JPS6330148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電子回路ニユツト間を接続する場
合の雄形と雌形同軸端子の接続構造に関するもの
である。

電子通信装置及び電子応用機器の小形化に伴い
電子回路ユニツト同志を直接接続する方法が用い
られるようになつてきた。この電子回路ユニツト
間を直接接続する場合、相手側ユニツトとの相互
位置関係を正確に合わせないと、マイクロ波帯に
おける電気的特性は悪く、かつユニツト同志の接
続ができなくなつたり、又は接続ができたとして
も、中心導体にストレスが加わり同軸端子を壊し
てしまう恐れがある。このため、ユニツト間の相
互位置関係を極めて正確に合せることが重要であ
る。

従来、この種の同軸端子は、電子回路を収容す
るケースの壁面に穴を設け、これを同軸伝送路外
部導体とし、この穴の中に雌形又は雄形中心導体
絶縁体、およびこれらを固定するための圧入リン
グを用いて構成されている。この電子回路ユニツ
トを接続する場合、相互位置関係を極めて正確に
合わせないと、雌形、および雄形中心導体に機械
的ストレスが加わり、同軸端子を破壊してしまう
という欠点を有していた。又、電子回路を収容す
るケースが同軸端子外部導体となるため、ケース
面の平面度を非常に良くしないと、外部導体間に
空気層が生じ、このため、高周波漏洩（RFリー
ク）が劣化したり、又は電気的特性が接続状態に
より大きく変化するなどの欠点を有していた。

第１図は、従来の同軸端子による接続構造を示
す部分断面図である。雌形同軸端子１の外部導体
となるケース３の壁面に段付部３ａを備えた穴を
設け、絶縁体１ｂと雌形中心導体１ａを固定した
中心導体組立を、ケース３に圧入する。さらに円
筒状圧入リング４の内周にも突起をつけたものを
圧入し、絶縁体１ｂはケース３と上記リングによ
り、おさえられて機械的に固定される。

一方、雄形同軸端子２の外部導体となるケース
５の壁面に、段付部５ａを備えた穴を設け、絶縁
体２ｂと、雄形中心導体２ａを固定した中心導体
組立部を、外部導体となるケース５に圧入する。
さらに円筒状圧入リング６の内周にも突起をつけ
たものを圧入し絶縁体２ｂは、ケース５とリング
６とにより押れられ機械的に固定される。この雌
形及び雄形同軸端子を有するケースの接続は雄ネ
ジ７ａ，７ｂにより、ケース相互間が接続固定さ
れる。

しかしながら、この接続は同軸端子の外部導体
がケースとなるため、ケース同志が完全に合致し
ないと接続面に隙間を生じ易く、ネジの締付強度
により電気的特性が変化したりまた、ケース同志
接続する際、同軸端子の中心導体に押す捩る等の
応力が加わり、同端子の中心導体を壊したり、又
は、同端子のはんだ付配線部を壊したりする欠点
を有していた。

本考案の目的は、このような欠点を除去し、ケ
ース面に対し、雌形同軸端子は飛出し、雄形同軸
端子はへこませ、互いにかん合する接続機構を有
し、かつ両者の同軸端子の外部導体の先端で接続
されることによりRFリークがなくかつ高周波領
域での使用が可能な同軸端子接続構造を提供する
ことにある。

第２図は、本考案の実施例の雌形同軸端子と雄
形同軸端子の接続部の部分断面図を示す。この接
続構造は、まず雌形中心導体１１ａと絶縁体１１
ｂの中心導体組立部を円周上の一部にナール１１
ｄが施こされている外部導体１１ｃに挿入し、中
心導体組立が軸方向及び回転方向のストレスに対
し動かないように強固に固定する。

この雌形同軸端子１１を外部導体１１ｃのナー
ル１１ｄの外径より小さい穴をもち、かつ内周に
突起１３ａを有する雌形同軸端子挿入用ケース１
３に圧入する。なお、同軸端子１１の全長は、同
端子挿入用穴の深さよりも予め長くしておく。こ
の雌形同軸端子１１は、同外部導体１１ｃのナー
ル１１ｄがケース１３の内壁に喰いこむので、回
転方向のストレスに対し、又ケース１３の内周の
突起部１３ａにより軸方向のストレスに対して
も、強固に固定され、かつ同軸端子１１がケース
１３に対しとび出るように固定される。次に雄形
中心導体１２ａと絶縁体１２ｂの中心導体組立部
を円周上の一部にナール１２ｄが施こされている
外部導体１２ｃに挿入し、同中心導体が軸方向及
び回転方向のストレスに対し動かないように強固
に固定する。

