JP7142546B2 - フィルム及びフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルム及びフィルムの製造方法に関する。
セルロースアセテートを用いたシート又はフィルムは、透明性が高いこと、固有複屈折が小さいこと及び光学的等方性が良好なことから、古くから写真や映画のフィルム等に用いられていた。
セルロースアセテートは、剛直なグルコース環がβグルコシド結合により連結した構造をしており、高分子鎖の方向と概ね直角方向にアセチル基が配列する。このためフィルムの面内複屈折率の差が少なく、液晶表示装置の光学部材に好適に用いられてきた。なお、概ね厚み300μmを境に、厚みが300μm未満のものはフィルム、厚みが300μm以上のものはシートと称されるのが一般的である。
このようなセルロースアセテートを用いたシート又はフィルムの用途としては、接着層を含む構成も開示されている。例えば、特許文献1には、トリアセチルセルロース基材の表面に熱可塑性エラス卜マーを含む接着層を有するシクロオレフィン系ポリマー接着用トリアセチルセルロース基材が記載されている。前記接着層は、パラフィンあるいはナフテンを含んでいる。この文献の接着層は異種化合物の接着を目的としており、接着層の接着能力はあるもののフィルムの柔軟性、機械的強度の向上に寄与するものではない。
特許文献2には、セルローストリアセテー卜フィルムで保謹した位相板や偏光板等の基材シートと、離型性シー卜との間隙に高粘度粘着性樹脂組成物(a)を挟持して粘着剤層(A)を製造するシートの製造方法が記載されており、上記高粘度粘着性樹脂組成物としてはソフ卜セグメン卜を与えるモノマー成分およびハードセグメントを与えるモノマー成分を共重合して得られる粘着剤グレードのアクリル系重合体を必須の構成要素とするものが好適に用いられること、及び離型性シー卜は最終的に剥離除去して用いることも記載されている。
また、特許文献2には、ノンソルベントタイプの高粘度粘着性樹脂組成物(a)が加熱または活性エネルギー線照射により硬化する成分を含んでおり、基材シート(1)と離型性シート(2)との間に高粘度粘着性樹脂組成物(a)が挟持されるようにした後、そのように挟持された状態で高粘度粘着性樹脂組成物(a)に対する硬化手段を講じることにより粘着剤層(A)となすこと、が記載されている。
しかしながら、特許文献2のシートは、離型性を有するシートを含むものであり、十分に積層一体化されているものではなかった。
また、近年、セルロースアセテートフィルムを光学部材以外に用いることも提案されている。
従来、農業ハウスの外側を被覆するシート又はフィルム、及び農作物や畝を被覆するシート又はフィルム等、様々な用途に使用される農業シート又はフィルムとして、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体等を主原料とするものが知られていた。しかし、これらのシート又はフィルムは、透湿性が低く、土や植物等からの水蒸気がシート又はフィルムに付着し、水滴の発生、さらには光線透過率の低下が生じることで、植物の生育や保温効果が阻害される可能性がある。一定の透湿度を有するシートとして、セルロースアシレート樹脂を含有する農業ハウス用フィルムが提案されている(特許文献3乃至6)。
国際公開第2011/083809号 特開平09-59577号公報 特許第6285384号公報 特許第6316183号公報 特許第6316234号公報 特許第6316235号公報 特開2011-6823号公報
従来のセルロースアセテートを用いたシート又はフィルムを、光学部材として用いる場合には、平滑面を形成するため複数の光学素子(フィルム、シート、ガラス、ITO蒸着膜、液晶層、及びバックライト等)に挟持された状態で使用されるので、特に強度が問題になることはなかった。しかしながら、光学部材以外の用途に用いる場合には機械的強度などに問題を生じる。例えば、生鮮食品、食肉及びパン等の加工品を含む食品に使われる食品包装用シート又はフィルムとして使用される場合には袋の形状にされたり、折り曲げられたりする。また、内容物の尖った部分が突き刺さることもある。また、住宅外壁の透湿防水シート又はフィルム、並びに衣料品、寝具及びおむつ等の防水シート又はフィルムでは施工時及び使用時に引き裂く力が加わることもある。このため、セルロースアセテートのシート又はフィルムの引裂きに対する耐性を向上させる必要がある。
また、農業用シート又はフィルムに関しては、次のような懸念もある。「使用面積が広大な農場での使用の際には、広大な面積に展張するにあたりシートへの負荷が非常に大きくなり、展張の際の引っ張りに耐えられずに破れが発生する恐れがある。また、展張後も風雨等の外的な環境要因による負荷が大きいため、シートの初期強度が小さいと、これらに耐えることができず破れの発生原因となる。」(特許文献7)
