JPS6338327B2 - - Google Patents

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JPS6338327B2
JPS6338327B2 JP61122050A JP12205086A JPS6338327B2 JP S6338327 B2 JPS6338327 B2 JP S6338327B2 JP 61122050 A JP61122050 A JP 61122050A JP 12205086 A JP12205086 A JP 12205086A JP S6338327 B2 JPS6338327 B2 JP S6338327B2
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JP
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parenteral solution
solution according
parenteral
concentration
solution
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JP61122050A
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JPS6226234A (ja
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Denisu Jonsuton Maikuru
Baagaa Henrii
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Wellcome Foundation Ltd
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Wellcome Foundation Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6338327B2 publication Critical patent/JPS6338327B2/ja
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  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 新規製剤 本発明は、組織プラスミノゲン賦活物質、特に
組織プラスミノゲン賦活物質を含む薬学的製剤、
それらの調製及び医薬品と動物用医薬品への使用
に関するものである。 脈管床に完全な特徴を維持している機能的平衡
があると信じられている。すなわち血塊を形成し
得る酵素系−凝固系−と血塊を溶解し得る酵素系
−線維素溶解系との間の平衡である。創傷による
血液の流出を制限するために、創傷を受けた脈管
床に血塊が形成される。創傷の自然治癒後には、
よけいな血塊は線維素分解系の作用により溶解さ
れる。時には外傷なしに血塊が形成され、主要血
管にとどまり、部分的にあるいは全身的障害を血
流に及ぼすことがある。このことが心臓、肺臓あ
るいは脳に起きた場合には、心筋梗塞、肺塞栓症
あるいは脳出血となることもある。これらの複合
条件は先進国の罹病率及び死亡率の主要原因とな
つている。 血塊は蛋白分解酵素プラスミンにより溶解性と
なり得る線維素性網状組織からなる。この酵素は
血漿の一成分である不活性プロ酵素すなわちプラ
スミノゲンから、プラスミノゲン賦活物質の作用
により得られる。免疫学的に異なつた哺乳類のプ
ラスミノゲン賦活物質は2つある。内在性プラス
ミノゲン賦活物質またの名をウロキナーゼとして
知られているものは、腎臓によつて生成される酵
素であり、尿から分離される。また多種の組織培
養源からも調製し得られる。外来性のプラスミノ
ゲン賦活物質またの名を脈管性プラスミノゲン賦
活物質及び組織性プラスミノゲン賦活物質(t−
PA)として知られているものは、多くの組織ホ
モジネート(特にヒト子宮)、脈管細胞壁及びあ
る種の細胞培養から分離される。これらの2種の
プラスミノゲン賦活物質に加えて、細菌生成物す
なわちβ−溶血性連鎖球菌から調製されたストレ
プトキナーゼがある。ウロキナーゼとストレプト
キナーゼ両方の重要な弱点は、全循環を通して、
血栓部位に局限せずに活性であることである。こ
れらは血液凝固を減じ、出血の危険を増加するよ
うに例えばフイブリノゲン、プロトロンビン、V
因子、V因子のような他の血液蛋白を破壊す
る。一方、t−PAの生物学的活性はそれが結合
しかつ活性化される線維素の存在に如何にかかつ
ている。最大限の活性はこのように血栓部位即ち
溶解されるべき線維素の存在においてのみあらわ