この雄形同軸端子１２を同外部導体のナール１
２ｄの外径より小さい穴をもち、かつ内周に突起
１４ａを有する雄形同軸端子挿入用ケース１４に
圧入する。なお、同軸端子１２の外部導体１２ｃ
の全長は同端子挿入用穴の深さよりも予め短かく
しておく。雄形同軸端子１２は同外部導体１２ｃ
のナール１２ｄがケース１４の内壁に喰い込み回
転方向のストレスに対し、又ケース１４の内周の
突起部１４ａにより、軸方向のストレスに対し強
固に固定されかつ同端子はケース１４に対しへこ
むように固定される。

雌形同軸端子外部導体のケースからのとび出し
の長さと雄形同軸端子外部導体ケースからのへこ
みの長さとの関係は、雌形同軸端子のとび出る長
さが多小長くなるようにする。この雌形同軸端子
を有するケース１３と雄形同軸端子を有するケー
ス１４の固定は雄ネジ１５ａ，１５ｂにより行な
われる。

この雌形同軸端子を有するケースと、雄形同軸
端子を有するケースとの接続は、雄形同軸端子収
容用ケースの内壁が雌形同軸端子外部導体のガイ
ドとなるため、雌形及び雄形中心導体に加わる外
部応力は無視できる。又、雌形同軸端子外部導体
のケースからのとび出し長さが、雄形同軸端子外
部導体のケースからの深さよりも長いため、従来
技術の構造でとられていたケース接続ではなく、
同軸端子外部導体同志の端面接続となる。このた
めネジ締付け強度による電気的特性の変化はなく
なり、かつRFリークの良好なる特性が得られる
利点を有している。

以上説明した如く、本考案によれば、RFリー
クの良好なる電子回路ユニツトの結合が可能とな
り従来技術の構造による同軸端子の電気的性能を
比較するとマイクロ波帯はもとより準ミリ波帯ま
で使用周波数領域が伸びており高周波デバイスの
特性向上に寄与する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の同軸端子の接続構造を示す部分
断面図、第２図は本考案の実施例の部分断面図で
ある。 図において、１，１１……雌形同軸端子、１
ａ，１１ａ……雌形中心導体、１ｂ，１１ｂ……
絶縁体、２，１２……雄形同軸端子、２ａ，１２
ａ……雄形中心導体、２ｂ，１２ｂ……絶縁体、
３，１３……ケース、３ａ，１３ａ……ケース突
起部、４……円筒状の圧入リング、５，１４……
ケース、５ａ，１４ａ……ケース突起部、６……
円筒状の圧入リング、７ａ，７ｂ，１５ａ，１５
ｂ……ケースを固定する雄ネジ、１１ｃ……外部
導体、１１ｄ……外部導体上のナール、１２ｃ…
…外部導体、１２ｄ……外部導体上のナールであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１のケースの孔に固定された雌形同軸端子と
   第２のケースの孔に固定された雄形同軸端子との
   接続構造において、前記雌形同軸端子は雌形中心
   導体と、この雌形中心導体の外周に設けた絶縁体
   と、この絶縁体の外周に設けられ前記第１のケー
   スの孔の内壁に喰い込むナールを持つ外部導体と
   を含み、かつ前記第１のケース表面より所定長と
   び出して固定され、前記雄形同軸端子は前記雌形
   中心導体に嵌合する雄形中心導体と、この雄形中
   心導体の外周に設けた絶縁体と、この絶縁体の外
   周に設けられ前記第２のケースの孔の内壁に喰い
   込むナールを持つ外部導体とを含み、かつ前記第
   ２のケース表面より前記所定長へこませて固定さ
   れ、前記第１及び第２のケースには前記雌形及び
   雄形同軸端子を軸方向に固定する突起がそれぞれ
   設けられていることを特徴とする同軸端子接続構
   造。