JPS63296925A - 繊維強化棒状成形体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はアルミナ繊維ヤーンプリプレグを補強材とした
繊維強化棒状成形体の製造方法に関する。

〈従来の技術〉 従来より繊維強化樹脂は、スポーツ、レジャー用品等の
民生産業に、ロボット、自動車、航空機部品等の機械輸
送、航空宇宙産業等の分野に軽量、高強度、高剛性等の
特性を生かして幅広く利用されている。

例えば、釣竿やゴルフシャフト、テニスラケットのよう
な管状成形体は一方向ブリプレグシートや織物プリプレ
グをマンドレルに巻回して成形している。

しかるにこれらの管状成形体も更に軽量化、高性能化へ
と開発が進められている。

また外観の意匠効果も、重要な要素である。

軽量化の方策に一方向ブリプレグシートをマンドレルの
軸方向と繊維方向を合せて肉薄に巻き、その結果として
縦割れが発生しやすく座屈強度等が低下するがこれを補
うため炭素繊維等のフィラメント束に樹脂を含浸させた
ヤーンプリプレグを管状成形体に螺旋状に巻き付けた方
法がある。

例えば、特開昭６０４７１１０９公報では、炭素繊維、
ガラス繊維、ボロン繊維、ポリアラミド繊維、アルミナ
繊維及びシリコンカーバイド繊維の繊維束に熱硬化性樹
脂を含浸させたヤーンブリブレグを螺旋状に巻き付ける
方法が示され、意匠効果を出すことにも利用されている
。

特開昭６１−１８２９３３では上記の繊維にエポキシ、
ウレタン、ポリエステルあるいはアクリル系の着色した
樹脂を１〜２０重量％含浸してヤーンプリプレグを硬化
した後、螺旋状に巻き付ける方法が示されている。

〈発明が解決しようとする問題点〉 円筒状、円柱状、角柱状等の棒状成形体の外周に各種繊
維のヤーンプリプレグを巻き付け、補強するにフィラメ
ントが不揃いになったり、ジグザグ状に乱れたり、毛羽
が発生したりする。

そうなると外観上のみならず、補強する効果自身も低下
し好ましくない。

く問題を解決するための手段〉 本発明は、強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸した材
料からなる棒状成形体（以下、原棒状成形体と称す）の
外廻りに、１ｍ当り５〜１５０回の撚りが付与されてい
る直径５〜２０μｍのアルミナ′ｉｔ繊維のフィラメン
ト束に熱硬化性樹脂組成物を含浸してなるアルミナ繊維
ヤーンプリプレグを巻き付は続いて硬化・固着させる繊
維強化棒状成形体の製造方法である。

本発明の原棒状成形体は、中空の円筒状、角筒状、内部
まで詰った円柱状、角柱状の成形体を言う。

なかでも中空の円筒状、角筒状の成形体、これらの内部
に密度が小さく軽量だが機械的強度が比較的小さいもの
が詰っている円柱状、角柱状の成形体のごとく、圧潰し
に弱いものが適する。

原棒状成形体は、強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸
した材料、例えばコンパウンド、プリプレグシート等か
ら公知の方法で成形する。

プリプレグシートからは例えば、マンドレル上にプリプ
レグシートを巻き付けることによって円筒状の成形体と
する方法等である。

なお、コンパウンドやプリプレグシートは周知、公用の
ものである。

例えば強化繊維の種類として炭素繊維、ガラス繊維、ア
ルミナ繊維、芳香族ポリアミド繊維等が掲げられる。

プリプレグシートにおける繊維の形状は一方向に引揃え
た長繊維、長繊維の織物、一方向の長繊維を直交ないし
は斜交に貼り合せたものであり、これらの繊維の種類及
び形状はそれぞれ２種類以上を併用してもよい。

用いられる熱硬化性樹脂は、後述のアルミナ繊維ヤーン
プリプレグのところにも記載の有るごとき例えばエポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル類等の熱硬化性樹脂である
。

プリプレグシート中樹脂体積含有量は３５〜７５％程度
である。

本発明に用いられるアルミナ繊維ヤーンプリプレグとし
ては、まずアルミナ繊維はＡ１ｚＯ＊を主成分とするア
ルミナ質繊維をいう。

つまり、Ａ１２０ｘ　　１００’Ａのアルミナ繊維、Ａ
’！ｚｏｓ７０重景％以上、残りがＳｉｎ、を主とする
成分のものであり、さらには５ｉｆｔと共に全体の１０
％以下の範囲でリチウム、ベリリウム、ホウ素、ナトリ
ウム、マグネシウム、ケイ素、リン、カリウム、カルシ
ウム、チタン、クロム、マンガン、イツトリウム、ジル
コニウム、ランタン、タングステン、バリウムの一種以
上の酸化物を含有するもの等である。

