JPS63293Y2

JPS63293Y2 -

Info

Publication number: JPS63293Y2
Application number: JP19821081U
Authority: JP
Priority date: 1981-12-23
Filing date: 1981-12-23
Publication date: 1988-01-06
Also published as: JPS57116272U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は弾球遊技機の打球供給装置に関し、
特にパチンコ玉を打球遊技する弾球遊技機におい
てパチンコ玉を打球位置へ供給する打球供給装置
の改良に関する。

パチンコ玉を用いて遊技する弾球遊技機として
は、パチンコ遊技機やメタル遊技機が知られてい
る。このような弾球遊技機には、自動玉供給装置
が用いられている。自動玉供給装置は、玉貯留皿
を兼ねる打球待機樋に貯留されているパチンコ玉
を自動的に１個順次打球位置へ供給するものであ
る。従来の自動玉供給装置は、打球待機樋の終端
に玉入口を有し、玉入口から流入したパチンコ玉
をシーソー状の玉間欠送りレバーによつて、打球
位置の前面上部に設けられている玉出口まで供給
し、玉出口の前面側の通路の底面に透孔を穿設し
ておき、打球ハンマの回動によつて玉押上片を透
孔へ挿入することによりパチンコ玉を玉出口を介
して打球位置へ供給するものである。ところが、
シーソー状の玉間欠送りレバーを設けるものは、
形状が複雑となり高価となる欠点があつた。

そこで、本願出願人は比較的簡単な構成であり
かつ安価なものとして、先に実開昭53−13881号
で自動玉供給装置を提案した。この自動玉供給装
置は、打球待機樋の出口に対応する玉入口から玉
出口までの間に傾斜通路を形成し、傾斜通路の終
端に揺動レバーを揺動自在に設け、揺動レバーに
形成された玉押上片でパチンコ玉を押し上げるこ
とによつて玉出口から打球位置へ玉を供給するも
のである。ところが、先に提案したものは、構成
が簡略化されかつ安価となる利点を有する反面、
傾斜通路の長い場合や打球待機樋に貯留されてい
る玉の量が多い場合に、パチンコ玉の傾斜通路を
転動しようとする力が玉押上片の傾斜通路側の側
面に集積され、玉押上片の一部とパチンコ玉とが
引掛かり、円滑な玉供給をできない場合があると
いう問題点に遭遇する。

それゆえに、この考案の目的は、比較的簡単な
構成でありかつ安価であつて、傾斜通路の長さに
かかわらず、しかも多量の貯留玉があつても極め
て円滑にパチンコ玉を打球位置へ供給できるよう
な弾球遊技機の打球供給装置を提供することであ
る。

以下に、図面を参照してこの考案の具体的な実
施例について説明する。

第１図はこの考案が適用される弾球遊技機の一
例のパチンコ遊技機の前面構造と打球供給装置と
の関連を示す図解図である。図において、パチン
コ遊技機１０は遊技盤１１を含む。遊技盤１１に
は、発射玉誘導レール１１ａが円弧状に形成され
る。遊技盤１１の下方には、打球待機樋１２がパ
チンコ機１０の前面枠に固着される。打球待機樋
１２は、玉貯留皿を兼ねるものであつて、その上
流部が多量のパチンコ玉を貯留できるように幅広
く形成され、下流部が１個の玉を通過可能な細い
径路１２１となるように形成される。打球待機樋
１２の上流部の後方には、賞品玉払出口１３が形
成される。賞品玉払出口１３は入賞玉に応じて所
定数の賞品玉を打球待機樋１２へ払出す出口であ
る。径路１２１の終端には、１個の玉の通過可能
な玉出口１２２が形成される。玉出口１２２の後
方には、この考案の特徴となる打球供給装置２０
の玉入口２２が対峙する。

第２図はこの考案の一実施例の打球供給装置２
０の斜視図である。

第３Ａ図および第３Ｂ図は打球供給装置の動作
状態別正面図であり、特に第３Ａ図は打球供給終
了状態（すなわち初期状態）を示し、第３Ｂ図は
玉供給揺動部材を最も反時計方向に回動させて玉
押上片を引出した状態（すなわち玉押し上げ直前
の状態）を示す。

第４図は打球供給装置に含まれる玉供給通路の
段差状部の詳細を示す正面拡大図である。

第５図は玉供給通路の詳細図であり、特にａは
その平面図、ｂはａの玉出口２４に関連する部分
のｂ−b′に沿う縦断面図、ｃはａの傾斜状突起２
３８に関連する部分のｃ−c′に沿う縦断面図、ｄ
は矢印ｄ方向から見た障害壁２４１の詳細図を示
す。

