JPS6333579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、壁面等に固着されるレール部材と、
該レール部材の長さ方向に摺動しかつ回り止めさ
れうる内固定部材と、被掛着物を掛着させうる外
固定部材とを具え、レール部材の任意部位におい
て、洋服掛け等として利用しうるハンガー部を容
易に形成することができるとともに、ハンガー部
の位置変更を片手操作によつてワンタツチで行う
ことができて操作性に優れ、しかも長期間に亘つ
て安定した状態で使用でき又外観にも優れるハン
ガー装置に関するものである。

（従来の技術） ハンガー部が位置変更可能に構成されたハンガ
ー装置の例としては、実公昭38−3350号公報が開
示する装置あるいは実公昭57−27350号公報が開
示する装置を挙げることができ、前者の装置は、
摺動溝を有する横長のレール部材と、該摺動溝に
摺動自在に嵌合しうる円板状摺動板を掛止杆の基
端に固定してなる掛止部材と、掛止杆の基端部分
に設けられている雄ネジ部に螺合する緊締ネジと
からなり、該緊締ネジを緩めた状態で掛止杆をレ
ール部材の長手方向所要位置にまで移動させた
後、該緊締ネジを締付けることによつて掛止部材
をレール部材に位置固定させうるよう構成されて
いる。又後者の装置は、摺動溝を具えたレール部
材と、該摺動溝を通過しうる矩形板状の掛止頭部
を掛止杆の基端に固定してなる掛止部材と、掛止
杆の基端部分に設けられている雄ネジ部に螺合す
る緊締ネジとからなり、掛止頭部の長手方向を摺
動溝の長手方向に合致させて該頭部を摺動溝の所
要部位においてその内側に挿入させ、その後、掛
止部材を90度回転させて掛止頭部を抜け出し不能
とし、この状態において緊締ネジを締付けること
により掛止部材をレール部材に位置固定させうる
ように構成されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、前記した各装置においては、摺
動溝内に納められている摺動板あるいは掛止頭部
は、摺動溝に規制されることなく自由に回転可能
であるため、片手のみを使用して緊締ネジを回転
操作するときには、前者の装置にあつては、掛止
杆が共回りしてネジ締め、ネジ緩めができず、一
方後者の装置にあつては、掛止頭部の長手方向が
摺動溝の長手方向と合致することによつて掛止頭
部が摺動溝から外れてしまう不都合があつた。そ
のため、いずれの装置においても、緊締ネジを締
付けあるいは緩めるには、掛止杆が共回りしない
よう、掛止杆を一方の手で保持した状態で他方の
手で以て緊締ネジを締付けあるいは緩める必要が
あり、掛止部材の固定の際及び固定解除の際に両
手を用いなければならない面倒さがあつた。

加えて、掛止杆の突出長さがそれ程大きいもの
でなく、従つて緊締ネジは小さく形成されざるを
得ず、緊締ネジはそれ自体廻しにくいものであつ
た。しかも掛止杆を保持する手が緊締ネジ回転の
邪魔ともなり、緊締ネジの締付け操作及び緊締ネ
ジの緩め操作に非常な困難を伴う問題があつた。

又両装置共、掛止杆の基端部分に設けられてい
る雄ネジ部に緊締ネジを螺合させる構成を採用し
ているが、該雄ネジ部の長さは、緊締ネジを締め
操作及び緩め操作することの必要性からして、該
操作に障害が生じないよう、多少の余裕を考慮に
入れて長めに設定することが必要であつた。その
ため、緊締ネジを締付けた際においてネジ部の一
部が露出することとなり、従つて、掛止杆に掛着
物を掛着させる際等においてネジ山が潰れるおそ
れがある等、該露出ネジ部が損傷を受ける問題が
あつた。このことは、例えば洋服ハンガーのフツ
ク部を掛止杆に係合させた際に、フツク部が露出
ネジ部上に載る事態の発生することを考えれば容
易に納得し得ることである。このように露出ネジ
部が損傷されると、掛止部材の位置変更の必要が
生じても、緊締ネジを緩めることが困難となつて
位置変更ができない事態も生じ、位置変更が可能
であることを特徴とするハンガー装置の本来的な
特性を引き出せないこととなる問題があつた。

