JPH059853Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、抽斗をスライドテーブルとしても
使用することができるキヤビネツトに関する。

（従来の技術） キヤネビツト本体に抽斗を出し入れ自在に収納
したキヤネビツトは、従来から種々のものが提案
され、また、上記抽斗とは別個にスライドテーブ
ルを出し入れ自在に配設してなるキヤビネツトも
多く提案されている。

この従来のスライドテーブルを有するキヤネビ
ツトは、平板状に形成されたスライドテーブル
を、キヤビネツト本体に形成されたスライドテー
ブル収納部の対向側壁面に取り付けられてなるコ
字状のスライドレールに沿つて摺動させることが
できるように構成されているのが一般的である。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記従来のスライドテーブルを
有するキヤビネツトにあつては、スライドテーブ
ルと抽斗とを別々に配設する構成であるため、部
品点数が増加してコスト高となり、また、組立作
業が煩雑となる他、抽斗の収納スペースがスライ
ドテーブルの存在により減少する、という問題を
有していた。

この考案は、かかる現状に鑑み創案されたもの
であつて、その目的とするところは、スライドテ
ーブルを有するキヤビネツトの部品点数を削減
し、かつ、この種のキヤビネツトの組立作業を簡
易化することができ、しかも、上記スライドテー
ブルを抽斗の閉塞用蓋として使用することで、抽
斗収納物の脱落を防止、かつ、抽斗収納物が抽斗
収納部上面から突出して抽斗を引き出せなくなる
等の不具合を解消することができるキヤビネツト
を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、この考案に係るキヤ
ビネツトにあつては、キヤビネツト本体に出し入
れ自在に収納される抽斗の収納部上面に、スライ
ドテーブルを摺動可能に配設してなるキヤビネツ
トであつて、該スライドテーブルは、摺動の際
に、上記抽斗の収納部と若干の〓間を有し、上記
スライドテーブルの平板体に回転自在に配設され
た１対のローラと、その後端の脚片に回転自在に
配設された１対のローラと、を介して摺動可能に
構成されていることを特徴とするものである。

〔作用〕

それ故、この考案に係るキヤビネツトにあつて
は、スライドテーブルを有するキヤビネツトの部
品点数を削減し、かつ、この種のキヤビネツトの
組立作業を簡易化するため、スライドテーブルを
抽斗の収納部上面に摺動可能に取り付け、スライ
ドテーブルとして使用する場合には、スライドテ
ーブルを抽斗と共に引き出し、また、抽斗のみを
使用する場合には、引き出した抽斗の上面からス
ライドテーブルをキヤビネツト本体内方向へスラ
イドさせることで抽斗の収納部を開口させるよう
に構成したことを特徴とするものである。

（実施例） 以下、添付図面に示す一実施例に基き、この考
案を詳細に説明する。

この実施例に係るスライドテーブル３０を有す
るキヤビネツトは、第１図と第２図に示すよう
に、キヤビネツト本体１０と、このキヤビネツト
本体１０の抽斗収納部に出し入れ自在に収納され
た抽斗２０と、から構成されており、上記スライ
ドテーブル３０は、最上段に配設された抽斗２０
の収納部２１の上面２１ａに摺動可能に配設され
ている。

キヤビネツト本体１０は、例えば、流し台等の
厨房家具や机等の一般家具等の各種家具を構成し
ており、上記抽斗収納部の対向内側壁には、キヤ
ビネツト前後方向に延びる一対のスライドレール
１１が固着されている。

この一対のスライドレール１１は、第２図に示
すように、立ち上り部１１ａの上下にフランジ部
１１ｂ，１１ｃを有する断面コ字状に形成されて
おり、その開口側が互いに対向されるように配設
される。

尚、上記スライドレール１１の前端部には、ロ
ーラ１２が回転可能に保持されている。

抽斗２０は、断面凹状に形成された収納部２１
と、この収納部２１の前面側に取り付けられた把
手２４を有する鏡板２３と、上記収納部２１の両
側面に配設され、各後端部がキネビネツト方向へ
延設されてなる一対の抽斗レール２５と、から構
成されている。

上記抽斗レール２５の各後端部にはローラ２６
が回転可能に軸支されており、このローラ２６
は、上記スライドレール１１内に嵌装されて転動
し、抽斗２０をスライドレール１１に沿つてスム
ーズに出し入れできるように構成されている。

また、上記収納部２１の鏡板側両上端面には、
略半円状の凹陥部からなるストツパー溝２１ａが
夫々形成されている。

スライドテーブル３０は、前記収容部２１を上
方から覆う大きさに形成された断面略逆凹状の平
板体３１と、この平板体３１の後端両側（第１図
中右側）に垂設された脚片３２と、各脚各３２に
回転可能に軸支されたローラ３３と、上記平板体
３１の前側（鏡板側）に開設された透孔３１ａ
と、この透孔３１ａ内に回転自在に軸支されてな
る一対のローラ３４と、から構成されている。
尚、図中符号３５は、上記平板体３１の鏡板側を
上方に折曲して形成された把持片部を、３６，３
６は、上記平板体３１の両側端部を下方に折り曲
げ形成してなる側片を示しており、上記収納部２
１は、この側片３６，３６間に位置するように配
設されることになる。