れ、このことは出血の危険を大いに回避すること
となる。 t−PAの適用の主な経路は血管内注入である
のでt−PAの製剤は非経口溶液であることが要
求される。非経口溶液は一般に薬を高濃度含有す
ることが望ましい。こうなつていれば、医師また
は獣医師は、添加溶媒あるいは媒体で簡単に溶液
を希釈して、如何なる状況にも応じて所要の濃度
を得ることが可能である。加うるに、心臓あるい
は腎臓障害のある患者に大量を適用することは、
心臓あるいは腎臓をさらにより大きなストレスの
下に置くことになるので勧められないことであ
る。従つて用量はより高濃度の製剤を使用するこ
とによつて最小限に保たれなければならない。同
時に、非経口的溶液は、貯蔵中も希釈操作中にも
溶液から沈澱を生じる有意な傾向がないように、
安定であるべきである。 t−PAの多くの非経口溶液は、一般名でEP−
A−41 766、EP−A−93 619、EP−A−112
122、EP−A−113 319、EP−A−123 304日本
特許公報57−120523(申請56−6936)及び日本特
許公報58−65218(申請56−163145)に記載されて
いる。これらの製剤はt−PAの食塩水で、その
PHはおおよそ中性で、そのような溶液中のt−
PAの溶解性は、イオン濃度の増加がなくては、
低いという不利益をこうむつている。その結果t
−PAの濃度が低いことは、必然的にある状況の
下では、好ましくない大量の溶液を患者に適用す
るとか、あるいは製剤が高張液である場合には、
その適用に際しては赤血球に有害となる。 非経口水溶液中のt−PAの溶解性はその溶液
のPHが酸性側にある場合には改良し得るし、また
適用に際してそのような溶液の酸度が著しい生理
学的問題を示さないことも今ははつきりしてい
る。従つて本発明では、t−PAの非経口水溶液
をPH2〜5に規定している。 t−PAの改良された溶解性の結果として、本
発明の非経口溶液は溶液から沈殿が生じるといつ
たt−PAの実際上の危険なしに、t−PAの濃度
を高め得る。加うるに、そのような溶液となつて
いるt−PAの濃度はt−PAが沈殿するという実
際上の危険なしに再び中性あるいは酸性の水で薄
めて減らすことができることが判明した。従つて
本発明では、医師及び獣医師による操作及び使用
に際してより大きな融通性を与える安定した非経
口溶液を規定する。 本発明で使用したt−PAは、哺乳動物、特に
ヒトのt−PAと実質的に生物学的活性が一致し
ているもので、配糖体のものとそうでないものと
を含んでいる。それはEP−A−112 122に記載さ
れているごとく、一鎖、あるいは二鎖のt−PA
もしくはそれらの混合物で、完全に配糖体となつ
ているヒトのt−PAの場合にあつてはポリアク
リルアミドゲル上の見かけの分子量は約70000、
等電点は7.5と8.0の間にある。t−PAは約
500000IU/mgの比活性(国際単位/mg、国際単
位はWHOの英国ロンドンのHolly Hill、
Hampstead(NW3 6RB、U.K.)にある国立生物
学的基準・管理研究所によつて規定されている活
性単位)を有することが望ましい。 t−PAのアミノ酸配列は実質上図1に示され
た配列に一致することが望ましい。配列はこのよ
うに図1のそれに一致するか、1つあるいはそれ
以上のアミノ酸の欠失、置換、挿入、逆位あるい
は対立遺伝子由来のもの、あるいはそうでないも
のの付加があつても、その結果として生じた配列
が図1の配列との相同性が少なくとも80%、なる
べくは90%であり、その蛋白質が本質的に同一の
生物学的及び免疫学的性状を保留している。特に
t−PA配列は図1のそれと全く同じかあるいは
N−末端であるセリンから245番目のアミノ酸が
メチオニンの代りにバリンであり、何れの配列も
選択的に最初の3つのアミノ酸の何れかを欠く配
列か、あるいは選択的にポリペプチドのN−末端
にGly−Ala−Argの先導配列を付加している。 図1に示してあるアミノ酸配列は35個のシステ
イン残基を有し、17個のS−Sボンドを形成する
ポテンシヤルを持つている。その構造がより詳細
に確定されている他の蛋白質との類似性に基づい
て、90番目の位置からとプロリンであるC末端ま
での間のアミノ酸配列(S−Sボンド形成から出
現する)がとると予想される構造は図2に示され
ている。N−末端の領域の構造については先に提
起したものもいくつかあるが前者より不確かであ
る。(progress in Fibrinolysis、1983、、269
−273;and Proc.Natl.Acad.Sci.、1984、81
5355−5359)。t−PAの構造の最も重要な特徴は
この蛋白質と線維素との結合の役割をする2つの
Kringle領域(92番目と173番目のアミノ酸の間
及び180番目と261番目のアミノ酸の間)と、B鎖
