JPS6329687B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6329687B2
JPS6329687B2 JP56028774A JP2877481A JPS6329687B2 JP S6329687 B2 JPS6329687 B2 JP S6329687B2 JP 56028774 A JP56028774 A JP 56028774A JP 2877481 A JP2877481 A JP 2877481A JP S6329687 B2 JPS6329687 B2 JP S6329687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diol
polyurethane
chain
alicyclic organic
diamine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP56028774A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS57143318A (en
Inventor
Koji Hirai
Kenji Shirono
Kazuo Hara
Takayuki Okamura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP56028774A priority Critical patent/JPS57143318A/ja
Publication of JPS57143318A publication Critical patent/JPS57143318A/ja
Publication of JPS6329687B2 publication Critical patent/JPS6329687B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Coloring (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は人造皮革として用いられた場合に性能
の優れた人造皮革を提供し得るポリウレタン組成
物に関する。さらに詳しくは、本発明は含金属錯
塩染料、酸性染料、反応性染料等によつて容易に
染色され、かつ優れた染色堅牢性および極めて優
れた染料移行防止性を有し、さらに耐溶剤性、耐
熱性、耐水性、耐光劣化性を有し、かつ強伸度、
低伸長応力などの物理的性質に優れた、すなわち
人造皮革として、あるいは人造皮革を製造する際
に要求される諸性能を高度にもつたポリウレタン
およびその有機溶剤からなるポリウレタン組成物
に関する。 ポリウレタンは機械的強度、耐摩耗性および柔
軟性に優れているため、従来より人造皮革用とし
て、すなわち繊維シートに含有させる樹脂として
あるいはその上に塗布する表面被覆層用樹脂とし
て用いられている。そして、人造皮革用樹脂とし
てより適したポリウレタンを得るために、すなわ
ち人造皮革としての要求性能である耐熱劣化性、
耐屈曲性、染色性、染色堅牢性、ポリマー溶液安
定性などを改良する試みが従来から数多くなされ
ており、個々の要求性能を改良する方法が種々提
案されている。しかしながら、従来の試みはいず
れも改良の程度が今一歩であつたり、また目的と
する特定の要求性能に関しては満足できるもので
あつてもその反面他の要求性能を著しく悪化させ
るような結果となるものであつたりして、満足で
きるものではなかつた。 また、人造皮革用のポリウレタンとしての要求
性能は、その人造皮革の用途によつて違つたもの
になる。一般的には、多くの要求性能を高度に併
せもつたポリウレタンが望しいわけであるが、消
費者により満足を与える人造皮革を提供するため
には、人造皮革の種々の用途に各々適合した要求
性能をもつようなポリウレタンをきめこまかく製
造することが望しいことになる。 本発明は人造皮革用ポリウレタンに関するもの
ではあるが、特に衣料用、靴用に好適な人造皮革
のためのポリウレタンに関するものである。この
場合、すぐれた染色性、染色堅牢性の必要性、強
伸度低伸長時応力など物的性質の要求などは当然
として、高度の耐溶剤性、耐熱性、耐水性などが
重要となつてくる。何故ならば、衣料用の場合ア
イロンがけ、ドライクリーニングなどに対して安
定でなければ困るし、靴用の場合には製靴時、高
温処理、溶剤スプレー処理などの工程があり、い
ずれの場合も耐溶剤性、耐熱性(熱軟化温度の高
いこと)が特に重要な要求性能となつてくる。耐
