JPS63309115A - 農業用被覆材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、二軸延伸ポリビニルアルコール系フィルムか
らなる農業用被覆材、殊に農業用ハウス内部の内張り用
フレームに覆設する内張リカーテ。

ンに関するものである。

従来の技術 従来、農業用被覆材としては、ポリ塩化ビニルフィルム
、ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合
体などが汎用されているが、フィルム素材としてポリビ
ニルアルコールを用いる提案もいくつかなされている。

特公昭６１−４０７１２号公報には、ビニルアルコール
単位を３０モル％以上含有するポリビニルアルコール系
樹脂よりなるポリビニルアルコール系フィルムからなる
赤外線透過遮蔽材が開示されている。

同様に特公昭６０−６９６８号公報には、ビニルアルコ
ール単位を３０モル％以上含有するポリビニルアルコー
ル系フィルムと疎水性樹脂層とからなる農業用積層フィ
ルムが開示されている。疎水性樹脂層は、ポリビニルア
ルコール系フィルムの両表面に設けるのが通常であるが
、片表面に設けてもよいとしである。

特開昭５７−１３５１６５号公報には、２枚以上の一軸
高延伸ポリビニルアルコール系合成樹脂皮膜体を配向軸
を交差して積層接着、一体化したポリビニルアルコール
系農業用被覆材が開示されている。

特開昭５６−８６７４１号公報には、オレフィン−ビニ
ルアルコール共重合樹脂製皮膜体とポリビニルアルコー
ル系合成樹脂網目体とを貼着一体化した農業用被覆材が
示されている。

ポリビニルアルコール系フィルムは、赤外線を遮断する
性質を有するので断熱保温性がすぐれている上、帯電防
止性を有するのでほこりを吸着せず、光線透過率の低下
が小さいという特質があり、その農業用被覆材としての
実用化が期待されている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、通常のポリビニルアルコールフィルムは
、それ単独では耐水性が劣るため、農業用ハウスの内張
りカーテンとして用いることができない。

ポリビニルアルコール系フィルムに疎水性樹脂層を積層
したものは、疎水性樹脂層をポリビニルアルコール系フ
ィルムの両表面に設けた場合は、両表面が疎水性となる
ため、帯電によるほこりの吸着により光線透過率が低下
することを免かれない、疎水性樹脂層をポリビニルアル
コール系フィルムの片表面に設けた場合は２高湿時にポ
リビニルアルコール系フィルムのみが極端に伸びるため
、著しいカールを生じて取り扱いが困難になる。

２枚以上の一軸高延伸ポリビニルアルコール系合成樹脂
皮膜体を配向軸を交差して積層接着したもの、あるいは
オレフィン−ビニルアルコール共重合樹脂製皮膜体とポ
リビニルアルコール系合成樹脂網目体とを貼着一体化し
たものは、吸湿による伸びを防止したものであるが、こ
れを農業用ハウスの内張りカーテンとして用いるときは
、日中はハウス内が過度に高温になることを避けるため
にハウス内の温度がある限度以上になったときはカーテ
ンの裾上げを行い、一方夜間は保温のために裾上げ状態
を解除しなければならないという煩わしさがあり、また
フィルム価格が高くなるという不利もある。

本発明は、ポリビニルアルコールを素材樹脂として用い
ながらも、上述のような不利のない農業用被覆材、殊に
農業用ハウスの内張リカーテンを提供することを目的と
するものである。

問題点を解決するための手段 本発明の農業用被覆材は、縦方向延伸倍率が２〜５倍、
横方向延伸倍率が１．５倍以上でありかつ熱固定された
二軸延伸ポリビニルアルコール系フィルムからなるもの
である。

ポリビニルアルコール系フィルムは、酢酸ビニルの単独
重合体のケン化物であるポリビニルアルコール、または
酢酸ビニルとα−オレフィン、スチレン、飽和分岐脂肪
酸ビニル等のコモノマーとの共重合体のケン化物あるい
はポリビニルアルコールの後変性物である変性ポリビニ
ルアルコールを製膜することにより得られる。酢酸ビニ
ル成分のケン化度は９９モル％以上、重合度は１０００
以上であることが好ましい。

