JPS6221559Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、不使用時には偏平に折りたたまれ、
使用時には確実に自立せしめることができ、しか
も自立せしめた状態で開口端部を封止することの
できる自立性容器に関するものである。

従来より、不使用時に偏平で使用時に自立する
容器（以下、単に自立性容器という）の構造につ
いての考案は多数なされている。例えば、厚紙等
で成形した六角筒状外胴体の内周面にアルミはく
またはアルミはく積層材等の可とう性フイルムで
製袋した内袋を貼着してなるものがある。内袋は
外胴体の内周面に貼着される胴体部と、この胴体
部の間に逆Ｖ字形に折り込まれる底面部とからな
り、不使用時には内袋の底面部を折り込んだ状態
で偏平に畳むことができ、内容物を入れたときは
前記内袋の底面部が張出して外胴体とともに六角
型の容器底面を形成して安定に自立することがで
きるものである。この自立性容器は、運搬、保存
等の間は平らに折りたたむことができるので場所
をとらず、一方、ジユース等を入れたままで自立
させることができるので、手軽で丈夫な容器とし
て汎用されている。

しかしながら、上記自立性容器は、内袋外周面
全体を厚紙等の剛性基材からなる外胴体で被覆成
形してあるため、内容物を入れたときに開口端を
シールすることができず、自ずとその用途が限定
されてしまつていた。

本考案は、内袋の外周側に被覆貼着する剛性外
胴体を可とう性内袋下部に設けることにより、容
器下部は外胴体が位置するため角型底部が形成し
て自立することができ、容器上部は可とう性内袋
であるため封止することができる自立性容器を提
供することを目的とするものである。

本考案自立性容器の一例を図面に基づいて説明
する。

第１図イは本考案容器Ａを偏平にたたんだ状態
を示す斜視図、同ロ及びハは本考案容器Ａの要部
拡大平面図及び斜視図、第２図は本考案容器Ａの
自立状態を示す斜視図及び第３図は本考案容器Ａ
の開口端を閉止した状態を示す正面図である。

図中、１は本考案自立性容器Ａの外胴体で、厚
紙、プラスチック等の単独または積層材からなる
帯状シートを輪状して両端部を接着してなるもの
である。外胴体１には、外胴体１の周巾方向にわ
たる２本の外折線１ａ，１ｂが相対向して設けら
れており、この外折線１ａと１ｂによつて前面部
１１及び後面部１２が画成される。前面部１１と
後面部１２のそれぞれには、前記外折線１ａ，１
ｂと平行に、外折補助線１ｃ，１ｄと１ｅ，１ｆ
とが相対向して設けられている。外胴体１は、外
折線１ａ，１ｂを両側辺として偏平体に折りたた
むことができ、また、図中、矢印で示すように外
胴体に押圧力を加えると外折線１ａ，１ｂと外折
補助線１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｆとにより六角筒を
形成することができる。１３，１３は外胴体１を
六角筒形状にしたときこの状態を安定化するため
に、外胴体１の外折線１ａ，１ｂ付近に設けられ
たストツパである。ストツパ１３の構造は、第１
図ロ及びハに示すように、外折線１ａと直交する
上側切込線１３ａと下側切込線１３ｂとを互いに
平行に設けることにより帯状押込片１３ｃを形成
してなるもので、外胴体１を六角筒状に押圧成形
した後、この帯状押込片１３ｃを内側へ押し込
む。これにより外胴体１の六角筒形状が安定に保
持される。このストツパ１３は、勿論、他方の外
折線１ｂ部分にも設けられている。

２は、前記外胴体１に内周面に貼着された内袋
である。内袋２は、アルミはく、プラスチックフ
イルム等の単独または積層材で製袋されるもので
ある。内袋２の製袋例を第４図〜第６図に基づい
て説明する。