水性については、衣料、靴の着用時の問題を考慮
すれば大切な要求性能であることは自明である。 一般にポリウレタンはポリエステル系またはポ
リエーテル系の高分子ジオールを有機ジイソシア
ネートおよび鎖伸長剤である活性水素化合物と反
応させることにより得られるものであるが、たと
えば有機ジイソシアネートとして芳香族有機ジイ
ソシアネートを用いると得られるポリウレタンは
耐光劣化性に劣り、具体的には光照射による黄
変、強伸度低下を来たすことが知られている。芳
香族有機ジイソシアネートに代えて脂肪族有機ジ
イソシアネートを用いることにより耐光劣化性は
改善される。しかしながら、この改善される程度
は、高分子ジオールとしてポリエステル系のもの
を使用した場合にはかなり大きいが、ポリエーテ
ル系のものを使用した場合には耐光劣化性のうち
光照射による黄変をかなり防ぐことが可能ではあ
るが、もう一方の強伸度低下を防ぐことは困難で
ある。 またヒドラジンを鎖伸長剤として使用したポリ
ウレタンは一般に耐光性に優れたものであること
が知られている。しかしながら、このポリウレタ
ンは耐溶剤性、耐水性に劣り、さらに熱軟化温度
が低く、ポリマー溶液安定性や強伸度、低伸長応
力などの物理的性質に劣り、具体的には、このポ
リウレタンを使用した人造皮革は、アイロンが
け、ドライクリーニングなどに耐え難く、また染
色中あるいは熱水処理中にポリマーの白化や強度
低下を来たしたり、あるいはポリウレタンを繊維
シートに含浸または塗布するために調整したポリ
ウレタン溶液または有機溶媒中で重合させて得た
ポリウレタン溶液の経時的な粘度増加やゲル化を
起こして一定品質の人造皮革を得ることができな
かつたりする。特にヒドラジンと共に有機ジイソ
シアネートとして脂肪族有機ジイソシアネートあ
るいは脂環族有機ジイソシアネートを用いた場合
には、これらの欠点がより拡大する。 また人造皮革用ポリウレタンエラストマーの重
要な要求性能として染色性、特に酸性染料や含金
属錯塩染料や反応性染料に対する染色性があげら
れる。一般にポリウレタンはある種の染料を比較
的吸収するが、その程度も十分でなく、濃厚な染
色が困難であり、その上熱水による洗浄や洗剤に
よる洗濯によつて容易に染料を離脱したり、染料
の移動が激しいため染料がポリウレタンから他の
ポリマーに移行したり、さらに日光に暴露された
り加熱されたりすると著しく退色するなどの致命
的欠点を有している。たとえば、一般に有機ジイ
ソシアネートとして芳香族有機ジイソシアネート
を用いた場合には、得られるポリウレタンは上記
染料に対する染色性が悪く、一方脂肪族有機ジイ
ソシアネートまたは脂環族有機ジイソシアネート
を用いた場合には染色性がより良好ではある。し
かしながら、この脂肪族有機ジイソシアネートま
たは脂環族有機ジイソシアネートを用いたポリウ
レタンもまだ実用面からは染色性は不足であり、
かつ一般に染色物の耐光堅牢度が悪く、実用上は
なお多くの問題が残されている。 本発明者らは、前述した、特に衣料用、靴用人
造皮革としての要求性能を高度に満足し、特に染
色性および染色堅牢性に優れ、かつ染料移行防止
性に優れたポリウレタンについて研究を行なつた
結果、本発明に到達した。本発明は周知の化合物
の中から特定の化合物を選び出し、かつこれらを
特定の割合で使用して合成したポリウレタンおよ
びそれの有機溶剤からなる組成物であつて、本発
明により得られる効果は、個々の原料を独立して
使用した場合に得られる結果からは全く予想する
ことができないものである。 すなわち本発明は、(a)平均分子量が300〜5000
の範囲にある高分子ジオール、(b)脂環族有機ジイ
ソシアネート、(c)ヒドラジン、および(d)脂環族有
機ジアミンから合成され、かつ下記の条件(),
(),()および()、 () 該高分子ジオールが、ポリオキシエチレン
鎖を含んでいるジオールであるか、あるいはポ
リオキシエチレン鎖を含むジオールと含まない
ジオールとの混合ジオールであるかのいずれか
であり、かつ該高分子ジオール中におけるポリ
オキシエチレン鎖の割合が全高分子ジオールに
対して5〜50重量%であること、 () 該脂環族有機ジイソシアネートがイソホロ
ンジイソシアネートであるか、または該脂環族
有機ジアミンがイソホロンジアミンであるか、
あるいは該脂環族有機ジイソシアネートがイソ
ホロンジイソシアネートであり該脂環族有機ジ
アミンがイソホロンジアミンであるかのいずれ
かであること、 () 該高分子ジオールに対する該ヒドラジンと
該脂環族有機ジアミンの合計量の割合がモル比