の主要部分を構成しプラスミノゲンの活性の要因
であるセリンプロテアーゼ領域である。セリンプ
ロテアーゼの中で特に重要なアミノ酸は「触媒す
る3つ組み」であるHis/Asp/Serである。t
−PAにおいてはこれらは、322番目、371番目及
び463番目の位置に存在する。264番目と395番目
のシステインアミノ酸残基の間のS−Sボンドは
またt−PAの2本鎖におけるA及びB鎖を結合
するのに重要である。 第1図及び第2図においては慣例的な1文字記
号及び3文字記号が下記のようにアミノ酸残基に
当てられた。 Asp D アスパラギン酸 Ile I イソロイシン Thr T スレオニン Leu L ロイシン Ser S セリン Tyr Y チロシン Glu E グルタミン酸 Phe F フエニルアラニン Pro P プロリン His H ヒスチジン Gly G グリシン Lys K リジン Ala A アラニン Arg R アルギニン Cys C システイン Trp W トリプトフアン Val V バリン Gln Q グルタミン Met M メチオニン Asn N アルパラギン t−PAは記載されあるいは当業者に知られて
いる手順によつて得られる。それは例えば
Biochimica et Biophysica Acta、1979、
580、140−153;EP−A−41 766あるいはEP−
A−113 319に記載されている種類の正常あるい
は新生物形細胞系統から得られる。しかしながら
t−PAは例えばEP−A−93 619;EP−A−117
059あるいはEP−A−117 060に記載されている
組換型DNA技術をもちいて生成し、培養された
形質転換細胞系統あるいはトランスフエクシヨン
細胞系統から得られることが望ましい。t−PA
生産の細胞としてはチヤイニーズハムスターの子
宮(CHO)細胞で、Molecular and Cellular
Biology、1985、5(7)、1750−1759に記載された
方法で生成したものを使用することが特に望まし
い。このようにしてクローニングした遺伝子はジ
ヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)をコードした遺伝子
と同時にdhfr -CHO細胞にトランスフエクトさ
れる。dhfrを表現する形質転換体はヌクレオシド
を欠いた培地上で選択され、メトトレキセート濃
度を次第に高めてさらされる。このようにして
dhfrとt−PA遺伝子とは同時に高濃度t−PAを
発現し得る安定した細胞系統になるように増幅さ
れる。 Biochimica et Biophysica Acta、1979、
580、140−153;BiolChem.、1979、254
(6)、1998−2003;ibid、1981、256(13)、7035−
7041;EurBiochem.、1983、132、681−
686;EP−A−41766;EP−A−113 319あるい
は、GB−A−2 122 219に記載されている方
法のように、記載され、あるいは当業者に知られ
ている方法を使つて精製されることが望ましい。 非経口溶液中のt−PAの溶解性に上限がある
かは明白でない。150000000IU/ml(国際単位/
ml)よりはるかに高濃度においては、t−PAの
有意な沈殿は起こらず単に粘着性を呈するように
なる。従つて非経口溶液中のt−PA濃度は例え
ば50000から50000000IU/mlといつた広範囲内で
さまざまなのかもしれない。本発明から最大の利
益を確保するためには、t−PAの濃度は
100000IU/ml以上、特に500000IU/ml以上、さ
らには1000000IU/ml以上であることが望まし
い。特にt−PAの濃度が約5000000IU/mlであ
ることが最も望ましい。 非経口溶液のPHの上限はなるべくは4.5である。
事実、2.5から4.0の範囲内が望ましく、2.8から
3.5がさらに望ましく、約3.0が最も望ましい。非
経口溶液の望みのPHは、生理的に許容される無機
もしくは有機酸を使用して適宜に得られる。例え
ば塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、酒石酸、ベンゼ
ンスルホン酸を含む酸である。これらの酸のうち
塩酸が望ましい。 選択的にある種の生理的に許容される助溶剤が
水に加えられていることがあるが、非経口溶液の
ための媒体は完全にあるいは実質的に水性である
ことが望ましい。 非経口溶液は患者の血清と高張性、低張性ある
いは等張性である。しかしながら好ましくない副
作用を避けるために、非経口溶液は小さい偏差は
生理的に大きな懸念はないけれども、等張性であ
ることが望ましい。実質的に等張性の非経口溶液
は溶液の張度を目的値まで高め得る生理的に許容