そこで、本発明は、優れた透湿性及び引き裂き強度を有するフィルムを提供することを目的とする。
本発明の第一は、第一のセルロースアセテートからなる層、第二のセルロースアセテートからなる層、及び熱可塑性エラストマーからなる層を有し、前記熱可塑性エラストマーからなる層は、第一のセルロースアセテートからなる層と第二のセルロースアセテートからなる層との間に配置され、第一のセルロースアセテートからなる層及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みは、25μm以上80μm以下、前記熱可塑性エラストマーからなる層の厚みは、20μm以上80μm以下である、フィルムに関する。
前記フィルムは、引き裂き強度が4N以上であってよい。
前記フィルムは、透湿度が180g/m・日以上であってよい。
前記フィルムは、前記熱可塑性エラストマーからなる層に含まれる熱可塑性エラストマーが、アクリル系エラストマー又は脂肪族ウレタン系エラストマーであってよい。
本発明の第二は、厚みが25μm以上80μm以下の第一のセルロースアセテートからなるフィルムと、厚みが25μm以上80μm以下の第二のセルロースアセテートからなるフィルムとの間に、熱可塑性エラストマーを溶融押出して、厚みが20μm以上80μm以下の熱可塑性エラストマーからなる層を形成する工程を有する、フィルムの製造方法に関する。
本発明によれば、優れた透湿性及び引き裂き強度を有するフィルムを提供することができる。
本開示のフィルムは、第一のセルロースアセテートからなる層、第二のセルロースアセテートからなる層、及び熱可塑性エラストマーからなる層を有し、前記熱可塑性エラストマーからなる層は、第一のセルロースアセテートからなる層と第二のセルロースアセテートからなる層との間に配置され、第一のセルロースアセテートからなる層及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みは、25μm以上80μm以下、前記熱可塑性エラストマーからなる層の厚みは、20μm以上80μm以下である。
(第一及び第二のセルロースアセテートからなる層)
第一及び第二のセルロースアセテートからなる層は、いずれもセルロースアセテートを主成分としてよい。これらの層は、セルロースアセテートの他、添加剤等を含有してもよい。ここで、主成分とは、セルロースアセテートからなる層の重量に対して、50重量%以上の成分をいう。
第一及び第二のセルロースアセテートからなる層において、セルロースアセテートは、50重量%以上が好ましく、65重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されるものではないが、100重量%以下、90重量%以下、又は80重量%以下であってよい。
第一及び第二のセルロースアセテートからなる層のうち少なくとも1の層が添加剤を含有する場合、添加剤としては公知のものを用いることができる。公知の添加剤としては、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、光学特性調整剤、蛍光増白剤及び難燃剤等が挙げられる。
第一及び第二のセルロースアセテートからなる層の製造時、流延等を行う際の加工性を向上するために任意の可塑剤を添加してよい。第一又は第二のセルロースアセテートからなる層における可塑剤の含有量は20重量%から25重量%が好適である。
第一及び第二のセルロースアセテートからなる層に含まれ得る可塑剤としては、例えば、ポリエステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、カルボン酸エステル系可塑剤、及び重縮合オリゴマー系可塑剤等が挙げられ;並びに紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びニッケル錯塩系化合物等が挙げられる。
セルロースアセテートとしては、セルローストリアセテート及びセルロースジアセテートが挙げられる。一般的にはセルローストリアセテートは、アセチル置換度が2.8~3.0、セルロースジアセテートはアセチル置換度が2.2~3.0とされている。
セルロースアセテートからなる層の原料とするセルロースアセテートの形状は、フレーク状であってよく、ペレット状や粉末であってもよく、特に限定されない。
第一及び第二のセルロースアセテートからなる層のうち、一方のセルロースアセテートからなる層に含まれるセルロースアセテートと、他方のセルロースアセテートからなる層に含まれるセルロースアセテートとが同一のものであってよい。また、一方のセルロースアセテートからなる層に含まれるセルロースアセテートと、他方のセルロースアセテートからなる層に含まれるセルロースアセテートとが、アセチル置換度及び/又は分子量(例えば、重量平均分子量)等が異なっていてもよい。