で0.5〜4.0であること、 () 該ヒドラジンに対する該脂環族有機ジアミ
ンの割合がモル比で5.0〜20であること、 を全て満たすポリウレタンならびにこのポリウレ
タンの有機溶剤からなる人造皮革用ポリウレタン
組成物であり、このポリウレタンは、驚くべきこ
とに染色性、染色堅牢性および染料移行防止性に
特に優れ、それ以外にも耐溶剤性、耐熱性、耐水
性、さらには強伸度、低伸長時応力などの物理的
性質、耐光劣化性、ポリマー溶液安定性、耐屈曲
性などのいずれの点においても極めて優れてい
る。なお、イソホロンジイソシアネートとは3―
イソシアネートメチル―3,5,5―トリメチル
シクロヘキシルイソシアネートの通称であり、ま
たイソホロンジアミンとは1―アミノ―3―アミ
ノメチル―3,5,5―トリメチルシクロヘキサ
ンの通称である。 以下に本発明の個々の構成要件について具体的
に説明する。 本発明のポリウレタン組成物を合成するために
用いられる原料の一成分である高分子ジオール
は、前述したように、ポリオキシエチレン鎖を含
んでいるジオールであるから、あるいはポリオキ
シエチレン鎖を含むジオールと含まないジオール
との混合ジオールであるかのいずれかであり、か
つ該高分子ジオール中におけるポリオキシエチレ
ン鎖の割合が全高分子ジオールに対して5〜50重
量%であり、かつ平均分子量が300〜5000の範囲
にあるジオールである。 本発明では、高分子ジオールとしてポリエステ
ルグリコール類、ポリオキシテトラメチレングリ
コール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ
アセタールグリコール、ポリブタジエングリコー
ルなどの一般の高分子ジオールから選ばれる少く
とも1種のジオールとポリオキシエチレングリコ
ールとを併用することが得られるポリウレタンの
性能および原料の入手し易すさの点において好ま
しいが、これ以外にエチレンオキサイド構造単位
を有する共重合ジオールであつてもよい。 高分子ジオールとしてポリオキシエチレングリ
コールと他のジオールとを併用する場合には、ポ
リオキシエチレングリコールの平均分子量は500
ないし5000の範囲内が得られるポリウレタンの染
色性、染色堅牢性、染料移行防止性および物理的
性質等の点で好ましく、特に約1000ないし2000の
範囲内が好ましい。ポリオキシエチレン鎖を有す
る共重合ジオールを用いる場合にも、共重合ジオ
ール中におけるポリオキシエチレン鎖部分の平均
分子量は500ないし5000の範囲内が同様の理由に
より好ましく、特に約1000ないし2000の範囲内が
好ましい。 本発明においては、この共重合ジオールを単独
で用いてもよいし、ポリオキシエチレン鎖を有し
ない高分子ジオールと混合して用いてもよいし、
さらにそれぞれポリオキシエチレン鎖を有してい
る2種以上の共重合ジオールを混合して使用して
もよい。ポリオキシエチレン鎖を有する共重合ジ
オールとしては、ポリ(オキシプロピレン)ポリ
(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシエ
チレン)ポリカプロラクトンブロツク共重合ジオ
ールなどが挙げられる。 本発明により得られるポリウレタンは、耐光劣
化性、耐酸化劣化性において人造皮革用として十
分実用に耐え得るものであるが、より一層耐光劣
化性、耐酸化劣化性に優れたポリウレタンを必要
とする場合には、高分子ジオールとして、ポリエ
ステル連鎖およびポリカーボネート連鎖からなる
群から選ばれる少くとも1種の連鎖(以下連鎖A
と称す)を主体とするジオールとポリオキシエチ
レン鎖を含んでいるジオールとを主体とする混合
ジオールであるか、あるいは同一分子中に連鎖A
とポリオキシエチレン鎖を主成分として有してい
るブロツク共重合体ジオールであるかのいずれか
であり、かつ該高分子ジオール中におけるポリオ
キシエチレン鎖の割合が全高分子ジオールに対し
て5〜50重量%であり、さらに平均分子量が300
〜5000の範囲にあるジオールを用いるのが好まし
い。なお、ポリカーボネート連鎖とは
【式】で表わされる基であり、ま たポリオキシエチレン鎖とは(―CH2CH2―O)―q
で表わされる基である(但し、p,qは重合度を
表わし、Rは2価の炭化水素基を表わす)。 連鎖Aを有している高分子ジオールを用いる場
合、高分子ジオールとして、具体的にポリエチレ
ンアジベントグリコール、ポリエチレンプロレン
アジペートグリコール、ポリカプロラクトングリ
コールなどのポリエステルグリコール類、および
ポリカーボネートグリコールからなる群から選ば
