JPS633509Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車のエアクリーナの吸気ダクト
となるホース等、比較的大径のホース類の接続部
を締付けて抜止めするホース類の締付金具に関す
るものである。

（従来の技術） 従来のこの種の締付金具は、第１図または第２
図に示してあるように、１本の弾力性のある太目
の金属線材の棒材１の中央部でＵ字形に折曲げ、
さらにＵ字形折曲部を一方の端１Ａと、２本に分
れた他方の端１Ｂ，１Ｂとが互いに接近するよう
彎曲して環状に形成し、前記端１Ａと１Ｂ，１Ｂ
に近い部分を交叉させたのち、交叉部分から先の
端１Ａ，１Ｂ，１Ｂ寄り部分を、それぞれ内向き
の面が相対向するほぼ半円形の彎曲部１Ｃ，１Ｄ
に形成した締金Ａと、この締金Ａの彎曲部１Ｃ，
１Ｄに掛合する並列する２本のピン２，３と、一
方のピン２の長さ方向の中央部に軸線を直交させ
て形成したねじ孔４に螺合するボルト５と、この
ボルト５の先端軸部５ａの掛合を自在としてピン
３の長さ方向の中央部に形成したねじ孔４よりも
小径の受孔６等からなりボルト５をピン２のねじ
孔４に螺合し、ボルト５の先端軸部５ａをピン３
の受孔６に挿通し、抜止め回動自在としているの
でボルト５とピン２との螺合深さを大きくするこ
とによつてピン２，３の間隔を拡げ、締金Ａの締
込み量を増大する締具Ｂとからなる。

このような構造の締付金具は、従来、彎曲部１
Ｃ，１Ｄに掛合するため、金属線の棒材１の断面
寸法に相当する一本の幅の周溝７，８をそれぞれ
２条ずつピン３と２に設けてある。

（考案が解決しようとする問題点） このため彎曲部１Ｃ，１Ｄがピン２，３より脱
れることはないが、締金Ａの締込み量が増大する
と第２図中に仮想線で示すように締金Ａの環状に
形成した部分が、ピン２，３の外径面から脱れて
端面側に移動し易く、一旦この状態になると締付
不能となる。

また、締金Ａの一部がピン２，３の周溝７，８
に入つているものの周溝７，８の幅がせまく締金
Ａの上部がピン２，３の外径面に当接しているの
で、締金Ａの環状部分の内周面が真円を形成しに
くく、締金Ａの締付力が不十分であつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記の観点に基き、締金の一部が締具
のピンの端面側に脱れることがなく、また、締金
の内周面が常に真円を形成するホース類の締付金
具を提供するもので、１本の棒材をＵ字形に折曲
げＵ字形折曲部を一端とし、２本に分れた先端側
を他側として環状に彎曲するとともに、一端およ
び他端に近い部分を互いに交叉し、かつ交叉した
部分から先端の部分を、さらに彎曲折返して対向
する彎曲部に形成してなる弾性金属線材製締金
と、この締金における前記先端側彎曲部に掛止し
長さ方向中央部に軸線と直交するねじ孔を有する
一方のピンと、前記ねじ孔へ螺合したボルトの先
端軸部を、前記Ｕ字形折曲部側の彎曲部に掛止し
た他方のピンの受孔に抜止め回動自在に取付けて
なるホース類締付金具において、前記一対のピン
に、それぞれ前記棒材の断面寸法の２倍以上の幅
と、断面寸法よりも浅い深さとからなる周溝を外
周に２箇所設けたピンとしてなるホース類締付金
具である。

（実施例） つぎに図面を参照しながら本考案の実施例を説
明する。

第３図には本考案締付金具の実施例を正面図、
第４図には同・右側面図、第５図には同・左側面
図を示してある。

本考案締付金具は、従来と同じ締金Ａを有し、
ピンの周溝構造のみが従来より幅広く形成してな
る締具Ｂを有するものであるため、締金Ａと締具
Ｂのピンを除いた構造については第１図、第２図
による従来の締金Ａと締具Ｂの構造の説明を援用
し、重複説明しない。

本考案の締付金具におけるピン２，３は、外周
に設けた周溝７，８の構造を弾性金属線材製締金
を形成する棒材１の断面寸法の２倍以上の幅と、
棒材１の断面寸法よりも浅い深さの周溝としてあ
る。

本考案の締付金具は、前記の構成からなり彎曲
部１Ｃ，１Ｄが嵌入する周溝７，８に、環状部分
の一部でピン２，３に当接する部分も嵌入するこ
とになるから、締金Ａの環状部分は真円に近くな
り、ボルト５の締込みを強めても真円がくずれな
い。

さらに、幅の広い周溝７，８に、締金Ａのピン
２，３に接する部分のすべてが嵌入するので、ピ
ン端面方向へのはずれを階無とする。

（考案の効果） 本考案締付金具はピンの外周に締金の棒材の断
面寸法の２倍以上の幅と、棒材の断面寸法よりも
浅い深さとからなる周溝を設け、常に真円を確実
に保つてホース類を締付けることができるので、
ホース類の脱落を防止でき、取扱いもより簡単と
なるほど優れた利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の締付金具を示す正面図、第２図
は側面図、第３図は本考案締付金具の実施例を示
す正面図、第４図は同・右側面図、第５図は同・
左側面図である。 Ａ……締金、Ｂ……締具、１……棒材、１Ａ，
１Ｂ……端、１Ｃ，１Ｄ……彎曲部、２，３……
ピン、４……ねじれ孔、５……ボルト、６……受
孔、７，８……周溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １本の棒材をＵ字形に折曲げＵ字形折曲部を一
   端とし、２本に分れた先端側を他側として環状に
   彎曲するとともに、一端および他端に近い部分を
   互いに交叉し、かつ交叉した部分から先端の部分
   を、さらに彎曲折返して対向する彎曲部に形成し
   てなる弾性金属線材製締金と、この締金における
   前記先端側彎曲部に掛止し長さ方向中央部に軸線
   と直交するねじ孔を有する一方のピンと、前記ね
   じ孔へ螺合したボルトの先端軸部を、前記Ｕ字形
   折曲部側の彎曲部に掛止した他方のピンの受孔に
   抜止め回動自在に取付けてなるホース類締付金具
   において、前記一対のピンに、それぞれ前記棒材
   の断面寸法の２倍以上の幅と、断面寸法よりも浅
   い深さとからなる周溝を外周に２箇所設けたピン
   としてなるホース類締付金具。