JPS63276499A - 還元型ニコチンアミド補酵素の定量方法 - Google Patents

還元型ニコチンアミド補酵素の定量方法

Info

Publication number
JPS63276499A
JPS63276499A JP10890187A JP10890187A JPS63276499A JP S63276499 A JPS63276499 A JP S63276499A JP 10890187 A JP10890187 A JP 10890187A JP 10890187 A JP10890187 A JP 10890187A JP S63276499 A JPS63276499 A JP S63276499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nicotinamide coenzyme
reduced nicotinamide
tetrazolium
coenzyme
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10890187A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0675517B2 (ja
Inventor
Masato Okada
岡田 昌人
Makoto Sakamoto
誠 坂本
Masayoshi Kikuchi
匡芳 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP10890187A priority Critical patent/JPH0675517B2/ja
Publication of JPS63276499A publication Critical patent/JPS63276499A/ja
Publication of JPH0675517B2 publication Critical patent/JPH0675517B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は還元型ニコチンアミド補酵素の新規な定量方法
に関する。詳しくは尿、血清等の生体液中に存在する還
元型ニコチンアミド補酵素を高精度で定値することが可
能な還元型ニコチンアミド補酵素の定量方法である。
〔従来の技術及び問題点〕
還元型ニコチンアミド補酵素の定量は生体液中の物質の
定量に一般に応用されている。
例えば、生体液中に含有される胆汁酸な定量する方法と
して該胆料酸と酸化mニコチンアミド補酵素を脱水素酵
素によって反応させ、生成する還元型=ニコチンアミド
酵素を定量し、該墓により胆汁酸の量を推定する方法が
知られている。また還元型ニコチンアミド補酵素の定量
は生体液中に含有されるポリアミンの測定にも応用する
ことが可能である。即ち、ポリアミンを酸化酵素により
酸化してアミノアルキルアルデヒドに変換し、該アルデ
ヒドを酸化型ニコチンアミド補酵素と脱水素酵素によっ
て反応させ、生成する還元型ニコチンアミド補酵素を定
量してポリアミンの量を推定する方法である。
従来、かかる還元型ニコチンアミド補酵素の定量は、試
料液にジアホラーゼ等の電子伝達系とテトラゾリウム塩
とよりなるテトラゾリウム系発色剤を作用させ、生成し
たホルマザンの発色度合?:測測定ることにより行われ
ている。
しかしながら、この定量方法は生地したホルマザンの測
定用器具(セル、試験管等)への沈着、凝集により呈色
安定性に乏しいという問題を有する。また、ホルマザン
の沈着による測定用器具の汚染という問題をも有する。
さらに、水溶液中での反応の場合、ホルマザンが難溶性
のため、反応により生成したホルマザンの吸光度から算
出された見かけ上の分子吸光係数は、ホルマザンの理論
分子吸光係数に対して著しく小さく、また測定条件によ
り変動し易いという問題をも有している。
従来、テトラゾリウム系発色剤を使用した還元型ニコチ
ンアミド補酵素の定量におけるこれらの問題を解消する
ため種々の工夫がなされている。
例えば、分子吸光係数な上げる方法としてテトラゾリウ
ム系発色剤を作用させる試料液のPHをアルカリ側(P
H8〜10)に!ii整し、且つ、ホルマザンの分散剤
としてノニオン系界面活性剤0.01〜0.1程度又は