れる少くとも1種のジオールとポリエチレングリ
コールとを併用することが得られるポリウレタン
の性能および原料の入手し易すさの点で好ましい
が、これ以外に前述の連鎖Aとポリオキシエチレ
ン鎖がブロツク共重合しているジオールであつて
もよい。さらに連鎖Aを主成分とするブロツク共
重合体ジオールとポリオキシエチレングリコール
とを併用する場合であつても、また連鎖Aを主成
分とするブロツク共重合体ジオールとポリオキシ
エチレン鎖が含まれているブロツク共重合体ジオ
ールとを併用する場合であつても、あるいはポリ
カーボネートグリコールなどとポリオキシエチレ
ン鎖が含まれているブロツク共重合体ジオールと
を併用する場合であつてもよい。 また本発明において、ポリオキシエチレン鎖が
全高分子ジオール中に占める割合が〜50重量%で
なければならない。5重量%未満の場合には、染
色性、染色堅牢性および染料移行防止性に関して
本発明が目的とする効果が十分に得られず、逆に
50重量%を越える場合には得られるポリウレタン
が水に膨潤し易すくなり、湿潤時の強度が大きく
低下するとともに、耐光劣化性、耐酸化劣化性も
低下し、さらにポリウレタンの強伸度などの機械
的性質も不良となる。 連鎖Aとしてポリカーボネート連鎖を採用する
場合には、前述の一般式
【式】に おいて、Rが―CH2CH2CH2CH2CH2CH2―であ
るポリカーボネート連鎖を用いるのが最も好まし
い。 また本発明に用いられる脂環族有機ジアミンと
しては、イソホロンジアミン、4,4′―ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン、4,4′―ジアミノ―
3,3′―ジメチルシクロヘキシルメタン、シクロ
ヘキシレンジアミン等が挙げられる。 また本発明に用いられる脂環族有機ジイソシア
ネートとしては、イソホロンジイソシアネート、
ジシクロヘキシルメタン―4,4′―ジイソシアネ
ート、イソプロピリデンシクロヘキサンジイソシ
アネート等が挙げられる。 脂環族有機ジイソシアネートまたは脂環族有機
ジアミンに代えて、脂肪族系のものを用いた場合
には、得られるポリウレタンは機械的性質、耐熱
性および耐水性の点で著しく劣つたものとなり、
また芳香族系のものを用いた場合には、耐光劣化
性の点で著しく劣つたものとなる。 本発明において、前述したように、脂環族有機
ジイソシアネートがイソホロンジイソシアネート
であるか、あるいは脂環族有機ジアミンがイソホ
ロンジアミンであるか、あるいは脂環族有機ジイ
ソシアネートがイソホロンジイソシアネートであ
り脂環族有機ジアミンがイソホロンジアミンであ
るかのいずれかである必要がある。特に脂環族有
機ジイソシアネートがイソホロンジイソシアネー
トであり、かつ脂環族有機ジアミンがイソホロン
ジアミンである場合に最も優れた結果が得られ
る。脂環族有機ジイソシアネートがイソホロンジ
イソシアネート以外のものであり、かつ脂環族有
機ジアミンがイソホロンジアミン以外のものであ
る場合には、得られるポリウレタンは溶剤中での
溶液安定性が悪く、経時的に増粘したり、ゲル化
現象を起こしたりする他に、ポリウレタン自体も
強伸度などの機械的性質および耐熱性においても
劣つたものとなる。 なお、本発明において、脂環族有機ジイソシア
ネート、脂環族有機ジアミンのいずれか一方、ま
たは両方がイソホロン系のものであることが必須
であるが、全量がイソホロン系のものでなくても
よい。すなわち少量ならばイソホロン系以外の脂
環族系、脂肪族系あるいは芳香族系の有機ジイソ
シアネートやイソホロンジアミン以外の有機活性
水素化合物に置き換えることもできる。しかしな
がら、これらイソホロン系以外のもの、特に脂肪
族系または芳香族系のものの量が多くなるに従つ
て、要求性能のいずれかが悪化していく。したが
つて、本発明において最も好ましい場合は、脂環
族有機ジイソシアネート、脂環族有機ジアミンの
いずれか一方、または両方が全量イソホロン系で
ある場合である。イソホロンジイソシアネートの
一部を止むなく他のものに置き換える場合には、
その量はイソホロンジイソシアネートの15モル%
以内であることが好ましく、またイソホロンジア
ミンの一部を他のものに置き換える場合には、そ
の量はイソホロンジアミンおよびヒドラジンの合
計量の15モル%以内であることが好ましい。 また本発明において、脂環族有機ジイソシアネ
ートとしてイソホロンジイソシアネートを用いる
場合には有機ジアミンとして脂環族有機ジアミン
を、また脂環族有機ジアミンとしてイソホロンジ
アミンを用いる場合には有有機ジイソシアネート
