
を走行させた時、機体が一方へ傾動すると、その
側の感知フロートが上昇傾動し、それによりロー
リング機構が作動して機体を略水平な姿勢に保持
する。

その際、左右の感知フロートは、フレームと共
に田面に順応しながら機体に対してローリングす
るので、略水平な姿勢を保持しながら略均等に接
地する。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は前部にエンジン２及びミツシヨンケース３を
設け、後部に複数の植付杆４…及び苗載台５等か
らなる植付装置を装着した機体フレームであつ
て、前記ミツシヨンケース３から外側方へ向けて
突出させた車輪駆動軸には上下揺動するスイング
チエンケース６，６を装着し、該スイングチエン
ケース６，６の後部には車輪７，７を軸支してあ
り、それらの車輪７，７の外側には植付伝動ケー
ス８に軸支したフロート９，９を配設してある。

そして、前記車輪７，７の内側前部には左右一
対の感知フロート１０，１０を配設し、それらの
感知フロート１０，１０の後部は第１図及び第２
図に示すように門型フレーム１１の両端下部に横
方向の支軸１２，１２により上下傾動自在に枢支
してあり、該門型フレーム１１の中間部に熔接し
たボス１３は前記ミツシヨンケース３の背面下部
に突設した前後方向の支軸１４に回転自在に嵌装
してある。

また、前記感知フロート１０，１０の前部は屈
折杆１５，１５によりミツシヨンケース３と一体
なブラケツト１６，１６に連結すると共に、それ
ぞれリンク１７ａ，１７ｂ，１７ｃにより左右一
対の制御バルブ１８，１８に連動連結してある。

更に、前記スイングチエンケース６，６の前部
に立設したアーム１９，１９は油圧シリンダー２
０，２０を介して天秤アーム２１の両端に連結し
てあり、該天秤アーム２１の中間部を第３図に示
す如く支持杆２２と緩衝スプリング２３とを介し
て前記ミツシヨンケース３の背面に進退可能に連
結し、前記油圧シリンダー２０，２０は制御バル
ブ１８，１８の開閉により作動する。なお２１ａ
は天秤アーム２１のロツクピンである。

前述の田植機において、植付装置を駆動しなが
ら機体を前進させると、植付杆４…は上下動しな
がら横方向に往復動する前記苗載台５内のマツト
苗を１株分ずつ掻取つて田面に植付ける。

このような植付作業中、機体が耕盤の高低等に
よりいずれか一方に傾斜した時、一方では感知フ
ロート１０が田面により押し上げられ、それに連
繋されている制御バルブ１８の油圧シリンダー２
０に通ずるポートが開き、油圧ポンプからの作動
油が油圧シリンダー２０のロツド側へ圧入される
ので、油圧シリンダー２０は縮小し、その側の車
輪７がスイングチエンケース６と共に下降するこ
ととなり、他方では感知フロート１０が下降する
ので、それに附随する制御バルブ１８のタンクに
通ずるポートが開いて油圧シリンダー２０内の作
動油がタンクに還流し、それにより油圧シリンダ
ー２０が伸長するので、機体は急速に略水平な姿
勢になり、その過程で感知フロート１０，１０は
機体フレーム１に対して下降又は上昇し、制御バ
ルブ１８，１８が中立になるので、機体の水平姿
勢が保持され、左右の植付杆４…による植付深さ
を略等しくすることができる。

その際、左右の感知フロート１０，１０は機体
フレーム１と一体なミツシヨンケース３に対し支
軸１４を中心として門型フレーム１１と共にロー
リングするので略水平な姿勢を保持する。

更に、左右の車輪７，７が同時に上昇又は下降
した場合、左右の制御バルブ１８，１８は同方向
へ開になり、左右の油圧シリンダー２０，２０も
同方向に作動するので、機体は略水平な姿勢を保
つた状態で上昇又は下降する。

前述の実施例では田植機について説明したが、
湛水播種機又は湛水施肥機等においても、作業機
が植付装置、播種装置又は施肥装置等の差はあつ
ても機体を水平に保持する点では同一であり、横
方向に複数配設された装置により播種深さ、又は
施肥深さ等を略同一にすることができ、かつ左右
の感知フロートを略水平に保持することができ
る。

(ト) 考案の効果 本考案は前述のように機体の左右に感知フロー
ト１０，１０を配設し、該感知フロート１０，１
０の検出結果に基ずいて油圧シリンダー２０によ
り機体姿勢を制御するようにした水田用農機にお
いて、左右の前記感知フロート１０，１０をフレ
ーム１１の両側に横方向の支軸１２，１２の回り
に揺動するように支架し、前記フレーム１１の中
間部を機体に前後方向の支軸１４の回りに上下揺
動するように支持し、前記感知フロート１０，１
０をローリング制御装置に連繋したので、機体が
ローリングした時、左右の感知フロート１０，１
０の感知結果に基ずき、ローリング制御装置が機
体を強制的にかつ迅速に略水平にすることができ
るものでありながら、機体がローリングした場
合、左右の感知フロート１０，１０はフレーム１
１と共に機体に対して前後方向の支軸１４を中心
として揺動し、その結果、一方の感知フロート１
０が大きく泥土中に沈下したり、他方の感知フロ
ート１０が田面から浮上がつたりすることがな
く、常に的確な感知を行なうことができると共に
左右の感知フロート１０，１０の滑走抵抗を略均
等にして機体の直進性能を向上することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は要部の側面図、第２図は同上背面図、第
３図は天秤アーム支持部の平面図、第４図は感知
フロート、車輪及びフロートの配列を示す平面
図、第５図は要部の作用図、第６図は田植機の側
面図、第７図は対象例の断面図である。 １……機体フレーム、３……ミツシヨンケー
ス、６……スイングチエンケース，、７……車輪、
１０……感知フロート、１１……門型フレーム、
１２，１４……支軸、１８……制御バルブ、２０
……油圧シリンダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体の左右に感知フロート１０，１０を配設
   し、該感知フロート１０，１０の検出結果に基づ
   いて油圧シリンダー２０により機体姿勢を制御す
   るようにした水田用農機において、左右の前記感
   知フロート１０，１０をフレーム１１の両側に横
   方向の支軸１２，１２の回りに上下揺動するよう
   に支架し、前記フレーム１１の中間部を機体に前
   後方向の支軸１４の回りに揺動するように支持
   し、前記感知フロート１０，１０をローリング制
   御装置に連繋したことを特徴とする水田用農機の
   感知フロート支持装置。