JP2014074130A - トウプリプレグ - Google Patents
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Abstract
【課題】維強化複合材料からなる圧力容器等の製造に好適に使用することが出来るトウプリプレグ、特に、ボイド等の欠陥が少ない良好な繊維強化複合材料を得ることが出来る、従来の技術では得られない優れた性能のトウプリプレグの提供。
【解決手段】炭素繊維トウとエポキシ樹脂組成物とからなるトウプリプレグであって、
前記炭素繊維トウが3000〜60000本の単繊維で構成され、前記単繊維の直径が4〜8μmであり、前記エポキシ樹脂組成物が(A)エポキシ樹脂と(B)粒体を含むエポキシ樹脂組成物であり、(B)粒体は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に2.5〜6.5体積部が含有され、(B)粒体に含まれる粒径6μm以上の粒子は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に3.0体積部以下であり、前記トウプリプレグに含まれる前記エポキシ樹脂組成物の含有率が22質量%以上であることを特徴とするトウプリプレグ
【選択図】なし
【解決手段】炭素繊維トウとエポキシ樹脂組成物とからなるトウプリプレグであって、
前記炭素繊維トウが3000〜60000本の単繊維で構成され、前記単繊維の直径が4〜8μmであり、前記エポキシ樹脂組成物が(A)エポキシ樹脂と(B)粒体を含むエポキシ樹脂組成物であり、(B)粒体は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に2.5〜6.5体積部が含有され、(B)粒体に含まれる粒径6μm以上の粒子は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に3.0体積部以下であり、前記トウプリプレグに含まれる前記エポキシ樹脂組成物の含有率が22質量%以上であることを特徴とするトウプリプレグ
【選択図】なし
Description
本発明は特に圧力容器等に用いられる繊維強化複合材料に好適に使用することが出来るトウプリプレグである。具体的にはボイド等の欠陥が少ない良好な繊維強化複合材料を得ることが出来るトウプリプレグに関するものである。
連続した強化繊維トウにマトリックス樹脂組成物を含浸させてなるテープ状の中間材料は、多数の強化繊維トウを引き揃えた強化繊維シートにマトリックス樹脂組成物を含浸させてなるプリプレグをスリットすることによって得られるテープ状の中間材料であるスリットテープと区別して、トウプリプレグまたはトウプレグと呼ばれる。
トウプリプレグはその製造工程で強化繊維トウにマトリックス樹脂組成物が含浸された後、剥離紙等を介することなく綾角をつけて紙管等の芯に巻き取られた形状で梱包され流通するのが一般的である。トウプリプレグから繊維強化複合材料を製造する工程において、例えば、フィラメントワインディング法では、芯に巻き取られたトウプリプレグが解舒・搬送されて、設計された角度でマンドレルに巻きつけられる必要があるが、解舒時に強化繊維が毛羽立たないようにするため、また、搬送ロールやガイド等への巻き付きが起こらないようにするためにトウプリプレグのタック(粘着力)は強すぎないことが必要であり、一方、マンドレルに巻きつける際にトウプレグが貼り付け位置から滑らないようにするためにトウプリプレグのタックは弱すぎないことも必要である。
圧力容器に用いられる繊維強化複合材料は、圧力容器の強度を高めるために、Vf(体積を基準とした繊維含有率)を高くすることが望まれており、その繊維強化複合材料に用いるトウプリプレグは、一般的なプリプレグと比較してのRc(レジンコンテント、質量を基準とした樹脂含有率)が低いことが望まれているが、トウプリプレグに含まれるエポキシ樹脂組成物が少ない場合は、強化繊維トウにマトリックス樹脂が行き渡らない部分が生じやすいという問題がある。
また、トウプリプレグ用のマトリックス樹脂は一般的なプリプレグ用のマトリックス樹脂と比較して粘度が低いことも多く(特許文献1、特許文献2、特許文献3)、マトリックス樹脂が強化繊維トウ表面から強化繊維トウ内部へ移動してしまう現象が起こりやすい。