牛血清アルブミン0.1%程度を添加してホルマザンの
生成反応を出来るだけ起こし易くする方法が一般的であ
る。
また、生成したホルマザンの沈着防止のための方法とし
て反応系の中にゼラチン等を添加する方法がある。
以上の方法により、前記した問題点はある程度解決でき
るが、未だ改善の余地がある1、しかも、試料液が尿、
血清等の生体液の場合には前記した問題に加えて更に下
記の問題を有する。即ち、試料液が生体液である場合、
試料中の還元性物質、例えばアスコルビン酸。
ヒリルヒン、尿酸、還元型グルタチオン等によりテトラ
ゾリウム塩が還元され、還元型ニコチンアミド補酵素以
外からのホルマザンが生成されるため、ブランク値が高
く、しかも変動し、測定に大きな誤差を与えるという間
急を生しる。
かかる問題は、前記した従来の方法によってほとんど解
決することができない。
従って、呈色安定性が高く、生成するホルマザンが高い
分子吸光係数を示し、且つ還元性物質によるブランク値
の上昇が少なく、還元型ニコチンアミド補酵素を正礒に
定量する方法の開発が望まれていた。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者らは、還元型ニコチンアミド補酵素を含有する
試料液にテトラゾリウム系発色剤を作用させ、生成した
ホルマザンを比色定量する方法における上記課題を達成
すべく、鋭意研究を重ねた結果、テトラゾリウム系発色
剤を特定のPHで且つ特定量のノニオン系界面活性剤の
存在下に該試料液に作用させろことにより、かかる目的
を全て達成し得ろことを見い出し本発明を完成した。
本発明は還元型ニコチンアミド補酵素を含有する試料液
にテトラゾリウム系発色剤を作用させ、その発色の度合
により該還元型ニコチンアミド補酵素な定量する方法に
おいて、該試料液のPRが4〜7で且つノニオン系界面
活性剤0.3〜10!ff1%の存在下にテトラゾリウ
ム系発色剤を作用させろことを特徴とする還元型ニコチ
ンアミド補酵素の定量方法である。
本発明において、測定の対象となる還元屋ニコチンアミ
ド補酵素とは還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオ
チド(以下NADHと略す)又は還元型ニコチンアミド
アデニンジヌクレオチドフォスフェート(以下NADP
Hと略す)があげられる。本発明の方法が良好に適用さ
れる試料液中の還元型ニコチンアミド補酵素の濃度は、
反応条件等により多少異なり、−概に限定できないが、
通常は0.001mM〜50 mM  の範囲が好適で
ある。
本発明の方法が適用される還元型ニコチンアミド補酵素
を含有する試料液は特に制限されないが、特に生体液中
に還元型ニコチンアミド補酵素を含む試料液に対して顕
著な効果を発揮する。かかる試料液を具体的に例示すれ
ば、胆汁酸な含有する血清、尿、胆汁等の生体液に3α
−ハイドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼ(以下3
α−H8Dと略す)と酸化型ニコチンアミド補酵素とを
作用させて得られる還元型ニコチンアミド補酵素を含有
する試料液、尿、血清等の生体液中のポリアミンをポリ
アミン酸化酵素により酸化してアミノアル干ルアルデヒ
ドに変換し、該アミノアルキルアルデヒドに酸化型ニコ
チンアミド補酵素と脱水素酵素を作用させて得られる還
元型ニコチンアミド補酵素を含有する試料液等が挙げら
れろ。上記の還元型ニコチンアミド補酵素を含有する試
料液の製造方法は公知の条件が特に制限なく採用される
本発明において、テトラゾリウム系発色剤は、テトラゾ
リウム塩と電子伝達系とよりなる。テトラゾリウム塩と
してはモノテトラゾリウム塩、ジテトラゾリウム墳のい
かなるテトラゾリウム塩でもよい。例えは、3−(P−
ヨードフェニル)−2−CP−二トロフェニル)−5−
フェニル−2H・テトラゾリウム・クロライド(以下I
NTと略す)ニトロ+)ラゾリウムプル−(Ni t 
r o  −’TB Lネオテトラゾリウムブルー(N
eo−TB)−テトラゾリウムブルー(TB)、  テ
トラニトロテトラゾリウムブルー(TNTB)等のテト
ラゾリウム塩があげられる。そのうち、反応のPH等に
より異なるが、好ましくはモノテトラゾリウム塩として