される薬剤の添加により得られる。そのような薬
剤の例は当業者に知られており、デキストローゼ
(無水あるいは一水化物)及び塩化ナトリウム及
びこれらの混合物を含んでいる。もちろん非経口
溶液中の薬剤の濃度は薬によつてさまざまであ
る。塩化ナトリウムの場合その濃度は7〜10mg/
mlが望ましく、約8.5mg/mlが最も望ましい。そ
の濃度はしばしば生理食塩水あるいは単に生理食
塩として引用される。無水デキストローゼの場合
には、その濃度はなるべく30〜70mg/mlであるこ
とが好ましいが、約50mg/mlであることが最も望
ましい。実質的に等張の非経口溶液中t−PAの
濃度が減らされるように望まれる場合には、実質
的に等張溶液であることを維持するように、同濃
度の同薬剤の水溶液で希釈することが望ましい。 非経口溶液は選択的に通常このタイプの製剤と
関連のある添加物を含有している。例えばヒト血
清アルブミンである。加うるに、t−PAはガラ
ス及びプラスチツク表面に吸着する傾向を有し、
従つてそのような吸着を防止しあるいは最少限に
するために非経口溶液中の界面活性剤を含有させ
ることが望ましいかもしれない。商品名
“Tween80”の名の下に市販されているようなソ
ルビトール無水物の脂肪酸の部分的エステルのポ
リオキシエチレン誘導体が含まれる。 t−PAの実質的に増加される溶解性とは別に
本発明のすばらしい有利さの1つはここに規定し
た範囲のPHの酸性の非経口溶液の使用では、患者
への適用で有意に有害ないかなる生理的作用も現
れないということである。血流は一般にほとんど
接触するや否や、溶液のPHを中性側に上昇させ、
t−PAは速かに血流中に分散させられるらしい。
しかしながら、この過程がいずれにせよ実質的に
妨害されず、またこの非経口溶液が強い緩衝剤を
含有していないことが望ましい。もつともこの過
程を有意に抑制しない弱緩衝剤は含有されて差し
支えないし、事実酸性のPHにおいてt−PAその
ものがその弱い緩衝剤として作用し得るものであ
る。更にヒト血流アルブミンも、弱緩衝剤として
作用し得る。 本発明の非経口溶液中のt−PAの実質的に増
加した溶解性のために、t−PAの溶解性を高め
るためにリジンあるいはオルニチンあるいはそれ
らの塩のような添加物を含有させる必要はない。 非経口溶液は、精製溶液あるいは固体の形状で
t−PAを使用して、ありふれた薬学的製剤方法
と手法に従つて調製され得る。従つて本発明は、
ここに規定するごとく、t−PAの非経口水溶液
を調製する工程を規定する。それは次のことを包
含する。 (i) t−PAの精製溶液を得ること及び2から5
までのPHを保持する水性培地のための培地の交
換;あるいは (ii) 2から5までのPHを保持する水性培地中への
t−PAの溶解及び生成溶液の滅菌。 t−PAの精製は強い緩衝剤を含有する溶液同
様、最終工程としてクロマトグラフカラムから蛋
白の溶出を伴う。前に述べたごとく非経口溶液は
強い緩衝液を含有しないことが望ましい。従つて
培地の交換の間中、その除去を実施するための慣
例的方法は透析法をもちいることである。そのPH
が2〜5である水性培地に対して精製溶液が透析
されている透析用チユーブあるいは人工腎臓を使
用して透析がなされて差し支えがない。特に精製
溶液中のt−PAの濃度が高い場合には、まず溶
液のPHを2〜5になるように調製することが望ま
しい。培地の交換中強い緩衝剤の除去を実施する
他の方法は精製溶液をゲル濾過にゆだねるとか、
PHが2〜5である水性培地でカラムを展開するか
である。 沈殿された固体の形状のt−PAは、PHを約5.5
に調製し、その凝固点寸前にまでその溶液を冷却
し、その蛋白質を例えば遠心分離器によつて回収
して精製された溶液から得られるのが望ましい。
この沈殿した固体はその後通常の方法で2〜5の
PHをもつ水性培地中に溶解する。 生成溶液の滅菌は慣例的に例えば濾過滅菌法に
よつて実施する。 非経口溶液は通常密封、滅菌されたプラスチツ
クあるいはガラス容器中に収納されている。それ
はまたアンプル、バイアルあるいはデイスポーザ
ブル注射器のような規定用量の形状でか、あるい
は注射用バツグあるいは瓶のような大用量の形状
である。そのような容器に納められる溶液の量
は、広範囲にわたつているが、慣例的には0.5〜
20mlである。 t−PAを安定化するために、非経口溶液は凍
結させ−10〜−30℃に保存することが望ましい。 t−PAの血塊の線維素網状組織を溶解する生
物学的活性は血栓障害の治療において利用されて
いる。(The Lancet、November 7th 1981、
1018−1020;ibid、April 13th 1985、842−
847;The New England Journal of
Medicine、1984、310(10)、609−613;ibid.