トウプリプレグ用のマトリックス樹脂としては、一般的なプリプレグと同様にエポキシ樹脂組成物が主に用いられる。さらにその硬化剤も一般的なプリプレグと同様に可使時間を長く保つため室温でエポキシ樹脂に不溶な粒子状の硬化剤が使用されるのが一般的である(先行文献2、特許文献3)。さらには、樹脂に特定の機能を持たせるために、無機粒子や熱可塑性樹脂粒子等を添加することも頻繁に用いられる手法である。
しかしながらこのような粒子を使用した場合、強化繊維トウの単繊維と単繊維との間隔がその粒子により押し広げられることで強化繊維トウが包含可能な樹脂量が増加し、マトリックス樹脂が強化繊維トウ表面から強化繊維トウ内部へ移動してしまう現象がさらに起こりやすい。
しかしながらこのような粒子を使用した場合、強化繊維トウの単繊維と単繊維との間隔がその粒子により押し広げられることで強化繊維トウが包含可能な樹脂量が増加し、マトリックス樹脂が強化繊維トウ表面から強化繊維トウ内部へ移動してしまう現象がさらに起こりやすい。
上述した3つの事項、すなわち1.「圧力容器用のトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物の含有量は一般的なプリプレグと比較して低い傾向にある」、2.「トウプリプレグ用のマトリックス樹脂は一般的なプリプレグ用のマトリックス樹脂と比較して粘度が低い」、3.「室温でエポキシ樹脂に不溶な粒子により強化繊維トウの単繊維と単繊維との間隔が押し広げられる」が原因で圧力容器用のトウプリプレグは、公知のマトリックス樹脂を用いた場合には、表面にマトリックス樹脂が十分に存在せず極端にタックが低くなるといった問題が生じる。さらに、この様な表面にマトリックス樹脂が十分に存在しないトウプリプレグを用いて圧力容器等を作製した場合、成形物内に多くのボイドが生じてしまうという問題が生じる。
本発明は、繊維強化複合材料からなる圧力容器等の製造に好適に使用することが出来るトウプリプレグ、特に、ボイド等の欠陥が少ない良好な繊維強化複合材料を得ることが出来る、従来の技術では得られない優れた性能のトウプリプレグを提供せんとするものである。
かかる課題を解決するトウプリプレグは、
炭素繊維トウとエポキシ樹脂組成物とからなるトウプリプレグであって、
前記炭素繊維トウが3000〜60000本の単繊維で構成され、前記単繊維の直径が4〜8μmであり、
前記エポキシ樹脂組成物が(A)エポキシ樹脂と(B)粒体を含むエポキシ樹脂組成物であり、
(B)粒体は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に2.5〜6.5体積部が含有され、
(B)粒体に含まれる粒径6μm以上の粒子は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に3.0体積部以下であり、
前記トウプリプレグに含まれる前記エポキシ樹脂組成物の含有率が22質量%以上であることを特徴とするトウプリプレグ
であることによって得られる。
炭素繊維トウとエポキシ樹脂組成物とからなるトウプリプレグであって、
前記炭素繊維トウが3000〜60000本の単繊維で構成され、前記単繊維の直径が4〜8μmであり、
前記エポキシ樹脂組成物が(A)エポキシ樹脂と(B)粒体を含むエポキシ樹脂組成物であり、
(B)粒体は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に2.5〜6.5体積部が含有され、
(B)粒体に含まれる粒径6μm以上の粒子は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に3.0体積部以下であり、
前記トウプリプレグに含まれる前記エポキシ樹脂組成物の含有率が22質量%以上であることを特徴とするトウプリプレグ
であることによって得られる。
本発明のトウプリプレグを使用することでボイド等の欠陥が少ない良好な繊維強化複合材料を得ることができる。本発明は特に繊維強化複合材料を用いた圧力容器等に好適に用いることが出来る。
本発明の要旨は、
炭素繊維トウとエポキシ樹脂組成物とからなるトウプリプレグであって、
前記炭素繊維トウが3000〜60000本の単繊維で構成され、前記単繊維の直径が4〜8μmであり、
前記エポキシ樹脂組成物が(A)エポキシ樹脂と(B)粒体を含むエポキシ樹脂組成物であり、
(B)粒体は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に2.5〜6.5体積部が含有され、