また、第一及び第二のセルロースアセテートからなる層はTACフィルム(セルローストリアセテートフィルム)等として販売されている液晶保護用の液晶偏光板用TACフィルムであってもよい。これらの光学部材用途のフィルムは透明性に優れるために好ましい。
従来のポリエチレン等のポリオレフィン等のフィルムは、日光に曝されるとすぐに白化するため、農業フィルムとして用いるような場合、日光の透過率が減少し、植物の生育が阻害されやすかった。これに対し、本開示のフィルムが透明性に優れる場合、長期間透明性を維持できる。
セルロースアセテートのアセチル置換度は、1.50以上2.96以下であることが好ましく、2.2以上2.96以下がより好ましく、2.4以上2.96以下がさらに好ましく、2.5以上2.96以下がいっそう好ましく、2.7以上2.95以下が最も好ましい。得られるフィルムが特に優れた透明性を有するためである。なお、アセチル置換度は、ASTM:D-817-91(セルロースアセテートなどの試験方法)における酢化度の測定法に準じて求めた酢化度を次式で換算することにより求められる。これは、最も一般的なセルロースアセテートの置換度の求め方である。
DS=162.14×AV×0.01/(60.052-42.037×AV×0.01)
DS:アセチル置換度
AV:酢化度(%)
第一及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みは、25μm以上80μm以下であるところ、40μm以上であってよく、60μm以下であってよい。薄すぎると、フィルムの引き裂き強度及び弾性率が低くなり、厚すぎると、フィルムの透湿度が低くなる。
第一及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みは、同じでも、相違してもよい。厚みを変えることにより、フィルムのカール特性を調整することもできる。すなわち、よりカールを強くするには、第一及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みの比を大きくすることが好ましい。逆にカールを少なくするためには、第一及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みの比が同一、又はほぼ同一が好ましい。
第一及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みは、これらの層間に熱可塑性エラストマーを配置したフィルムの切断面を顕微鏡やCCDカメラで撮像して各層の比率を算出して、接触式厚み計で測定した総厚みに占める各セルロースアセテートからなる層の厚みの比率により決定する。
これにより決定される第一及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みは、熱可塑性エラストマーが配置されていない(未積層である)セルロースアセテートフィルムの厚みであり、製造時に使用するセルロースアセテートフィルムの厚みになる。したがって、本開示のフィルムの厚みから使用したセルロースアセテートのフィルムを差し引くことで熱可塑性エラストマーからなる層の厚みを算出できる。
(熱可塑性エラストマーからなる層)
熱可塑性エラストマーからなる層は、熱可塑性エラストマーを主成分としてよい。熱可塑性エラストマーからなる層は、熱可塑性エラストマーの他、添加剤等を含有してもよい。ここで、主成分とは、熱可塑性エラストマーからなる層の重量に対して、50重量%以上の成分をいう。
熱可塑性エラストマーからなる層において、熱可塑性エラストマーは、75重量%以上が好ましく、85重量%以上がより好ましく、95重量%以上がさらに好ましく、99重量%以上が最も好ましい。上限は特に限定されるものではなく、熱可塑性エラストマーの含有量は、100重量%であってよい。
熱可塑性エラストマーからなる層が添加剤を含有する場合、添加剤としては、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、光学特性調整剤、蛍光増白剤、難燃剤及び滑剤等が挙げられる。熱可塑性エラストマーからなる層の材料となる熱可塑性エラストマーのペレット同士のブロッキングを防止するために0.1重量%程度の滑剤を含有するのが好ましい。また、より優れた耐候性のため、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤等の耐候安定剤を1種類以上含有することが好ましい。