1985、312(14)、932−936)従つて本発明は哺乳
動物における血栓障害の治療に対する方法を規定
している。そしてそれはここに規定しているよう
にt−PAの非経口水溶液の哺乳動物への適用を
包含している。代案としては、医薬品用、動物医
薬品用、とくに血栓障害治療用にはここに規定し
ているようにt−PAの非経口水溶液が用意され
ている。 血栓障害の特例は、少なくとも心筋梗塞、強度
の静脈血栓症、肺塞栓症及び脳出血を包含して、
当業者に知られている。 非経口溶液の主要適用経路は、たぶん筋肉内投
与のような他の方法も使用され得るが、血管内特
に静脈内注入である。血管内注入は通常注入バツ
グあるいは注入瓶内に、または電気的に操作され
る注入器内に収納された非経口溶液で実施され
る。溶液は注入用バツグあるいは瓶から重力給水
あるいは注入用ポンプの使用により、患者に供給
される。重力給水注入システムの使用では非経口
溶液の適用程度に十分なコントロールができな
い。従つて比較的高濃度のt−PAを含む溶液で
は特に注入ポンプの使用が望ましい。しかしなが
ら適用程度をより十分にコントロールし得る電気
的に操作する注入器の使用がより望ましい。 血栓障害にかかつている哺乳動物を治療するt
−PAの効果的用量はもちろん、例えば哺乳動物
の年齢及び体重、治療を要する精密な状況及びそ
の程度、投与経路を含む多くの要因に左右され
る。そしてそれは結局主治医あるいは主治獣医の
自由裁量となる。しかしながらたとえば心冠血栓
を溶解する有効量は通常1時間あたり、患者の体
重あたりで150000〜450000IU/Kgの範囲である
のが好ましい。従つて、70Kg体重の成人では1時
間あたりの有効量は通常10000000より
30000000IU、特に約20000000IUであり、この量
はpriming dose(下地量)のある・なしにかかわ
らず適用される。また強度の静脈血栓、急性脳卒
中のような血栓状態あるいはすでに再環流された
心冠動脈の解放性を単に維持するためにはより少
ない用量が妥当と思える。これらの状態には、一
般に有効量は1時間あたり患者の体重Kgあたり
7000ないし36000IU/Kgである。 本発明の説明に次の例が用意されているが、い
ずれにせよその限度を制定しているものと解釈さ
れるべきではない。 例 1 Molecular and Cellular Biology、1985、
(7)、1750−1759の手順方法を用いて由来した、培
養されて形質転換されたCHO細胞系統から得ら
れたt−PAの明瞭な収穫物はクロマトグラフイ
により精製され、t−PAは0.1Mクエン酸ナトリ
ウム及び0.01%(w/v)Tween80を含有し、PH
5.5に調整された水性溶液として収集された。そ
の溶液のPHは塩酸で3.0に調整され、得られた溶
液はH−10 Cartride(Amicon Ltd.、Upper
Mill、Stonehouse、Gloucesteshire、英国)を使
用して限外濾過法により濃縮された。0.1Mクエ
ン酸ナトリウム、0.23M塩化ナトリウム(塩酸の