(B)粒体に含まれる粒径6μm以上の粒子は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に3.0体積部以下であり、
前記トウプリプレグに含まれる前記エポキシ樹脂組成物の含有率が22質量%以上であることを特徴とするトウプリプレグである。
炭素繊維トウとエポキシ樹脂組成物とからなるトウプリプレグであって、
前記炭素繊維トウが3000〜60000本の単繊維で構成され、前記単繊維の直径が4〜8μmであり、
前記エポキシ樹脂組成物が(A)エポキシ樹脂と(B)粒体を含むエポキシ樹脂組成物であり、
(B)粒体は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に2.5〜6.5体積部が含有され、
(B)粒体に含まれる粒径6μm以上の粒子は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に3.0体積部以下であり、
前記トウプリプレグに含まれる前記エポキシ樹脂組成物の含有率が22質量%以上であることを特徴とするトウプリプレグである。
<(A)エポキシ樹脂>
(A)エポキシ樹脂は分子内に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であり、1種のエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂であっても複数種のエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂であっても良い。
(A)エポキシ樹脂は分子内に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であり、1種のエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂であっても複数種のエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂であっても良い。
<(B)粒体>
(B)粒体は室温において(A)エポキシ樹脂に不溶な粒子径が0.1μm以上の固体粒子からなる。(B)粒体は単一種の粒体であっても2種以上の粒体からなっても良い。プリプレグの可使時間を長くするため、室温でエポキシ樹脂に不溶な固体の粒子状の硬化剤及び/または硬化助剤が使用されることも多く、このような固体の粒子状の硬化剤及び/または硬化助剤は本発明の(B)粒体として典型的に用いることができる。室温で(A)エポキシ樹脂に不溶な硬化剤及び/または硬化助剤の具体例としてジシアンジアミド、ジアミノジフェニルスルフォンなどのアミン類、2−フェニル−4−メチル‐5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジグロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素等のウレア類、等を挙げることができる。また樹脂の改質材として用いる微粒子状のシリカや粒子状熱可塑性樹脂、カーボンブラック等も(B)粒体として使用することが出来る。
(B)粒体は室温において(A)エポキシ樹脂に不溶な粒子径が0.1μm以上の固体粒子からなる。(B)粒体は単一種の粒体であっても2種以上の粒体からなっても良い。プリプレグの可使時間を長くするため、室温でエポキシ樹脂に不溶な固体の粒子状の硬化剤及び/または硬化助剤が使用されることも多く、このような固体の粒子状の硬化剤及び/または硬化助剤は本発明の(B)粒体として典型的に用いることができる。室温で(A)エポキシ樹脂に不溶な硬化剤及び/または硬化助剤の具体例としてジシアンジアミド、ジアミノジフェニルスルフォンなどのアミン類、2−フェニル−4−メチル‐5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジグロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素等のウレア類、等を挙げることができる。また樹脂の改質材として用いる微粒子状のシリカや粒子状熱可塑性樹脂、カーボンブラック等も(B)粒体として使用することが出来る。
