JPS6329780Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、雨樋における集水器へのエルボの接
続構造に関するものである。

〔背景技術〕

集水器にエルボを接続する場合、集水器に対す
るエルボの取付けの向きを調整する必要があるこ
とが多い。そこで本出願人は従前に実公昭48−
35138号公報によつて、集水器に対してエルボを
回転できるようにし、エルボの向きを自在に調整
できるようにしたものを提供した。すなわちこの
ものは第１図に示すように、集水器８にエルボ１
１を接続するために用いる接続筒３の下縁内周に
全周に亘つて下係止片６を突設すると共に下係止
片６の一部を切り欠いて挿入用凹部７を形成し、
この接続筒３を集水器８の下部の挿入筒９に被挿
して接着剤により接着固着させ、上端外周の一所
に係止突起１２を設けたエルボ１１の上部を、係
止突起１２を挿入用凹部７に通す状態で接続筒３
の内周に挿入せしめ、次でエルボ１１を回して係
止突起１２を下係止片６上に係止させることによ
り、集水器８に接続筒３を介してエルボ１１を接
続するようにしたものである。そしてこのものに
あつては、エルボ１１を接続筒３の内周に沿つて
回すことができ、エルボ１１の向きを自在に調整
できるのである。しかしながらこのものにあつて
は、軒先という高所において集水器８の接続筒３
を接着させるための接着剤を塗布するという作業
が必要で接続の作業に危険が伴ない、しかもこの
ように接続筒３は集水器８に対して接着固着され
ているため、エルボ１１を所望の向きに設定した
際にエルボ１１の係止突起１２が接続筒３の挿入
用凹部７に対して上下で合致した位置にくるとた
ちまちエルボ１１を集水器８に接続することが不
可能になるものであつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の点に鑑みてなされたものであつ
て、接着剤を用いるような必要なく集水器へのエ
ルボの接続を容易に行なうことができ、しかもエ
ルボを任意の方向に向けた状態で集水器に接続す
ることができる集水器へのエルボの接続構造を提
供することを目的とするものである。

〔考案の開示〕

しかして本考案に係る集水器へのエルボの接続
構造は、外筒１と外筒１の内方に周方向に沿つて
複数片設けた内筒板２，２…とで接続筒３を形成
し、内筒板２，２…を外面の左右における中央部
に形成した連結片５を介して外筒１と一体化させ
ると共に複数の内筒板２，２…のうち少なくとも
一つ以上の内筒板２の上縁の側端部内面に上係止
突片４を突設し、外筒１の下縁内面に全周に亘つ
て下係止片６を突設すると共に下係止片６の一部
を切り欠いて挿入用凹部７を設け、集水器８下部
の挿入筒９の外周に全周に亘つて係止突条１０を
設けて挿入筒９を内筒板２の内側に上方より挿入
すると共に内筒板２の上係止突片４の下縁に係止
突条１０の上縁を係止させ、エルボ１１の上縁外
面に係止突起１２を設けて外筒１の内周にエルボ
１１の上部を挿入すると共に挿入用凹部７に通し
た係止突起１２を外筒１の下係止片６の上面に係
止せしめて成ることを特徴とするものであり、か
かる構成によつて上記目的を達成したものであつ
て、以下本考案を実施例により詳述する。

接続筒３は第２，３図に示すように円筒形の外
筒１の内側に内筒板２を連結片５を介して一体に
設けることにより合成樹脂材で形成してある。内
筒板２は外筒１と同心円上に複数枚間隙を介して
並べるように配置されるもので、外筒１の内周面
と平行な円弧状に内筒板２は形成される。そして
内筒板２のフリーとなつた側端部の上端縁にはそ
の内面側にて上係止突片４が第２図に示すように
設けてある。上係止突片４はすべての内筒板２の
両側端部に第２図のように設けるようにしてもよ
いが、必ずしもこの必要はなく、第５図に示すよ
うに任意の内筒板２に設けてあればよい。上係止
突片４は最低一つ設けられていればよいものであ
る。また外筒１の下端縁内周面には第３図に示す
ように下係止片６が全周に亘つて突設してあつ
て、下係止片６の一部に挿入用凹部７が切欠いて
形成してある。一方、軒樋の端部に接続して用い
られる集水器８の下部に設けた円筒形の挿入筒９
の外周面に全周に亘つて係止突条１０が第２図に
示すように設けてある。また曲円筒形に形成され
たエルボ１１の上端の外面の一所には係止突起１
２が突設してある。