結晶構造も種に有るが例えば、Ｘ″Ｉ的構造においてα
−Ａ１２０１の反射を実質的に示さないものも有る。

このようなアルミナ繊維は日本複合材料学会誌　昭和５
５年　第６巻　第３号に性質や製法が報告されている。

その他、アルミナ繊維は特公昭５１−１２７３６号公報
や特公昭５１−１３７６８号公報に記載された方法で製
造することができる。

アルミナ繊維のフィラメント径は５〜２０μｍの範囲で
あって、２０μｍ以上では硬く、柔軟性に欠は細径管状
体に巻き付けた時、下地への密着が悪くなり、かつフィ
ラメントが折れ易く、ヤーンプリプレグの損傷に伴う毛
羽が発生し、外観や物性を損う。

また、発生した毛羽が作業者の皮膚への刺激が強く扱い
難い。

５μｍ以下ではフィラメント１本当りの強度が低くなり
損傷を受けやすく、毛羽が発生し易く好ましくない。

本発明のフィラメント束とは、フィラメント数が約２０
０本〜２０，０００本からなるものあるいは、複数の束
を均ったものを言う。

アルミナ繊維フィラメント束には、１ｍ当り５〜１５０
回の撚りをかける。

５回未満では、例えば管状成形体に巻き付けた時、プリ
プレグのフィラメント束が無秩序に押し拡げられて、蛇
行し、毛羽が発生しやすく、それらに伴い引張り強度等
の物性の低下をきたし、外観上も好しくない。

１５０回を越えると巻き付けの下地への密着性が不良と
なる。

撚りの付与は樹脂の含浸前、後のいずれでもよく、ある
いは前、後の２段階で行ってもよい。

撚りを付与するための方法及べ装置は「繊維の実際知識
」　（東洋経済新報社刊）に記載のリング式精紡機を用
いるもの等周知の方法が適用できる。

本発明の熱硬化性樹脂組成物における熱硬化性樹脂はエ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹
脂、ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒ
ド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド−イミド
樹脂、ポリベンゾチアゾール樹脂、ケイ素樹脂等あるい
はこれら樹脂の前駆体を含めた物をいい、これらの１種
あるいは２種以上を使用する。

この中でエポキシ樹脂が汎用される。

熱硬化性樹脂を硬化するために、該樹脂に対応した公知
の硬化剤や硬化促進剤を用いる。

熱硬化性樹脂にはポリブタジェン、ポリイソプレン、ポ
リクロロプレン、スチレンーブダジエン共重合体（ＳＢ
Ｒ）　、アクリロニトリループダシエン共重合体（ＮＢ
Ｒ）、シリコーンゴム等のゴム状物質や、着色剤、微粉
シリカ、微粉アルミナ、微粉チタン等のフィラーを前記
熱硬化特性を損わない範囲で添加することができる。

なかでも熱硬化性樹脂に添加される着色剤は、公知の有
機、無機の顔料あるいは染料であるが、公害関係からは
ストロンチウムやクロム等の重金属を含む無ａ質のもの
は好ましくない。

これらの顔料や染料は他の熱硬化性樹脂組成物、溶媒、
硬化剤等あるいは硬化に伴う加熱で発色を損わないもの
が好ましい。

着色剤の添加量は熱硬化性樹脂組成物の０〜５０重世％
であり、好ましくはＯ〜２０重盪％である。

５０重量％以上では熱硬化性樹脂の物性が１員われる。

熱硬化性樹脂組成物の粘度は６０℃において１００〜２
０，０００ボイズ範囲が好ましい。

１００ボイズ以下では、前記同様にボビンに巻き取った
時ヤーンプリプレグが相互に粘着し、２０．０００ボイ
ズ以上ではヤーンプリプレグが硬く柔軟性が不足する。

熱硬化性樹脂組成物の含有率は、５〜５０重量％の範囲
である。

５重量％以下では、マトリックスとしての充分な機能が
得られない。

５０重量％以上では、離型紙等を介することなくボビン
に巻き取った時、ヤーンプリプレグが相互に粘着し、巻
き出す際剥れず切断しやすくなり作業性が損われる。

アルミナ繊維のフィラメント束に樹脂を含浸させる方法
は、まず熱硬化性樹脂組成物を溶媒に分散、溶解、希釈
し、樹脂組成物溶液とし、その液の中にフィラメント束
を浸漬して取り出し後で溶媒を乾燥する方法がある。