(B)粒体は本発明のトウプレグのエポキシ樹脂組成物100体積部中に2.5〜6.5体積部の範囲で含有されなければならない。6.5体積部より多く(B)粒体を含む場合、作製したトウプリプレグ表面に樹脂が存在していない部分が広く生じてしまい、当該トウプリプレグのタックは著しく低下し、マンドレルに巻きつける際にトウプレグが貼り付け位置から滑り易い。一方、2.5体積部より少ない(B)粒体を含む場合、作製したトウプリプレグはタックが強すぎて、解舒時に強化繊維が毛羽立ったり、また、搬送ロールやガイド等への巻き付きが起こり易い。
(B)粒体に含まれる粒径6μm以上の粒子は本発明のトウプレグのエポキシ樹脂組成物100体積部中に3.0体積%以下でなくてはならない。粒径6μm以上の粒子が3.0体積部より多い場合、作製したトウプリプレグ表面に樹脂が存在していない部分が広く生じてしまい、当該トウプリプレグのタックは著しく低いものとなる。
<その他原料>
本発明のトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物には本発明のトウプリプレグから得られる強化繊維複合材料の特性を著しく低下させない範囲で可塑剤、高分子化合物、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、染料等のその他原料を適宜配合することも出来る。ただし、該その他原料が室温下で粒子径が0.1μm以上の固体粒子である場合は(B)粒体に含まれる。(B)粒体がエポキシ樹脂の硬化剤を含まない場合には、その他原料にはエポキシ樹脂の硬化剤が含まれる。
本発明のトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物には本発明のトウプリプレグから得られる強化繊維複合材料の特性を著しく低下させない範囲で可塑剤、高分子化合物、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、染料等のその他原料を適宜配合することも出来る。ただし、該その他原料が室温下で粒子径が0.1μm以上の固体粒子である場合は(B)粒体に含まれる。(B)粒体がエポキシ樹脂の硬化剤を含まない場合には、その他原料にはエポキシ樹脂の硬化剤が含まれる。
<エポキシ樹脂組成物の調製>
本発明のトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物は、様々な公知の方法で調整することが出来る。例えば(B)粒体を三本ロールミルなどを用いて予め(A)エポキシ樹脂の一部に分散させておくことが好ましい。
本発明のトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物は、様々な公知の方法で調整することが出来る。例えば(B)粒体を三本ロールミルなどを用いて予め(A)エポキシ樹脂の一部に分散させておくことが好ましい。
強化繊維トウにエポキシ樹脂組成物が含浸しやすくするために、トウプリプレグのタックが強くなりすぎてボビンからの解舒や工程通過性に支障をきたさないようするために、また、トウプリプレグがマンドレルの形状に十分に沿って巻きつけられるようにトウプリプレグの柔軟性を実現するために、本発明のトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃における粘度が50Pa・s以下であることが好ましい。
<炭素繊維トウ>
本発明に用いる炭素繊維トウは単繊維の直径が4〜8μmであり、3千〜6万本の単繊維からなることが好ましい。但し、本発明においては、単繊維の直径を単繊維の断面積と同じ面積を有する真円の直径と定義する。強化繊維トウの単繊維の数が10万本より多い場合、トウプリプレグ作製する際、強化繊維トウにエポキシ樹脂組成物を十分に含浸させることが困難となる。
本発明に用いる炭素繊維トウは単繊維の直径が4〜8μmであり、3千〜6万本の単繊維からなることが好ましい。但し、本発明においては、単繊維の直径を単繊維の断面積と同じ面積を有する真円の直径と定義する。強化繊維トウの単繊維の数が10万本より多い場合、トウプリプレグ作製する際、強化繊維トウにエポキシ樹脂組成物を十分に含浸させることが困難となる。
<トウプリプレグの製造>
本発明のトウプリプレグは様々の公知の方法で製造することが出来る。特に、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を強化繊維トウに含浸させる方法が好ましい。
