JPS6226992B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、たとえば流動性製品を封入するため
の厚紙容器に適用し得る容器に関する。

一般に厚紙等の材料で作つた容器に、流動性製
品を封入することは、米国特許第2603400号明細
書、米国特許第2126166号明細書、米国特許第
1915027号明細書に示されているように公知であ
る。

しかしこのような容器では、内容物の漏れ、開
封の困難性、積み重ねがむずかしいこと、注き出
しにくいこと等の問題が残つている。

注ぎ出しに関する問題は、米国特許第2593778
号明細書、米国特許第2327024号明細書及び米国
特許第2058592号明細書による如き、立てられ得
る注ぎ出し口を有する容器に於て或る程度迄軽減
され、同様に、容器の開放に関する問題は、米国
特許第2325145号明細書および、米国特許第
3019191号明細書による如き、自己開放され得る
端蓋を有する容器に於て解決が試みられた。

しかし、これらの努力に拘らず、牛乳カートン
の如きいくつかの特殊な容器を除いては、如何な
る厚紙製容器も、流動性製品の包装用として市場
に於ける実質的容認を得ていない。従つて、これ
に代つて、折衷的な解決法、即ち、一般に複合か
んと称される厚紙紙製の本体と金属製端板との組
合わせから成る容器を用いる事が広く採用されて
いる。しかし、厚紙に比しての金属の価格の高謄
により、この折衷案の容器に対する魅力が減衰し
ている。

本発明は上記した点に鑑みてなされたもので別
に設けた開放器を用いることなく、容易に積み重
ねでき、耐漏洩性を備えた容器を提供することを
目的とする。

以下本発明の一実施例を図面につき説明する。

複合容器は、第５図に示すように、剛性の円筒
形側壁１と、この円筒形側壁１の端部を折り曲げ
成形することで作られ円筒形側壁の軸線と直角な
面内に位置する端蓋２と、上記円筒形側壁内に置
かれる製品収容内袋３と、円筒形側壁１と製品収
容内袋３との間に置かれる製品収容内袋３を破る
ための裂断具１０とから構成されており、裂断具
１０は、製品収容内袋３を破つて、収容された製
品を注ぎ出す作用をする。

円筒形側壁１と端蓋２は、第１図ないし第２図
に示すように、厚紙またはこれと同様な材料で作
られた巻かれた矩形素材４またはシームレス円筒
体５から形成されている。巻かれた矩形素材４ま
たはシームレス円筒体５の端部４ａ，５ａは、折
れ線６に沿つて、円筒形側壁１の軸線と直角に置
かれて同一面内のＮ辺多角形を形成する多数の相
連結された三角形部分７の形に折畳まれる。

上記三角形部分７は、Ｎ個の比較的大きい二等
辺三角形７ａ、Ｎ個の比較的小さい二等辺三角形
７ｂ及び2N個の鈍角三角形７ｃを含み、これら
の三角形は、上記端蓋中に相重なつた状態に折畳
まれ、この際上記鈍角三角形７ｃは、上記大きな
二等辺三角形７ａと上記小さな二等辺三角形７ｂ
との間に挾まれるように配置される。上記Ｎは偶
数である事が望ましいが、必ずしもこれに限らな
い。たとえばＮが６であれば、大きな二等辺三角
形は正三角形になる。鈍角三角形７ｃは、小さな
二等辺三角形７ｂの両側にあり、二等辺三角形７
ｂとともに、大きな二等辺三角形７ａと同形で、
相隣る７ａ間に７ａと反対向きに置かれた三角形
を形成する。

完成した端蓋２においては、多数の三角形７
は、相重なつた状態に折曲げられ、鈍角三角形７
ｃは、大きな二等辺三角形７ａと小さな二等辺三
角形７ｂとの間に挾まれる。この際大きな二等辺
三角形７ａが最外方にある事が望ましく、これに
より、外から見える折目の数が最小になり、また
大きな切目の無い区域には開け方の説明または装
飾の印刷が施こされる。