として脂環族有機ジイソシアネートを用いなけれ
ばならないが、この脂環族有機ジイソシアネート
や脂環族有機ジアミンについても全量が脂環族系
のものでなくてもよい。すなわち、少量ならば脂
肪族系あるいは芳香族系の有機ジイソシアネート
や脂環族有機ジアミン以外の有機活性水素化合物
に置き換えることもできる。しかしながら、これ
らの量が多くなるに従つて要求性能のいずれかが
悪化していく。したがつて本発明において芳香族
系または脂肪族系等の脂環族系以外の有機ジアミ
ンまたは有機ジイソシアネートを一切用いない場
合が最も好ましい。脂環族有機ジイソシアネート
の一部を止むなく他のものに置き換える場合に
は、その量は脂環族有機ジイソシアネートの15モ
ル%以内であることが好ましく、また脂環族有機
ジアミンの一部を止むなく他のものに置き換える
場合には、その量は脂環族有機ジアミンおよびヒ
ドラジンの合計量の15モル%以内であることが好
ましい。なお、有機活性水素化合物とは、水酸基
またはアミノ基を2個有する低分子有機化合物の
ことであり、ポリウレタンの鎖伸長剤として用い
られている化合物のことである。 また本発明において、鎖伸長剤として脂環族有
機ジアミンとヒドラジンを併用、あるいはイソホ
ロンジアミンとヒドラジンを併用しなければなら
ない。ヒドラジンの使用量は、脂環族有機ジアミ
ンまたはイソホロンジアミンの量に対してモル比
で0.05〜0.20の範囲である。なお、ここで言う脂
環族有機ジアミンまたはイソホロンジアミンの量
とは、これら化合物単独の量を意味しており、し
たがつて脂環族有機ジアミンまたはイソホロンジ
アミンの少量を他の活性水素化合物に置き換える
場合には、それらの活性水素化合物の量を含まな
い値である。ヒドラジンの使用量が前記0.05より
少ない場合には、得られるポリウレタンの染色物
の耐候堅牢度が激しく低下すると共に、耐光劣化
性および耐酸化劣化性が著しく低下して強伸度の
低下を招く。逆にヒドラジンの使用量が前記0.20
を越える場合には、得られるポリウレタンの耐溶
剤性が低下する。なお本発明で用いられるヒドラ
ジンは水和物の形であつてもよい。 次に本発明において、高分子ジオールに対する
ヒドラジンと脂環族有機ジアミンの合計量あるい
はヒドラジンとイソホロンジアミンの合計量は、
モル比で0.5〜4.0の範囲内である必要がある。な
お、ここで言うヒドラジンと脂環族有機ジアミン
の合計量またはヒドラジンとイソホロンジアミン
の合計量とは、鎖伸長剤として用いられる活性水
素化合物の合計量を意味しており、従つて脂環族
有機ジアミンの少量をそれ以外の化合物に置き換
えた場合や、イソホロンジアミンの少量をそれ以
外の化合物に置き換えた場合には、それらの化合
物をも含めた値である。高分子ジオールに対する
ヒドラジンと脂環族有機ジアミンの合計量あるい
はヒドラジンとイソホロンジアミンの合計量が前
記の範囲より少ない場合には、得られるポリウレ
タンは、軟化温度が低く、さらに柔軟性が過度に
大きく、人造皮革として実用できる程度の硬さを
有さず、逆に前記の範囲より大きい場合には、得
られるポリウレタンは十分な強伸度を有さず、耐
屈曲性が悪くなる。 本発明のポリウレタン組成物を構成する溶剤と
しては、前記ポリウレタンを溶解するものであ
り、特に水と混和性を有する有機溶剤が好まし
い。有機溶剤が水と混和性を有しないものである
場合には、人造皮革の製造工程におけるポリウレ
タンの凝固方法として湿式凝固を採用することが
難しく、しかも良好な人造皮革を得ることが難し
くなる。ただし、本発明のポリウレタン組成物を
人造皮革の表面仕上げ剤として用い、かつこのポ
リウレタンを乾式凝固により製膜する場合には、
有機溶剤は水と混和性を有しないものであつても
よい。本発明で採用される有機溶剤としては、た
とえばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
サイド、アセトン、メチルエチルケトン、トルエ
ン、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、
テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メチルセロソ
ルブ、酢酸セロソルブなどが単独または混合物と
して使用し得る。なかでもジメチルホルムアミド
がコスト的および湿式凝固性の点で有利である。
ポリウレタン溶液を人造皮革に用いる場合の溶液
中のポリウレタン濃度は通常3〜40重量%の範囲
であり、本発明の組成物についても、ポリウレタ