この方法によれば樹脂組成物をフィラメント束に均一に
、損傷なく含浸させ得る。

しかもこの樹脂組成物溶液による含浸方法は、ヤーンプ
リプレグ中の樹脂組成物の含有率を溶液中の樹脂組成物
の濃度によって容易に調整が可能である。

溶媒はアセトン、メチルイソブチルケトン、エチレング
リコールモノメチルエーテル、トルエン、塩化メチレン
、トリクロロエチレン等が挙げられる。

樹脂の含浸装置としてＪＩＳ　　Ｒ７６０１付図に装置
の一部を例示できる。

溶媒中の熱硬化性樹脂組成物は完全に溶解していること
を必須としないが、一部あるいはすべてが溶解しない場
合は微粉子として均一に分散させることが望ましい。

また溶媒を使用せずに熱硬化性樹脂組成物が硬化しない
温度で溶融するものは、その融液にフィラメント束を浸
漬する方法、溶融した熱硬化性樹脂組成物をストランド
に塗布した後、圧着したロールの間隙を通して含浸する
方法、さらには熱硬化性樹脂組成物粉末を粉体塗装法に
よりフィラメント束に塗布し、加熱融解させ含浸させる
方法がある。

原棒状成形体にアルミナ繊維ヤーンプリプレグを巻き付
けるのは棒状のものに、糸や細ひもを巻き付ける周知公
用の方法が適用される。

該プリプレグは、１度に１木でも複数本でも良い。

原棒状成形体の長さ方向に対して、所定の配向角度を付
けて螺線状に巻き付ける。

所定の配向角度は、２０°以上９０°未満、好ましくは
４５°以上９０°未満である。

また巻付方向も一方向だけでなく、逆ノｊ向も合せても
よい。

硬化・固着させるには、巻き付けたものをラッピングチ
ーブで巻き締めるか、チューブ状のラッピング材で全体
を覆いチューブ内を減圧して締め付ける等公知の方法で
締め付け、これを加熱し、アルミナ繊維ヤーンプリプレ
グに含浸している熱硬化性樹脂を硬化させる。

この加熱硬化温度は熱硬化性樹脂の種類や、硬化剤の種
類と量により変わるが、エポキシ樹脂系であれば一般に
１３０℃、１時間程度である。

なお、原棒状成形体をあらかじめ硬化させたものを用い
、それにアルミナ繊維ヤーンプリプレグを巻き付は硬化
・固着させる方法と、原棒状成形体を未硬化のものを用
い、これに巻き付けた後両者を一度に硬化させる方法の
いずれでもよい。

後者の方法が原棒状成形体と、アルミナ繊維ヤーンプリ
プレグの固着強度には優れている。

しかし前者の方が、アルミ繊維ヤーンプリプレグの熱硬
化性樹脂が棒状成形体表面により滲み難いので、着色し
た熱硬化性樹脂を用い意匠効果を出す場合には前者の方
が適している。

（発明の効果〉 本発明の棒状成形体は、螺旋状に巻き付けた、ヤーンプ
リプレグの条の乱れや、毛羽の発生、下地へのヤーンプ
リプレグ中の樹脂の滲みも少なく、下地への密着性も良
好なため、本発明で使用するアルミナ繊維は機械的強度
、弾性率が高く、圧縮強度に優れていることから、補強
効果が大きい。

特に筒状成形体の圧壊強度が高いことから押し潰しに対
する補強効果に優れている。

それと共に着色による発色が鮮明で、外観の意匠効果を
極めて高めることができる。

〈実施例〉 本発明について、実施例でもって具体的に説明する。

用いるヤーンプリプレグ及び製造した繊維強化棒状成形
体の評価は以下の通りである。

ヤーンプリプレグの樹脂含有率は、ヤーンプリプレグを
テトラヒドロフランで洗い樹脂を除去し、その減量から
算出した。

円筒状成形体のアルミナ繊維ヤーンプリプレグのヤーン
の乱れ状況については、円筒状成形体の中央部２０ｃｍ
の間、等間隔に２０点のヤーン巾を測定し、測定値の平
均値と各測定値との差の絶対値の平均を算出し、差の絶
対値の平均が測定値の平均の３０％以内のものを良、そ
れ以上を不良とした。

ヤーンプリプレグの密着性は、下地（炭素繊維のプリプ
レグ硬化ｖＡ）との接着部界面任意の２０個所を長さ１
５ｃｍの先端鋭利のステンレス製ビンセントでえぐり剥
離の有無を見て全く剥離しないものを良、剥離が１〜２
個所のものをやや不良、３個所以上剥離したものを不良
とした。

ヤーンプリプレグ中の樹脂の滲みについては、円筒状成
形体中央部の２００１の間を観察しヤーンプリプレグか
らの樹脂が下地に滲み出し、その巾が０．３１１未満を
良、０．３　ｍｍ〜０．５曹■やや良とする。

発色はヤーンプリプレグを目視で観察した。

毛羽の発生状況については、円筒状成形体中央部の２０
１を観察し、長さ１ｆ１以上の毛羽が発生している個所
が無いものを無、１〜５個所のものを少、６個以上のも
のを多とした。

