JPS6335024Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車において使用されるパーキング
ブレーキ機構に関する。

パーキングブレーキ機構の１つとして、ベース
に回動可能に支持されて元位置にてペダルストツ
パにより位置決されるペダル、このペダルに一体
的に設けられたセクタギヤ、前記ベースに回動可
能に支持され前記セクタギヤに噛合可能な爪を有
するポール、このポールの前記爪を前記セクタギ
ヤに噛合させるべく前記ポールを付勢するスプリ
ング、前記ベースに回動可能に支持され前記ポー
ルと係合可能なアームを有して回動操作されたと
き前記ポールを前記スプリングに抗して回動させ
るレリーズレバー、このレリーズレバーを元位置
にて位置決めするレリーズストツパを具備してな
り、前記レリーズレバーが元位置にあるとき前記
ペダルを元位置から回動させると、パーキングブ
レーキが作動状態とされかつ前記ポールの爪とセ
クタギヤが噛合して前記ペダルがその回動位置に
て固定可能とされ、また前記レリーズレバーを元
位置から回動して前記ポールを前記スプリングに
抗して回動させると、前記ポールの爪の先端が前
記セクタギヤの山部の回動軌跡より外方に移動し
て前記ペダルが前記パーキングブレーキを非作動
状態となす元位置に向けて回動可能となるように
したものがある。

かかるパーキングブレーキ機構においては、従
来、前記ペダル及びレリーズレバーが共に元位置
にあるとき、前記ポールの爪が前記セクタギヤに
噛合して前記ポールに作用する前記スプリングの
ばね力が前記セクタギヤにて受承される構成とな
つているため、前記レリーズレバーが元位置にあ
るとき前記ペダルを元位置から回動させると、前
記ポールの爪とセクタギヤの摺動によつて生じる
音がその回動初期から引き続いて発生する。この
摺動音は乗員に不快感を与えるため小さくするこ
とが望まれ、現状においては前記セクタギヤの前
記爪と摺接する部分の面あらさを1μ以下として
摺動音を小さくする手段が採用されている。しか
しながら、セクタギヤの上記した部分の面あらさ
を上記のようにするためには、研摩工程が必要で
あつてコスト高となつている。

本考案はかかる実状に鑑みなされたもので、そ
の目的は、上述したペダルの回動初期における摺
動音の発生を無くすとともにペダルの回動中期及
び後期における摺動音の発生を最小限にしてペダ
ル回動時に生じる音の量を減じ乗員に与える不快
感を減ずることにあり、またその要旨は、前記ペ
ダル及びレリーズレバーが共に元位置にあると
き、前記ポールの爪とセクタギヤを非係合となし
かつ前記レリーズレバーのアームと前記ポールを
当接させて前記ポールに作用する前記スプリング
のばね力を前記アームにて受承させ、また前記ポ
ールの爪の先端を前記セクタギヤの谷部の回動軌
跡より内方に位置せしめたことにある。

以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。図は本考案に係るパーキングブレーキ機構
を示していて、このパーキングブレーキ機構にお
いてはペダル１０が図示しない車体に固着される
ベース１１及びこれに固着したプレート１２に段
付ボルト１３を用いて回動可能に支持されてい
る。ペダル１０は、ワイヤ１４を介して図示しな
いパーキングブレーキに作動的に連結されてい
て、パーキングブレーキのリターンスプリングに
より図示反時計方向へ付勢されて、図示した元位
置にてベース１１に固着したペダルストツパ１５
により位置決されている。このペダル１０の頂部
にはセクタギヤ１６が一体的に固着されている。

またベース１１及びプレート１２には、ポール
１７がピン１８を用いて回動可能に支持されると
ともに、レリーズレバー２０がピン２１を用いて
回動可能に支持されている。ポール１７は、セク
タギヤ１６と噛合可能な爪１７ａを有していて、
引張りコイルスプリング１９により図示時計方向
へ（すなわち、爪１７ａをセクタギヤ１６に噛合
させるべく）付勢されている。レリーズレバー２
０は、ポール１７と係合可能なアーム２０ａを有
していて、インナワイヤ２１を介してレリーズノ
ブ２２に連結されている。レリーズノブ２２は、
車体に固着されるレリーズストツパ２３と当接し
ていて、図示左方への移動を規制されている。ま
たレリーズノブ２２とプレート１２に固着したブ
ラケツト２４間にはアウタチユーブ２５が介装さ
れ、ブラケツト２４とレリーズレバー２０間には
圧縮コイルスプリング２６が介装されていて、ア
ウタチユーブ２５及び圧縮コイルスプリング２６
内をインナワイヤ２１が貫通し、レリーズレバー
２０が図示した元位置にて位置決されている。