、INT、  ジテトラゾリウム塩としてニトロテトラ
ゾリウムブルーがあげられる。また、テトラゾリウム塩
の濃度は反応条件等により異なるが、通常は0.1 m
M〜50 mMが用いられる。また、電子伝達系は、テ
トラゾリウム塩に還元型ニコチンアミド補酵素の水素を
授受させて共鳴構造をもたらせ、これをホルマザン色素
に変換せしめるものである。かかる電子伝達系としては
、ジアホラーゼ、1−メトキシ7エナジンメトサルフエ
イト(1−メトキシPMS)等があるが、好ましくはジ
アホラーゼを用いる方法がよい。この際のジアホラーゼ
量は反応条件等によつ異なるが通常0.1u〜50u程
度が用いられろ。
本発明の方法は上記した還元型ニコチンアミド補酵素を
含む試料液に、該試料液のPHが4〜7、好ましくはP
H5〜&5で且つノニオン系界面活性剤0.3〜10重
量%、好ましくは0.5〜2憲敞%の存在下でテトラゾ
リウム系発色剤を作用させることを特徴とする。
即ち、テトラゾリウム系発色剤を作用させる際の試料液
のPHが4より低い場合には、還元型ニコチンアミド補
酵素が不安定になると同時に十分な発色を示さない。ま
た、PHが7より高い場合には発色は十分に起こるが同
時に試料中の還元性物質によるテトラゾリウム塩の還元
反応が急激に強くなり、正確な定量が困難となる。ヌノ
ニオン系界面活性剤の濃度が0.3重it%よりも低い
場合には、ホルマザンの十分な分子吸光係数が得られず
、さらにホルマザンの沈着や凝集が起こる。逆に、ノニ
オン系界面活性剤の濃度が10′jILik%よりも高
い場合には、ホルマザンの十分な分子吸光係数が得られ
るが試料中の還元性物質のテトラゾリウム塩の還元反応
も同時に進行し、正確な定黛は困難である。
前記した試料液のPHはいかなる方法で調整してもよい
が、好ましくは緩衝液により調整する方法がよい。緩衝
液としてはPH4〜7に緩衝作用のあるいかなる緩衝液
な用いてもよい。例えは、アミノ酸系の緩衝液またはグ
ツド系a!衝液の中のメス緩徴液、ヒストリス緩衝液、
ピベス緩−液等が好適である。また、PHの範囲として
はPH4〜7の範臼内で決めればよいが電子伝達系のジ
アホラーゼ等の安定性を考えれはPH5〜6.5が特に
好ましい。さらに&ll液液濃度は反応液のPHを安定
に調整できれば特に制限はないが通常は0.1 M〜1
.0 Mが良い。
本発明におけろノニオン系界面活性剤は反応を阻害しな
いノニオン系界面活性剤であれば特に制限はないが、生
成したホルマザンの安定化、生成したホルマザンの分子
吸光係数の大きさ、生体試料中からの沈澱等の析出防止
効果などの点で、上記ノニオン系界面活性剤としてポリ
オ千ジエチレンアル千ルアリルエーテル、ポリオキンエ
チレンスチレン化フェノール等が好適に使用される。例
えは、工v ル’f > 935 (商品名)−ペネロ
ールN −1oON/C(商品名)、ペネロール5P−
24(商品名)、エマルジェット25(商品名)、トリ
トンX−100(商品名)等があげられる。ノニオン系
界面活性剤の濃度は、前記したように反応時0.3〜1
om1%の濃度においてその効果は認められる。しかし
、好ましくは0.5〜6.0  重量%のノニオン系界
面活性剤を存在させるとよい。
本発明において、試料液中の還元型ニコチンアミド補酵
素を定量する場合、還元型ニコチンアミド補酵素を生成
する反比、および生成した還元型ニコチンアミド補酵素
を本発明により定量する反応を同時に進行させてもよく
、また、これら反応を2段階又は多段階反応として各反
応に適した条件下で反応させても良い。還元型ニコチン
アミド補酵素を生成する反応と還元型ニコチンアミド補
酵素を定量する反応とを同時に行う具体例として、ポリ
アミンを含む試料液にポリアミンを酸化する酸化酵素を
作用させてアミノアルキルアルデヒドに変換し、該試料
液に酸化型ニコチンアミド補酵素、脱水素酵素、テトラ
ゾリウム系発色剤1本発明における所定鑞のノニオン界
面活性剤を添加すると共にPHを4〜7に調整する方法
が挙げられる。かかる反応のPHにおいて効果的に脱水
素反応を行うための酵素として好適な脱水素酵素を例示
すれば、本願出願人による昭和62年4月4日出願のω
−アミノアルキルアルデヒドデヒドロゲナーゼが挙げら
れる。上記酵素は、下記の理化学的性質を有する。