ン濃度がこの範囲となるような組成物であること
が好ましい。 次に本発明のポリウレタン組成物の代表的な製
造法について説明する。まず高分子ジオールとこ
の高分子ジオールの末端水酸基に対して過剰量の
前記脂環族有機ジイソシアネートとを窒素雰囲気
下に50〜130℃に加熱撹拌し、末端にイソシアネ
ート基を有するプレポリマーを得る。得られたプ
レポリマーを前記の溶媒に溶解し、室温付近の温
度条件下にヒドラジンおよび脂環族有機ジアミン
により鎖伸長してポリウレタン溶液を得る。必要
に応じて、このポリウレタン溶液に有機溶剤を追
加するかまたは有機溶剤の一部を除去してポリウ
レタン濃度を調製して本発明のポリウレタン組成
物を得る。以上の方法以外にも、本発明のポリウ
レタン組成物を得る方法は種々あり、本発明は上
記の方法に限定されるものではない。 なお本発明において、得られるポリウレタンの
染色性をさらに向上させるために、3級窒素を含
む化合物、例えばN―メチルアミノビスプロピル
アミン、N―メチルジエタノールアミン、N―イ
ソブチルジエタノールアミン、1,4―ビスアミ
ノプロピルピペラジン等を鎖伸長剤の一部として
使用してもよい。しかしながら、これら3級窒素
を含む化合物の量が多くなるに従つて染色性以外
の要求性能が低下することなるので、3級窒素を
含む化合物の量は鎖伸長剤全量の15モル%以内程
度に押えるのが好ましい。 さらに、本発明のポリウレタン組成物は、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、防燃剤、そ
の他各種添加剤や充填剤を含んでいてもよい。 次に、本発明のポリウレタン組成物を使用して
人造皮革を製造する方法の一例を示す。 不織布、織布、編布あるいはこれらの積層物等
で代表される繊維シートに該ポリウレタン組成物
を含浸した後、湿式凝固あるいは乾式凝固するこ
とにより有機溶剤を除去し、乾燥し、含浸シート
を得る。この含浸シートを染色、バフイングする
ことによりスエード調の人造皮革が得られる。ま
た、高分子弾性体溶液を含浸した繊維シートに、
必要により高分子弾性体を凝固させたのち、該ポ
リウレタン組成物を塗布し、湿式凝固して表面被
膜層を付与することにより銀面層付人造皮革が得
られる。さらに、予め該ポリウレタン組成物の乾
式または湿式フイルムを形成しておき、このフイ
ルムを繊維シートまたは含浸シート表面に貼り付
けることにより銀面層付人造皮革を得ることもで
きる。また高分子弾性体を含有していない繊維シ
ートの表面に該ポリウレタン組成物をコートし、
湿式または乾式凝固させることによつても銀面層
付人造皮革が得られる。 本発明のポリウレタン組成物を使用して得られ
る人造皮革は、前述した様な要求性能の全てを高
度に併せ持つており、このような人造皮革は、衣
料用、靴用、鞄用、インテリヤ用、スポーツ用品
用、その他多くの分野に適している。 以下実施例により本発明を具体的に説明する。
なお実施例中、特にことわりがない限り、熱水処
理とは90℃の熱水中に300時間浸漬した場合の値
であり、フエードメーター処理とは63℃雰囲気下
で紫外線照射を100時間行なつた場合の値であり、
熱劣化処理とは100℃雰囲気下に300時間放置した
場合の値であり、染色性は染料としてLanasyn
Green 5GLおよびIr.Yellow 2RLを併用して染
色した場合の結果を意味している。また実施例に
おいて、得られたポリウレタンが本発明の目的と
する人造皮革として要求される性能を有している
か否かを総合的に評価し、非常に優れたものであ
る場合には〇、そうでない場合には×をもつて示
した。さらに実施例中で使用したポリウレタンの
原料はすべて略号を用いて示したが、略号と化合
物の関係は以下の通りである。
【表】
【表】 実施例1,2および比較例1,2 第1表に示した試薬を用いポリウレタンエラス
トマーを製造した。すなわち、高分子ジオールと
有機ジイソシアネートの一定量を窒素下60〜120
℃で5〜10時間撹拌して反応させた。得られたプ
レポリマーをジメチルホルムアミド(以下DMF
と略す)に25重量%濃度となるように溶解させ
た。次に所定量の鎖伸長剤をDMFに溶解したの
ち、この溶液を前述のプレポリマー溶液に添加
し、30℃窒素下で2〜5時間撹拌して反応させて
ポリウレタンエラストマーのDMF溶液を得た。
この溶液のポリウレタン濃度を10重量%に調製し
たのち、この液をガラス板上に流延し、乾燥し
て、厚さ50μの乾式皮膜を得た。この乾燥皮膜を
種々物性試験に供した。結果を第2表に示す。
【表】
