JP6523016B2 - トウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物およびトウプリプレグ - Google Patents

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本発明は、繊維強化複合材料に好適に使用されるトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物およびトウプリプレグに関する。
炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維等の強化材とエポキシ樹脂を複合させた繊維強化複合材料は、比強度、比弾性率に優れているため、ゴルフシャフト、釣竿、テニスラケット等のスポーツ用品、自動車・航空機等の構造材料、土木材料等々、広範な分野で使用されている。
しかし、繊維強化複合材料の軽量性が着目され、産業界では、より強靭で難熱性、耐衝撃性、および耐変形性の高い繊維強化複合材料が要求されてきている。
特許文献1は、特定の構造および物性を有し、自己粘着性がなく、柔軟性を備え、かつボビンからの繰り出し性が良く、またFRP(繊維強化プラスチック)にしたときの物性に優れるトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物を開示している。
特許文献2は、所定のエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、コアシェルポリマーを含む、自己粘着性が極めて少なく、非常に高い破壊靭性を有する繊維強化複合材料を製造可能なトウプリプレグ、およびトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物を開示している。さらに、該トウプリプレグが燃料電池に使用されるような水素ガスなどを充填する高圧力容器に好適に使用できることを記載している。
また、特許文献3は、特定量の単繊維で構成される炭素繊維トウおよび特定粒径の粒体を含むエポキシ樹脂を有し、ボイド等の欠陥が少なく、圧力容器等に好適に用いることができるトウプリプレグを開示している。
特開平09−87365号公報 特開2011−157491号公報 特開2014−074130号公報
上記特許文献1に開示のトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物は、非自己粘着性、柔軟性、ボビンからの繰り出し性等に優れ、取扱い性が良好であるが、繊維強化複合材料としての耐衝撃性および耐変形性等の強靭さがいまだ不十分である。
上記特許文献2に開示のトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物は、繊維強化複合材料としての耐衝撃性がある程度優れているものの、いまだ満足のいくものではない。
また、上記特許文献3に開示のトウプリプレグを使用すればボイド等の欠陥の少ない繊維強化複合材料を得ることができるものの、やはり、耐衝撃性および耐変形性等の強靭さが十分ではない。
さらに、上記いずれの技術においてもトウプリプレグの硬化物の耐熱性が不十分であった。しかし、耐熱性向上のために、硬化物のガラス転移温度(Tg)が高くなる樹脂組成物とした場合、硬化前の樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、トウへの含浸性が不十分となって、耐衝撃性に悪影響が出るという問題が発生することが判った。
そこで、本発明の課題は、繊維強化複合材料としての耐衝撃性および耐変形性が高く、かつ耐熱性に優れる、水素ガスなどを充填する高圧力容器に好適に使用できるトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物および該樹脂組成物を有するトウプリプレグを提供することにある。具体的には、トウへの含浸性が良好である至適な粘度を維持し、かつ硬化後のTgが高く、高耐熱性を発揮し得るトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物、および当該樹脂組成物を有するトウプリプレグを提供することにある。
本発明者らは前記課題について鋭意研究した結果、特定構造のエポキシ樹脂を組み合わせ、かつ樹脂組成物が特定の物性を有するように制御することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、[A]2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、[B]3または4個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、[C]ジシアンジアミド、および[D]ウレア系硬化促進剤を含み、前記[B]成分が、前記[A]〜[D]を含む組成物全量基準で0質量%を超え、6質量%未満であり、該組成物の25℃下、角周波数10rad/secでの複素粘度が3〜15Pa・sであり、該組成物を140℃で2時間加熱処理した後の硬化物のガラス転移温度が130℃以上である、トウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物が提供される。好ましくは、前記硬化物のモードIにおける、25℃下の破壊靱性(KIc)は0.5MPa・m0.5以上である。
