JPH0575448B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、車両等のエアブレーキ装置などの
空圧回路で用いられる圧縮空気乾燥方法に関する
ものである。

従来より、この種のものとして、空気圧縮機か
ら吐出される圧縮空気を、乾燥器内に収容した再
生可能な乾燥剤により乾燥して、空圧貯槽に貯
え、空気貯槽内の圧力が比較的高い第１の所定の
圧力に達してから比較的低い第２の所定の圧力に
下がるまで前記乾燥器の前記空気圧縮機側を大気
に連絡し、前記空気貯槽側の圧縮空気を逆流さ
せ、前記乾燥器内の乾燥剤中を通過させて当該乾
燥剤を再生して成るものが知られている。

ここで、前記空圧貯槽としては、前記乾燥器側
に近い上流側に位置するパージレザーバと、パー
ジレザーバの下流に位置するメインレザーバとが
あり、安全の確保上、通常、両レザーバの間には
パージレザーバからメインレザーバへ向かう空気
移動のみを許容する逆止弁が設けられている。し
たがつて、乾燥剤の再生時、パージレザーバ内の
圧縮空気のみが再生に供されることになり、その
容量は乾燥剤の乾燥能力およびそこを通過する空
気量などに応じて決められていた。

しかしながら、従来のこうしたものでは、乾燥
剤の量および再生に用いられる空気量が一定であ
るため、乾燥剤が劣化してくると、一定の空気量
ではその乾燥剤を充分に再生できないという問題
があることが判明した。

この発明は以上の点を考慮してなされたもので
あり、その目的は、乾燥剤が劣化したとしても充
分に再生することができる技術を提供することに
ある。

この発明のその他の目的および新規な特徴は、
この明細書の記述および添付図面から明らかにな
るであろう。

この発明では、前記空圧貯槽側のメインレザー
バの圧縮空気の湿度に応じて、乾燥剤の再生に供
される圧縮空気の容量を変化させるようにしてい
る。すなわち、パージレザーバのほかに、それを
補助するための補助レザーバを設け、その補助レ
ザーバ内に貯えた乾燥圧縮空気を、乾燥剤が劣化
した段階でのみ乾燥剤の再生に供するわけであ
る。乾燥剤の劣化については、乾燥剤を通過した
後の圧縮空気中の水分ないしは湿度を検知するこ
とによつて間接的に知ることができる。

以下、添付の図面に示す実施例を説明すること
によつて、この発明の内容を明らかにする。

図面はこの発明を適用した圧縮空気乾燥装置の
一実施例を、配管系を含めて示す全体構成図であ
る。この図中、この発明の特徴は補助レザーバ１
００およびそれに接続した配管系の部分にある。
そこでまず、従来と同様の部分について述べ、そ
の後で特徴部分を説明する。

圧縮空気乾燥装置１は、内部に再生可能な乾燥
剤２を有し圧縮空気を乾燥させる乾燥器３と、こ
の乾燥器３の内部と大気との連通を制御しドレン
の排出を行なうドレン弁４とを備えている。

乾燥器３のケーシングは、蓋をなす上部材５
と、内部に充分な収容空間を有する下部材６とで
ある。上、下両部材５，６はともにアルミニウム
等の金属製で、下部材６の上部上面および内周に
シールリング７，８を介在して複数のボルト９に
よつて気密的にかつ一体的に固定されている。

こうしたケーシングの内部には、コンプレツサ
オイルやダストを除去するフイルタ部１０、およ
び前記乾燥剤２を有し水分あるいは湿気を除去す
るドライヤ部１１がある。フイルタ部１０にはリ
ング形状のフイルタエレメント１２があり、その
フイルタエレメント１２は支持部材１３によつて
支持されており、フイルタエレメント１２の外側
にフイルタ入口空間１４、内側にフイルタ出口空
間１５がそれぞれ形成されている。また、ドヤイ
ヤ部１１の乾燥剤２は、乾燥筒１６の内部に充填
されている。乾燥筒１６はその底部に前記フイル
タ部１０を携えてケーシングの底部に載置されて
いる。この場合、乾燥筒１６の上縁部は上部材５
の内周にはまり、しかも外周部分がシールリング
８に密嵌している。そのため、ケーシングの内部
には、上部材５の中央に設けた流出口１７に通じ
る乾燥筒１６の上部の流出空間１８と、下部材６
の側部上方に設けた流入口１９に通じる乾燥筒１
６の側周の流入空間２０とが気密に区画される。