しかして、本実施例においては、ペダル１０及
びレリーズレバー２０が共に図示のごとく元位置
にあるとき、ポール１７の爪１７ａとセクタギヤ
１６が係合（噛合）しないようにセクタギヤ１６
の長さが短かく設定してあり、（ポール１７の爪
１７ａの位置を爪１７ａとセクタギヤ１６が係合
しないように設定して実施することも可能であ
る）、かつレリーズレバー２０のアーム２０ａと
ポール１７を当接させてポール１７に作用する引
張りコイルスプリング１９のばね力がアーム２０
ａにて受承されるように設定してある。またポー
ル１７の爪１７ａの先端１７a₁がセクタギヤ１６
の谷部の回動軌跡L₁よりわずかに内方に位置す
るように設定されている。

このように構成した本実施例においては、レリ
ーズレバー２０が元位置にあるときペダル１０を
元位置から図示時計方向へ回動させると、パーキ
ングブレーキが作動状態とされかつポール１７の
爪１７ａとセクタギヤ１６が噛合してペダル１０
がその回動位置にて固定される。またかかる状態
において、レリーズノブ２２を右方へ引張つてレ
リーズレバー２０を元位置から図示反時計方向へ
回動し、ポール１７をコイルスプリング１９のば
ね力に抗して図示反時計方向へ回動させると、ポ
ール１７の爪１７ａの先端１７a₁がセクタギヤ１
６から外れてセクタギヤ１６の山部の回動軌跡
L₂より外方に移動し、ペダル１０がパーキング
ブレーキにおけるリターンスプリングの作用によ
り元位置に回動復帰して、パーキングブレーキが
非作動状態とされる。

ところで、本実施例においては、上記したペダ
ル１０の元位置から図示時計方向への回動初期に
おいて、ポール１７の爪１７ａとセクタギヤ１６
が係合しないため、爪１７ａとセクタギヤ１６の
摺動音は全く生じず、しかも回動中期及び後期に
おいて、ポール１７とレリーズレバー２０のアー
ム２０ａとの当接が外れるため（これは元位置に
おいてポール１７の爪１７ａの先端１７a₁がセク
タギヤ１６の谷部の回動軌跡L₁より内方に位置
するように設定したことによるものである）、ポ
ール１７とアーム２０ａの摺動音或いは当接音は
全く生じない。したがつて、回動中期及び後期に
おいてポール１７の爪１７ａとセクタギヤ１６の
摺動によつて生じる音は機構上無くすことができ
ないが、ペダル回動時に生じる音の量を減じて乗
員に与える不快感を減ずることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係るパーキングブレーキ機構の一
例を示す一部破断側面図である。 符号の説明、１０……ペダル、１１……ベー
ス、１５……ペダルストツパ、１６……セクタギ
ヤ、１７……ポール、１７ａ……爪、１７a₁……
爪の先端、１９……引張りコイルスプリング、２
０……レリーズレバー、２０ａ……アーム、２３
……レリーズストツパ、L₁……セクタギヤの谷
部の回動軌跡、L₂……セクタギヤの山部の回動
軌跡。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベースに回動可能に支持されて元位置にてペダ
   ルストツパにより位置決されるペダル、このペダ
   ルに一体的に設けられたセクタギヤ、前記ベース
   に回動可能に支持され前記セクタギヤに噛合可能
   な爪を有するポール、このポールの前記爪を前記
   セクタギヤに噛合させるべく前記ポールを付勢す
   るスプリング、前記ベースに回動可能に支持され
   前記ポールと係合可能なアームを有して回動操作
   されたとき前記ポールを前記スプリングに抗して
   回動させるレリーズレバー、このレリーズレバー
   を元位置にて位置決するレリーズストツパを具備
   してなり、前記レリーズレバーが元位置にあると
   き前記ペダルを元位置から回動させると、パーキ
   ングブレーキが作動状態とされかつ前記ポールの
   爪とセクタギヤが噛合して前記ペダルがその回動
   位置にて固定可能とされ、また前記レリーズレバ
   ーを元位置から回動して前記ポールを前記スプリ
   ングに抗して回動させると、前記ポールの爪の先
   端が前記セクタギヤの山部の回動軌跡より外方に
   移動して前記ペダルが前記パーキングブレーキを
   非作動状態となす元位置に向けて回動可能となる
   ようにしたパーキングブレーキ機構において、前
   記ペダル及びレリーズレバーが共に元位置にある
   とき、前記ポールの爪とセクタギヤを非係合とな
   しかつ前記レリーズレバーのアームと前記ポール
   を当接させて前記ポールに作用する前記スプリン
   グのばね力を前記アームにて受承させ、また前記
   ポールの爪の先端を前記セクタギヤの谷部の回動
   軌跡より内方に位置せしめたことを特徴とするパ
   ーキングブレーキ機構。