さらに、該トウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物が強化繊維束に含浸されてなるトウプリプレグが提供される。
本発明のトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物は、特定構造のエポキシ樹脂を組み合わせ、かつ樹脂組成物が特定の物性を有するように制御されているので、該樹脂組成物を有する本発明のトウプリプレグを繊維強化複合材料としたときの耐衝撃性および耐変形性が高く、かつ耐熱性にも優れ、水素ガスなどを充填する高圧力容器に好適に使用することができる。
実施例2に示すトウプリプレグの製造装置及び方法の概略図である。
以下、本発明について詳述する。
本発明のトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物(以後、単に本発明の樹脂組成物と称することがある。)は、[A]2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、[B]3または4個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、[C]ジシアンジアミド、および[D]ウレア系硬化促進剤を含み、前記[B]成分が、前記[A]〜[D]成分を含む組成物全量基準で0質量%を超え、6質量%未満である。
本発明の[A]成分は、分子中にエポキシ基を2個有するエポキシ樹脂であり、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、およびN,N−ジグリシジルアニリン等を挙げることができ、これらの任意の組み合わせであってもよい。
具体的には、YD128、YDF170(新日鉄住金化学(株)製)、jER(登録商標)825(三菱化学(株)製)、2021P(ダイセル(株)製)、GAN(日本化薬(株)製)等を例示することができる。
本発明の樹脂組成物中の[A]成分の量は、75〜95質量%が好ましく、80〜90質量%がより好ましい。当該範囲であれば、樹脂組成物の粘度の点において強化繊維束への含浸性が特に良好で、また、樹脂組成物の硬化物の耐熱性も特に良好となるからである。
本発明の[B]成分は、分子中にエポキシ基を3または4個有する多官能エポキシ樹脂であり、具体的には、エポキシ基を3個有するものとして、jER630(三菱化学(株)製)、また、エポキシ基を4個有するものとして、YH434L(新日鉄住金化学(株)製)等を例示することができる。
本発明の樹脂組成物中の[B]成分の量は、0質量%を超え、6質量%未満であり、2〜5質量%が好ましい。[B]成分を含有しないと樹脂組成物の硬化物の耐熱性が不足するという不具合があり、6質量%以上であると樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて、樹脂組成物の強化繊維束への含浸性が悪化したり、樹脂組成物の硬化物の靭性が低下したりするおそれがある。
本発明の[C]成分は、エポキシ樹脂の硬化剤として働くジシアンジアミドである。
本発明の樹脂組成物中の[C]成分の量は、エポキシ樹脂の硬化性および貯蔵安定性の点で、4.0〜7.0質量%が好ましく、5.0〜6.5質量%がより好ましい。
本発明の[D]成分はウレア系硬化促進剤であり、[C]成分である硬化剤の働きを助ける機能を有する。[D]成分としては尿素誘導体を例示でき、具体的化合物としては、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、および3−(4−イソプロピルフェニル)−1,1−ジメチルウレア等の芳香族ジメチルウレアなどを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物中の[D]成分の量は、エポキシ樹脂の硬化性および貯蔵安定性の点で、0.5〜4.0質量%が好ましく、1.0〜3.5質量%がより好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、[A]および[B]成分以外の樹脂を含有していてもよい。かかる樹脂としては熱可塑性樹脂微粒子、コアシェル型ゴム粒子等が挙げられる。これらの粒子状樹脂を含有させるときは、本発明の樹脂組成物中に分散していることが好ましい。
上記[A]〜[D]成分を含有する本発明の樹脂組成物の、25℃下、角周波数10rad/secにおける複素粘度は、3〜15Pa・sであり、4〜13Pa・sが好ましい。3Pa・s未満であるとトウプリプレグ製造時に、硬化剤や硬化促進剤が沈降分離するおそれがあり、15Pa・sを超えると・トウプリプレグ製造時に強化繊維束への含浸性が悪化するおそれがある。本発明における複素粘度は、粘弾性測定装置、例えば、ARES(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて測定することができる。
また、本発明の樹脂組成物を140℃で2時間加熱処理した後の硬化物のガラス転移温度(Tg)は130℃以上であり、140℃以上が好ましい。130℃未満であると、トウプリプレグとして高圧容器に使用する際、ガス充填時の温度上昇により樹脂が軟化し、容器が破裂するおそれがある。