熱可塑性エラストマーからなる層に含まれ得る滑剤としては、例えば、ワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸アミド、及び金属石鹸等が挙げられ;紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びニッケル錯塩系化合物等が挙げられ;酸化防止剤としては、リン系抗酸化剤、フェノール系抗酸化剤、及び硫黄系抗酸化剤が挙げられ;並びに光安定剤としてはヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーは、その熱可塑性エラストマーを構成する分子中にエントロピー弾性を有するゴム成分と塑性変形を防止するための分子拘束成分の両成分を共有するものをいう。熱可塑性エラストマーとしては、特に、分子中にエントロピー弾性を有するゴム成分をソフトセグメント、及び塑性変形を防止するための分子拘束成分をハードセグメントとし、このソフトセグメント及びハードセグメントからなる共重合物が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、塩素化ポリエチレン系エラストマー、ブタジエン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコン系エラストマー等が挙げられる。
アクリル系エラストマーとしては、ハードセグメントが(メタ)アクリル酸エステル、ソフトセグメントがアクリロニトリル、エチレン、又は(メタ)アクリル酸エステル等かなる共重合物が挙げられる。
ブタジエン系エラストマーとしては、ハードセグメントがポリブタジエン、ソフトセグメントがポリエーテル又はポリエステルからなる共重合物;並びに、ハードセグメント、ソフトセグメント共にポリブタジエンからなり、結晶化度を調整することでエラストマーとしての機能を持たせたもの等が挙げられる。
スチレン系エラストマーとしては、ハードセグメントがポリスチレン、ソフトセグメントがポリブタジエン、ポリイソプレン又はこれらの水添物からなる共重合物が挙げられる。特に、ソフトセグメントがポリブタジエンである場合には、スチレンブタジエン系エラストマーと称する。
ウレタン系エラストマーとしては、ハードセグメントがウレタン構造、ソフトセグメントがポリエステル又はポリエーテル又はポリカプロラクトン又はポリカーボネートからなる共重合物が挙げられる。ウレタン系エラストマーには、脂肪族ウレタン系エラストマー及び芳香族ウレタン系エラストマーが含まれる。脂肪族ウレタン系エラストマーは、ウレタン構造が脂肪族若しくは脂環式イソシアネート化合物を原料とするポリマー構造であるウレタン系エラストマーである。また、芳香族ウレタン系エラストマーは、ウレタン構造が芳香族イソシアネート化合物を原料とするポリマー構造であるウレタン系エラストマーである。
エステル系エラストマーとしては、ハードセグメントがポリエステル、ソフトセグメントがポリエーテル又はポリエステルからなる共重合物が挙げられる。
アミド系エラストマーとしては、ハードセグメントがポリアミド、ソフトセグメントがポリエーテル又はポリエステルからなる共重合物が挙げられる。
熱可塑性エラストマーのうち、アクリル系エラストマー又は脂肪族ウレタン系エラストマーが好ましい。特に優れた透湿性及び引き裂き強度を有し、透明性に優れるためである。耐候性に優れ、日光等に曝されても着色しにくい。
さらに、熱可塑性エラストマーは、例えば、以下1)~5)の要件を全て備えるものであることが好ましい。1)2種類以上のモノマーからなる共重合物。2)少なくともハードセグメント-ソフトセグメント-ハードセグメントと3つのブロックを有する共重合物。3)ハードセグメントのガラス転移点とソフトセグメントのガラス転移点が異なり、ハードセグメントのガラス転移点がソフトセグメントのガラス転移点よりも高温である。4)ソフトセグメントのガラス転移点は25℃未満である。5)ハードセグメントのガラス転移点は80℃以上である。
ハードセグメントのガラス転移点は80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、120℃以上がさらに好ましい。ガラス転移点の上限は特に制約はないが、ガラス転移点は、例えば、160℃以下であってよい。
ソフトセグメントのガラス転移点は25℃未満が好ましく、10℃未満がより好ましく、―10℃未満がさらに好ましい。ガラス転移点の下限は特に制約はないが、ガラス転移点は、例えば、―100℃以上であってよい。
熱可塑性エラストマーからなる層の厚みは、20μm以上80μm以下であるところ、30μm以上であってよく、50μm以下であってよい。薄すぎると、フィルムの引き裂き強度が低くなり、厚すぎると、フィルムの透湿度及び弾性率が低くなる。
熱可塑性エラストマーの厚みは、上記のとおり、積層体(言い換えれば、フィルム)全体の厚みから、熱可塑性エラストマーが未積層のセルロースアセテートからなる層の厚みを減算することで算出した厚みである。