【表】 実施例3〜5、比較例3,4 第3表に記載の試薬を用い、実施例1と同様に
してポリウレタンエラストマー溶液を得て、この
溶液から乾式皮膜を作製した。その物性を第4表
に示す。
【表】
【表】
【表】 実施例6,7、比較例5,6 第5表に記載の試薬を用い、実施例1と同様に
して、ポリウレタンエラストマー溶液を得て、こ
の溶液から乾式皮膜を作製した。その物性を第6
表に示す。
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a)平均分子量が300〜5000の範囲にある高分
    子ジオール、(b)脂環族有機ジイソシアネート、(c)
    ヒドラジン、および(d)脂環族有機ジアミンから合
    成され、かつ下記の条件(),(),()およ
    び()、 () 該高分子ジオールが、ボリオキシエチレン
    鎖を含んでいるジオールであるか、あるいはポ
    リオキシエチレン鎖を含むジオールと含まない
    ジオールとの混合ジオールであるかのいずれか
    であり、かつ該高分子ジオール中におけるポリ
    オキシエチレン鎖の割合が全高分子ジオールに
    対して5〜50重量%であること、 () 該脂環族有機ジイソシアネートがイソホロ
    ンジイソシアネートであるか、または該脂環族
    有機ジアミンがイソホロンジアミンであるか、
    あるいは該脂環族有機ジイソシアネートがイソ
    ホロンジイソシアネートであり該脂環族有機ジ
    アミンがイソホロンジアミンであるかのいずれ
    かであること、 () 該高分子ジオールに対する該ヒドラジンと
    該脂環族有機ジアミンの合計量の割合がモル比
    で0.5〜4.0であること、 () 該ヒドラジンに対する該脂環族有機ジアミ
    ンの割合がモル比で5.0〜20であること、 を全て満たすポリウレタンならびにこのポリウレ
    タンの有機溶剤からなる人造皮革用に適したポリ
    ウレタン組成物。 2 高分子ジオールが、ポリエステル連鎖および
    ポリカーボネート連鎖からなる群から選ばれる少
    くとも1種の連鎖(以下連鎖Aと称す)を主体と
    するジオールとポリオキシエチレン鎖を含有して
    いるジオールとを主体とする混合ジオールである
    か、あるいは同一分子中に連鎖Aとポリオキシエ
    チレン鎖を主成分として有しているブロツク共重
    合体ジオールであるかのいずれかであり、かつ該
    高分子ジオール中におけるポリオキシエチレン鎖
    の割合が全高分子ジオールに対して5〜50重量%
    である特許請求の範囲第1項記載のポリウレタン
    組成物。
JP56028774A 1981-02-27 1981-02-27 Polyurethane composition suitable for artificial leather Granted JPS57143318A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP56028774A JPS57143318A (en) 1981-02-27 1981-02-27 Polyurethane composition suitable for artificial leather

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP56028774A JPS57143318A (en) 1981-02-27 1981-02-27 Polyurethane composition suitable for artificial leather

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS57143318A JPS57143318A (en) 1982-09-04
JPS6329687B2 true JPS6329687B2 (ja) 1988-06-15

Family

ID=12257749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP56028774A Granted JPS57143318A (en) 1981-02-27 1981-02-27 Polyurethane composition suitable for artificial leather

