JPS6332112Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパレツト上に載置された瓦素地を乾燥
炉内において上下の乾燥速度の差に応じて乾燥時
間を自在に設定出来る様にした瓦素地の乾燥装置
に関するものである。

一般に乾燥炉内においては常に上段の方が下段
よりも高温であり、上段に位置する瓦素地の方が
乾燥速度が早いが、従来は台車又は棚台車に瓦素
地を積上げて順次乾燥炉内に搬入することにより
乾燥を行わしめていたので、上下において乾燥速
度に差があるにも拘らず炉内での乾燥時間は上下
同じであり、よつて乾燥時間を下段に合わせて設
定しなければならないため乾燥効率が非常に悪い
等の欠点を有していた。

本考案はかかる欠点に鑑み、乾燥炉内に瓦素地
が載置されたパレツトを入口から出口へ移動自在
に受承する受部を多数段に渉り設け、乾燥炉の入
口及び出口にはパレツトを搬送する搬送コンベア
を夫々配設し、又乾燥炉の入口の対向位置には搬
送コンベア上のパレツトを受承して乾燥炉の任意
の段の受部に対し昇降制御されるフオーク状の受
杆と、該受杆上に受承されたパレツトを乾燥炉内
へ搬入するプツシヤーとを備えた積込装置を配設
せしめ、一方乾燥炉の出口の対向位置には押出さ
れるパレツトを引掛けて取出す引掛杆と、該引掛
杆により取出されたパレツトを受承して搬送コン
ベア上に移載せしめるフオーク状の受杆とを備え
た積降装置を配設せしめて成る瓦素地の乾燥装置
を提供して上記欠点を解消せんとしたものにし
て、以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明
すると、 １は乾燥炉であり、内部には入口２から出口３
へ渉つて対向する１対のコ字形の型枠４，４′…
を支柱５，５′…に複数列多数段に渉り固定せし
め、この型枠４，４′…には搬入される成型後の
瓦素地Ｗが載置されたパレツト６，６′…を入口
２から出口３へ移動自在に受承するコロ７，７′
…を取付けて受部８，８′…と成し、又乾燥炉１
内の両側には熱風撹拌用のフアン９，９′…をガ
イドレール１０，１０′…に沿つて移動自在に配
設せしめている。

又乾燥炉１の入口２及び出口３にはパレツト
６，６′…を搬送せしめる搬送コンベア１１，１
２を配設せしめると共に、各搬送コンベア１１，
１２の入口２及び出口３に対向する終端部分を乾
燥炉１の列数に対応して複数に分割せしめて待機
部１３，１３′，１３″，１４，１４′，１４″と成
している。

１５はパレツト６，６′…の積込装置であり、
乾燥炉１の入口２に対向して搬送コンベア１１の
待機部１３，１３′，１３″の後方にフレーム１６
を配設せしめ、該フレーム１６には駆動装置１７
により昇降制御される枠体１８を支持せしめ、該
枠体１８には待機部１３，１３′，１３″上のパレ
ツト６，６′…の両側下面を受承するフオーク状
の受杆１９，１９′…を取付けると共に、該受杆
１９，１９′…上に受承されたパレツト６，６′…
の後端面を押圧して乾燥炉１の受部８，８′…に
搬入せしめるプツシヤー２０，２０′…を進退制
御自在に支持せしめている。又前記受杆１９，１
９′…は回動自在に枢支された軸部２１に両側方
へ突出する受片２２，２２′を一体突設せしめて
成ると共に、軸部２１をシリンダー２３等を介し
て90度回動制御せしめる様にし、受片２２，２
２′が垂直方向に位置する様に回動制御せしめる
ことにより待機部１３，１３′，１３″上のパレツ
ト６，６′…間の間隙部２４，２４′…を通過し得
る様に成している。

２５は積降装置であり、乾燥炉１の出口に対向
して搬送コンベア１２の待機部１４，１４′…の
後方にフレーム２６を配設せしめ、該フレーム２
６には積込装置１５と同様に駆動装置２７により
昇降制御される枠体２８と、該枠体２８に取付け
た受杆２９，２９′…を設け、又枠体２８には先
端部にパレツト６，６′…を引掛ける爪片３０を
取付けた引掛杆３１，３１′…を進退制御自在に
取付せしめている。

次に本考案に係る瓦素地の乾燥装置の作用につ
いて説明すると、成型後の瓦素地Ｗはパレツト
６，６′…に整列載置されて搬送コンベア１１に
より順次乾燥炉１の入口２に搬送され、ここで積
込まれる所定数のパレツト６，６′…は搬送コン
ベア１１終端の分割された待機部１３，１３′…
上に夫々載置されて停止する。次に待機部１３，
１３′…間の下方に待機していた積込装置１５の
受杆１９，１９′…が枠体１８と共に上昇駆動さ
れて待機部１３，１３′…上のパレツト６，６′…
を受承し、該パレツト６，６′…は搬入すべき乾
燥炉１の所定段数位置の受部８，８′…の対向位
置迄上昇し、続いてプツシヤー２０，２０′…が
前進して受杆１９，１９′…上のパレツト６，
６′…を押圧するため該パレツト６，６′…は受杆
１９，１９′…上をスライドして乾燥炉１の受部
８，８′…内に搬入される。そしてパレツト６，
６′…が搬入されるとその段の受部８，８′…に既
に搬入されているパレツト６，６′…が順次出口
３側に押圧されて移動し、出口３側端部に位置し
ていた乾燥済のパレツト６，６′…が突出する。
突出したパレツト６，６′…はその段に対応して
待機していた積降装置２５の受杆２９，２９′…
上に移載されると共に、引掛杆３１，３１′…の
爪片３０によりパレツト６，６′…の先端を引掛
けて引掛杆３１，３１′…を後退させることによ
り受杆２９，２９′…上の定位置に載置せしめ、
続いて受杆２９，２９′…を下降せしめてパレツ
ト６，６′…を搬送コンベア１２の待機部１４，
１４′…上に移載せしめ、しかる後搬送コンベア
１２を駆動せしめてパレツト６，６′…を後続工
程へ搬送せしめる。