(フィルム)
本開示のフィルムの引き裂き強度は、4N以上が好ましく、10N以上がより好ましく、20N以上がさらに好ましく、40N以上が最も好ましい。より高い方が好ましく上限はないが、加工性の観点からは、50N以下であってよい。引き裂き強度は、JIS K7128-1に準じたトラウザー引裂試験法で求められる。
本開示のフィルムの透湿度は、180g/m・日以上が好ましく、200g/m・日以上がより好ましく、300g/m・日以上がさらに好ましく、400g/m・日以上が最も好ましい。透湿度は、より高い方が好ましく上限はないが、食品の鮮度維持等、急速な乾燥を避けることが好ましい用途の場合は、1000g/m・日以下であってよい。透湿度は、一定時間に単位面積のフィルムを通過する水蒸気の量をいい、JIS Z0208に準じたカップ法で求められる。
本開示のフィルムの層構成として、セルロースアセテートからなる層の割合を大きくするとフィルムの透湿度を高くすることができる。またフィルムの総厚みを小さくするとフィルムの透湿度を高くすることができる。
本開示のフィルムの弾性率は、0.5GPa以上5.0GPa以下が好ましく、1.0GPa以上4.0GPa以下がより好ましく、1.0GPa以上3.5GPa以下がさらに好ましい。弾性率が高すぎる場合には加工性が悪化し、弾性率が低すぎる場合には、ハンドリング性が悪化するためである。弾性率は、引張弾性率であり、JIS K7127に準じた方法で求められる。
本開示のフィルムの剥離強度は、1.5N/25mm以上が好ましく、1.8N/25mm以上がより好ましく、2.0N/25mm以上がさらに好ましい。剥離強度は、より高い方が好ましく上限はないが、フィルムが破れた際には、破れ部分近傍で層間の剥離が同時に発生することでも引き裂き強度の数値は向上するため、4.0N/25mm以下であってよい。本開示において、剥離強度は、JIS K6854-3に準じたT型剥離試験法で求められる。
[製造方法]
本開示のフィルムの製造方法は、厚みが25μm以上80μm以下の第一のセルロースアセテートからなるフィルムと、厚みが25μm以上80μm以下の第二のセルロースアセテートからなるフィルムとの間に、熱可塑性エラストマーを溶融押出して、厚みが20μm以上80μm以下の熱可塑性エラストマーからなる層を形成する工程を有するものである。
(第一及び第二のセルロースアセテートからなるフィルムの製造)
第一及び第二のセルロースアセテートからなるフィルムは、セルロースアセテートの溶液を流延する、従来公知の溶媒流延製膜法又は溶融製膜法等により製造することができる。
溶融製膜法による第一及び第二のセルロースアセテートからなるフィルムの製造は、例えば、セルロースアセテートを加熱溶融し、プレスあるいはTダイから押し出すことにより行えばよい。
溶媒流延製膜法による第一及び第二のセルロースアセテートからなるフィルムの製造は、例えば、セルロースアセテートの溶液を流延する工程と、前記流延したセルロースアセテートを乾燥する工程により行えばよい。以下詳述する。
(セルロースアセテートの溶液)
セルロースアセテートの溶液は、セルロースアセテートを溶媒に溶解又は分散して得られるドープである。セルロースアセテート及び溶媒の他に、必要に応じて可塑剤等の添加剤を含んでもよい。
溶媒は、セルロースアセテート、及び添加剤等を同時に溶解又は分散するものであれば、特に限定されない。例えば、ジクロロメタン等の塩素系有機溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、ジメチルスルホキシド、N、N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、スルホラン、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、2,2,2-トリフルオロエタノール、2,2,3,3-ヘキサフルオロ-1-プロパノール、1,3-ジフルオロ-2-プロパノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メチル-2-プロパノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-プロパノール、及びニトロエタン等の非塩素系有機溶媒が挙げられる。
セルロースアセテートの溶液には、上記有機溶媒の他に、溶媒中1~40重量%となるよう炭素原子数1~4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有させることが好ましい。溶液中にアルコールを含有させることで、膜状物がゲル化し、支持体からの剥離が容易になる。
