JPS6335837B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、車両等のエアブレーキ装置などの
空圧回路に乾燥圧縮空気を供給するための乾燥装
置を備えた圧縮空気源に関するものである。

従来より、この種のものとして、空気を吸引し
て圧縮空気を吐出する空気圧縮機と、該空気圧縮
機からの圧縮空気を再生可能な乾燥剤により乾燥
する乾燥器と、該乾燥器からの圧縮空気を貯える
空圧貯槽と、前記空気圧縮機に設けられ圧縮空気
の供給、排出に応じて当該空気圧縮機の送気機能
を無効、有効とするアンローダ装置と、前記乾燥
器に設けられ圧縮空気の供給、排出に応じて前記
乾燥剤の前記空気圧縮機側を外気に対して連通、
遮断するドレン弁と、前記空圧貯槽の圧力が比較
的高い第１の所定値に達すると前記アンローダ装
置およびドレン弁に圧縮空気を供給し、かつ、前
記空気貯槽の圧力が比較的低い第２の所定値に達
すると前記アンローダ装置およびドレン弁から圧
縮空気を排出するガバナ装置とを有し、前記空気
圧縮機の送気機能が有効であるときには前記乾燥
器により圧縮空気を乾燥し、無効であるときには
前記乾燥剤を再生するようにしたものが知られて
いる。

ところで、従来のこうしたものでは、前記空気
圧縮機が一般に車両等のエンジンによつて駆動さ
れるので、当該空気圧縮機はその送気機能の有
効、無効のいかんにかかわらず常に駆動されてい
る。そこで、前記乾燥剤の再生が行なわれている
間に、空気圧縮機が無負荷状態で駆動されている
と、空気圧縮機内の空気圧縮室に潤滑用のオイル
がたまり、そのような状態で乾燥段階に入ると、
そのたまつていたオイルがまとまつて乾燥器内に
浸入し、内部の乾燥剤が著しく汚れ、その乾燥能
力が大幅に低下するという問題がある。

この発明は以上の点を考慮してなされたもので
あり、その目的は、乾燥剤へのオイルの付着量を
減じることができる技術を提供することにある。

この発明のその他の目的および新規な特徴は、
この明細書の記述および添付図面から明らかにな
るであろう。

この発明では、前記ドレン弁と前記ガバナ装置
との間に、当該ドレン弁からの圧縮空気の排出
を、前記アンローダ装置からの圧縮空気の排出に
比較して時間遅れを生じさせる排気遅延装置を設
けるようにしている。排気遅延装置としては、絞
り弁あるいは逆止弁付き絞り弁などを用いること
ができる。

以下、添付図面に示す実施例を説明することに
よつて、この発明の内容を明らかにする。

図面はこの発明による乾燥装置を備えた圧縮空
気源の一実施例を、一部を断面構造によつて示す
全体構成図である。この図中、この発明の特徴は
破線で囲んだ排気遅延装置１００の部分にある。

そこでまず、従来と同様の部分について述べ、
その後で特徴部分を説明する。

乾燥装置１は、内部に再生可能な乾燥剤２を有
し、圧縮空気を乾燥させる乾燥器３と、この乾燥
器３の内部と大気との連通を制御しドレンの排出
を行なうドレン弁４とを備えている。

乾燥器３のケーシングは、蓋をなす上部材５
と、内部に充分な収容空間を有する下部材６とで
ある。上、下両部材５，６はともにアルミニウム
等の金属製で、下部材６の上部上面および内周に
シールリング７，８を介在して複数のボルト９に
よつて気密的にかつ一体的に固定されている。

こうしたケーシングの内部には、コンプレツサ
オイルやダストを除去するフイルタ部１０、およ
び前記乾燥剤２を有し水分あるいは湿気を除去す
るドライヤ部１１がある。フイルタ部１０にはリ
ング形状のフイルタエレメント１２があり、その
フイルタエレメント１２は支持部材１３によつて
支持されており、フイルタエレメント１２の外側
にフイルタ入口空間１４、内側にフイルタ出口空
間１５がそれぞれ形成されている。また、ドライ
ヤ部１１の乾燥剤２は、乾燥筒１６の内部に充填
されている。乾燥筒１６はその底部に前記フイル
タ部１０を携えてケーシングの底部に載置されて
いる。この場合、乾燥筒１６の上縁部は上部材５
の内周にはまり、しかも外周部分がシールリング
８に密嵌している。そのため、ケーシングの内部
には、上部材５の中央に設けた流出口１７に通じ
る乾燥筒１６の上部の流出空間１８と、下部材６
の側部上方に設けた流入口１９に通じる乾燥筒１
６の側周の流入空間２０とが気密に区画される。