■作 m;酸化型ニコチンアミドジヌクレオチド又は酸
化盤ニコチンアミドジ ヌクレオチドフォスフエイトの存 右下で4−アミノブタナールに作 用し、4−アミノ酪酸と還元型ニ コチンアミドジヌクレオチド又は 還元型ニコチンアミドジヌクレオ チドフォスフエイトを生成する。
■基質特異性二酸化mニコチンアミド補酵素として酸化
型ニコチンアミドジヌ クレオチド及び酸化型ニコチンア ミドジヌクレオチドフォスフエイ トに対して作用し、ω−アミノア ルチルアルデヒドとして、4−ア ミノブタナール及び5−アミノペ ブタナールに対して作用する。
■至適PH:PH7,7〜&3 ■PH安定安定性:5屹下24時間保fi−シた時、P
H4,5〜85において90% 以上の残存活性を有する。
■分子量:102.OOO±5,000■サブユニット
の分子1:50.ooO±5.000 ■サブユニットの数:2個 上記の4−アミノブタナールデヒドロゲナーゼは、本#
素を生産する能力のあるミークロコツカス属に属する細
菌を培養することによって得られる。使用する培地とし
てはグルコース等の炭素源、ポリペプトン等の窒素源。
及び無機塩類な含有するものであれば特に限定されない
。また、これらの成分の他にプトレッシン、スペルミジ
ン、ジアミノプロパン。
又はカルジン等のポリアミンを含有させることが該酵素
の生産性を高める上において有利である。培養条件とし
ては、培養温度が15〜40℃の範囲、好ましくは20
〜35℃の範囲で培養する方法が好適である。培養時の
PH条件は、4゜0〜9.0の範囲で、好ましくはPH
5,0〜&0の範囲が過当である。培養時間は、特に限
定されないが酵素の生産性等の経済性を考慮すると増殖
の後期に達する時間から休止状態に入ってから10時間
以内の範囲が適当である。
培養によって得られた培養物から菌体な分離する方法と
しては、従来から行われている遠心分離法や濾過等の方
法が使用出来るが、遠心分離の方法が好適である。
4−アミノブタナールデヒドロゲナーゼは、通常菌体内
に含まれているため該酵素を菌体から何らかの方法によ
って抽出する必要がある。抽出方法としては、従来から
行われている超音波による菌体破砕、あるいはガラス・
ヒースと共に回転させるタイツミル破砕機による菌体破
砕又は、リゾチーム等の酵素やトルエン等の有機溶媒に
よる細胞膜の破壊等の方法か挙げられろ。これらの中か
ら適当な方法を選択して菌体から酵素の抽出を行うこと
により、酵素の採取が出来る。
これらの方法で抽出された粗酵素液から4−アミノプタ
ナールデヒドロゲナーゼをさらに精製する必要性がある
場合は、通常実施されている一般的な酵素の精製手設で
ある硫酸アンモニウム沈澱法、イオン交換カラムクロマ
トグラフィー法、ゲル濾過法、ヒドロキシアパタイト・
カラムクロマトグラフィー法。
調製用電気泳動法等の方法を適宜組み合わせるか、ある
いは繰り返すことによって精製を行うことが出来る。
また、4−アミノブタナールデヒドロゲナーゼの酵素活
性測定方法及び酵素活性値の表示方法は以下の通りであ
る。
光路幅1cmのキュベツト中に10 mMのプトレッシ
ン・二塩酸塩を含有する0、1M)リス(ヒドロキシメ
チル)アミノメタン−塩酸緩衝液(PHao)を25−
分注し、さらに20μI!(5ユニツト)のミクロコツ
カス属由来のプトレッシンオキシダーゼを添加混和し3
0℃下で10分間インキュベイジョンを行った後、この
反応溶液に20 mMのNAD水溶液を0.5−加え、
次いで50μEの4−アミノブタナールデヒドロゲナー
ゼを含有する被検体を添加混和する。直ちに30”C下
で340 nm の吸光度の増加速度を測定する。
−分間当りの吸光度の増加量(A)から以下の換算式(
1)を使用して被検体1.0−当りの4−アミノブタナ
ールデヒドロゲナーゼの酵素活性値を算出する。酵素活
性値の表示は、1分間当り1μmoleのNADHを生
成させろ酵素fIkを1ユニツト(p zole / 
m )として表示する。
6、2    0.05 本発明による4−アミノブタナールデヒドロゲナーゼの
比活性値は、120〜140(ユニット/冨9−蛋白質
)を示す。又、ドデシル硫酸ナトリウムの存在、非存在
下でのポリアクリルアミドゲル電気泳動上において両者
共に単一の蛋白質バンドが観測される。