炭素原子数1~4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、及びtert-ブタノールを挙げることができる。これらのうち、溶液の安定性が得られ、乾燥性に優れることから、メタノールが好ましい。
セルロースアセテートの溶液におけるセルロースアセテートの量は、溶液中10~40重量%含まれることが好ましく、10~30重量%がさらに好ましい。
(セルロースアセテートの溶液の流延)
セルロースアセテートの溶液を、支持体上の流延位置に、コートハンガーダイ及びTダイ等の加圧ダイ;アプリケーター等を用いて流延する。支持体は、ガラス又は金属支持体が好ましい。
第一及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みは、例えば、流延するセルロースアセテート溶液の量を調整することにより変更できる。
(セルロースアセテートの乾燥)
流延したセルロースアセテートの乾燥は、支持体上に流延されたセルロースアセテートの溶液中の溶媒を支持体上で蒸発させる。溶媒を蒸発させる方法としては、例えば、セルロースアセテートの溶液の液面側から風を吹く方法;支持体の裏面から液体を媒体として加熱する方法;輻射熱により表裏から伝熱する方法;及び大気中に静置する方法等が挙げられる。また、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。
支持体上で溶媒を蒸発させる方法としては、フィルム表面の平滑性が得やすいことから、大気中に静置する方法が好ましく、10~30℃の雰囲気下で乾燥させることがより好ましい。
熱可塑性エラストマーを、第一のセルロースアセテートからなるフィルムと、第二のセルロースアセテートからなるフィルムとの間に溶融押出しするため、支持体上で溶媒を蒸発させた後、支持体からフィルムを剥離し、さらに、例えば、40~120℃の雰囲気下で乾燥させて、溶媒を完全に蒸発させることが好ましい。
(熱可塑性エラストマーの溶融押出)
熱可塑性エラストマーの溶融押出しは、第一のセルロースアセテートからなるフィルムと、第二のセルロースアセテートからなるフィルムとの間に、溶融した熱可塑性エラストマーを押出せばよい。これにより、厚みが20μm以上80μm以下の熱可塑性エラストマーからなる層を形成する。
例えば、押出機を経てTダイから溶融した熱可塑性エラストマーを、第一のセルロースアセテートからなるフィルムと、第二のセルロースアセテートからなるフィルムとの間に垂下し、キャストロールに接触させて通過させることにより、溶融した熱可塑性エラストマーを、第一のセルロースアセテートからなるフィルム及び第二のセルロースアセテートからなるフィルムで挟み込み冷却して積層体とし、ロールで巻き取ればよい。なお、キャストロールにフィルムを密着させるためニップロール等の圧着装置を配置してもよい。
熱可塑性エラストマーからなる層の厚みは、溶融した熱可塑性エラストマーの吐出量や、製膜速度等を調整することにより変更できる。製膜速度の調整は、ロールの速度等を調整すればよい。
本開示のフィルムは、セルロースアセテート単層に比べ、引き裂き強度に優れるため、例えば、OHPシート、クリアーファイル、フラットパネルディスプレイ用光学フィルム、及び農業ハウス用のフィルム等の農業フィルムとして使用する場合にも、耐久性が高く、より長期的に使用することが可能である。特に、本開示のフィルムを農業フィルムとして用いる場合には、透湿性にも優れるため、換気作業の手間も削減することもできる。
セルロースアセテートからなる層に紫外線吸収剤をブレンドした本開示のフィルムは、窓ガラスの紫外線吸収フィルムとして有用である。また、セルロースアセテートからなる層にキラル液晶層をコーティングした本開示のフィルムをガラスに接着したものは、選択波長反射フィルムとして有用である。
生鮮食品、食肉及びパン等の加工品を含む食品に使われる食品包装用フィルムとして通常用いられるポリオレフィン系のフィルムは、内部の結露が生じやすく、品質の低下やカビの発生等が懸念される。また、ポリオレフィン系のフィルムに微小孔を付与すると細菌やほこり等が侵入し、防曇剤等を添加すると食品に添加剤が移行する等の問題がある。一方で、本開示のフィルムは、優れた透湿性を有するため、防曇性が高く、食品の品質を維持するうえで有用である。
本開示のフィルムは、食品を含む多様な物の包装材として使用することができる。多湿及び結露が原因となる、被包装物の変質、故障及び変調を防止することもできる。例えば、食品、化成品及び薬品等の保管、保存及び輸送等の際に生じる変質;並びに精密機械/機器等の保管、保存及び輸送の際に生じる故障及び変調等を防止することができる。
本開示のフィルムは、遮水性を有するため、住宅外壁の透湿防水フィルム、並びに衣料品、寝具及びおむつ等に使用される透湿性が要求される防水フィルムとしても有用である。