第４図は、内袋２の外表面展開図である。図に
示すように、長方形シート２′は、長手方向中心
に設けられた横断線（以下、中心線という）２ａ
と、この中心線２ａを対称軸として図中上下方向
に対称に２本づつ平行に設けられた横断線２ｂ，
２ｃ及び２ｄ，２ｅと、長方形シート２′の長辺
と平行にかつ長辺より所定距離だけ内側に位置す
る１対の縦断線２ｆ，２ｇとにより画成される。
５本の横断線２ａ〜２ｅの間隔はそれぞれ等距離
とし、また縦断線２ｆ，２ｇは長方形シート２′
の長辺から等距離だけ内側に位置する。縦断線２
ｆと２ｇとの間隔は、前記外胴体１の前面部１１
（または後面部１２）の横巾とほぼ等しくする。

上記展開図において、横断線２ｂと縦断線２
ｆ，２ｇとにより画成される部分が内袋２の前面
部２１を形成し、横断線２ｄと縦断線２ｆ，２ｇ
とにより画成される部分が内袋２の後面部２２を
形成し、また、横断線２ｂ，２ｄと縦断線２ｆ，
２ｇとにより画成される部分が内袋２の底面部２
３を形成する。なお、図中点線部分はヒートシー
ル部を表わす。

上記展開図を有するシート２′を、第５図に示
すように中心線２ａが内折線となり、横断線２
ｂ，２ｄが外折線となるように折り、横断線２ｃ
の両端点m₁とm₂、中心線２ａの両端点m₃とm₄及
び横断線２ｅの両端点m₅とm₆とをそれぞれ重ね
たのち、両側端部２ｈ，２ｉを開口上端から下端
までヒートシールする。

次に、前面部２１の下端部を、第６図に示すよ
うに、m₁（m₃）からn₁へへ向けて斜めにヒートシ
ールし、またm₂（m₄）からn₂へ向けて斜めにヒー
トシールする。後面部２２の下端部も同様に２箇
所ヒートシールする。ヒートシール部分を要すれ
ば切断除去し、内袋２とする。

内袋２は、ヒートシールした両側端部２ｈ，２
ｉがそれぞれ外胴体１の外折線１ａ，１ｂに対応
し、またその下端横断線２ｂ，２ｄが外胴体１の
下端に揃う位置となるようにして、外胴体１の内
周面に貼着される。

３は、前記外胴体１と同様の剛性基材で作られ
た封止帯である。封止帯３は、帯状シートの両端
部を接合して輪状となし、外折線３ａ，３ｂと外
折補助線３ｃ，３ｄ，３ｅ，３ｆとを所定の位置
に形成してなるものである。この封止帯３は、前
記内袋２の開口端部外周に被覆貼着される。封止
帯貼着部分の内袋２の内周面には粘着テープ４を
設け、この粘着テープ４の表面には離型紙（図示
せず）を貼つておく。

上記構成の自立性容器Ａは、内容物を充てんし
ていないときは、第１図に示すように外胴体１の
外折線１ａと１ｂ、内袋２のヒートシール端部２
ｈと２ｉ及び封止帯３の外折線３ａと３ｂとを介
して偏平に折りたたまれる。内袋２の底面部２３
は、前面部２１と後面部２２との間で逆Ｖ字形状
に折り込まれている。

内容物を充てんするときは、図中矢印で示す方
向から外胴体１を押圧する。外胴体１は、その外
折線１ａと１ｂ及び外折補助線１ｃ〜１ｆとが外
方へ突出するように折り曲げられるので、六角筒
体を形成する。内袋２は、その下部外周全面が外
胴体１の内周面に貼着されているので、外胴体１
の前記変形に追従して内袋２も変形する。内袋２
の逆Ｖ字状に折込まれた底面部２３が張出し、前
記六角筒状外胴体１とともに容器Ａの底面部を形
成する。ストツパ１３，１３の押込片１３ｃ，１
３ｃを内側へ押し込む。前記変形により内袋２の
開口端も六角形に開口する。この開口端から内容
物を充てんした後、粘着テープ４の表面を被覆す
る離型紙をはがして、封止帯３の部分を閉じる。
内容物を充てんした状態で開口端をシールした容
器Ａの正面図を第３図に示す。図に示すように、
容器Ａは、上端部及び下端部の剛性を有する封止
帯３及び外胴体１間に、可とう性のフイルムで製
袋された内袋２が介在する構成としたので、内容
物を充てんし外胴体１を六角筒形状として自立さ
せた状態で上端部の封止帯を閉じることができ
る。