さらに、本発明の樹脂組成物を140℃で2時間加熱処理した後の硬化物のモードIにおける、25℃下の破壊靱性(KIc)が0.5MPa・m0.5以上であることが好ましく、0.6MPa・m0.5以上がより好ましい。また、1.0MPa・m0.5未満が好ましく、0.9MPa・m0.5未満がより好ましい。当該範囲であれば、トウプリプレグとして圧力容器に使用した際、非常に良好なサイクル性能が得られるからである。ここで、サイクル性能とは、水素ガス等の高圧ガスの充填と放出の繰り返しに対する容器の耐性を示すものであり、当該繰り返し回数が多いほどサイクル性能は良好と判断できる。
次に、本発明の樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の樹脂組成物を製造するための[A]〜[D]成分の配合方法としては、特に制限はなく、常法に従って、各成分を任意の順に混合機に投入して混練することにより配合することができる。混合機としては例えば、ニーダー、プラネタリーミキサー、2軸押出機などを用いができる。なお、混練時の温度は、30〜100℃の範囲で、目的とする本発明の樹脂組成物の粘度に応じて適宜設定すればよい。
なお、保存安定性の観点から、混練後は、速やかに冷蔵・冷凍庫で保管することが好ましい。
つづいて、本発明のトウプリプレグについて説明する。
直径数μm〜数十μm程度の長繊維をフィラメントと呼び、このフィラメントを数百から数万本束にしたものがトウと呼ばれ、トウプリプレグとは、このトウに樹脂を含浸させたものである。
本発明のトウプリプレグは、上記説明した本発明の樹脂組成物がトウである強化繊維束に含浸されているものである。
本発明の強化繊維束に使用する強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維等を使用することができる。高強度、耐衝撃性および耐変形性の点で炭素繊維が好ましい。
炭素繊維を本発明の強化繊維として使用する場合、炭素繊維としてはポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維およびピッチ系炭素繊維のいずれも使用することができる。圧力容器用途に使用する場合は、引張強度に優れたPAN系炭素繊維が好ましく、特に引張弾性率が230〜300GPaの繊維が好ましい。
本発明に使用する場合の炭素繊維の繊度(TEX)としては、500〜2000g/kmが好ましく、800〜1600g/km程度がより好ましい。500g/kmより小さいと、フィラメントワインディングの効率が低下する可能性があり、2000g/kmより大きいと、トウ内部への樹脂の含浸性が低下する可能性がある。
本発明のトウプリプレグは、上記説明した強化繊維束に、本発明の樹脂組成物を含浸させることによって得られる。
本発明のトウプリプレグ中の強化繊維束の含有量は、体積含有率(Vf)として、55〜75体積%が好ましい。より好ましくは60〜70体積%である。当該範囲内であれば、強化繊維束への本発明の樹脂組成物の含浸が良好で、トウプリプレグ中のボイド等の欠陥の発生を好適に抑制できるからである。
従って、トウプリプレグ中の本発明の樹脂組成物の特に好ましい含有量は30〜40体積%である。これを質量%で示すと、強化繊維が炭素繊維の場合、22〜30質量%程度である。
本発明の樹脂組成物をトウに含浸させる方法としては特に制限はないが、含浸量を調節するためトウをエポキシ樹脂組成物のレジンバスに含浸した後、オリフィスを通して付着樹脂量をコントロールする方法、あるいはレジンバスに含浸させた、ドクターブレードを持つ回転ドラム上にトウを通過させて付着樹脂量をコントロールする方法、エポキシ樹脂組成物をトウ上に連続的に供給した後、含浸ロールを用いて該樹脂組成物をトウに含浸させる方法等が好ましく用いられる。また、含浸を容易にするために硬化温度以下で適度に加熱することも好ましく用いられる。具体例として、特開2005−335296に記載のトウプリプレグ製造の第1の方法及び第2の方法を挙げることができる。
このようにして製造されるトウプリプレグは通常、その製造過程の終盤でボビンに巻き取られて保管される。そして、繊維強化複合材等の製造時に、ボビンから解舒されてマンドレル等に供給される。
本発明のトウプリプレグは、耐圧・圧力容器等に適用可能な繊維強化複合材の原料として使用することができる。すなわち、本発明のトウプリプレグを所望により加工したり、他の材料と複合化したりした後、加熱硬化させることによって、高性能な繊維強化複合材を得ることができる。
繊維強化複合材とするための、トウプリプレグの加熱硬化条件に特に限定はなく、[A]および[B]成分のエポキシ樹脂中のエポキシ基が、[C]ジシアンジアミドおよび[D]ウレア系硬化促進剤の作用で架橋反応を起こし、マトリックス樹脂を形成する条件であればよい。例えば、100℃以上150℃以下に加熱することにより、樹脂組成物を硬化せしめる。好ましくは120℃以上140℃以下である。硬化時間は特に限定されるものではないが、1〜4時間程度で硬化する。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.[A]2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
[A]成分として以下のエポキシ樹脂を使用した。
・[A−1];YD−128(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、新日鉄住金化学(株)製)