本開示のフィルムは、高い防汚性を有するため、通気性床養生用フィルムとして住宅等の施工時の床面保護に用いることで、作業者の靴に付着した土や泥、雨水等の異物によって床面が汚れたり傷付いたりすることを防止することができる。また、万が一、床面と本開示のフィルムの間に雨水等が侵入した場合でも、床面とフィルムの間に水分が短期間で外部に蒸散され、床面にシミやカビの発生を防止することが可能となる。
本開示のフィルムは、高い透湿性、高い防曇性を有するため、温湿度変化が発生する場合でも結露が発生しにくい。そして視認性の良いフィルムとして有用である。このため例えば、冷蔵庫等の冷気遮断カーテン;並びに、浴室や洗面台等に設置する鏡、建物や自動車に設置する窓ガラス、ゴーグル、及び商品展示用ショーケース等の防曇フィルムとして有用である。
また、本開示のフィルムは、優れた透湿性を有するため、除湿剤の包装材としても有用である。除湿剤に通常用いる不織布系の材料は不透明で透湿性が高すぎるため、除湿剤の寿命が急速に減少する。しかし、特に、本開示のフィルムは優れた透明性を備えるので内部の状態を確認することが容易であり、適度な透湿性を持つことで除湿剤の寿命を所望の数値に延ばすことが可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によりその技術的範囲が限定されるものではない。
実施例及び比較例に記載の各物性は、以下の方法で評価した。
<各層の厚み>
第一のセルロースアセテートからなる層及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みは、熱可塑性エラストマーが未積層のセルロースアセテートからなる層の厚みである。熱可塑性エラストマーの厚みは、積層体(言い換えれば、フィルム)全体の厚みから、熱可塑性エラストマーが未積層のセルロースアセテートからなる層の厚みを減算することで算出した。これらの厚みは、いずれも接触式厚み計によって測定した。
<透湿度>
透湿度は、JIS Z0208に準じたカップ法で求めた。40℃、湿度90%RHにおける透湿度(g/m・日)を測定した。
<引き裂き強度>
引き裂き強度は、JIS K7128-1に準じたトラウザー引裂試験法で求めた。フィルムを長さ150mm、幅50mmに裁断し、75mmのスリットを入れ、エー・アンド・デイ社製の万能材料試験機“テンシロン RTF1350”を用い、200mm/minの試験速度で引き裂き強度(N)を測定した。
<弾性率>
弾性率は、JIS K7127に準じた方法で求めた。まず、フィルムを長さ150mm、幅15mmに切り出して試料とした。各試料を23℃、相対湿度50%の環境に一晩放置した後、エー・アンド・デイ社製の万能材料試験機“テンシロン RTF1350”を用い、チャック間長さ100mm、引張速度20mm/分で延伸させ、初期の傾きから弾性率(GPa)を算出した。
<剥離強度(耐候試験なし)>
剥離強度は、JIS K6854-3に準じたT型剥離試験法で求めた。フィルムを25mm幅に裁断して試料とした。エー・アンド・デイ社製の万能材料試験機“テンシロン RTF1350”を用い、300mm/minの試験速度で剥離強度(N/25mm)を測定した。
<剥離強度(耐候試験後)>
フィルムを25mm幅に裁断して試料とした。促進耐候性試験機(キセノンウエザオメータ)を用いて、照度180W/m、温度63℃、300時間の促進耐候性試験を行った後、試料の剥離強度(N/25mm)を測定した。
<実施例1>
デュラン瓶に、アセチル置換度が2.85のセルロースアセテート100重量部、可塑剤としてリン酸トリフェニル15重量部、紫外線吸収剤としてチヌビン234(BASF社製)を10重量部、並びに溶媒としてメタノール180重量部及びジクロロメタン720重量部を加え、一晩室温で攪拌しセルロースアセテート溶液を得た。
得られたセルロースアセテート溶液を、ガラス板上に流し、アプリケーターで流延し、室温で静置して5分間乾燥した後、ガラス板からフィルムを剥離し、さらに80℃で20分間乾燥させ、セルロースアセテートフィルムを作製した。セルロースアセテート溶液の流延量は、セルロースアセテートフィルムの厚みが25μmになるように調整した。
熱可塑性エラストマーとしてウレタン系エラストマー1(エラストラン(登録商標)NY585、BASF社製:脂肪族ウレタン系エラストマー)を押し出し機に投入し、200℃にて加熱溶融し、厚み25μmの第一のセルロースアセテートフィルムと、厚み25μmの第二のセルロースアセテートフィルムとの間に、ウレタン系エラストマーからなる層の厚みが20μmとなるようにウレタン系エラストマーの吐出量を調整して、Tダイより押し出し、積層体とし、キャストロールで挟み込み冷却しながら10m/分の速度で連続的に引き取り、フィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。