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS57143318A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0796601B2 (ja) * 1987-02-24 1995-10-18 三菱化学株式会社 非多孔性フイルム
JP2706739B2 (ja) * 1990-02-14 1998-01-28 三洋化成工業 株式会社 柔軟な乾式合成皮革用ウレタン樹脂溶液組成物
JP2576906Y2 (ja) * 1991-03-19 1998-07-23 コニカ株式会社 ソータ

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56145948A (en) * 1980-04-15 1981-11-13 Kuraray Co Ltd Polyurethane composition suitable for synthetic leather

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56145948A (en) * 1980-04-15 1981-11-13 Kuraray Co Ltd Polyurethane composition suitable for synthetic leather

Also Published As

Publication number Publication date
JPS57143318A (en) 1982-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6324009B2 (ja)
WO2018182104A1 (ko) 텍스타일 스킨 코팅용 친수성 수분산 폴리우레탄 수지 및 이를 이용한 친수성 필름의 제조방법
JPS582979B2 (ja) ポリウレタン被覆の製造方法
CN113214450A (zh) 一种基于形状记忆的耐磨自修复型聚氨酯复合涂饰剂及其制备方法
HU193506B (en) Method for producing buffed leather imitations of polyurethane base by matrix process
CN112341597A (zh) 一种水性聚氨酯湿摩擦牢度提升剂的制备方法
JP2023016691A (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤
CA2302612A1 (en) Polyurethane solutions terminated with amino-functional heterocyclic stoppers
US7144535B2 (en) Procedure for the preparation of a highly durable composite textile material workable at high temperature, and the composite textile material thus obtained
US4412022A (en) Polyurethane coating compositions prepared from a polymeric diol, an alicyclic diisocyanate, an alicyclic diamine and either hydrazine or isophthalic acid dihydrazide
JP3209367B2 (ja) 透湿性防水布帛の製造方法
US3575894A (en) Process for making water vapor permeable microporous sheeting
JPS6329687B2 (ja)
KR20170111865A (ko) 텍스타일 코팅용 친수성 수분산 폴리우레탄 수지 및 그 제조방법
JPS5863759A (ja) コ−テイング剤に適しているポリウレタン組成物
JPS6324008B2 (ja)
JP2782203B2 (ja) 人工皮革用ポリウレタン組成物
JPS6329688B2 (ja)
JPS6133851B2 (ja)
JP2681844B2 (ja) 擬 革
JP7268232B1 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤
JPS6111244B2 (ja)
JPS6141929B2 (ja)
KR0175077B1 (ko) 인공피혁제조용 폴리우레탄수지
JPH0372093B2 (ja)