次に、第２図ないし第５図を参照して、この実
施例の打球供給装置の具体的な構造を説明する。
打球供給装置２０は、取付基板２１を含む。前記
打球待機樋１２の玉出口１２２に対向する取付基
板２１には、玉入口２２が形成される。玉入口２
２には、傾斜状突起２２１が形成される。また、
必要に応じて、玉入口２２に関連する位置には、
シヤツタ２７が矢印方向へ摺動自在に設けられ
る。シヤツタ２７は、パチンコ機の打止制御時に
パチンコ玉が玉入口２２へ流入するのを阻止する
のに用いられる。傾斜状突起２２１はその端面が
下方向に傾斜しかつ２つの間隔が１個の玉の直径
よりも小さく選ばれる。その理由は、打球待機樋
１２の終端の玉出口１２２を介して流入する玉
を、玉入口２２の下方に設けられた玉供給通路２
３へ流下しやすくするためである。

前記取付基板２１の前面でありかつ前記玉入口
２２と玉出口２４との間には、玉供給通路２３が
設けられる。玉供給通路２３は、第１の傾斜通路
２３１と、第１の傾斜通路２３１の終端に対して
段差を有する第２の傾斜通路２３２とを含む。傾
斜通路２３２の終端の底面には、１個の玉の直径
よりも小さな透孔２３３が穿設される。傾斜通路
２３２の終端部の背面には、玉出口２４が形成さ
れる。玉出口２４の裏面には、傾斜通路２３２の
底面よりもやや高くかつ玉の半径よりもやや低く
選ばれた障害壁２４１が形成される。障害壁２４
１は第５図ｄに示すように「へ」字状板であつ
て、玉出口２４に対向する辺を水平にして背面側
壁２３４に固着される。このような障害壁２４１
を形成する場合は、金属製の板が射出成形により
一体的に固着される。障害壁２４１に金属製の板
を用いれば、金属材料からなるパチンコ玉が何回
も障害壁２４１を越えても、摩耗するのを防止で
きる利点がある。傾斜通路２３１および２３２の
背面の取付基板２１は、背面側壁２３４となる。
傾斜通路２３１および２３２の前面側には、前面
側壁（以下前面カバーと称す）２３５が開閉自在
に装着される。傾斜通路２３１と２３２の段差部
における垂直板２３６の上端は、傾斜方向に沿つ
てほぼ45度に面取りされる。傾斜通路２３１の上
面を覆うカバー２３７は、段差部で急峻に傾斜す
るように選ばれる。

さらに、この実施例では傾斜通路２３２の終端
部分で玉が円弧を描きながら玉出口２４へ送り出
されるようにするために、次のように構成され
る。すなわち、玉出口２４の手前部分の背面側壁
２３４には、傾斜状突出部２３８が形成される。
傾斜状突出部２３８は、玉の通過方向に沿つて次
第に突出するような傾斜形状に選ばれる。傾斜状
突出部２３８に対向する前面カバー２３５の内壁
には、玉の直径よりもやや長い幅で切欠き部２３
９が玉の通過方向に沿つて形成される。

傾斜状通路２３２の終端部の下方には、玉供給
揺動部材２５が設けられる。玉供給揺動部材２５
は、揺動レバー２５１を支点２５２で揺動自在に
支持し、揺動レバー２５１の一方側の前記透孔２
３３に対応する上側に玉押上片２５３を突出して
形成する。玉押上片２５３の上面は、透孔２３３
の形状よりも小さくかつ玉出口２４側に向つて下
向きに傾斜するように選ばれる。なお、好ましく
は傾斜通路２３２側の玉押上片２５３の端面は、
支点２５２を中心として半径Ｌの円弧状に形成さ
れる。揺動レバー２５１の一方端には、長孔２５
４が穿設される。揺動レバー２５１の他方端に
は、バランス重り２５５が固着される。