添加により生じる)及び0.01%(w/v)
Tween80を含有し、PH3.0のt−PA
(2500000IU/ml)の高濃度の精製水溶液はこの
ようにして得られた。この溶液は約14000の分子
量のカツトオフをもつ、透析用チユーブに入れら
れ、濃塩酸でPH3.0に調製され、濾過、滅菌され
た0.01%(w/v)Tween80加生理食塩水(0.85
%(w/v)塩化ナトリウム)の50倍容量で4
回、4℃で透析された。各透析時間は、12時間続
くようにされた。透析用バツグから水性溶液の回
収に次いで濾過滅菌し、t−PA500000IU/mlを
含有するように、生理食塩水で希釈された。得ら
れた非経口溶液は、ガラス性バイアル瓶に充填さ
れ、密栓され、凍結されて、−20℃で保存された。 例 2 Molecular and Cellular Biology、1985、
(7)、1750−1759の手法を用いて由来された、培養
して形質転換されたCHO細胞系統から得られた、
明白なt−PAの収穫物はクロマトグラフイによ
り精製され、t−PAは0.17M クエン酸ナトリ
ウム及び0.01%(w/v)Tween80を含有し、PH
5.5に調整された水溶液として収集された。溶液
のPHは塩酸で3.0に調製され、その得られた溶液
はH−10 Cartridge(Amicon Ltd.、Upper
Hill、Stonehouse、Glouces tershire、英国)を
使用して言外濾過法により濃縮された。この高濃
度水溶液はさらにゲル濾過カラム(セフアデツク
スG−150;Pharmacia Biotechnology、
Uppsala、Sweden)及びPH3.0に調製された0.01
%(w/v)Tween80加0.85%食塩水溶液での溶
出により精製された。高精度のt−PAの水溶液
はデイスポーザブルの人工腎を使用して今一度濃
縮されて得られる。t−PAは水酸化ナトリウム
でPH5.5に上昇させ、その懸濁液を4℃、2時間
保持して溶液から沈殿した。t−PAは4000xg、
4℃で30分間遠心分離により回収された。t−
PAのペレツトは0.01%(w/v)Tween80を含
有し、塩酸でPH3.0に調製された塩化ナトリウム
(0.85%(w/v))の水性溶液中に溶解された。
使用した食塩水溶液の量は、t−PAの濃度が
7500000IU/mlと10000000IU/mlの間になるに必
要な量であつた。t−PAのこの溶液はさらに、
0.01%(w/v)Tween80を含有し、塩酸でPH
3.0に調整された0.85%(w/v)塩化ナトリウ
ムの水性溶液で希釈され、かつ同じ酸性の食塩水
溶液の10%(w/v)マンニトール溶液で希釈
し、最終濃度をt−PAで5000000IU/ml、マン
ニトールで25mg/mlとなるよう稀釈する。得られ
た溶液は濾過滅菌し、ガラス性バイアル瓶に1ml
ずつ分注され、凍結され、−20℃で貯蔵された。 例 3 例1の非経口溶液の血栓溶解効果は肘静脈血栓
症の生体モデルで評価された。 (a) 手法: 実験の手法は本質的にはCollenら(J.Clin.