本発明の目的に適する二軸延伸ポリビニルアルコール系
フィルムは、縦方向延伸倍率が２〜５倍、横方向延伸倍
率が１．５倍以上でありかつ熱固定されたものである。

縦方向延伸倍率が２倍未満では、耐水性が不足し、高湿
時の伸びも過度に大になり、一方５倍を越えると、高湿
時の伸びが過小となり、内張りカーテンとして用いた場
合隙間の発生が小さくなる結果、換気が悪くなって作物
への悪影響が現れる。

また縦方向延伸倍率をか２〜５倍に設定しても、横方向
延伸倍率が１．５倍未満ではフィルム強度が弱くなり、
カーテンの覆設作業中などにフィルムに裂けを生ずるこ
とがある。

熱固定温度は、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビ
ニルアルコールの融点ないし融点より４０℃低い温度ま
での範囲から選択することが好ましい、融点マイナス４
−０℃よりも低い温度では寸法安定性が悪く、収縮率が
大きくなり、一方融点より高いときはフィルムの厚み変
動が大になり、はなはだしいときは破断に至る。酢酸ビ
ニルの単独重合体のケン化物の場合の熱固定温度は、た
とえば１６０〜２３０℃である。

熱固定時間は、１秒前後ないし数分の範囲とし、熱固定
温度が高いほど短かく、低いほど長くする。

そして本発明においては、二軸延伸ポリビニルアルコー
ル系フィルムは、上記延伸倍率を有するだけでなく、該
二軸延伸フィルムを３０℃の水中に３０分間浸漬したと
きの縦方向の寸法をＬｈｉｇｈ、ついでこれを６０℃の
熱風中で３０分乾燥したときの縦方向の寸法をＬ　ｌｏ
ｗとするとき、式 ％式％ で表わされる乾湿寸法変化率が２〜７％の値を有するこ
とが特に好ましい、この範囲において乾燥時の収縮と高
湿時の伸びとの関係が最もバランスのとれたものとなる
からである。従って、乾湿寸法変化率がこの範囲に入る
ようにポリビニルアルコールの組成（ケン化度、重合度
、変性度）、延伸倍率、熱固定条件を選択することが推
奨される。

上記特定の二軸延伸ポリビニルアルコール系フィルムは
農業用被覆材、殊に農業用ハウスの内張リカーテンとし
て有用である。

作　　　用 第１図は、本発明の農業用被覆材をハウスの内張リカー
テンとしての使用したときの使用例を示した断面説明図
であり、（イ）は乾燥時、（ロ）は高湿時の状態を示し
たものである。

（１）はハウス外壁であり、ガラスなどの透光性材料と
フレームとで構成される。（２）は内張り用フレーム、
（３）は内張りカーテンである。

（４）は裾フィルムであり、通常はポリエチレンフィル
ムを用いる。（Ｓ）は、内張リカーテン（３）の裾部と
裾フィルム（４）との間に形成される隙間である。

本発明のフィルムを農業用ハウスの内張リカーテン（３
）として内張り用フレーム（２）に覆設したときは、日
中の気温の上昇と共に内部が乾燥状態になると、内張リ
カーテン（３）の水分率が低下して適度の収縮を示し、
その結果内張りカーテン（３）裾部が自動的にめくれ上
がって第１図（イ）の隙間（Ｓ）から換気がなされ、高
温化が防止される。

一方、夜間低温になると、湿度が上昇して内張リカーテ
ン（３）が適度伸びて第１図（ロ）のように上記隙間（
Ｓ）を塞ぎ、放射冷却が抑制される。

このように自動的に換気がなされるので、作物の生長、
成育が最も効率的になされ、収穫が早くなる。

実施例 次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。

以下において乾湿寸法変化率の測定は、供試フィルムを
３０℃の水中に３０分間浸漬したときの縦方向の寸法を
Ｌ　ｈｉｇｈ、ついでこれを６０℃の熱風中で３０分乾
燥したときの縦方向の寸法をＬｌｏｗとするとき、式 ％式％ により求めた。

実施例１ ポリビニルアルコール（ケン化度８８．８モル％、重合
度１５００）の５０％水溶液をＴ−ダイから押出してフ
ィルム化し、乾燥しながら縦方向に２．５倍延伸後、テ
ンターで横方向に３倍延伸し、ついで２２０℃で２．５
秒間熱固定した。