円筒状成形体の物性として、圧壊強度と、衝撃強度を測
定した。

圧壊強度は円筒状成形体を長さ３０Ｍに切り出し試験片
にし、ＪＩＳ　　Ｋ６９１１　：内径１００Ｎ以下の積
層管の曲げ試験の項に準じて測定した。

衝撃強度は円筒状成形体を長さ６３．５１ｍに切り出し
支持台固定部に相当の片端から３　＋、　８　ａｍの巾
及びハンマーによる打撃を受ける部分に相当のもう一方
の試験片端部から１５ｍ５の巾に円筒状成形体を使用し
作ったものと同じ一方向ブリプレグシートを円周方向に
合せて２周巻き付けてから、１２０℃１時間硬化させて
補強し試験片とした。

アイシフ）衝撃試験機を用いＪＩＳ　　Ｋ６９１１に準
じてノツチ無しで衝撃破壊挙動（荷重一時間）を測定し
ピーク荷重を求めた。

実施例１ ビスフェノールＡ型のエポキシ樹脂スミエポキシ■　Ｅ
ＬＡＬ２８（住友化学工業■製〕　２９重量部　同ＥＳ
ＡＯ１１７１重量部からなる樹脂組成物に硬化促進剤２
−エチルメチルイミダゾール５重量部及び有機系の橙色
顔料ツバパームオレンジ　ＨＬ−７０（ヘキスト社Ｍ）
１０重量部を６０℃に加熱した３本ロールミキサー〔弁
上製作所■製〕を用いて均一に混合し、熱硬化性樹脂組
成物１眩を得た。

該組成物の６０℃における粘度は９５０ボイズであった
。

この樹脂組成物を、トリクロロエチレンに溶解し濃度が
１０重量％の樹脂溶液を調整した。

そして内部に１本のローラーを備えた含浸槽に該溶液を
入れた。

長さ１．ｏｏｏｍフィラメント径１７μｍ１フィラメン
ト数５００のアルミナ繊維のフィラメント束〔住友化学
工業■製〕をリング式の精紡機を用いて４０回／ｍの撚
りを付与し、このフィラメント束を含浸槽内にローラー
に沿わせて通過させることにより樹脂溶液を含浸させ、
次に長さ２ｍ、内部温度１５０℃の乾燥炉を通して溶媒
を揮散させた後、紙管に巻き取りアルミナ繊維ヤーンプ
リプレグを得た。

次に、径１０．５■−１長さ１．０　ｍのマンドレルに
炭素繊維の一方向引揃えプリプレグ　ＡＳ−４／Ｊ１２
０１（住化バーキュレス■製：炭素繊維目付星１３０　
ｇ／ｒｄ、樹脂含浸率３８重量％〕を繊維方向とマンド
レルの軸方向を同じにして３周巻き、その外側に互に１
５Ｎピツチで交差するように螺旋状にアルミナ繊維ヤー
ンプリプレグを巻き付けた。

その上にポリエチレンテレフタレート２０μｍ厚のテー
プを張力１．５　ｋｇで巻き付け、８０℃で１時間、１
２０℃で２時間加熱硬化させ、円筒状成形体を得た。

得られた円筒状成形体を評価し、結果を表１に示す。

実施例２ アルミナ繊維のフィラメント束の撚りを表１に示す値に
した以外は実施例１と同様に行った。

結果を表１に示す。

実施例３ アルミナ繊維がフィラメント径９μｍフィラメント数１
０００のものを用いた以外は、実施例１と同様に行った
。

結果を表１に示す。

比較例１ アルミナ繊維のフィラメント束に撚りをかけないまま使
用した以外は実施例１と同様に行った。

結果を表１に示すゆ 比較例２ アルミナ繊維のフィラメント束の撚りを２００回／ｍと
した以外は、実施例１と同様に行った。

結果を表１に示す。

比較例３ ヤーンプリプレグのアルミナ繊維に代えて炭素繊維マグ
ナマイト■ＡＳ−４（フィラメント径７μｍ、フィラメ
ント数３０００　：ハーキュレス社製）を用いた以外は
実施例１と同様に行った。

結果を表１に示す。

比較例４ ヤーンプリプレグを巻き付けない円筒状成形体そのもの
の性能を評価した。

結果を表１に示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸した材料からなる
   棒状成形体の外廻りに、１ｍ当り５〜１５０回の撚りが
   付与されている直径５〜２０μｍのアルミナ質繊維のフ
   ィラメント束に熱硬化性樹脂組成物を含浸してなるアル
   ミナ繊維ヤーンプリプレグを巻き付け、続いて硬化・固
   着させる繊維強化棒状成形体の製造方法。