本発明のトウプリプレグは様々の公知の方法で製造することが出来る。特に、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を強化繊維トウに含浸させる方法が好ましい。
本発明のトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物の含有率は22〜28質量%であることが好ましい。エポキシ樹脂組成物の含有率が28質量%より大きいと得られる繊維強化複合材料に占める炭素繊維の体積が低いため、繊維強化複合材料の強度は低くなってしまう。一方、トウプリプレグのエポキシ樹脂組成物の含有率が22質量%より小さいとエポキシ樹脂組成物が強化繊維間に十分に行き渡らず強化繊維複合材料内部にボイドなどの欠陥部分が発生しやすくなる。
本発明のトウプレグのエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物に含まれる硬化剤及び/または硬化助剤の種類に適した任意の温度、任意の時間で加熱することで硬化物を得ることが出来る。
以下、実施例、比較例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
各例で使用した樹脂組成物の原料、調製方法、樹脂組成物を使用したプリプレグ、繊維強化複合材料の作製方法、および各物性の測定方法を以下に示す。各樹脂組成物の組成、および物性の測定結果を表1にまとめて示す。
各例で使用した樹脂組成物の原料、調製方法、樹脂組成物を使用したプリプレグ、繊維強化複合材料の作製方法、および各物性の測定方法を以下に示す。各樹脂組成物の組成、および物性の測定結果を表1にまとめて示す。
実施例、比較例においては以下の原料を使用した。
<(A)エポキシ樹脂>
製品名:jER828 (三菱化学株式会社製)
成分:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
製品名:N−775 (DIC株式会社製)
成分:フェノールノボラック型固形エポキシ樹脂
製品名:jER828 (三菱化学株式会社製)
成分:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
製品名:N−775 (DIC株式会社製)
成分:フェノールノボラック型固形エポキシ樹脂
<(B)粒体>
製品名:jERキュア DICY3 (三菱化学株式会社製)
成分:ジシアンジアミド
製品名:jERキュア DICY7 (三菱化学株式会社製)
成分:ジシアンジアミド
製品名:jERキュア DICY15 (三菱化学株式会社製)
成分:ジシアンジアミド
製品名:DCMU99 (保土ヶ谷化学工業株式会社製)
成分:3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素
製品名:キュアゾール 2P4MHZ (四国化成工業株式会社製)
成分:2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール
製品名:jERキュア DICY3 (三菱化学株式会社製)
成分:ジシアンジアミド
製品名:jERキュア DICY7 (三菱化学株式会社製)
成分:ジシアンジアミド
製品名:jERキュア DICY15 (三菱化学株式会社製)
成分:ジシアンジアミド
製品名:DCMU99 (保土ヶ谷化学工業株式会社製)
成分:3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素
製品名:キュアゾール 2P4MHZ (四国化成工業株式会社製)
成分:2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール
<その他原料>
製品名:ビニレックE (チッソ株式会社)
成分:ポリビニルアセタール樹脂(平均分子量:12.6万)
製品名:ビニレックE (チッソ株式会社)
成分:ポリビニルアセタール樹脂(平均分子量:12.6万)
<炭素繊維トウ>
製品名:37−800 (Grafil社)
1本のトウ中の単繊維の数:3万本
製品名:37−800 (Grafil社)
1本のトウ中の単繊維の数:3万本
<粒度分布測定>
レーザー散乱式粒度測定機(日揮装社製、製品名 マイクロトラックFRA)を用いて、(B)粒体を構成する粒子の粒径の体積基準とした頻度分布を測定した。