Invest.、1983、71、368−376)に記載された
方法に従つた。 例1の非経口溶液は溶解され、0.01%
Tween80を含有し、PH3.0に調製された滅菌等
張食塩水で希釈され、t−PAの500000IU/Kg
の2時間注入に十分な溶液が準備された。注入
は右股静脈中にカニユーレを経由してなされ
た。3羽の白色のニユージーランド種の家兎が
本試験で使用された。注入後血栓症の程度が評
価された。 (b) 成積: 血栓症の百分率は例1の非経口溶液の血栓溶
解効果を証明して22.3±4.2%であつた。加う
るに、この溶液の注入による悪い反応は観察さ
れなかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図はt−PAのアミノ酸配列を示す。第2
図は2本鎖t−PAを生じるべき1本鎖t−PAの
開裂の位置を示す。*印はA鎖が2つのKringle
領域を、B鎖がセリンプロテアーゼ領域を含有す
る2本鎖t−PAを生じるべき1本鎖t−PAの開
裂の位置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 PHが2〜5の組織プラスミノゲン賦活物質
    (t−PA)の非経口水溶液。 2 t−PAが1本鎖型もしくは2本鎖型である
    特許請求の範囲第1項に記載の非経口溶液。 3 t−PAが図1に示されているアミノ酸配列
    を有するか、あるいは同じアミノ酸配列ではある
    がセリンN−末端から245番目の位置にあるアミ
    ノ酸がメチオニンの代りにバリンであり、場合に
    より最初の3つのアミノ酸のいずれかを欠く配列
    であるかあるいは場合によりGly−Ala−Argの
    先導配列をポリペプチドのN−末端に付加してな
    る特許請求の範囲第1項あるいは第2項のいずれ
    か一つに記載の非経口溶液。 4 t−PAが組換えDNA手法で得た形質転換ま
    たはトランスフエクシヨン細胞系統の培養により
    得られる、特許請求の範囲第1〜3項の何れか一
    つに記載の非経口溶液。 5 t−PAの濃度が100000IU/ml以上である特
    許請求の範囲第1〜4項の何れか一つに記載の非
    経口溶液。 6 t−PAの濃度が500000IU/ml以上である特
    許請求の範囲第5項に記載の非経口溶液。 7 t−PAの濃度が1000000IU/ml以上である
    特許請求の範囲第6項に記載の非経口溶液。 8 t−PAの濃度が約5000000IU/mlである特
    許請求の範囲第7項に記載の非経口溶液。 9 PHが2〜4.5である特許請求の範囲第1〜8
    項の何れか一つに記載の非経口溶液。 10 PHが2.5〜4.0である特許請求の範囲第9項
    に記載の非経口溶液。 11 PHが2.8〜3.5である特許請求の範囲第10
    項に記載の非経口溶液。 12 PHが約3.0である特許請求の範囲第11項
    に記載の非経口溶液。 13 メジウムが完全にあるいは実質的に水性で
    ある、特許請求の範囲第1〜12項の何れか一つ
    に記載の非経口溶液。 14 非経口溶液をヒト血清と実質的に等張とす
    る生理的に許容される薬剤を含有する特許請求の
    範囲第1〜13項の何れか一つに記載の非経口溶
    液。 15 生理的に許容される薬剤が塩化ナトリウム
    である特許請求の範囲第14項に記載の非経口溶
    液。 16 生理的に許容される薬剤がデキストロース
    である特許請求の範囲第14項に記載の非経口溶
    液。 17 界面活性剤を含有する特許請求の範囲第1
    〜16項の何れか一つに記載の非経口溶液。 18 実質的に緩衝剤を加えていない特許請求の
    範囲第1〜17項の何れか一つに記載の非経口溶
    液。 19 実質的にリジンあるいはオルニチンあるい
    はその塩を含まない特許請求の範囲第1〜18項
    の何れか一つに記載の非経口溶液。 20 PHが2〜5であるt−PAの塩類水溶液で
    ある、特許請求の範囲第1項に記載の非経口溶
    液。 21 ヒト及び動物用医薬品として、特に血栓障
    害の治療用の特許請求の範囲第1〜20項の何れ
    か一つに記載の非経口溶液。 22 (i) t−PAの精製溶液を得、そしてメジ
    ウムをPH2〜5をもつ水性メジウムに交換する
    か、あるいは、 (ii) PH2〜5の水性メジウム中にt−PAを溶解
    し、そして得られた溶液を滅菌することからな
    る2〜5のPHを有する組織プラスミノゲン賦活
    物質(t−PA)の非経口溶液の製造方法。
JP61122050A 1985-05-28 1986-05-27 非経口溶液製剤 Granted JPS6226234A (ja)

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ZA863955B (en) 1988-04-27
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JPS6226234A (ja) 1987-02-04
JPS6226233A (ja) 1987-02-04
ZA863956B (en) 1988-04-27

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