さらには、ネジ部の一部が露出した状態となる
ことは、それ自体外観的に好ましいものでなく、
又露出ネジ部に埃も付着しやすく、ハンガー装置
の外観が損なわれるとともに、不清潔を与える問
題があつた。

本考案はかかる問題点を解決するハンガー装置
の提供を目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案のハンガー
装置は次のような構成を採用する。

即ち、本考案のハンガー装置１は、基板５の長
手両側に、向き合う方向に開口する条溝１０，１
０を形成する係止片９，９を突設してなるレール
部材２と；対向する縁部１７ａ，１７ａが前記条
溝１０，１０と摺動可能に嵌合し、かつ該嵌合状
態において縁部１７ａが条溝１０の底部１０ａと
嵌合して回り止めされうる摺動板１７に、係止片
９，９先端間の開口部１８から突出するネジ軸１
９を設けてなる内固定部材３と；該ネジ軸１９と
螺合する雌ネジ部２１が設けられ、かつ端部２２
が前記係止片９，９と接触可能なネジ筒２３を有
して被掛着物を掛着させうる外固定部材４と；を
具え：ネジ筒２３を締付けたときにネジ筒端部２
２と摺動板１７の両縁部１７ａ，１７ａとの間で
係止片９，９を挟着でき、外固定部材４をレール
部材２に固定可能としたことを特徴とする。

（作用） 然して、壁面Ｗの所定高さ位置にレール部材２
を固着するとともに、内固定部材３をレール部材
２と嵌合せしめ、かつ内固定部材３のネジ軸１９
に外固定部材４のネジ筒２３を螺合させておくこ
とにより、一体化している内、外固定部材３，４
を所要部位に横移動させることが可能となる。又
内固定部材３は、摺動板１７の縁部１７ａと条溝
１０の底部１０ａとの係合によつて確実に回り止
めされる。従つて、レール部材２の所要部位にお
いてネジ筒２３を締付けると、ネジ筒端部２２と
摺動板１７の対向する縁部１７ａ，１７ａとの間
で係止片９，９が挟着されて、外固定部材４は固
定されることとなる。このように固定された外固
定部材４には、例えば洋服等の被掛着物を掛着さ
せうる。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図において本考案のハンガー装置１は、レール
部材２と内固定部材３と外固定部材４とを具え
る。レール部材２は、例えば合成樹脂押出成形体
であつて、壁面Ｗに取付く長尺な矩形板状をなす
基板５の上、下縁に、突出片６と前片７とからな
るＬ字状の係止片９，９をその前片７，７先端部
を対向させて突設してなり、向き合う方向に開口
する条溝１０，１０を基板５の前側に有する。な
お該基板５の長手中央部分の後側を稍突出させる
とともに、該突出部１１前面にはビス止め用の凹
溝１２を設け、該凹溝１２部分においてビス孔１
３が並設されている。又前記係止片９，９の突出
片６，６先端には、後方に折曲がる折曲片１５，
１５が連設され、基板５は、前記突出部１１の後
面及び折曲片１５，１５の先端が壁面Ｗと接触し
た状態で、ビス１６を用いて該壁面Ｗに取付けら
れる。

内固定部材３は、例えば矩形板状をなし、かつ
その上、下の縁部１７ａ，１７ａが前記レール部
材２の条溝１０，１０と摺動可能に嵌合する摺動
板１７に、係止片９，９先端間の開口部１８から
突出するネジ軸１９を頚部２０を介して設けてな
る。

外固定部材４は、前記ネジ軸１９と螺合する雌
ネジ部２１を有しかつ端部（開口端部）２２が前
記係止片９，９と接触可能なネジ筒２３の他端部
に、例えば亀甲状をなす引掛部２５を設けてな
る。