このようにして得られた厚み２５終の二軸延伸ポリビニ
ルアルコールフィルムの乾湿寸法変化率は３．５％であ
った。

この二軸延伸ホリビニルアルコールフィルムからなる単
層フィルムを、第１図に示したイチゴ用ハウス内の内張
り用゛フレーム（２）に内張リカーテン（３）として覆
設しくフィルム使用長さ１０ｍ）、隙間（Ｓ）発生の有
無と程度、裾上げ作業の要否について観察した。

結果を第１表に示す。

実施例２ 変性ポリビニルアルコール（エチレン含量１５モＪＬ／
％、酢醜ヒニル成分のケン化度９９．６モル％、重合度
１０００）を溶融押出しした後、縦横共３．０倍に二軸
延伸し、ついで１８５℃で２．５秒間熱固定した。

このようにして得られた二軸延伸変性ポリビニルアルコ
ールフィルムの乾湿寸法変化率は２．７％であった。

このフィルムにつき実施例１と同様の試験を行った結果
を第１表に併せて示す。

比較例１ 実施例１の二軸延伸前のポリビニルアルコールフィルム
の乾湿寸法変化率は、フィルムが膨潤するため測定不能
であった。またこの未延伸ポリビニルアルコールフィル
ムは耐水性がないため、内張リカーテンとしては事実上
使用できないものであった。

比較例２〜４ 実施例１のポリビニルアルコールフィルムラ縦方向に５
．５倍延伸後、テンターで横方向に　１．１倍延伸し、
ついで２２０℃で２．５秒間熱固定した乾湿寸法変化率
１．５％のフィルム（比較例２）、実施例１のポリビニ
ルアルコールフィルムを縦方向に２．５倍延伸後、テン
ターで横方向に３．０倍延伸し、ついで１５０℃で２．
５秒間熱固定した乾湿寸法変化率１０．０％のフィルム
（比較例３）、軟質ポリ塩化ビニルフィルム（樹脂１０
０部に対し可塑剤５０部と少量の安定剤を配合して製膜
したもの、乾湿寸法変化率はぼ０％）（比較例４）につ
いても、実施例１と同様の試験を行った。結果を第１表
に併せて示す。

第　　１　　表 注１．比較例２のフィルムは、乾燥時の隙間の形成が不
足し、裾上げ作業を要する。

注２．比較例３のフィルムは、裾上げ作業は不要なるも
繰返し使用ができない。

注３．比較例４のフィルムは、伸縮性を示さないので、
裾上げ作業を要する。

発明の効果 本発明の二軸延伸ポリビニルアルコール系フィルムから
なる農業用被覆材をたとえば農業用ハウスの内張りカー
テンとして用いると、日中の高温乾燥時にはフィルムが
適度に縮んで裾フィルムとの間に隙間を生ずるので自動
的に換気ができ、一方夜間の低温高湿時にはフィルムの
裾が伸びて前記隙間を塞ぐので熱放射が抑制され、その
結果、作物の生長、成育が最も効率的になされ、収穫が
早くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の農業用被覆材をハウスの内張リカー
テンとしての使用したときの使用例を示した断面説明図
であり、（イ）は乾燥時、（ロ）は高湿時の状態を示し
たものである。 （１）・・・ハウス外壁、（２）・・・内張り用フレー
ム、（３）・・・内張リカーテン、（４）・・・裾フィ
ルム、（Ｓ）・・・隙間

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、縦方向延伸倍率が２〜５倍、横方向延伸倍率が１．
   ５倍以上でありかつ熱固定された二軸延伸ポリビニルア
   ルコール系フィルムからなる農業用被覆材。 ２、二軸延伸ポリビニルアルコール系フィルムが、該二
   軸延伸フィルムを３０℃の水中に３０分間浸漬したとき
   の縦方向の寸法をＬｈｉｇｈ、ついでこれを６０℃の熱
   風中で３０分乾燥したときの縦方向の寸法をＬｌｏｗと
   するとき、式 １００×（Ｌｈｉｇｈ−Ｌｌｏｗ）／Ｌｌｏｗで表わさ
   れる乾湿寸法変化率が２〜７％の値を有するものである
   特許請求の範囲第１項記載の農業用被覆材。 ３、農業用ハウス内部の内張り用フレームに覆設する内
   張りカーテンである特許請求の範囲第１項記載の農業用
   被覆材。