JPS6335606Y2

JPS6335606Y2 -

Info

Publication number: JPS6335606Y2
Application number: JP16635684U
Authority: JP
Priority date: 1984-10-31
Filing date: 1984-10-31
Publication date: 1988-09-21
Also published as: JPS6179909U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、セラミツクス製のピンを使用した耐
久性に優れたゴルフ靴用スパイクに関するもので
ある。

（従来の技術）従来、特開昭56−28703号には、ピン本体をセ
ラミツクスで形成すると共に靴底への固定には合
成樹脂を用いるようにし、軽量で耐久性に優れ安
価な埋込式のゴルフ靴用スパイク（以下単にスパ
イクと記す）が開示されている。

そして、セラミツクス製のピンの大径部とピン
本体の外周部とは、テーパーやアールからなる滑
らかな形状の面とし、この部分の応力集中を緩和
して強度を向上させると同時に軸方向に型押しす
ることにより成型することが可能となるようにし
ている。

しかし、該ゴルフ靴用スパイクをゴルフ靴底に
埋設して使用した場合、該ピンに係る力により、
又、靴底を曲げた時、ピンとフランジ、フランジ
と靴底主体との間に隙間ができ、この隙間に砂等
が入たり、当該スパイクが回動したりして、当該
スパイクの寿命を縮め、耐久性に欠ける欠点を有
し、十分満足のいくゴルフ靴用スパイクを提供す
るには至つていなかつた。

（考案が解決しようとする問題点）使用中に、ピン、フランジ、靴底主体との間に
隙間ができるのを防止する点にある。

（問題点を解決するための手段）セラミツクス製のピンｐを合成樹脂製のフラン
ジｆに埋設し、ピンｐは、略円錐形のピン本体３
を座板４に突設してなり、フランジｆは、該座板
４を埋設した埋設部６の周囲に、貫通孔８と突起
９を交互に複数個配設した周縁部７を設けた構成
である。

（実施例）本考案のゴルフ靴用スパイクは、第１図及び第
２図に示したように、セラミツクス製のピンｐを
硬質合成樹脂製のフランジｆに埋設してなり、フ
ランジｆは、ピンｐの座板４を埋設して周囲より
少許厚肉とした埋設部６の周囲に、少許薄肉の周
縁部７を形成し、この周縁部７に貫通孔８と突起
９を交互に複数個、該埋設部６を取囲むように、
配設したものである。

セラミツクス製のピンｐは、第２図に示したよ
うに、丸味を帯た先端１及び付根部２を有する略
円錐形のピン本体３を、該ピン本体３の付根部２
より少許大径の座板４に突設し、この座板４の裏
面中央に孔５を設けた形状である。

そして、座板４に突設した略円錐形のピン本体
３の先端１及び付根部２は、できるだけ大きな曲
率の曲面とすることが望ましい。

これは、セラミツクスの切りかき効果が鋼製の
ものより大きいため、セラミツクス製のピン本体
３の周辺部に係る応力の集中は、鋼製のものより
二倍程の大きさにも達するので、当該半径を小さ
くすれば鋼製のものより破壊されやすくなるから
である。

又、ピンｐは、略円錐形のピン本体３を、該ピ
ン本体３の付根部２より少許大径の座板４に突設
しているため、ピン本体３に係る力をフランジｆ
全体に略均一に分散することができ、ゴルフ靴使
用時において、突き上げ感のない歩行性能に優れ
たスパイクを提供することができる。

孔５は、セラミツクス材料の充填密度を向上さ
せ又充填密度を均一化させるために、当該ピンｐ
の加圧成形時に形成されるもので、当該ピンｐの
強度向上に役立ち、成形後にあつては、フランジ
成形時において、フランジ成形用金型に当該ピン
ｐを配設する際に、固定用の孔として使用でき、
スパイクＳのピンｐの位置決めを正確に行なうこ
とができるものである。

ピンｐは、アルミナ系、ジルコニア系、サーメ
ツト系等のセラミツクス製であれば、原材料は特
に限定するものではないが、３〜20mol％の酸化
イツトリウム、酸化マグネシウム又は酸化カルシ
ウムを含有する酸化ジルコニウムを主材料にして
成るものが特に好適で、この主材料を用いたピン
ｐは、JIS C2141−78による曲げ強度が約10000
Kg／cm²以上で、靭性も大きく、かつ硬度もビツカ
ース硬さで1250Kg／mm²と大きいため、大地の主成
分である珪石粉に対する耐摩耗性に優れたもので
ある。

次に本考案に係るゴルフ靴用スパイクの使用方
法について説明すると、予め作成したセラミツク
ス製のピンｐをフランジｆ成形用の金型内に配設
し、硬質合成樹脂を注入してスパイクＳを形成す
る。このスパイクＳを、靴底主体成形用の金型内
に配設し、強靭性の合成樹脂を注入して、スパイ
クＳと靴底主体Ａを一体に形成して、ピンｐだけ
を接地面ａから突出させ、該スパイクＳの埋設部
６の裏面側に周囲より少許盛上つた盛上部１０を
形成した靴底主体Ａとし、この靴底主体Ａを用い
てゴルフ靴とするものである。