Ｌ字状レバー３１は、玉供給揺動部材２５を打
球ハンマ３２の回動に連動して回動させるもので
ある。Ｌ字状レバー３１は支点３１１で枢支され
る。Ｌ字状レバー３１の短辺の一端には、ピン３
１２が形成される。ピン３１２は長孔２５４と遊
嵌して係合する。Ｌ字状レバー３１の長辺の他端
３１３は垂下される。玉を打球するための打球ハ
ンマ３２には、三角形状の取付金具３３が固着さ
れる。取付金具３３の上部には、係合ピン３３２
がねじ３３１で螺着される。係合ピン３３２は、
打球ハンマ３２の回動によつてＬ字状レバー３１
と係合するものである。取付金具３３の右側部分
には、円柱状のピン３３３が突出して形成され
る。ピン３３３は、打球用モータ（図示せず）に
よつて回転駆動させる打球カム３４の羽根状部の
円弧部分に当接しながら係合し、または係合を解
除する。取付金具３３の左側部分には、透孔３３
４が穿設される。透孔３３４には打球ばね３５の
一端が係合される。

また、玉出口２４の裏面下方には、発射点レー
ル３６が傾斜して設けられる。発射点レール３６
はその傾斜方向下方端が上側に折曲げられて、打
球位置３７とされる。この発射点レール３６は、
打球位置３７にある玉が打球ハンマ３２で打球さ
れたとき、その玉を発射玉誘導レール１１ａへ導
くものである。

次に、この実施例の動作を説明する。通常状態
では、打球ばね３５が打球ハンマ３２を左方向へ
引張り付勢している。この状態において、打球カ
ム３４がモータによつて回転駆動されると、打球
カム３４の円弧状部がピン３３３を押し下げる。
これによつて、打球ハンマ３２が時計方向へ回動
する。応じて、係合ピン３３２がＬ字状レバー３
１と係合して、Ｌ字状レバー３１を反時計方向へ
回動させる。これに連動して、揺動レバー２５１
が反時計方向へ回動し、玉押上片２５３を透孔２
３３から引出させる。このとき、玉供給径路２３
に貯留されている玉は傾斜通路２３２の終端の透
孔２３３の位置まで移動する。そして、打球カム
３４の円弧状部とピン３３３との係合状態が解除
されると、打球ハンマ３２が打球ばね３５の弾性
力によつて引張られる。したがつて、打球ハンマ
３２の先端の杵状部３２１が、発射点レール３６
の打球位置３７まで供給されていた玉を打球す
る。打球された玉は発射点レール３６および発射
玉誘導レール１１ａを通つて遊技盤１１へ誘導さ
れる。このとき、それまで係合ピン３３２によつ
て引張られていたＬ字状レバー３１と係合ピン３
３２との係合状態が解除される。応じて、Ｌ字状
レバー３１は時計方向へ回動する。これと同時
に、揺動レバー２５１がバランス重り２５５の重
量によつて時計方向へ回動し、玉押上片２５３が
透孔２３３へ挿入して、透孔２３３の位置でそれ
まで停止していたパチンコ玉Ｂ１を押し上げる。
玉Ｂ１は障害壁２４１を乗越えて、発射点レール
３６へ落下されて、打球位置３７へ供給される。

次に、この実施例のように構成することによつ
て、パチンコ玉の円滑な供給動作が達成される理
由について検討する。傾斜通路２３２の内壁が玉
の移動方向に平行であれば、玉の通過方向に加わ
る力が傾斜通路２３２に貯留されている玉の個数
を比例した力となる。これに対して、この実施例
では、玉出口２４の手前の背面側壁２３４に傾斜
状突起２３８を形成しかつ傾斜状突起２３８に対
向する前面カバー２３５の内側に切欠き部２３９
を形成している。これによつて、パチンコ玉の通
過方向は傾斜状突起２３８で傾斜通路２３２の終
端よりも２個目の部分で角度αだけ前面側へ曲げ
られかつ終端部分で角度βだけ玉出口２４側へ曲
げられる。結果的には、パチンコ玉の通過軌跡が
玉出口２４の手前で円弧状に曲がることにより、
玉出口２４の位置よりも２個目のパチンコ玉Ｂ２
の通過方向へ加わる力r2が玉出口２４の前面位置
にある玉Ｂ１を斜め後方から押すことになる。し
たがつて、玉Ｂ１が玉押上片２５３で押し上げら
れると、玉Ｂ２の力r2が次第に玉Ｂ１に加わつて
玉Ｂ１を玉出口２４へ円滑に押し出すことがで
き、かつしたがつてパチンコ玉が円滑に打球位置
へ供給されることになる。