<実施例2-11>
第一及び第二のセルロースアセテートフィルムの厚みを、それぞれ表1に記載の厚みに代え、ウレタン系エラストマーからなる層の厚みが表1に記載の厚みとなるようにウレタン系エラストマーの吐出量を調整して、Tダイより押し出し、積層体とした以外は、実施例1と同様にして、フィルムを得た。
なお、第一及び第二のセルロースアセテートフィルムの厚みは、流延するセルロースアセテート溶液の量の増減により調整した。
得られたフィルムの各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。
<実施例12>
熱可塑性エラストマーとして、ウレタン系エラストマー1に代えて、アクリル系エラストマー(クラリティ(登録商標)LA2140、クラレ社製)を用いた以外は、実施例5と同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。
<実施例13>
ジエチルエーテルを用いてウレタン系エラストマー1(エラストラン(登録商標)NY585、BASF社製:脂肪族ウレタン系エラストマー)から紫外線吸収剤を含む添加剤をソックスレー抽出器を用いて抽出した。これをウレタン系エラストマー1’とする。ウレタン系エラストマー1に代えて、ウレタン系エラストマー1’を用いた以外は、実施例5と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。
<実施例14>
熱可塑性エラストマーとして、ウレタン系エラストマー1に代えて、ウレタン系エラストマー2(パンデックス(登録商標)T1180、DIC社製:芳香族ウレタン系エラストマー)を用いた以外は、実施例5と同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。なお、得られたフィルムは、耐候試験後に着色が見られた。
<比較例1>
表1に記載の厚みのセルロースアセテートフィルムについて、各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。
<比較例2-4>
第一及び第二のセルロースアセテートフィルムの厚みを、それぞれ表1に記載の厚みに代え、ウレタン系エラストマーからなる層の厚みが表1に記載の厚みとなるようにウレタン系エラストマーの吐出量を調整して、Tダイより押し出し、積層体とした以外は、実施例1と同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。
<比較例5>
第二のセルロースアセテートフィルムを積層しなかった以外は、実施例4と同様の方法でフィルムを作製したが、巻取りの際にブロッキングが発生した。得られたフィルムの各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。なお、ブロッキングとは、巻き取られて重なったフィルム同士が密着する現象をいう。
Figure 0007142546000001
表1に示されるように、実施例のフィルムは、優れた透湿性及び引き裂き強度を有する。

Claims (4)

  1. 第一のセルロースアセテートからなる層、第二のセルロースアセテートからなる層、及び熱可塑性エラストマーからなる層を有し、
    前記熱可塑性エラストマーからなる層は、第一のセルロースアセテートからなる層と第二のセルロースアセテートからなる層との間に配置され、
    第一のセルロースアセテートからなる層及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みは、25μm以上80μm以下、前記熱可塑性エラストマーからなる層の厚みは、20μm以上80μm以下であり、
    前記熱可塑性エラストマーからなる層に含まれる熱可塑性エラストマーが、アクリル系エラストマー又は脂肪族ウレタン系エラストマーである、フィルム。
  2. 引き裂き強度が4N以上である、請求項1に記載のフィルム。
  3. 透湿度が180g/m・日以上である、請求項1又は2に記載のフィルム。
  4. 厚みが25μm以上80μm以下の第一のセルロースアセテートからなるフィルムと、厚みが25μm以上80μm以下の第二のセルロースアセテートからなるフィルムとの間に、熱可塑性エラストマーを溶融押出して、
    厚みが20μm以上80μm以下の熱可塑性エラストマーからなる層を形成する工程を有し、
    前記熱可塑性エラストマーが、アクリル系エラストマー又は脂肪族ウレタン系エラストマーである、フィルムの製造方法。
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