JP7142546B2 - フィルム及びフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
第一及び第二のセルロースアセテートからなる層は、いずれもセルロースアセテートを主成分としてよい。これらの層は、セルロースアセテートの他、添加剤等を含有してもよい。ここで、主成分とは、セルロースアセテートからなる層の重量に対して、50重量%以上の成分をいう。
DS=162.14×AV×0.01/(60.052-42.037×AV×0.01)
DS:アセチル置換度
AV:酢化度(%)
熱可塑性エラストマーからなる層は、熱可塑性エラストマーを主成分としてよい。熱可塑性エラストマーからなる層は、熱可塑性エラストマーの他、添加剤等を含有してもよい。ここで、主成分とは、熱可塑性エラストマーからなる層の重量に対して、50重量%以上の成分をいう。
本開示のフィルムの引き裂き強度は、4N以上が好ましく、10N以上がより好ましく、20N以上がさらに好ましく、40N以上が最も好ましい。より高い方が好ましく上限はないが、加工性の観点からは、50N以下であってよい。引き裂き強度は、JIS K7128-1に準じたトラウザー引裂試験法で求められる。
本開示のフィルムの製造方法は、厚みが25μm以上80μm以下の第一のセルロースアセテートからなるフィルムと、厚みが25μm以上80μm以下の第二のセルロースアセテートからなるフィルムとの間に、熱可塑性エラストマーを溶融押出して、厚みが20μm以上80μm以下の熱可塑性エラストマーからなる層を形成する工程を有するものである。
第一及び第二のセルロースアセテートからなるフィルムは、セルロースアセテートの溶液を流延する、従来公知の溶媒流延製膜法又は溶融製膜法等により製造することができる。
セルロースアセテートの溶液は、セルロースアセテートを溶媒に溶解又は分散して得られるドープである。セルロースアセテート及び溶媒の他に、必要に応じて可塑剤等の添加剤を含んでもよい。
セルロースアセテートの溶液を、支持体上の流延位置に、コートハンガーダイ及びTダイ等の加圧ダイ;アプリケーター等を用いて流延する。支持体は、ガラス又は金属支持体が好ましい。
流延したセルロースアセテートの乾燥は、支持体上に流延されたセルロースアセテートの溶液中の溶媒を支持体上で蒸発させる。溶媒を蒸発させる方法としては、例えば、セルロースアセテートの溶液の液面側から風を吹く方法;支持体の裏面から液体を媒体として加熱する方法;輻射熱により表裏から伝熱する方法;及び大気中に静置する方法等が挙げられる。また、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性エラストマーの溶融押出しは、第一のセルロースアセテートからなるフィルムと、第二のセルロースアセテートからなるフィルムとの間に、溶融した熱可塑性エラストマーを押出せばよい。これにより、厚みが20μm以上80μm以下の熱可塑性エラストマーからなる層を形成する。
第一のセルロースアセテートからなる層及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みは、熱可塑性エラストマーが未積層のセルロースアセテートからなる層の厚みである。熱可塑性エラストマーの厚みは、積層体(言い換えれば、フィルム)全体の厚みから、熱可塑性エラストマーが未積層のセルロースアセテートからなる層の厚みを減算することで算出した。これらの厚みは、いずれも接触式厚み計によって測定した。
透湿度は、JIS Z0208に準じたカップ法で求めた。40℃、湿度90%RHにおける透湿度(g/m2・日)を測定した。
引き裂き強度は、JIS K7128-1に準じたトラウザー引裂試験法で求めた。フィルムを長さ150mm、幅50mmに裁断し、75mmのスリットを入れ、エー・アンド・デイ社製の万能材料試験機“テンシロン RTF1350”を用い、200mm/minの試験速度で引き裂き強度(N)を測定した。
弾性率は、JIS K7127に準じた方法で求めた。まず、フィルムを長さ150mm、幅15mmに切り出して試料とした。各試料を23℃、相対湿度50%の環境に一晩放置した後、エー・アンド・デイ社製の万能材料試験機“テンシロン RTF1350”を用い、チャック間長さ100mm、引張速度20mm/分で延伸させ、初期の傾きから弾性率(GPa)を算出した。
剥離強度は、JIS K6854-3に準じたT型剥離試験法で求めた。フィルムを25mm幅に裁断して試料とした。エー・アンド・デイ社製の万能材料試験機“テンシロン RTF1350”を用い、300mm/minの試験速度で剥離強度(N/25mm)を測定した。