しかして、集水器８にエルボ１１を接続するに
あたつては、先ず集水器８の挿入筒９を接続筒３
の内筒板２，２…の内側に圧入して挿入させる。
このとき、上係止突片４は内筒板２のフリーな端
部に設けられ、この部分において内筒板２は弾性
変形し易すくなつているため、内筒板２の内側に
挿入筒９を圧入する際に挿入筒９の係止突条１０
は内筒板２の上係止片４を容易に越えさせること
ができ、この圧挿入操作は容易に行なわれる。こ
のように内筒板２に挿入筒９を挿入することによ
つて上係止突片４と係止突条１０とが係止し、集
水器８に接続筒３が水平方向へ回動できる状態で
取付けられる。次にエルボ１１の係止突起１２を
外筒１の挿入用凹部７に通しながらエルボ１１の
上端部を外筒１内に挿入し、この状態でエルボ１
１を回すことによつて係止突起１２を外筒１の下
係止片６上面に係止させて、エルボ１１を接続筒
３に水平方向へ回動できる状態で取付けられる。
このようにして接続筒３を介して集水器８にエル
ボ１１を取付けることができるものである。そし
て、集水器８に対してエルボ１１の向きを調節す
るためにエルボ１１を回して、エルボ１１の係止
突起１２が接続筒３の外筒１の挿入用凹部７に対
応する位置に来る場合には、接続筒３を回してこ
の対応関係をずらせ、係止突起１２が挿入用凹部
７より抜けてエルボ１１が脱落してしまうことを
防ぐのである。

〔考案の効果〕

上述のように本考案によれば、集水器にエルボ
を接続するための接続筒は集水器の挿入筒に形成
した係止突条に対する内筒板の上係止突片の係止
で集水器に結合させることができ、集水器への接
続筒の接続を係止手段によつて接着剤を用いるよ
うな必要なく行なうことができて、作業を容易に
行なうことができるものであり、しかもこのよう
に接続筒は接着剤によつて集水器に固着されてい
ないために接続筒を集水器の挿入筒の周りに回す
ことができるものであつて、エルボの向きを調節
する際にエルボの係止突起と接続筒の外筒の挿入
用凹部とが上下に対応するようになつても接続筒
を回すことでこの対応をずらすことができ、エル
ボを任意の向きに調節することができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図は本考案の一
実施例における集水器と接続筒の斜視図、第３図
は同上における接続筒とエルボの斜視図、第４図
は同上の接続状態の断面図、第５図は他の実施例
における接続筒の斜視図である。 １は外筒、２は内筒板、３は接続筒、４は上係
止突片、５は連結片、６は下係止片、７は挿入用
凹部、８は集水器、９は挿入筒、１０は係止突
条、１１はエルボ、１２は係止突起である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒と外筒の内方に周方向に沿つて複数片設け
   た内筒板とで接続筒を形成し、内筒板を外面の左
   右における中央部に形成した連結片を介して外筒
   と一体化させると共に複数の内筒板のうち少なく
   とも一つ以上の内筒板の上縁の側端部内面に上係
   止突片を突設し、外筒の下縁内面に全周に亘つて
   下係止片を突設すると共に下係止片の一部を切り
   欠いて挿入用凹部を設け、集水器下部の挿入筒の
   外周に全周に亘つて係止突条を設けて挿入筒を内
   筒板の内側に上方より挿入すると共に内筒板の上
   係止突片の下縁に係止突条の上縁を係止させ、エ
   ルボの上縁外面に係止突起を設けて外筒の内周に
   エルボの上部を挿入すると共に挿入用凹部に通し
   た係止突起を外筒の下係止片の上面に係止せしめ
   て成ることを特徴とする集水器へのエルボの接続
   構造。