したがつて、空気圧縮機２１から吐出され、流
入口１９を通じて乾燥器３の内部に流入する圧縮
空気は、まず乾燥筒１６側周の流入空間２０を通
してフイルタ入口空間１４に入り、その入口空間
１４から出口空間１５に至る間にフイルタエレメ
ント１２によるろ過作用を受け、ついでドライヤ
部１で水分等を除去され、上部の流出空間１８お
よび流出口１７を通して乾燥器３の外部へと流れ
出る。なお、流出口１７の部分には、外側から内
側に向かつて、多数の穴を有する止め板２２およ
び内側から外側へと向かう流れのみを許容する逆
止弁２３、さらには逆止弁２３をバイパスする絞
り通路２４がそれぞれ設けられている。また、乾
燥剤２は粒状体であるため、それを入れる乾燥筒
１６の上下部には、金属製の多孔板２５をベース
とした仕切り２６，２７がそれぞれ設けられてい
る。この場合、上部の仕切り２６はスプリング２
８によつて押さえ付けられ、乾燥剤２の揺動防止
が図られている。

流出口１７を含む上部材５の上部はパージレザ
ーバ２９を構成する部材３０によつて被われてい
る。レザーバ構成部材３０の下端開口部には外向
きフランジ３１があり、そのフランジ部分がシー
リング３２を介在して上部材５に対して一体的に
取り付けられている。こうしたレザーバ構成部材
３０の側部には配管接続口３３が設けられてお
り、配管接続口３３は一方では管路３４，３５お
よび管路３５途中の逆止弁３６を介してメインレ
ザーバ３７に通じ、また一方では管路３４，３８
および管路３８途中の逆止弁３９を介して前記補
助レザーバ１００に通じている。各逆止弁３６，
３９は配管接続口３３の側から各レザーバ３７，
１００の側へ向かう方向を順方向とするものであ
る。したがつて、乾燥器３側の流出口１７から流
れ出た圧縮空気は、一部が再生用としてパージレ
ザーバ２９内に貯えられ、、その残部が補助レザ
ーバ１００およびメインレザーバ３７の内に貯え
られる。そして、補助レザーバ１００内の圧縮空
気は後述するようにパージレザーバ２９内のそれ
を補助ないしは補完するために用いられ、またメ
インレザーバ３７内の圧縮空気はエアブレーキ装
置等の外部機器の作動源として利用される。な
お、補助レザーバ１００の容量は、パージレザー
バ２９のそれのたとえば1/2程度である。

一方、ドレン弁４のハウジング、つまりドレン
弁４の本体４０は、乾燥器３のケーシングをなす
下部材６の下方部分に下部材６と一体的に設けら
れている。このドレン弁４の本体４０の内部には
シリンダ孔４１がある。シリンダ孔４１は一方で
は左側部に延びる通路４２を通してコントロール
ポート４３に連通し、他方では右側部に延びる通
路４４を通して乾燥器３の内部に連通している。
このようなシリンダ孔４１にはプラグ４５が挿入
され、その内周側に制御ピストン４６が揺動可能
に配置されている。制御ピストン４６は、上側の
一端に受圧面４６ａを有し、その受圧面４６ａに
はコントロールポート４３を通してプレツシヤガ
バナ４７からの空圧信号を受けるようになされて
いる。また、制御ピストン４６の下側の他端には
弾性材料製の弁部材４８が取り付けられており、
この弁部材４８はプラグ４５側に設けたテーパ弁
座４９とともにドレン弁４の弁部分を構成してい
る。制御ピストン４６は、メインレザーバ３７内
の空気圧が所定値、たとえば７〜８Kg／cm²に達し
ない段階ではスプリング５０の付勢力によつて上
方に押し上げられているが、メインレザーバ３７
内の空気圧が所定値に達するとプレツシヤガバナ
４７からの空圧信号を受けてピストン４６は下方
に移動する。こうした作用により、ドレン弁４の
開閉が行なわれる。

さて、この発明では、乾燥剤２を再生するため
の乾燥圧縮空気を、パージレザーバ２９の内のみ
ならず補助レザーバ１００の内にも貯えている。
補助レザーバ１００内の圧縮空気を再利用に供す
るためには、補助レザーバ１００側と配管接続口
３３側とを連絡する必要がある。そのための連絡
路として、逆止弁３９をバイパスする管路５１を
設けており、しかもまた、管路５１の途中には２
ポジシヨンの電磁切換え弁５２を設けている。電
磁切換え弁５２は、通常時は図示のように閉位置
をとるために、管路５１をしや断している。した
がつてその場合、補助レザーバ１００内の乾燥圧
縮空気は乾燥剤２の再生に対し何ら利用されるこ
とはない。

