JPS6335970Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は壜を被包する包装袋に係り、特に底部
の構造を改良した包装袋に関する。

〔従来技術とその問題点〕

従来から、例えば清酒用1.8壜などの包装は、
一般にその清酒の銘柄を印刷したクレープ紙のよ
うな化粧包装袋でくるみ、販売に供されている
が、この種の包装袋による包装では直接手さげに
はならず、そのため別途手さげ袋に入れて携行す
るか、あるいは風呂敷等に包んで携帯することに
なり、販売用包装としては無駄が多い。またこの
種クレープ紙はコストも高く、包装費用が嵩むと
いう問題がある。

そこで、近時包装袋に代るものとして、合成樹
脂フイルムにより袋を形成し、これに壜を挿入し
て販売するようにし、袋の上端に適宜手掛けを設
けて包装と同時に手さげ袋としたものが提供され
ている。

しかして従来のこの種樹脂フイルムによる包装
袋は、第１図に示すよううに筒状フイルムａの下
端を一端から他端にかけて一直線状に熱接着する
ことにより底部ｂを形成したものであるため、壜
を挿入して吊持ちしたとき壜の総重量が熱接着部
分ｃに集中して加わり、その結果熱接着部分ｃが
破断して壜を落下させるという危険があつた。

また壜を挿入したのち卓上等に置いたとき、第
２図示のように壜の底部の直径線上に熱接着部分
ｃがおかれるため、安定性が悪く、ぐらついて転
倒させ易いという欠点を伴なうものであつた。

〔考案の目的〕

本考案はこれに鑑み、壜を挿入して手吊りして
も底部の熱接着部分に集中荷重が加わらない構造
とし、熱接着部分の破断による底抜けを完全に防
止することができ、かつ卓上等に起立載置したと
きにもぐらつくことのない壜用包装袋を提供する
ことを目的としてなされたものである。

〔考案の概要〕

上記目的を達成するため、本考案は、樹脂フイ
ルムその他熱接着可能な材料からなり周胴部に所
要数個の空気抜き孔を穿孔した筒状素材を、その
軸方向中央部で２つ折りし、その下端部を素材４
枚重ねとして熱接着し、壜挿入時に該熱接着部分
が壜底部の凹部内中央に集約されるようにしたこ
とを特徴とするものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を第３図乃至第７図に示す実施例
を参照して説明する。

本考案に係る包装袋１は、第３図示のように筒
状フイルム２をその軸線方向中心線Ａに沿つて第
４図示のように２つ折りし、その折り重なつた下
端部を熱接着して底部３を形成した構成である。
この底部３の熱接着部分４は、包装袋１を構成す
るフイルムが４枚重ねとなつている。

包装袋１の上端は開放とし、切放しのままとす
るか、あるいは第７図示のように補強用の厚紙等
の台板５を添着してこれに手さげ孔６をあけ、手
吊りし易くする。また包装袋１の周囲には適宜大
きさおよび数の空気抜き孔７，７…が穿設されて
おり、壜を挿入する際に内部に封入される空気を
逃がし、壜を挿入し易くされている。

前記包装袋１の素材としては、、合成樹脂フイ
ルム、樹脂ラミネート紙、樹脂をラミネートした
アルミ箔等、熱接着可能な材料が用いられる。

本考案による壜用包装袋１は上記の構成として
いるので、これに例えば清酒等の壜を挿入する
と、第６図Ａのように筒状部分の膨らみにしたが
い熱接着部分４が互いに反対方向に引張られ、壜
類が納まつて拡張しきつたときは、第６図Ｂ（こ
の図は斜め下方からみている）のように底部３の
熱接着部分４が壜の底部凹部内中央部に集約され
た形態となり、壜の底部周囲は熱接着部分４から
離れた筒状部分に接することになり、したがつて
包装袋１を手吊りしたときの壜の重量を筒状部分
のフイルムで分散支持し、熱接着部分４を剥離さ
せる力は加わらず、その結果、熱接着部分４の破
断による壜の落下事故を皆無にすることができ
る。

また包装袋１に壜を挿入して卓上等に置いた場
合には、前述のように熱接着部分４が壜の底部の
凹部内中央に集約されて壜の底部下面の凹部内に
納まつてしまうので、壜の底部下面の周囲がフイ
ルム１枚を介して接地することになり、そのため
ぐらつくことなく安定して置くことができる。

〔考案の効果〕

このように本考案による壜用包装袋は、筒状素
材をその軸方向中心線により２つ折りし、その下
端を４枚重ねとして熱接着により一体にシールし
た構成としたことにより、壜を挿入したときその
熱接着部分が中央に集約される形態に変態するの
で、壜の重量は熱接着部分に直接加わることがな
く、筒状素材の筒状部分により分散支持されるの
で包装袋としての底部の強度が著しく増し、底抜
けによる落下事故を皆無とすることができる。ま
た前記熱接着部分は筒状部分の拡張に伴つて中央
部に集約されるため、壜の底部下面の凹部内に丁
度納まる形態となり、その結果、平坦面上に置い
たときも熱接着部分に災わいされることなく安定
して設置され、ぐらついて倒れるような危険もな
い。また加工は単に筒状素材を軸方向中央で２つ
折りしてその一端を熱接着させるのみであるか
ら、工程はきわめて少くてすみ、著しく安価に提
供することができる。また包装袋の筒状部分に空
気抜き孔が穿設されているので、壜の挿入時に空
気が内部に封入されることがなく、壜の挿入が容
易であるなどの種々優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の包装袋を示す斜視図、第２図は
第１図の包装袋に壜を挿入した状態を示す斜視
図、第３図は本考案による包装袋の製造過程を示
す説明図、第４図は完成形態の斜視図、第５図は
第４図の包装袋に壜を挿入した状態を示す斜視
図、第６図Ａ，Ｂは同壜挿入時における包装袋の
底部の変形過程を示す説明図、第７図は他の実施
例を示す斜視図である。 １……包装袋、２……筒状フイルム、３……底
部、４……熱接着部分、５……台板、６……手さ
げ孔、７……空気抜き孔、Ａ……中心線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 樹脂フイルムその他熱接着可能な材料からなり
   周胴部に所要数個の空気抜き孔を穿孔した筒状素
   材を、その軸方向中央部で２つ折りし、その下端
   部を素材４枚重ねとして熱接着し、壜挿入時に該
   熱接着部分が壜底部の凹部内中央に集約されるよ
   うにしたことを特徴とする壜用包装袋。