外胴体に使用する材質は、剛性を有する基材で
あり、例えば厚紙、プラスチック、金属はく（シ
ート）等の単独またはそれらの積層材等である。
外胴体の外表面に着色、印刷、型付等をすること
も良い。外筒体は、上述した六角筒形状だけでな
く四角筒、八角筒等の形状とすることが可能であ
る。

内袋に使用する材料は適度の保形性と可とう性
を有するものであれば良く、例えばアルミはく、
紙、プラスチックフイルム、セロハン等の単独ま
たは積層品である。これらは、内容物の種類に応
じて、耐水性、耐蝕性、耐溶剤性、遮光性を有す
るものを適宜選択して使用される。内容物の状態
を外部から見ることができるように透明なもので
形成してもよく、また袋の一部に透明な窓部を設
けてもよい。内袋の製袋例は、上述したものに限
定されず、折りたたんで偏平となり内容物を入れ
ると角型状となるものであれば何でもよい。

封止帯としては前記外胴体に使用するものと同
じ材質のものを用いることができる。封止する場
合には、輪ゴム、ヒモ等で内袋の上端を閉じるよ
うにしてもよく、またホツチキス、クリツプ等で
閉じるようにしてもよい。

本考案自立性容器は、種々の用途に適用可能で
ある。例えば、上端を開口させ自立した状態の容
器に吸油性の優れた紙、ボロ布等を入れておき、
料理で使用した廃油を適宜内部へ捨て、油を前記
紙、ボロ布等にしみこませる。十分に油がしみこ
んだら開口端をシールしてそのまま捨てる。この
ようにすると、団地等の家庭でも廃油処分を容易
に行なうことができる。また、使用済みの化粧用
コツトン、紙、生理用品等も上述と同様に扱うこ
とができる。このほか、本考案容器にスナツク食
品、菓子等を入れて開口端を封止し、店頭販売す
ることもできる。

以上記載したように、本考案自立性容器は、偏
平にたたむことができ、また、内容物を入れた状
態で安定して自立することができ、しかもこの状
態で開口端を封止することができるので、広く多
種類の用途に使用可能であるという利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図イは本考案自立性容器の一例を示す斜視
図、同ロ及びハはその要部拡大正面図及び斜視
図、第２図は本考案自立性容器の開口自立状態を
示す斜視図、第３図は本考案自立性容器の封止自
立状態を示す正面図、第４図〜第６図は本考案で
用いる内袋の一例を示す展開図ならびに製袋状態
を示す斜視図、を表わす。 図中、１……外胴体、１ａ，１ｂ……外折線、
２……内袋、２ａ〜２ｅ……横断線、２ｆ，２ｇ
……縦断線、３……封止帯、３ａ，３ｂ……外折
線、１３……ストツパ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 相対向する位置に１対の外折線を高さ方向に有
   する胴体部と、該胴体部下端に連設され前記１対
   の外折線の下端を結ぶ内折線を有する底面部とか
   らなる可とう性フイルム製袋体であつて、内容物
   が充てんされていないときは前記胴体部の１対の
   外折線が両側辺となり前記底面部が前記内折線を
   介して前記胴体部の間に逆Ｖ字状に折り込まれた
   状態で偏平に折りたたまれており、内容物が充て
   んされたときは前記折りたたまれた底面部が開い
   て角底を有する角筒体になる内袋と、 前記内袋胴体部の下端部外周の周回わりに被覆
   貼着され、かつ、前記胴体部の１対の外折線に対
   応して設けられた１対の外折線とこれら外折線と
   平行に少なくとも１組以上設けられた複数本の外
   折補助線と、前記外折線を横切つて設けられた２
   本の切込みからなるストツパとを有する剛性基材
   からなる枠体であつて、内容物が充てんされてい
   ないときは該枠体に設けられた１対の外折線を両
   側辺として偏平状に折りたたまれ、内容物が充て
   んされたときは角筒体となり、前記ストツパを該
   角筒体内側に押込むことによりその形状を保持で
   きるようにした外胴体と、 前記内袋の上端部外周の周回わりに被覆貼着さ
   れ、かつ前記外胴体の外折線および外折補助線と
   に対応する各折線を有する剛性基材からなる封止
   帯と、 からなる自立性容器。