この盛上部１０を形成することにより、靴底主
体Ａの他の部分の肉厚を薄して、ゴルフ靴を軽く
することができ、また、ピンｐに加わる力を和ら
げ、突上げ防止に寄与できるものである。

靴底主体Ａは、ジユラコン、硬質ナイロン、硬
質ウレタン等の強靭性を有し、スパイクＳのフラ
ンジｆよりは軟らかい硬質合成樹脂製とする。

これにより、歩行時にピンｐに加わる力が、フ
ランジｆ、靴底主体Ａに順次伝わつて分散され、
スパイクＳによる突上げのない良好な歩行を確保
することができ、又、ピンｐに加わる応力の集中
が緩和され、ピンｐが欠けたりすることがなく、
耐摩耗性、耐久性に優れたスパイクとすることが
できる。

尚、前記実施例では、フランジｆの周縁部７に
貫通孔８を設けた例で説明したが、第５図及び第
６図に示したように、この貫通孔８に替えて切欠
としても、本考案の権利範囲内の事項である。

フランジｆの周縁部７に突設する突起９の長さ
は、前記実施例では、フランジｆの埋設部６の表
面１２より低いもので説明したが、第６図及び第
７図に示したように、フランジｆの埋設部６の表
面１２より高くし、靴底主体Ａに埋設した時に該
突起９の先端１が靴底主体Ａの接地面ａから少許
突出するようにしてもよく、又、第８図に示した
ように、靴底主体Ａの接地面ａから突出した該突
起９の先端１をかしめるようにしてもよい。

（考案の作用効果）本考案のゴルフ靴用スパイクは、フランジｆの
周縁部７に突起９を複数個配設しているため、靴
底主体Ａとフランジｆとを強固に一体化すること
ができる。

本考案のゴルフ靴用スパイクは、フランジｆの
周縁部７に貫通孔８を複数個配設しているため、
靴底主体Ａに埋設したフランジｆの回動を防止す
ることができる。

本考案のゴルフ靴用スパイクは、フランジｆの
周縁部７に貫通孔８と突起９を交互に複数個配設
しているため、貫通孔８だけ設けた場合に比較し
て、該周縁部７の強度を低下させることなく、靴
底主体Ａとフランジｆとを強固に一体化できる。

本考案のゴルフ靴用スパイクは、フランジｆの
周縁部７に貫通孔８と突起９を複数個配設してい
るため、靴底主体Ａ用の合成樹脂が該貫通孔８に
侵入し、又、該突起９を包持して、靴底主体Ａと
フランジｆとが強固に一体化され、使用中にピン
ｐに係る力により、又は、靴底を曲げた時に、ピ
ンｐとフランジｆ、フランジｆと靴底主体Ａとの
間に隙間ができるのを防止できる。

本考案のゴルフ靴用スパイクは、フランジｆの
周縁部７に貫通孔８と突起９を複数個配設してい
るため、靴底主体Ａとフランジｆとが強固に一体
化され、使用中に、ピンｐとフランジｆ、フラン
ジｆと靴底主体Ａとの間に隙間ができるのを防止
でき、この隙間に砂等が入たり、当該スパイクＳ
が回動したりして、当該スパイクＳの寿命を縮め
ることがなく、更に、ピンｐが耐摩耗性の大きな
セラミツクス製であることから、耐久性に優れた
ゴルフ靴を提供することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るゴルフ靴用スパイクの拡
大底面図、第２図は第１図の−線における断
面図、第３図は本考案に係るゴルフ靴用スパイク
を埋設したゴルフ靴の底面図、第４図は第３図の
−線における一部省略拡大断面図、第５図は
本考案に係る他のゴルフ靴用スパイクの拡大底面
図、第６図は第５図の−線における断面図、
第７図は第５図のゴルフ靴用スパイクを埋設した
ゴルフ靴の一部省略断面図、第８図は第５図のゴ
ルフ靴用スパイクを埋設した他のゴルフ靴の一部
省略断面図である。Ａ……靴底主体、Ｓ……スパイク、ａ……接地
面、ｆ……フランジ、ｐ……ピン、１……先端、
２……付根部、３……ピン本体、４……座板、５
……孔、６……埋設部、７……周縁部、８……貫
通孔、９……突起、１０……盛上部、１１……切
欠、１２……表面。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

セラミツクス製のピンｐを硬質合成樹脂製のフ
ランジｆに埋設してなり、ピンｐは、略円錐形の
ピン本体３を座板４に突設してなり、フランジｆ
は、該座板４を埋設して周囲より少許厚肉とした
埋設部６の周囲に、貫通孔８と突起９を交互に複
数個配設した周縁部７を設けたことを特徴とする
ゴルフ靴用スパイク。