レーザー散乱式粒度測定機(日揮装社製、製品名 マイクロトラックFRA)を用いて、(B)粒体を構成する粒子の粒径の体積基準とした頻度分布を測定した。
<樹脂調製>
予め(B)粒体は三本ロールミルを用いjER828の一部へ分散させ、ビニレックEはjER828の一部に溶解させた。その後、全ての原料をフラスコへ投入し50℃〜60℃に加温しながら内容物が均一となるまで攪拌した。
予め(B)粒体は三本ロールミルを用いjER828の一部へ分散させ、ビニレックEはjER828の一部に溶解させた。その後、全ての原料をフラスコへ投入し50℃〜60℃に加温しながら内容物が均一となるまで攪拌した。
<エポキシ樹脂組成物の昇温粘度測定>
エポキシ樹脂組成物の昇温粘度を以下の条件の通り測定した。
測定条件
装置:製品名 AR−G2(ティー・エー・インスツルメント社製)
使用プレート:直径35mmのパラレルプレート
プレートギャップ:0.5mm
測定周波数:10rad/s
ストレス:300〜500N/m2
昇温速度:2℃/分。
エポキシ樹脂組成物の昇温粘度を以下の条件の通り測定した。
測定条件
装置:製品名 AR−G2(ティー・エー・インスツルメント社製)
使用プレート:直径35mmのパラレルプレート
プレートギャップ:0.5mm
測定周波数:10rad/s
ストレス:300〜500N/m2
昇温速度:2℃/分。
<トウプリプレグの作製>
特許文献1記載のトウプリプレグ製造方法により幅4.5mmのトウプリプレグを作製した。
特許文献1記載のトウプリプレグ製造方法により幅4.5mmのトウプリプレグを作製した。
<トウプリプレグのタックの判定>
トウプリプレグをボビンから解舒して約30cm程度に切断し、気温23℃湿度50%RHの環境下に30分〜60分の間置いた後、トウプリプレグのタックを判定してトウプリプレグのタックは弱い方から順に×→○→●とあらわす。具体的には約30cmトウプリプレグ片の両端部を同一側面で合わせ、その合わされた両端部から10cmまでを左右の掌で挟んで10秒間圧着し、圧着面が貼り付かない場合に×と判定、貼り付いたトウプリプレグを困難なく引き剥がすことが出来る場合に○と判定、貼り付いたトウプリプレグを引き剥がした場合に炭素繊維が引き出される等によりトウプリプレグの形状が崩れてしまう場合に●と判定する。
タックの強さが×の場合はトウプリプレグのタックが弱すぎるため作業に支障をきたす。具体的にはフィラメントワインドを行う際にマンドレルに張り付かない等である。タックの強さが○の場合はトウプリプレグは作業に支障をきたさない程度の適度なタックを有する。具体的にはボビンからの解舒や工程通過性に優れている。タックの強さが●の場合は、ボビンからの解舒が困難であり工程通過する際に強化繊維トウの単繊維が頻繁にロールに巻きつく。
トウプリプレグをボビンから解舒して約30cm程度に切断し、気温23℃湿度50%RHの環境下に30分〜60分の間置いた後、トウプリプレグのタックを判定してトウプリプレグのタックは弱い方から順に×→○→●とあらわす。具体的には約30cmトウプリプレグ片の両端部を同一側面で合わせ、その合わされた両端部から10cmまでを左右の掌で挟んで10秒間圧着し、圧着面が貼り付かない場合に×と判定、貼り付いたトウプリプレグを困難なく引き剥がすことが出来る場合に○と判定、貼り付いたトウプリプレグを引き剥がした場合に炭素繊維が引き出される等によりトウプリプレグの形状が崩れてしまう場合に●と判定する。
タックの強さが×の場合はトウプリプレグのタックが弱すぎるため作業に支障をきたす。具体的にはフィラメントワインドを行う際にマンドレルに張り付かない等である。タックの強さが○の場合はトウプリプレグは作業に支障をきたさない程度の適度なタックを有する。具体的にはボビンからの解舒や工程通過性に優れている。タックの強さが●の場合は、ボビンからの解舒が困難であり工程通過する際に強化繊維トウの単繊維が頻繁にロールに巻きつく。
<繊維強化複合材料の作製>
アルミ合金からなる中空管(外直径60mm)を周方向に回転、及び軸方向に移動させつつ、トウプリプレグを1mmの厚さとなる様巻きつけ、さらにその上からポリプロピレンフィルム(信越フィルム株式会社製)を巻きつけた。中空管に幅4.5mmのトウプリプレグ、幅20mmのポリプロピレンフィルムを巻きつける際の張力はいずれも20Nとした。トウプリプレグ、ポリプロピレンフィルムを巻きつけた中空管を加熱炉にて、室温から1℃/分で135℃まで昇温し、135℃で2時間保持し、2℃/分で50℃以下まで降温して繊維強化複合材料を得た。