フィルムを25mm幅に裁断して試料とした。促進耐候性試験機(キセノンウエザオメータ)を用いて、照度180W/m2、温度63℃、300時間の促進耐候性試験を行った後、試料の剥離強度(N/25mm)を測定した。
デュラン瓶に、アセチル置換度が2.85のセルロースアセテート100重量部、可塑剤としてリン酸トリフェニル15重量部、紫外線吸収剤としてチヌビン234(BASF社製)を10重量部、並びに溶媒としてメタノール180重量部及びジクロロメタン720重量部を加え、一晩室温で攪拌しセルロースアセテート溶液を得た。
第一及び第二のセルロースアセテートフィルムの厚みを、それぞれ表1に記載の厚みに代え、ウレタン系エラストマーからなる層の厚みが表1に記載の厚みとなるようにウレタン系エラストマーの吐出量を調整して、Tダイより押し出し、積層体とした以外は、実施例1と同様にして、フィルムを得た。
熱可塑性エラストマーとして、ウレタン系エラストマー1に代えて、アクリル系エラストマー(クラリティ(登録商標)LA2140、クラレ社製)を用いた以外は、実施例5と同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。
ジエチルエーテルを用いてウレタン系エラストマー1(エラストラン(登録商標)NY585、BASF社製:脂肪族ウレタン系エラストマー)から紫外線吸収剤を含む添加剤をソックスレー抽出器を用いて抽出した。これをウレタン系エラストマー1’とする。ウレタン系エラストマー1に代えて、ウレタン系エラストマー1’を用いた以外は、実施例5と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。
熱可塑性エラストマーとして、ウレタン系エラストマー1に代えて、ウレタン系エラストマー2(パンデックス(登録商標)T1180、DIC社製:芳香族ウレタン系エラストマー)を用いた以外は、実施例5と同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。なお、得られたフィルムは、耐候試験後に着色が見られた。
表1に記載の厚みのセルロースアセテートフィルムについて、各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。
第一及び第二のセルロースアセテートフィルムの厚みを、それぞれ表1に記載の厚みに代え、ウレタン系エラストマーからなる層の厚みが表1に記載の厚みとなるようにウレタン系エラストマーの吐出量を調整して、Tダイより押し出し、積層体とした以外は、実施例1と同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。
第二のセルロースアセテートフィルムを積層しなかった以外は、実施例4と同様の方法でフィルムを作製したが、巻取りの際にブロッキングが発生した。得られたフィルムの各層の厚み、透湿度、引き裂き強度、弾性率、及び剥離強度(耐候試験なし及び耐候試験後)の評価を行った結果を表1に示す。なお、ブロッキングとは、巻き取られて重なったフィルム同士が密着する現象をいう。
Claims (4)
- 第一のセルロースアセテートからなる層、第二のセルロースアセテートからなる層、及び熱可塑性エラストマーからなる層を有し、
前記熱可塑性エラストマーからなる層は、第一のセルロースアセテートからなる層と第二のセルロースアセテートからなる層との間に配置され、
第一のセルロースアセテートからなる層及び第二のセルロースアセテートからなる層の厚みは、25μm以上80μm以下、前記熱可塑性エラストマーからなる層の厚みは、20μm以上80μm以下であり、
前記熱可塑性エラストマーからなる層に含まれる熱可塑性エラストマーが、アクリル系エラストマー又は脂肪族ウレタン系エラストマーである、フィルム。 - 引き裂き強度が4N以上である、請求項1に記載のフィルム。
- 透湿度が180g/m2・日以上である、請求項1又は2に記載のフィルム。
- 厚みが25μm以上80μm以下の第一のセルロースアセテートからなるフィルムと、厚みが25μm以上80μm以下の第二のセルロースアセテートからなるフィルムとの間に、熱可塑性エラストマーを溶融押出して、
厚みが20μm以上80μm以下の熱可塑性エラストマーからなる層を形成する工程を有し、
前記熱可塑性エラストマーが、アクリル系エラストマー又は脂肪族ウレタン系エラストマーである、フィルムの製造方法。
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