JPS6335335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は冷蔵庫などの箱体に対して引出し容器
を出し入れ自在にするレール引出し装置の改良に
関するものである。

〔従来技術〕

第５図は例えば実開昭55−126187号公報に示さ
れた従来の冷蔵庫のレール引出し装置で、図にお
いて、フレーム支持ローラ４を後端に装着したフ
レーム３を箱体１内に出し入れ自在の収納容器２
の両側部に設け、前記ローラ４を案内する固定レ
ール５を箱体１内面の両側に固定するとともに、
この固定レールの前端付近に前記フレーム３を摺
動支持する固定ローラ６を備えた一段の引き出し
構造であつた。

このため、箱体の奥行寸法が限られている冷蔵
庫などでは引き出せる寸法は限られ、フレーム３
上に載置された収納容器２を取り出すためにはフ
レーム後端のローラ４を固定レール５より外さな
ければならなかつた。

また引出し部の引き出せる寸法を大きくするた
めに２段式のレール構造が提案されているが、引
き出し寸法を余り大きくすると、冷蔵庫のように
扉棚に収容物を収納したものにおいては、収納容
器を引き出したままで扉を開放したとき、あるい
は収納容器を引出したままで引出し扉上に乗つて
しまつた時、重心が前方へ移動して突然冷蔵庫が
前方へ倒れるという欠点があつた。

〔考案の概要〕

本考案はかかる欠点を除去することを目的とす
るもので、２段式のレール構造を採用し、通常の
使用状態で容器内の収容物の出し入れするときは
従来と同様に一段式の引き出し構造として作用さ
せ、さらに引き出すことで、引出し部を前下りに
引き出せるようにして容易に収納容器を着脱で
き、かつ通常使用の場合には引出し部が前方へ滑
り落ちることのないレールの引出し装置を提供す
るものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を図示実施例について詳細に説明
する。１は冷蔵庫の箱体、２はこの箱体内に出し
入れされる収納容器、３はこの収納容器の両側部
に設けられた断面コ字形のフレーム、４はこのフ
レームの後端に回動可能に装着されたフレーム支
持ローラ、５は前記フレーム３に対応する箱体の
内壁面に固定された断面コ字状の固定レールで、
第４図に示すように下部フランジ５ａの途中より
前方に向つて下傾斜している。６はこの固定レー
ルの前端下部に近接して固定された固定ローラ、
７はこの固定レール内に位置し、移動可能の可動
レールで、前記固定レール５と相似形をなし、下
部フランジ７ａの途中より前方に向つて、下傾斜
して形成されるとともに下面を前記固定ローラ６
で摺動支持されている。

８はこの可動レールの後端に装着されたプラス
チツク製のすべり子で、固定レール５の上下面と
の摩擦を少なくしてスムーズに摺動するようにな
つている。また、このすべり子が摺動する前記固
定レール５は断面〓字状に形成され、すべり子が
摺動部より外れないようにするとともにすべり子
の外側面にへ字状の舌片８ａが一体に形成され、
固定レール５の内壁に弾性的に当接している。

９は前記可動レール７の前端に装着されたフレ
ーム案内ローラで、上記フレーム３の下端面を摺
動支持するとともに、フレーム支持ローラ４は可
動レール７のコ字状溝内を回動自在に移動できる
ようになつている。したがつて、フレームの下部
フランジ３ａは可動レールのコ字状溝内に位置し
て、フレーム後端のフレーム支持ローラ４は可動
レール７の溝内を回動するとともに、フレームの
下部フランジ３ａは可動レール前端の案内ローラ
９上に支持されている。

１０はフレーム支持ローラ４より離れて、フレ
ームの下部フランジ３ａの下面に形成された凸状
の制止部で、フレームを引き出し、フレーム支持
ローラ４が可動レール７の中央より前寄りの位置
でローラ９に当接させて、フレーム７の引き出し
量を規制している。

１１は可動フレームの下部フランジ７ａの前端
に形成された凹部で、前記固定ローラ６と係合さ
せ、フレーム３を所定量引き出したとき、必要以
上フレームが、前方へ滑り出すのを規制してい
る。なお、１２はフレーム３を引き出すための引
き出し扉である。