一方かかる間に入口２側においては搬送コンベ
ア１１の待機部１３，１３′…上には次のパレツ
ト６，６′…が搬送され、続いてパレツト６，
６′…の搬入が完了した積込装置１５の受杆１９，
１９′…が再び待機部１３，１３′…の下方位置迄
下降して停止する。尚受杆１９，１９′…が下降
する際はパレツト６，６′…に干渉しない様に、
受杆１９，１９′…を90度回動させて受片２２，
２２′を垂直方向に位置せしめることによりパレ
ツト６，６′…間の間隙部２４，２４′…の通過を
可能ならしめている。

そして以上の操作の反復により乾燥炉１内にお
いて各段に応じて乾燥が完了した所定段数位置の
パレツト６，６′…を順次取出すと共に、未乾燥
のパレツト６，６′…を同時に乾燥炉１内へ搬入
せしめるのである。

要するに本考案は、乾燥炉１内に瓦素地Ｗが載
置されたパレツト６，６′…を入口から出口へ移
動自在に受承する受部８，８′…を多数段に渉り
設けたので、乾燥炉１内に搬入されるパレツト
６，６′…を各段毎に独立して乾燥炉１内を移動
せしめることが出来るため、乾燥炉１内における
上下の温度差により生じる乾燥速度差に応じて各
段のパレツト６，６′…の乾燥時間を決定するこ
とが出来、よつて従来の台車積方式の様に乾燥時
間が上下一律のものに比し乾燥効率を大幅に向上
せしめることが出来、又乾燥炉１の入口２及び出
口３にはパレツト６，６′…を搬送する搬送コン
ベア１１，１２を夫々配設したので、成型後の瓦
素地Ｗをパレツト６，６′…上に載置したままで
乾燥から次工程への搬送に至る一連の搬送ライン
を構成出来ると共に、瓦素地Ｗはパレツト６，
６′…上で搬送及び乾燥されるため変形等の発生
を防止することが出来、又乾燥炉１の入口２の対
向位置には搬送コンベア１１上のパレツト６，
６′…を受承して乾燥炉１の任意の段の受部８，
８′…に対し昇降制御されるフオーク状の受杆１
９，１９′…と、該受杆１９，１９′…上に受承さ
れたパレツト６，６′…を乾燥炉１内へ搬入する
プツシヤー２０，２０′…とを備えた積込装置１
５を配設せしめ、一方乾燥炉１の出口３の対向位
置には押出されるパレツト６，６′…を引掛けて
取出す引掛杆３１，３１′…と、該引掛杆３１，
３１′…により取出されたパレツト６，６′…を受
承して搬送コンベア１２上に移載せしめるフオー
ク状の受杆２９，２９′…とを備えた積降装置２
５を配設せしめたので、乾燥炉１内における上下
の乾燥速度差に応じて積込装置１５及び積降装置
２５によりパレツト６，６′…の搬入、取出しを
自動的に操作せしめることが出来、又従来の台車
積方式の様に台車への瓦素地Ｗの積載、取出しの
操作を要しないため非常に能率的であり、更に乾
燥炉１内には台車等の乾燥とは直接無関係の大型
補助物体の搬入を必要としないため熱損失も少な
くて済むと共に台車等の保有を要しないため設備
費、工場内スペース等の点においても非常に有利
となるのである。

又規模に応じて乾燥炉１内における各段の受部
８，８′…を複数列設けることにより多量の瓦素
地Ｗを効率よく乾燥せしめることが出来、更に乾
燥炉１内に熱風撹拌用のフアン９，９′…を移動
自在に配設せしめて強制乾燥を行わしめることに
より各段の乾燥速度の向上も期待出来る等その実
用的効果甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すものにして、第１
図は本考案に係る瓦素地の乾燥装置の平面図、第
２図は乾燥炉の断面図、第３図は第１図のＡ−Ａ
矢視図、第４図は積込装置の側面図、第５図は同
上Ｂ−Ｂ断面図、第６図は積降装置の側面図、第
７図は同上Ｃ部の拡大図である。 １……乾燥炉、２……入口、３……出口、６，
６′……パレツト、８，８′……受部、１１，１２
……搬送コンベア、１５……積込装置、１９，１
９′……受杆、２０，２０′……プツシヤー、２５
……積込装置、２９，２９′……受杆、３１，３
１′……引掛杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乾燥炉内に瓦素地が載置されたパレツトを入口
   から出口へ移動自在に受承する受部を多数段に渉
   り設け、乾燥炉の入口及び出口にはパレツトを搬
   送する搬送コンベアを夫々配設し、又乾燥炉の入
   口の対向位置には搬送コンベア上のパレツトを受
   承して乾燥炉の任意の段の受部に対し昇降制御さ
   れるフオーク状の受杆と、該受杆上に受承された
   パレツトを乾燥炉内へ搬入するプツシヤーとを備
   えた積込装置を配設せしめ、一方乾燥炉の出口の
   対向位置には押出されるパレツトを引掛けて取出
   す引掛杆と、該引掛杆により取出されたパレツト
   を受承して搬送コンベア上に移載せしめるフオー
   ク状の受杆とを備えた積降装置を配設せしめたこ
   とを特徴とする瓦素地の乾燥装置。