また、傾斜通路２３１が２３２と同一面上に連
なつている場合であれば、１個の玉の重量は下向
きに向う力r1と傾斜通路の傾斜方向（すなわち通
過方向）へ沿う力r2をベクトル合成して得られる
Ｒ方向に加わる。したがつて、通過方向に加わる
１個の玉の力r2と傾斜通路に貯留されている玉数
（ｎ）に相当する力（r2×ｎ）が玉押上片２５３
の傾斜通路２３２側の円弧部分、または傾斜通路
２３２の終端側壁に加わることになる。このた
め、傾斜通路２３１，２３２が長いほど、傾斜通
路に貯留されている玉の自重による力（r2×ｎ）
が玉押上片２５３の円弧部分に加わることにな
る。その結果、その力が大きいと、打球ハンマ３
２の回動によつても揺動レバー２５１が回動でき
なくなり、円滑な玉送りをできない場合も生じ
る。これに対して、この考案の好ましい実施例で
は、玉出口２４から玉の数個（図示では約３個）
程度の長さの傾斜通路２３２とそれよりも離れた
傾斜通路２３１とを段差状に形成している。この
ため、好ましい実施例によれば、第４図に示すほ
ぼ２個の玉Ｂ２，Ｂ３の通過方向への力r2が揺動
レバー２５１の玉押上片２５３の端部に加わるこ
とになる。そして、３個以上の玉の通過方向へ加
わる力r2の総和（傾斜通路２３１に貯留されてい
る玉の数をｎ個とすれば、ｎ×r2）が、下方向へ
の力r1と通過方向への力r2との合成ベクトルによ
る力Ｒの方向、すなわち45度傾いた方向へ加わる
力となる。その結果、３個目の玉Ｂ３の力は、主
として２個目の玉Ｂ２の45度だけ下向きに加わ
り、玉押上片２５３の傾斜通路２３２側の端部に
加わる力を軽減できる。このように構成すること
によつても、傾斜通路２３１をたとえ長く選んで
も、円滑に玉送りできる利点がある。

以上のように、この考案によれば、比較的簡単
な構成かつ安価にしてパチンコ玉を円滑に打球位
置へ供給でき、玉づまりによる遊技者の不利益や
遊技者と係員とのトラブルを防止できるなどの特
有の効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の打球供給装置が
適用される弾球遊技機と打球供給装置との関連を
示す図解図である。第２図はこの考案の一実施例
の斜視図である。第３Ａ図および第３Ｂ図は玉供
給動作状態別の打球供給装置の正面図である。第
４図は玉供給通路と玉供給揺動部材との詳細を示
す正面拡大図である。第５図は玉供給通路の詳細
図である。図において、２０は打球供給装置、２１は取付
基板、２２は玉入口、２３は玉供給通路、２３
１，２３２は傾斜通路、２３３は透孔、２３４は
背面側壁、２３５は前面側壁、２３８は傾斜状突
起部、２３９は切欠き部、２４は玉出口、２５は
玉供給揺動部材、２５１は揺動レバー、２５３は
玉押上片、３１はＬ字状レバー、３２は打球ハン
マ、３４は打球カム、３５は打球ばね、３６は発
射点レール、３７は打球位置を示す。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 弾球遊技機の打球待機樋と打球位置との間に
設けられかつ打球待機樋で貯留されているパチ
ンコ玉を１個ずつ打球位置へ供給する打球供給
装置であつて、前記打球待機樋の終端に玉入口を形成しかつ
前記打球位置の上部前面に玉出口を形成した取
付基板、前記取付基板の前面に設けられ、前記玉入口
から前記玉出口に至る部分に傾斜通路を形成
し、傾斜通路の終端の玉出口前面の底面にパチ
ンコ玉の直径よりも小さな透孔を穿設し、傾斜
通路の終端の出口部分にパチンコ玉の高さより
も低い障害壁を垂直に形成し、傾斜通路の終端
部分と玉出口との間の背面側壁に傾斜通路の終
端方向へ向つて傾斜した突起部を形成し、突起
部に対向する前面側壁の内側の一部に玉の通過
方向に沿う切欠き部を形成してなる玉供給通
路、およびパチンコ玉を打球するための打球ハンマの回
動に連動して揺動する揺動レバーを設け、揺動
レバーの一方端側でありかつ前記透孔に対向す
る位置に玉押上片を上側へ突出して形成し、玉
押上片の上面を透孔の形状よりも小さくかつ前
記玉出口へ向つて下向きに傾斜して形成される
玉供給揺動部材を備えた、弾球遊技機の打球供
給装置。 (2) 前記障害壁は、前記傾斜通路の終端の玉出口
の裏面に、金属板を一体的に固着して形成され
る、実用新案登録請求の範囲第１項記載の弾球
遊技機の打球供給装置。