以上のように構成された引き出し装置は、通常
の使用状態において、フレーム３が引き出される
際には、可動レール７はその凹部１１が本体側固
定ローラ６に係合しているので必要以上前方へ引
き出されることはない。したがつて、フレーム３
に懸架された容器２内から収容物を取出したり、
あるいは収納したりする場合は、フレーム３は可
動レール７に対する摺動引出しだけでよい。

また、容器２をフレーム３から取り外すような
場合には、引出し扉１２を強く引くことにより、
可動フレーム７の凹部１１と固定ローラ６の係合
が外れ、可動レール７の下部フランジの傾斜部
は、本体側固定ローラ６に案内されて前下りに引
出され、容器２は第２図ロに示された位置まで引
出されるので、容易にフレーム３から容器を着脱
することができる。また傾斜して引出されるの
で、通常の使用状態でないことが判断でき、冷蔵
庫の前倒れの防止となる。なお、万一子供等が引
出し扉１２に乗つても傾斜の角度を変えて、引出
し扉１２の下端面を床面に当接するようにして、
冷蔵庫が前倒れしないようにすることも可能であ
る。また、傾斜して引出し扉を引き出すため、引
出し扉が自然にすべり落ちるが、前記可動レール
７の後端に設けたすべり子の舌片８ａの弾性作用
により、幅方向で固定レール５に支持され、急に
すべり落ちることはない。

〔考案の効果〕

本考案は、以上述べたように構成したから、通
常の使用状態では、フレームの制止部で所定位置
に停止して容器内の収容物を取り出すことがで
き、冷蔵庫等が前倒れする危険がない。また容器
を脱着するときには、引出扉を前記状態からさら
に強く手前に引くことにより、可動レールの制止
が解除されて、可動レールは前下りに引出される
ので、容易に容器を取出し、または装着すること
ができ、かつ前下りに引出される為、通常使用と
違うことが一目でわかり危険予知ができるととも
に引出された扉に荷重をかけても扉下端が床に接
して冷蔵庫が前に倒れてしまうことがない。さら
に前下りに、滑り落ちる際、すべり子が制動作用
を行い急にすべり落ちることがないなど、多大の
実用的効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のレール引出し装置の実施例
を示す冷蔵庫の斜視図、第２図イ，ロは、それぞ
れ引出し装置の作動状態をを説明する第１図の要
部断面図、第３図は、第２図の−線の断面
図、第４図は本考案の要部拡大斜視図、第５図は
従来のレール引出し装置を示す冷蔵庫の要部断面
図である。 図中、１は箱体、２は容器、３はフレーム、４
はフレーム支持ローラ、５は固定レール、６は固
定ローラ、７は可動レール、７ａは下部フラン
ジ、８はすべり子、８ａは舌部、９は案内ロー
ラ、１０は制止部、１１は凹部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 箱体内に出し入れ自在の引き出し容器の両側
   に配記されたフレーム、このフレームの後端に
   設けられたフレーム支持ローラ、前記フレーム
   に対応して前記箱体の内壁面に固定された断面
   コ字状で、かつ下部フランジ面を途中より前方
   に下傾斜させた固定レール、この固定レールの
   前端付近に固定した固定ローラ、前記固定レー
   ルと相似形をなし、固定レール内に位置し下面
   を前記固定ローラで支持された移動可能の可動
   レール、この可動レール内に前記フレーム支持
   ローラを回動させるとともに前記フレームの下
   面を支持するように可動レールの前部に案内ロ
   ーラを備え、前記レール支持ローラより離れた
   フレームの下面に前記可動レールの案内ローラ
   と当接させて引き出し量を規制する制止部と、
   前記可動レールの下面フランジ前端に前記固定
   ローラと係合する凹部を形成してなるレール引
   出し装置。 (2) 可動レールの後端に前記固定レール内を摺動
   するすべり子を固定するとともにこの固定レー
   ルの摺動部を断面〓状に形成し、かつすべり子
   の外側面に弾性を有する舌片を突設させたこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のレール引出し装置。