なお第１図中、符号２６は、保持枠体２の両端
を封じるキヤツプである。

このような構成を有するハンガー装置１は、例
えば第２〜３図に示すごとく、壁面Ｗの所定高さ
位置にレール部材２を水平状態で固着するととも
に、必要個数の内固定部材３を保持枠体２と嵌合
せしめ、かつ内固定部材３のネジ軸１９に外固定
部材４のネジ筒２３を螺合させることによつて壁
面Ｗに設備される。このように設備されたハンガ
ー装置１においては、一体化したままの状態で
内、外固定部材３，４を所要部位に横移動させる
ことができ、前記「作用の項」で述べたと同様に
して外固定部材４を螺締することにより、被掛着
物を掛着させうる外固定部材４は、レール部材２
の所要部位に固定されることとなる。なお、外固
定部材４は、ネジ筒を具えかつ被掛着物を掛着さ
せうるものでありさえすれば、その形状は任意に
設定されうる。

又本考案のハンガー装置は、部屋の壁面に設備
されることにより洋服等の衣類を引掛けるため
に、又厨房器上方の壁面に設備されることにより
調理用等器具を吊下するために、あるいは玄関の
壁面に設備されることにより傘や靴べら等を吊下
するために等、各種の被掛着物を掛着させうるハ
ンガー部を構成するために広く応用することがで
きる。

（考案の効果） 本考案のハンガー装置は、以上説明したように構
成されているので、、以下のような優れた効果を
奏する。

レール部材の条溝と嵌合した内固定部材は、
確実に回り止めされた状態にあるため、外固定
部材のネジ締めあるいはネジ緩めを片手操作に
よつて簡単に行うことができる。又ネジ締め操
作あるいはネジ緩め操作に際しては、大きく形
成されていて握りやすい外固定部材を握持して
行うことができるため、前記した従来のハンガ
ー装置における小さな緊締ネジを回転操作する
ばあいとは異なり、その操作を非常に楽に行う
ことができる。

このように本考案のハンガー装置は、ハンガ
ー部の位置変更をワンタツチ操作によつて簡単
迅速に行うことができ、操作性に非常に優れ
る。

内固定部材のネジ軸が外固定部材のネジ筒に
よつて完全に被われた状態の下で、外固定部材
のネジ締め操作あるいはネジ緩め操作を行うこ
とができるため、露出ネジ部が生ずる前記した
従来のハンガー装置におけるばあいとは異な
り、被掛着物の掛着等によつてネジ山が潰れる
等のおそれがなく、従つて本考案のハンガー装
置は、長期間に亘り安定した状態で使用するこ
とができる。

又前記した従来のハンガー装置におけるごと
く、外固定部材を固定した際においてネジ軸の
一部が露出するといつた不都合がないため、本
考案のハンガー装置は外観及び清潔感に優れ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、
第２図は外固定部材を固定した状態を示す断面
図、第３図は本考案の装置を室内壁面に設置した
状態を示す斜視図である。 １……ハンガー装置、２……レール部材、３…
…内固定部材、４……外固定部材、５……基板、
９……係止片、１０……条溝、１０ａ……条溝の
底部、１７……摺動板、１７ａ……縁部、１８…
…開口部、１９……ネジ軸、２１……雌ネジ部、
２２……ネジ筒端部、２３……ネジ筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板５の長手両側に、向き合う方向に開口する
   条溝１０，１０を形成する係止片９，９を突設し
   てなるレール部材２と；対向する縁部１７ａ，１
   ７ａが前記条溝１０，１０と摺動可能に嵌合し、
   かつ該嵌合状態において縁部１７ａが条溝１０の
   底部１０ａと係合して回り止めされうる摺動板１
   ７に、係止片９，９先端間の開口部１８から突出
   するネジ軸１９を設けてなる内固定部材３と；該
   ネジ軸１９と螺合する雌ネジ部２１が設けられ、
   かつ端部２２が前記係止片９，９と接触可能なネ
   ジ筒２３を有して被掛着物を掛着させうる外固定
   部材４と；を具え：ネジ筒２３を締付けたときに
   ネジ筒端部２２と摺動板１７の両縁部１７ａ，１
   ７ａとの間で係止片９，９を挟着でき、外固定部
   材４をレール部材２に固定可能としたことを特徴
   とするハンガー装置。