アルミ合金からなる中空管(外直径60mm)を周方向に回転、及び軸方向に移動させつつ、トウプリプレグを1mmの厚さとなる様巻きつけ、さらにその上からポリプロピレンフィルム(信越フィルム株式会社製)を巻きつけた。中空管に幅4.5mmのトウプリプレグ、幅20mmのポリプロピレンフィルムを巻きつける際の張力はいずれも20Nとした。トウプリプレグ、ポリプロピレンフィルムを巻きつけた中空管を加熱炉にて、室温から1℃/分で135℃まで昇温し、135℃で2時間保持し、2℃/分で50℃以下まで降温して繊維強化複合材料を得た。
<繊維強化複合材料の断面様相観察>
繊維強化複合材料を切断、切断面を研磨し、光学顕微鏡(Nikon製 ECLIPSE LV150)を用い反射像を観察した。断面に観察されるボイドが少ないものを○と、ボイドが多いものを×と判定した。
繊維強化複合材料を切断、切断面を研磨し、光学顕微鏡(Nikon製 ECLIPSE LV150)を用い反射像を観察した。断面に観察されるボイドが少ないものを○と、ボイドが多いものを×と判定した。
<実施例1〜6>
実施例1〜6として、表1に示す組成でエポキシ樹脂組成物100体積部に対し(B)粒体を3.9〜4.6体積部含んだ30℃での粘度が7〜40Pa・sのエポキシ樹脂組成物を炭素繊維トウにトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物の含有率が24〜26質量%となるよう含浸させたトウプリプレグを作製した。いずれのトウプリプレグも作業に支障をきたさない程度の適度なタックを有し、かつボビンからの解舒や工程通過性に優れていた。また当該トウプリプレグを用いることでボイド等の欠陥が少ない良好な繊維強化複合材料を得ることが出来た。典型的な例として、図1に実施例6の繊維強化複合材料の断面の光学顕微鏡像を示す。
実施例1〜6として、表1に示す組成でエポキシ樹脂組成物100体積部に対し(B)粒体を3.9〜4.6体積部含んだ30℃での粘度が7〜40Pa・sのエポキシ樹脂組成物を炭素繊維トウにトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物の含有率が24〜26質量%となるよう含浸させたトウプリプレグを作製した。いずれのトウプリプレグも作業に支障をきたさない程度の適度なタックを有し、かつボビンからの解舒や工程通過性に優れていた。また当該トウプリプレグを用いることでボイド等の欠陥が少ない良好な繊維強化複合材料を得ることが出来た。典型的な例として、図1に実施例6の繊維強化複合材料の断面の光学顕微鏡像を示す。
<実施例7>
実施例7として、表1に示す組成でエポキシ樹脂組成物100体積部に対し(B)粒体を3.9体積部含んだ30℃での粘度が48Pa・sのエポキシ樹脂組成物を炭素繊維トウにトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物の含有率が24質量%となるよう含浸させたトウプリプレグを作製した。当該トウプリプレグのタックがかなり強いため工程通過する際に強化繊維トウの単繊維のロール等への巻きつきわずかに発生したものの、当該トウプリプレグを用いることでボイド等の欠陥が少ない良好な繊維強化複合材料を得ることが出来た。
実施例7として、表1に示す組成でエポキシ樹脂組成物100体積部に対し(B)粒体を3.9体積部含んだ30℃での粘度が48Pa・sのエポキシ樹脂組成物を炭素繊維トウにトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物の含有率が24質量%となるよう含浸させたトウプリプレグを作製した。当該トウプリプレグのタックがかなり強いため工程通過する際に強化繊維トウの単繊維のロール等への巻きつきわずかに発生したものの、当該トウプリプレグを用いることでボイド等の欠陥が少ない良好な繊維強化複合材料を得ることが出来た。
<比較例1〜3>
比較例1〜3として、表1に示す組成でエポキシ樹脂組成物100体積部に対し(B)粒体を6.5体積部より多く配合したエポキシ樹脂組成物を炭素繊維トウにトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物の含有率が24〜28質量%となるよう含浸させたトウプリプレグを作製した。いずれのトウプリプレグもタックが弱すぎるため作業に支障をきたした。また当該トウプリプレグを使用した繊維強化複合材料には多くのボイド等の欠陥が見られた。典型的な例として、図2に比較例1の繊維強化複合材料の断面の光学顕微鏡像を示す。