したがつて、空気圧縮機２１から吐出され、流
入口１９を通して乾燥器３の内部に流入する圧縮
空気は、まず乾燥筒１６側周の流入空間２０を通
してフイルタ入口空間１４に入り、その入口空間
１４から出口空間１５に至る間にフイルタエレメ
ント１２によるろ過作用を受け、ついでドライヤ
部１１で水分等を除去され、上部の流出空間１８
および流出口１７を通して乾燥器３の外部へと流
れ出る。なお、流出口１７の部分には、外側から
内側に向かつて、多数の穴を有する止め板２２お
よび内側から外側へと向かう流れのみを許容する
逆止弁２３、さらには逆止弁２３をバイパスする
絞り通路２４がそれぞれ設けられている。また、
乾燥剤２は粒状体であるため、それを入れる乾燥
筒１６の上下部には、金属製の多孔板２５をベー
スとした仕切り２６，２７がそれぞれ設けられて
いる。この場合、上部の仕切り２６はスプリング
２８によつて押さえ付けられ、乾燥剤２の揺動防
止が図られている。

流出口１７を含む上部材５の上部はパージレザ
ーバ２９を構成する部材３０によつて被われてい
る。レザーバ構成部材３０の下端開口部には外向
きフランジ３１があり、そのフランジ部分がシー
ルリング３２を介在して上部材５に対して一体的
に取り付けられている。こうしたレザーバ構成部
材３０の側部には配管接続口３３が設けられてお
り、配管接続口３３は一方では管路３４および管
路３４途中の逆止弁３５を介してメインレザーバ
３６に通じている。逆止弁３５は配管接続口３３
の側からメインレザーバ３６の側へ向かう方向を
順方向とするものである。したがつて、乾燥器３
側の流出口１７から流れ出た圧縮空気は、一部が
再生用として空圧貯槽の一つであるパージレザー
バ２９内に貯えられ、その残部が他の空圧貯槽で
あるメインレザーバ３６の内に貯えられる。そし
て、メインレザーバ３６内の圧縮空気はエアブレ
ーキ装置等の外部機器の作動源として利用され
る。

一方、ドレン弁４のハウジング、つまりドレン
弁４の本体３７は、乾燥器３のケーシングをなす
下部材６の下方部分に下部材６と一体的に設けら
れている。このドレン弁４の本体３７の内部には
シリンダ孔３８がある。シリンダ孔３８は一方で
は左側部に延びる通路３９を通してコントロール
ポート４０に連通し、他方では右側部に延びる通
路４１を通して乾燥器３の内部に連通している。
このようなシリンダ孔３８にはプラグ４２が挿入
され、その内周側に制御ピストン４３が摺動可能
に配置されている。制御ピストン４３は、上側の
一端に受圧面４３ａを有し、その受圧面４３ａに
はコントロールポート４０および管路４４を通し
てガバナ装置４５からの空圧信号を受けるように
なされている。こうした制御ピストン４３の下側
の他端には弾性材料製の弁部材４６が取り付けら
れており、この弁部材４６はプラグ４２側に設け
たテーパ弁座４７とともにドレン弁４の弁部分を
構成している。制御ピストン４３は、メインレザ
ーバ３６内の空気圧が所定値に達しない段階では
スプリング４８の付勢力によつて上方に押し上げ
られているが、メインレザーバ３６内の空気圧が
所定値に達するとガバナ装置４５からの空圧信号
を受けてピストン４３は下方に移動する。こうし
た作用により、ドレン弁４の開閉が行なわれる。
なお、ガバナ装置４５は、一方のポートが管路４
９を通してメインレザーバ３６に通じ、他方のポ
ートが管路４４を通してコントロールポート４０
に通じているが、他方のポートはまた管路４４お
よび分岐管路４４ａを通して空気圧縮機２１のヘ
ツド部分にあるアンローダ装置５０に通じてい
る。そこで、ガバナ装置４５はアンローダ装置５
０と相俟つて空気圧縮機２１の送気機能を制御す
る働きをなし、それによつてメインレザーバ３６
内の空圧を比較的低い第２の所定値（たとえば７
Kg／cm²）から比較的高い第１の所定値（たとえば
８Kg/cm²）の範囲内に保持することができる。

さて、この発明では、ガバナ装置４５とコント
ロールポート４０とを連絡する管路４４の途中
に、ドレン弁４の閉弁を遅らす排気遅延装置１０
０を設けている。この場合、排気遅延装置１００
として、逆止弁１０１付きの絞り弁１０２を用い
ている。逆止弁１０１と絞り弁１０２とは並列に
接続されており、逆止弁１０１はガバナ装置４５
からコントロールポート４０へ向かう方向を順方
向とするものであり、また絞り弁１０２は可変絞
りを有している。

今、空気圧縮機２１の負荷運転により乾燥圧縮
空気がパージレザーバ２９およびメインレザーバ
３６の内部に供給されているとする。その場合、
ガバナ装置４５は、メインレザーバ３６内の空圧
が前記規定の第１の所定値に達するまでは管路４
４に通じるポートは図示しない排気ポートを通し
て大気に連通している。したがつて、その状態で
は管路４４を介しての空圧信号は０であり、空気
圧縮機２１は送気機能を有し負荷運転を継続し、
またドレン弁４は閉じたままである。