一方、端蓋２を開放前の閉じた状態に保つに
は、小さな二等辺三角形７ｂは、これに隣る二つ
の鈍角三角形７ｃに接着される。これに用いられ
る接着剤１２は２種類あり、一方の接着剤１２ａ
は比較的恒久的なものであり、他方の接着剤１２
ｂは、端蓋２をあける為に剥離され得るものであ
る。上記２種類の接着剤が、第３図に示す如く、
端蓋２の各半分に使用される。容器の端蓋２を開
けるに、三角形部分７の接着剤１２ｂで接着され
た部分を、容器から離れる方向に引き出す。この
引き出し操作は、端蓋２に設けた開口に連らなる
一体の注ぎ口７ｄが形成されるまで行なわれる。
他方円筒形側壁１内に配設された製品収容内袋３
は製品の漏洩をなくすバリヤを形成し、周縁部３
ａを、第６図に示すように、側壁１と端蓋２との
間で挟持され、連結部８を形成する。

また裂断具は、側壁１に蝶番連結された切断体
１０と、この切断体１０に取付けられた可撓把握
体１１を有し、可撓把握体１１は、多数の三角形
部分７の会合点７ｅを通つて容易の外部に延びて
いる。また可撓把握体１１は、注ぎ出し口７ｄの
部分を形成する為の一つまたは多数の三角形部分
７に接着されている。従つて、可撓把握体１１の
突出部分を引つぱると、接着剤１２ｂで接着され
た三角形部分７が外方に引き出されて、端蓋２に
開口が形成され、これと同時に、切断体１０が内
袋３に向けて引かれて内袋３を破り、よつて、内
袋３から製品の流出が行なわれる。上記開放操作
は、把握体１１の唯一回の動作により行なわれ
る。

以上述べた本発明の容器は、自動車用製品（特
にエンジンオイル）の包装に特に好適であり、こ
れらの製品がサービスステーシヨンで売られる時
には、容器は、上述した方法により開けられ得
る。

さらに本発明の容器は、実質的に平らな端蓋２
及び端板９を有する事により、容易に積み重ねる
事ができる。

内袋（ライナー）の材料を適当に選択する事に
より、この容器は、高度の社会性（通用性）を持
しつゝ広く種々な製品の包装に満足に用いられ得
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の容器を形成するための厚紙製
素材の平面図、第２図および第３図は、上記容器
の端蓋を作る時の二段階を示す斜視図、第４図は
開けられて、注ぎ出し口を形成した端蓋を示す斜
視図、第５図は本発明の容器の縦断面図、第６図
は要部拡大断面図、第７図は容器側壁の切断体が
取付けられた部分の斜視図、第８図は部分的にあ
けられた容器端蓋を示す部分縦断面図、第９図は
部分的にあけられた容器端蓋を示す部分斜視図で
ある。 １…側壁、２…端蓋、３…内袋、４…素材、６
…折目線、７ａ，７ｂ，７ｃ…端壁折畳まれる三
角形部分、９…端板、１０…切断体、１１…端把
握体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 剛性の円筒形側壁と、この円筒形側壁の端部
   を折り曲げ成形することで作られ円筒形側壁の軸
   線と直角な面内に位置する端蓋と、上記円筒形側
   壁内に置かれる製品収容内袋と、円筒形側壁と製
   品収容内袋との間に置かれる製品収容内袋を破る
   ための裂断具とを有し、上記端蓋を形成する端部
   は円筒形側壁の軸線と直角に置かれてＮ辺多角形
   を形成する多数の相連結された三角形部分の形に
   折畳まれ、上記Ｎは整数であり、上記多数の三角
   形部分は、Ｎ個の比較的大きい二等辺三角形、Ｎ
   個の比較的小さい二等辺三角形及び2N個の鈍角
   三角形を含み、これらの三角形は、上記端蓋中に
   相重なつた状態に折畳まれ、この際上記鈍角三角
   形は、上記大きな二等辺三角形と上記小さな二等
   辺三角形との間に挾まれるように配置され、上記
   裂断具は、円筒形側壁の内面に蝶番連結された切
   断体と、一端側を切断体に取付け他端側を注ぎ口
   を形成する三角形に取付けるとともに容器の外部
   に突出した可撓把握体とを有することを特徴とす
   る容器。