・[A−2];jER825(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)
・[A−3];YDF−170(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、新日鉄住金化学(株)製)
・[A−4];セロキサイド(登録商標) 2021P(脂環式エポキシ樹脂、(株)ダイセル製)
・[A−5];GAN(N,N−ジグリシジルアニリン、日本化薬(株)製)
2.[B]3または4個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
[B]成分として以下のエポキシ樹脂を使用した。
・[B−1];YH−434L(4官能ポリグリシジルアミン、新日鉄住金化学(株)製)
・[B−2];jER630(3官能エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)
3.[C]ジシアンジアミド
硬化剤としてのジシアンジアミドは、DICY7(三菱化学(株)製)を使用した。
4.[D]ウレア系硬化促進剤
[D]成分として以下のウレア系硬化促進剤を使用した。
・[D−1];DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1ジメチル尿素、保土谷化学工業社製)
・[D−2];U−CAT(登録商標) 3512T(芳香族ジメチルウレア、サンアプロ(株)製)
5.強化繊維束
トウプリプレグ用強化繊維として、炭素繊維束(トウ)のトレカ(登録商標)T800SC-24000(東レ(株)製)を使用した。
実施例1;トウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物の調製および評価
表1に示す組成のトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物を調製し、当該樹脂組成物およびその硬化物の各物性を測定した。なお、以後、樹脂組成物と称したときは、特に断らない限りトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物を指すものとする。
(1)複素粘度
樹脂組成物の複素粘度は、粘弾性測定装置(ARES、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)により、25℃下、角周波数10rad/secにて測定した。
(2)硬化物の樹脂弾性率
調製した樹脂組成物を140℃で2時間加熱処理して硬化させた後、硬化物の樹脂弾性率を、万能材料試験機(5582型、インストロン社製)を用い、JIS K7162に準拠して測定した。
試験片形状;1B試験片
試験温度;23℃
試験速度;1mm/分による引張試験
(3)硬化物のガラス転移温度(Tg)
調製した樹脂組成物を140℃で2時間加熱処理して硬化させた後、硬化物のTgを示差走査熱量計(X−DSC7000、(株)日立ハイテクサイエンス製)を用い、窒素雰囲気下、スタート温度25℃、昇温速度20℃/分の条件で測定した。
(4)硬化物のモードIにおける破壊靱性(KIc)
調製した樹脂組成物を140℃で2時間加熱処理して硬化させた後、硬化物のモードIにおける、25℃下の破壊靱性(KIc)を、万能材料試験機(5582型、インストロン社製)を用い、ASTM D5045に準拠して測定した。
試験片形状:60×12×5mm
試験温度;23℃
試験速度;1mm/分による引張試験
(実施例1−1)
[A]成分として[A−1]108g、[A−3]440g、[B]成分として[B−1]12g、[C]成分DICY7を36g、および[D]成分として[D−1]18g、以上をプラネタリーミキサーにて混合し、温度40℃、減圧下(約0.01MPa)、1時間撹拌し、樹脂組成物を調製した。
つづいて、当該樹脂組成物の複素粘度を上記に従って測定した。さらに、樹脂組成物を140℃で2時間加熱処理して硬化させた硬化物の樹脂弾性率、およびKIcを上記に従って測定した。
樹脂組成物の組成および各測定結果を表1に示す。
(実施例1−2〜1−8)
[A]〜[D]の各成分を表1に示した組成とした以外は実施例1−1と同様にして各実施例の樹脂組成物を調製し、複素粘度を測定した。また、実施例1−1と同様にして硬化物を得て各物性を測定した。
各樹脂組成物の組成および各測定結果を表1に示す。
(比較例1)
[A]〜[D]の各成分の内、[B]成分を使用せず、その他の成分を表1に示した組成とした以外は実施例1−1と同様にして各実施例の樹脂組成物を調製し、複素粘度を測定した。また、実施例1−1と同様にして硬化物を得て各物性を測定した。
比較例1の樹脂組成物の組成および測定結果を表1に示す。
Figure 0006523016
実施例2;トウプリプレグの調製および評価
実施例1で調製した樹脂組成物とトレカT800SC−24000(以後、単にトウと称する)とを、特開2005−335296記載のトウプリプレグ製造の第1の方法に準拠して複合化し、トウプリプレグを調製した。具体的には、図1に示す各装置及び方法により以下のように調製した。