比較例1〜3として、表1に示す組成でエポキシ樹脂組成物100体積部に対し(B)粒体を6.5体積部より多く配合したエポキシ樹脂組成物を炭素繊維トウにトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物の含有率が24〜28質量%となるよう含浸させたトウプリプレグを作製した。いずれのトウプリプレグもタックが弱すぎるため作業に支障をきたした。また当該トウプリプレグを使用した繊維強化複合材料には多くのボイド等の欠陥が見られた。典型的な例として、図2に比較例1の繊維強化複合材料の断面の光学顕微鏡像を示す。
<比較例4>
比較例4として、実施例1と同じエポキシ樹脂組成物を炭素繊維トウにトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物の含有率が20質量%となるよう含浸させたトウプリプレグを作製した。当該トウプリプレグはタックが弱すぎるため作業に支障をきたしたが、当該トウプリプレグを用いることでボイド等の欠陥が少ない繊維強化複合材料が得られた。
比較例4として、実施例1と同じエポキシ樹脂組成物を炭素繊維トウにトウプリプレグのエポキシ樹脂組成物の含有率が20質量%となるよう含浸させたトウプリプレグを作製した。当該トウプリプレグはタックが弱すぎるため作業に支障をきたしたが、当該トウプリプレグを用いることでボイド等の欠陥が少ない繊維強化複合材料が得られた。
Claims (3)
- 炭素繊維トウとエポキシ樹脂組成物とからなるトウプリプレグであって、
前記炭素繊維トウが3000〜60000本の単繊維で構成され、前記単繊維の直径が4〜8μmであり、
前記エポキシ樹脂組成物が(A)エポキシ樹脂と(B)粒体を含むエポキシ樹脂組成物であり、
(B)粒体は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に2.5〜6.5体積部が含有され、
(B)粒体に含まれる粒径6μm以上の粒子は前記エポキシ樹脂組成物100体積部中に3.0体積部以下であり、
前記トウプリプレグに含まれる前記エポキシ樹脂組成物の含有率が22質量%以上であることを特徴とするトウプリプレグ。 - (B)粒体が、温度25℃で(A)エポキシ樹脂に溶解しない、(A)エポキシ樹脂を硬化可能な硬化剤及び/又は硬化助剤を含む請求項1に記載のトウプリプレグ。
- 前記エポキシ樹脂組成物の30℃での粘度が50Pa・s以下である、請求項1または2に記載のトウプリプレグ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012222897A JP2014074130A (ja) | 2012-10-05 | 2012-10-05 | トウプリプレグ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2014074130A true JP2014074130A (ja) | 2014-04-24 |
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ID=50748516
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JP2012222897A Pending JP2014074130A (ja) | 2012-10-05 | 2012-10-05 | トウプリプレグ |
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JP (1) | JP2014074130A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015098584A (ja) * | 2013-10-17 | 2015-05-28 | 三菱レイヨン株式会社 | トウプリプレグ |
-
2012
- 2012-10-05 JP JP2012222897A patent/JP2014074130A/ja active Pending
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