JPS6320259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、水田表土中に一部没して伝動回転
される水田車輪を一定の間隔で左右に設け、下部
には水田表土上に浮上して滑走するフロートを設
けた走行車体に、苗を搭載して下端部側から順次
苗を繰出す苗タンクとこの苗繰出部に対設されて
いて繰出される苗を水田表土中に植付ける苗植付
杆とからなる田植装置を装着した田植機に、田植
装置よりも後位に水田表土面に残される水田車輪
跡を消す車輪跡整地体を取付ける構造に関するも
ので、従来からこの種の車輪跡整地体は常に左右
の整地体が水田表面に追従するように左右中心部
に回動支点を設けたアームに取付けていたが、こ
のアームに植付けられた苗の葉茎部が当接して苗
を倒伏させてしまう欠陥があつた。

この考案は、この欠陥を解消するために、前記
の車輪跡整地体を取付けるアームを、苗タンクの
苗繰出位置の後方対応位では該苗繰出位置よりも
上位に位置ならしめる田植機の車輪跡整地体の取
付装置としたものである。

この考案を図面に示した一実施例に基づいて詳
細に説明すると、１は田植機体で、前側上部に原
動機２を搭載し、中間部に走行ミツシヨンケース
３を設けてこの左右両側に水田車輪４を装着した
チエンケース５を上下に回動調節自在に取付け、
後端部に上下に罷動する如く装着した苗植付杆６
を設けた植付ミツシヨンケース７を取付けてい
る。

８は操縦ハンドルでその基部を植付ミツシヨン
ケース７に止着して先端部を後方上部に位置させ
て操縦把持部９、クラツチレバー１０，１１等を
止着ならしめている。

１２は苗を搭載する苗タンクで、下端部を前方
の前記苗植付杆６に対向させて上端部を後方に位
置ならしめて、前記操縦ハンドル上に沿わせて設
けると共に、該ハンドル８から支持部材１３，１
４を介して左右に往復横移動自在に設け、かつ、
前記植付ミツシヨンケース７内のリードカム及び
リードメタル、連接棒からなる左右往復動機構に
取付金具１５を介して連結している。

１６は苗受止案内枠で、前記苗タンク１２の下
端部苗供給口に対向ならしめて前記操縦ハンドル
８に固着され、前記苗植付杆６の対向部に苗分離
口を穿設して、苗繰出位置イとし、この部分から
苗タンクの苗が繰出される構造となつている。

１７は苗タンク１２が左右横端に移動したとき
苗タンク中の苗を前方下部に移動するよう作動す
る苗縦送りフオークを示す。

１８はフロートであつて、前記左右水田車輪
４，４の中間部にあつて、前記田植機体１に後部
を横方向ピン１９を介して枢着され前部が上下動
自由に作動するようリンク２０を介して取付けら
れていて、水田表土上に浮上して機体の走行に伴
つて滑走し苗植付杆６による植付位置を整地する
ように設けられている。

２１は車輪跡整地体で、前記苗植付杆６による
苗植付位置よりも後方で前記水田車輪４，４の後
方対応位置水田表土上に配設されるものであり、
その取付構造は、左右中心部が前記操縦ハンドル
８に前後方向軸２２のまわりに回動自由に枢着ロ
されるアーム２３の左右先端部に取付けられ、該
アーム２３の前記苗繰出位置イの後方対向部は、
前記アームの回動枢着部ロの上下高さの如何にか
かわらず該苗繰出位置イよりも上方に位置ならし
めた構成とする。

上例の構成による作用を説明すると、苗タンク
１２に苗を搭載して、原動機２で各部を駆動し、
苗植付作業を開始する。即ち、左右一対の水田車
輪４，４の回転で田植機体１が水田中を走行し、
下部のフロート１８によつて機体の高さが水田表
土Ａ上略々一定の高さに保持されて当該フロート
１８で水田表土を整地し、後部の苗タンク１２の
左右往復横移動によつて苗受止案内枠１６の苗繰
出位置イから繰出される苗を苗植付杆６が分割保
持して水田表土中へ次々と植付ける。

そして、車輪４，４の通過跡は、機体１の左右
中心部で枢着ロされたアーム２３の左右端に取付
けられている車輪跡整地体２１によつて整地され
るのであるが、このとき、該アーム２３の少なく
でも苗繰出位置イの後方対応位置（苗植付条列の
対応位置）が該苗繰出位置イの高さよりも高い位
置に設けてあるから、このアーム２３で植付けた
苗の葉部や茎部を薙ぎ倒すことがない。

この考案は、苗植付位置の後方にあつて水田車
輪跡を消す車輪跡整地体を常に水田表土Ａに沿わ
せて左右方向へ大きく横ずれさせることなく植付
苗列に接しないで比較的広幅な整地体で確実に車
輪跡を消し得るものでありながら、該車輪跡整地
体の取付アームの苗植付条列に対応する位置を苗
タンクの苗繰出位置よりも高くなる構成としたの
で植付けられた苗の葉部や茎部に該アームが当接
せず植付け苗を不測に薙ぎ倒すことのない作用効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案の一実施例を示したもので、第
１図は側面図、第２図はその要部の簡略せる背面
図、第３図は別例の要部の簡略背面図である。 図中記号、１は田植機体、４は水田車輪、６は
苗植付杆、８は操縦ハンドル、１２は苗タンク、
１８はフロート、２１は車輪跡整地体、２３はア
ーム、Ａは水田表土、イは苗繰出位置（苗分離
口）、ロはアーム２３の枢着位置を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水田表土中に一部没して伝動回転される水田車
   輪４，４を一定の間隔で左右に設け、下部には水
   田表土上に浮上して滑走するフロート１８を設け
   た走行車体に、苗を搭載して下端部側から順次苗
   を繰出す苗タンク１２とこの苗繰出部に付設され
   ていて繰出される苗を水田表土中に植付ける苗植
   付杆１６とからなる田植装置を装着し、後端部に
   操縦ハンドル８を設け、その田植機体の前記苗植
   付杆装着位置よりも後位の苗タンク１２の苗繰出
   位置イの高さ近傍か、あるいはそれよりも下方
   で、機体の左右中心位置を回動支点にして左右方
   向に回動自由なアーム２３を介して前記水田車輪
   ４，４の対応位置に車輪跡の水田表土を整地する
   整地体２１，２１を取付け、前記苗タンク１２の
   苗繰出位置イの後方に対応位置するアーム２３の
   高さを該苗繰出位置イよりも上位に配置して田植
   機の車輪跡整地体の取付装置。