こうした空気圧縮機２１の負荷運転により、メ
インレザーバ３６内の空圧が規定の第１の所定値
に達すると、ガバナ装置４５はアンロード空圧信
号をアンローダ装置５０に供給するとともに、こ
の空圧信号をドレン弁４のコントロールポート４
０に供給する。この場合、管路４４途中の逆止弁
１０１が開くので、絞り弁１０２があるにもかか
わらず、コントロールポート４０への信号伝達
は、アンローダ装置５０へのそれに対し時間的な
遅れはない。これにより、空気圧縮機２１は無負
荷運転になる一方、前述したとおりドレン弁４が
開き、パージレザーバ２９内の乾燥圧縮空気の逆
流により乾燥剤２の再生が比較的速やかに行なわ
れる。

そしてまた、エアブレーキ装置等の外部機器の
作動によりメインレザーバ３６内の圧縮空気が消
費され、メインレザーバ３６内の空圧が前記規定
の第２の所定値に達すると、ガバナ装置４５はア
ンローダ装置５０への空圧信号の供給を停止して
空気圧縮機２１を再び負荷運転にし、しかもまた
ドレン弁４に供給していた信号圧力を大気に開放
して管路４４内の空圧を０にする。それにより、
ドレン弁４は閉じることになる。

この場合、ドレン弁４に対する信号圧力の開放
は、管路４４を通してガバナ装置４５の排気ポー
トから行なわれるので、管路４４途中の絞り弁１
０２による抵抗分だけアンローダ装置５０からの
圧縮空気の排出に比べて時間遅れを生じることに
なる。この時間遅れ量は絞り弁１０２の絞り調整
によつて制御することができる。したがつて、そ
のような時間遅れを利用して、無負荷運転時に空
気圧縮室にたまつていた潤滑用のオイルを、乾燥
段階に入る前にドレン弁４を通して大気に放出さ
せることができ、乾燥剤２へのオイルの付着を有
効に回避することができる。なお、前記時間遅れ
量については、空気圧縮機２１の吐出能力、空気
圧縮機２１からドレン弁４に至る間の配管長さお
よび容量、ならびに管路４４部分の空圧の絞りに
よる排出時間等を考慮して設定すればよい。

以上のように、この発明にあつては、ガバナ装
置４５とドレン弁４との間に排気遅延装置１００
を設けているので、ドレン弁４の閉弁を装置１０
０を設けた分だけ遅らすことができ、無負荷運転
により空気圧縮機２１の空気圧縮室内にたまつて
いた潤滑用のオイルをその間にドレン弁４を通し
て大気に放出させることができ、したがつて乾燥
剤２のオイル汚れの問題を有効に緩和することが
できる。

以上この発明を実施例に基づき具体的に説明し
たが、この発明は前記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可
能であることはいうまでもない。たとえば、前記
可変絞りを有する絞り弁１０２に代えて固定絞り
を有するものを利用することができるし、またメ
インレザーバ３６には通常セフテイバルブが設け
られているので、逆止弁１０１を省略することも
できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示すもので、乾燥
装置の断面構造を含む配管図である。 １００…排気遅延装置、１０１…逆止弁、１０
２…絞り弁、１…乾燥装置、２…乾燥剤、３…乾
燥器、４…ドレン弁、１７…流出口、１９…流入
口、２１…空気圧縮機、２９…パージレザーバ、
３６…メインレザーバ、４０…コントロールポー
ト、４５…ガバナ装置、５０…アンローダ装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 空気を吸引して圧縮空気を吐出する空気圧縮
   機と、該空気圧縮機からの圧縮空気を再生可能な
   乾燥剤により乾燥する乾燥器と、該乾燥器からの
   圧縮空気を貯える空圧貯槽と、前記空気圧縮機に
   設けられ圧縮空気の供給、排出に応じて当該空気
   圧縮機の送気機能を無効、有効とするアンローダ
   装置と、前記乾燥器に設けられ圧縮空気の供給、
   排出に応じて前記乾燥剤の前記空気圧縮機側を外
   気に対して連通、遮断するドレン弁と、前記空圧
   貯槽の圧力が比較的高い第１の所定値に達すると
   前記アンローダ装置およびドレン弁に圧縮空気を
   供給し、かつ、前記空圧貯槽の圧力が比較的低い
   第２の所定値に達すると前記アンローダ装置およ
   びドレン弁から圧縮空気を排出するガバナ装置と
   を有し、前記空気圧縮機の送気機能が有効である
   ときには前記乾燥器により圧縮空気を乾燥し、無
   効であるときには前記乾燥剤を再生するようにし
   た乾燥装置を備えた圧縮空気源において、前記ド
   レン弁と前記ガバナ装置との間に、当該ドレン弁
   からの圧縮空気の排出を、前記アンローダ装置か
   らの圧縮空気の排出に比較して時間遅れを生じさ
   せる排気遅延装置を設けて成る乾燥装置を備えた
   圧縮空気源。