補助レザーバ１００内の空気は、電磁切換え弁
５２が作動し管路５１を開いたときにのみ乾燥剤
２の再生用に供される。電磁切換え弁５２は、湿
度センサ５３およびバツテリ５４を含む切換え回
路５５によつて作動される。湿度センサ５３はス
イツチング機能を有しており、通常はオフ状態に
あるが、湿度の増大に伴なつてオン状態に切り換
わる。この場合、湿度センサ５３はメインレザー
バ３７内の湿度を検出する構成であり、その湿
度、つまりはレザーバ３７内の圧縮空気中に含ま
れる水分ないしは湿気が所定値を越えると、切換
え回路５５に作動電流が流れてソレノイド５２ａ
の励磁によつて電磁切換え弁５２が開位置側に切
り換わる。その結果、補助レザーバ１００内の乾
燥圧縮空気が管路５１および配管接続口３３を通
してパージレザーバ２９側に流れ、パージレザー
バ２９内の空気とともに乾燥剤２の再生に供され
ることになる。この場合、補助レザーバ１００内
の圧縮空気は、乾燥剤２が充分な乾燥機能を有し
ているときに貯えられたものであるため、乾燥剤
２の再生を良好に行なうことができる。こうし
て、充分な量をもち、かつ充分に乾燥した乾燥圧
縮空気によつて乾燥剤２の乾燥機能はほぼ完全に
回復される。したがつて、メインレザーバ３７を
はじめとした各レザーバ内には再び乾燥した空気
が貯えられることとなり、その段階では湿度セン
サ５３が再びオフ状態となり、それにしたがつて
電磁切換え弁５２は管路５１をしや断する。

以上のように、この発明にあつては、乾燥剤２
の再生に用いる乾燥圧縮空気の容量を、乾燥剤２
が劣化した際に通常時よりも増すようにしている
ので、劣化した乾燥剤２であつても充分に再生す
ることができ、乾燥剤２の乾燥機能を有効に働か
すことができるという優れた効果を奏することが
できる。

特に、補助レザーバ１００は、メインレザーバ
３７とは独立して圧縮空気を貯えるようになつて
いる。そのため、メインレザーバ３７の圧縮空気
が湿気を帯びてきたときでも、補助レザーバ１０
０内の圧縮空気は充分に乾燥した状態にあり、乾
燥剤２の再生を効率良く行うことができる。ま
た、メインレザーバ３７内の圧縮空気を再生用に
利用しないため、メインレザーバ３７の空気を圧
力源として用いる機器（ブレーキ装置等）の作動
に支障を来すこともない。

以上この発明を実施例に基づき具体的に説明し
たが、この発明は前記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可
能であることはいうまでもない。変更例を例示す
れば次のとおりである。

切換え回路５５中に、湿度センサ５３と直列
に別のスイツチング素子を設け、その素子をガ
バナ４７からの圧力信号によつて作動させるこ
とによつて、電磁切換え弁５２の作動をドレン
弁４の作動と連動させることができる。

電磁切換え弁５２については、一度オン状態
になつたらその状態を継続して保持するように
構成することができる。

湿度センサ５３は、メインレザーバ３７の部
分のみならず、乾燥剤２の下流側、つまりパー
ジレザーバ２９からメインレザーバ３７に至る
間の適当な箇所に設置することができる。ま
た、湿度センサ５３は、乾燥剤２を通過した後
の空気中に含まれる水分ないしは湿度を検出す
ることによつて、間接的に乾燥剤２の劣化状態
を知るものであり、露点計などで代替すること
もできる。

実施例では乾燥器３とパージレザーバ２９と
が一体となつたものについて説明したが、それ
らが別体となつたものへも適用することができ
る。

補助レザーバ１００については、メインレザ
ーバ３７あるいはパージレザーバ２９の内に隔
壁を設けることによつて、それらと一体化させ
ることもできる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示すもので、乾燥
装置の断面構造を含む配管図である。 １００……補助レザーバ、１……圧縮空気乾燥
装置、２……乾燥剤、３……乾燥器、４……ドレ
ン弁、１７……流出口、１９……流入口、２１…
…空気圧縮機、２４……絞り通路、２９……パー
ジレザーバ、３７……メインレザーバ、４３……
コントロールポート、４７……プレツシヤガバ
ナ、５２……電磁切換え弁、５３……湿度セン
サ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 空気圧縮機から吐出される圧縮空気を、乾燥
   器内に収納した再生可能な乾燥剤により乾燥し
   て、再生用パージレザーバおよびメインレザーバ
   に貯え、メインレザーバ内の圧力が比較的高い第
   １の所定の圧力に達してから比較的低い第２の所
   定の圧力に下がるまで前記乾燥器の前記空気圧縮
   機側を大気に連絡し、前記再生用パージレザーバ
   側の圧縮空気を逆流させ、前記乾燥器内の乾燥剤
   中を通過させて当該乾燥剤を再生して成る圧縮空
   気乾燥方法において、前記乾燥剤によつて乾燥し
   た圧縮空気を貯える貯槽として、前記メインレザ
   ーバおよび再生用パージレザーバのほかに、メイ
   ンレザーバとは独立して圧縮空気を貯える補助レ
   ザーバを設け、前記メインレザーバ内の圧縮空気
   の湿度が所定以下のときは、前記パージレザーバ
   内の圧縮空気を前記逆流に供する一方、前記湿度
   が所定以上になることに応じて、前記パージレザ
   ーバ内の圧縮空気に加えて、前記補助レザーバ内
   の圧縮空気をも前記逆流に供するようにした圧縮
   空気乾燥方法。