上記脚部３２のローラ３３は、第１図からも明
らかなように、スライドテーブル３０を上記収納
部２１の上面にセツトしたときに、スライドレー
ル１１の上フランジ部１１ｂの上面を転勤するよ
うに構成されている。

また、各ローラ３４は、第３図に示すように、
その軸３４ａが、上記透孔３１ａの周縁部を切り
起し形成してなるフランジ３１ｂ，３１ｂに軸支
されており、この各ローラ３４は、上記収納部２
１の両側上面を転動し、かつ、上記ストツパー溝
２１ａに嵌合係止されるように作用する。

次に、以上のように構成されたキヤビネツトの
使用例を説明する。

第１図に示すように、キヤビネツト本体１０の
抽斗収納部には、抽斗２０が出し入れ自在に収納
されており、この内、最上段に配設された抽斗２
０の収納部２１の上面には、スライドテーブル３
０が、第２図矢印ａで示す方向に摺動可能に被着
されている。勿論、このとき、平板体３１の透孔
３１ａ内に配設されているローラ３４は、抽斗２
０の前記ストツパー溝２１ａ内に嵌合係止されて
おり、また、前記脚部３２のローラ３３が、スラ
イドレール１１の上フランジ部１１ｂの上面を転
動するようにセツトされているものとする。

以上の状態から、スライドテーブル３０を使用
する場合には、抽斗２０を第１図矢印ｂ方向へ引
き出す。これにより、抽斗２０は、上記スライド
レール１１，１１に沿つてスムーズに引き出さ
れ、かつ、平板体３１も、上記ローラ３４，３４
がストツパー溝２１ａと嵌合係止されているた
め、抽斗２０と共に第１図矢印ｂ方向へ引き出さ
れる。このとき、抽斗２０の収納部２１は、スラ
イドテーブル３０によりその内部が閉塞されてい
るので、抽斗２０の中のものが抽斗２０内のもの
が濫りに外に飛び出さない他、抽斗２０内のもの
が収納部２１の上面から上方に突出しないため、
収納物の引つ掛かりによつて抽斗２０を引き出す
ことができない、という不具合が発生することも
ない、いう利点がある。

この状態から次に、抽斗２０を使用する場合に
は、把持片３５を上方に持ち上げ、平板体３１の
ローラ３４，３４とストツパー溝２１ａとの係合
係止状態を解除した後、平板体３１のみを第２図
矢印ａ方向へと押し戻す。このとき、平板体３１
のローラ３４，３４は、上記スライドレール１１
の上フランジ部１１ｂの上面を転動し、抽斗２０
の収納部２１が開口され、物を出し入れすること
ができる。

次に、上記状態から抽斗２０をキヤビネツト内
に収納する場合には、抽斗２０のみを第２図矢印
ａ方向へと押し戻す。このとき、上記スライドテ
ーブル３０は、キヤビネツトの奥方向に押し戻さ
れているため、抽斗２０のみがスライドレール１
１，１１に沿つて押し戻され、抽斗２０のストツ
パー溝２１ａが、スライドテーブル３０のローラ
３４，３４と対面する位置まで移動したときに、
ローラ３４，３４がストツパー溝２１ａ内に落ち
こみ、前記最初の収納状態と同様の状態にセツト
される。

（考案の効果） この考案は、以上説明したように、スライドテ
ーブルを抽斗の収納部上面に摺動可能に取り付
け、スライドテーブルとして使用する場合には、
スライドテーブルを抽斗と共に引き出し、また、
抽斗のみを使用する場合には、引き出した抽斗の
上面からスライドテーブルをキヤビネツト本体方
向へスライドさせることで抽斗の収納部を開口さ
せるように構成したので、スライドテーブルを有
するキヤビネツトの部品点数を削減することがで
きると共に、この種のキヤビネツトの組立作業を
簡易化することができ、しかも、上記スライドテ
ーブルを抽斗の閉塞用として使用することで、抽
斗収納物の脱落を防止することができ、さらに
は、スライドテーブルにより抽斗収納部の上面を
覆つている場合には、収納物が収納部から突出し
ないため、抽斗を引き出すことができない、とい
う問題も発生せず、使い勝手が大幅に向上する
等、幾多の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係るキヤビネツ
トの要部を示す縦断面図、第２図はその分解斜視
図、第３図はスライドテーブルと抽斗の係合状態
を示す縦断面図である。 符号の説明、１０……キヤビネツト本体、１１
……スライドレール、２０……抽斗体、２１……
収納部、３０……スライドテーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤビネツト本体に出し入れ自在に収納される
   抽斗の収納部上面に、スライドテーブルを摺動可
   能に配設してなるキヤビネツトであつて、該スラ
   イドテーブルは、上記抽斗の収納部と若干の〓間
   を有し、上記スライドテーブルの平板体に回転自
   在に配設された１対のローラと、その後端の脚片
   に回転自在に配設された１対のローラと、を介し
   て摺動可能に構成されていることを特徴とするキ
   ヤビネツト。