トウ11を繰出し部10に、調製した樹脂組成物をタンク22に充填し、トウ11をクリール12及びガイドローラ13を介して樹脂含浸部20に繰出した。樹脂含浸部20において、トウ11を予熱プーリー21aに通し、所定温度まで加熱すると同時にトウ11の断面を扁平な形状として走行させた。次に、熱プーリー21b上で、ギヤポンプ23により第1の扁平ノズル24aから樹脂組成物をトウ11の一方の面に供給した。続いて、予熱プーリー21cでトウ11を反転させ、熱プーリー21d上で、第2の扁平ノズル24bから樹脂組成物をトウ11の他方の面に供給した。
次に、ニップロール25を通過させて樹脂組成物をトウ11に均一に含浸させ、さらに、一定速度で回転する多段式フィードローラ部30を通過させ、巻取り部40においてトウプリプレグ41として巻き取った。
このとき、樹脂組成物含浸時のトウ11の糸速は25m/分とした。また、樹脂組成物の供給量は10.6g/分(第1の扁平ノズル24a及び第2の扁平ノズル24bからの供給量を、同一の5.3g/分とした)とし、トウプリプレグ中の樹脂含有量がほぼ29質量%となるように、繰り出し部10からのトウ11の繰り出し量を制御した。
以上のようにして調製したトウプリプレグを、140℃で4時間加熱処理して硬化させて以下の物性を測定した。
(5)ガラス転移温度(Tg)
トウプリプレグ硬化物のTgを上記示差走査熱量計(X−DSC7000)によって、窒素雰囲気下、スタート温度25℃、昇温速度20℃/分の条件で測定した。
(6)ストランド引張強度
トウプリプレグ硬化物を長さ310mmの試験片とし、試験片の両端55mmずつをタブに接着して把持部とし、試験片有効長を200mmに調整した。当該試験片を用いてJIS-R7608試験法に準拠して、上記インストロン社製の万能材料試験機5582型によりストランド引張強度を測定した。
(実施例2−1)
実施例1−1の樹脂組成物とトウ(トレカT800SC−24000)とを、上記説明した複合化方法によって、トウプリプレグ中の樹脂含有量が29質量%となるように複合化させてトウプリプレグを調製した。調製したトウプリプレグを140℃で4時間加熱処理して硬化させた後、硬化物のTgおよびストランド引張強度を上記に従って測定した。
各測定結果を表2に示す。
(実施例2−2〜2−8、比較例2)
樹脂組成物を表1に示すものとした以外は、実施例2−1と同様にして各実施例および比較例2のトウプリプレグを調製し、実施例2−1と同様にして硬化物を得て各物性を測定した。
各測定結果を表2に示す。
Figure 0006523016
表2から明らかなように、本発明のトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物とトウとを複合化させた本発明のトウプリプレグは、その硬化物のTgが高く、耐熱性に優れている。さらに、各実施例の樹脂組成物の複素粘度が表1に示したようにトウへの含浸性に至適な範囲であるので、高いストランド引張強度を達成している。すなわち、各実施例に係る樹脂組成物及びトウプリプレグは、比較例に比して耐熱性と耐衝撃性を高度に両立することができる。
本発明のトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物およびトウプリプレグは、繊維強化複合材料としたときの耐衝撃性、耐変形性および耐熱性が高く、水素ガスなどを充填する高圧力容器に好適に使用することができる。また、軽量かつ強靭で、さらに耐熱性にも優れるので、スポーツ用品、自動車・航空機、土木材料等々、広範な分野の構造材料として利用可能である。
10:繰出し部
11:トウ
12:クリール
13:ガイドローラ
20:樹脂含浸部
21a,21c:予熱プーリー
21b,21d:熱プーリー
22:タンク
23:ギヤポンプ
24a:第1の扁平ノズル
24b:第2の扁平ノズル
25:ニップロール
30:多段式フィードローラ部
40:巻取り部
41:トウプリプレグ

Claims (3)

  1. [A]ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、および脂環式エポキシ樹脂から選択される1種以上の、2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、[B]4個のエポキシ基を有する4官能ポリグリシジルアミン、[C]ジシアンジアミド、および[D]ウレア系硬化促進剤を含み、
    前記[A]成分が、前記[A]〜[D]成分を含む組成物全量基準で75〜95質量%であり、
    前記[B]成分が、前記[A]〜[D]成分を含む組成物全量基準で0質量%を超え、2.1質量%以下であり、
    該組成物の25℃下、角周波数10rad/secでの複素粘度が3〜15Pa・sであり、
    該組成物を140℃で2時間加熱処理した後の硬化物のガラス転移温度が130℃以上である、
    トウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記硬化物のモードIにおける、25℃下の破壊靱性(KIc)が0.5MPa・m0.5以上である請求項1に記載のトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のトウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物が、強化繊維束に含浸されてなるトウプリプレグ。
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