本発明において、使用するノニオン系界面活性剤の添加
時期は還元型ニコチンアミド補酵素を含有する試料液を
調製する前処理段階から添加しても良いし、該調整され
た試料液に添加してもよい。即ち、テトラゾリウム系発
色剤を作用させる時に試料液中にノニオン系界面活性剤
がα3〜1011社%存在しておればその添加時期は制
限されない。また、本発明において還元型ニコチンアミ
ド補酵素を含有する試料液のPHが4〜7で且つノニオ
ン系界面活性剤0.3〜10k1%の存在下にテトラゾ
リウム系発色剤を作用させる反応が終結し、ホルマザン
が生成した後にそのPHを4以下に下げて生成したホル
マザンを定量しても安定に個定が可能である。
本発明において、テトラゾリウム系発色剤の発色より還
元型ニコチンアミド補酵素の量を推定する方法は、公知
の比色定量法が特に制限なく採用される。最も一般的な
方法として検11Mを用いた方法が挙げられる。
本発明の特徴の一つはPH4〜7という酸性剤で、還元
型ニコチンアミド補酵素をテトラゾリウム系発色剤によ
り比色定量することである。即ち、PH7以下ではノニ
オン系界面活性剤が高濃度存在下でも生体試料中の還元
性物質によるテトラゾリウム系発色剤の還元反応が抑え
られているが、PH7以上では生体試料中の還元性物質
によるテトラゾリウム系発色剤の還元反応が急激に進行
しはじめるのである。この現象はおそらく、通常用いる
反応系のPH(アルカリ側)とは逆に酸性側で発色させ
ることにより、テトラゾリウム系発色剤および生体試料
中の還元性物質の双方の酸化還元電位に変化が生じ、生
体試料中の還元性物質によるテトラゾリウム系発色剤の
還元灰地、が起こらなくなったものと推定される。しか
し、これたけでは還元型ニコチンアミド補酵素のテトラ
ゾリウム系発色剤による安定且つ正確な定量はできない
本発明においては、さらに前記条件下でノニオン系界面
活性剤を高濃度(0,3〜10重量%)存在させること
により正電な定量を可能とした。即ち、ノニオン系界面
活性剤を前記範囲で使用することにより、生体試料中の
還元性物質によるテトラゾリウム系発色剤の還元反応の
進行はなく、ジアホラーゼ等の電子伝達体を介する還元
型ニコチンアミド補酵素によるテトラゾリウム系発色剤
の還元反応のみ進行し、且つ生成したホルマザンは高い
分子吸光係数を持つのである。この現象は、ノニオン系
界面活性剤が生成したホルマザンの分散剤としての役割
をしており、テトラゾリウム塩および生体試料中の還元
性物質の酸化還元電位にはあまり影−していない為と推
測される。
従って、本発明の二つの特徴を組み合わせろことによっ
てはじめて、生体試料において還元型ニコチンアミド補
酵素をテトラゾリウム系発色剤により比色定量すること
が可能となるのである。すなわち、本発明は、低いPH
条件下で且つ高濃度のノニオン系界面活性剤を存在させ
ることにより、生体試料中の還元性物質によるテトラゾ
リウム塩の還元反応を抑えることができるためブランク
値が低く、しかも生成したホルマザンの分子吸光係数が
高いため、感度のよい定量が可能である。
また、本発明の方法によれは、生体試料中の還元性物質
によるテトラゾリウム塩の還元反応がないため、広い濃
度範囲にわたりテトラゾリウム塩を使用することが可能
である。
本発明において高濃度ノニオン系界面活性剤の添加は、
生体液中より析出沈澱する変性タンパク質等の沈澱に対
しても溶解性があり、かかる物質を含も試料液中に存在
する還元型ニコチンアミド補酵素の定量方法として非常
に優れた方法である。
本発明により還元型ニコチンアミド補酵素のテトラゾリ
ウム系発色剤による定量が安定で、正確に、しかも高感
度で又測定装置や器具を汚染することなく可能となった
ので自動分析装置への適用も十分可能である。
本発明により将来、日常の臨床検査において還元型ニコ
チンアミド補酵素のテトラゾリウム系発色剤を用いた定
量方法が広く普及するものと考えられる。従って本発明
の臨床検査分野への貢献度は非常に大きいものと期待さ
れろ。
〔実施例〕
以下実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 下記組成の試薬を用い、下記方法により得られた吸光度
の測定値とその測定値に対応する還元型ニコチンアミド
補酵素濃度の関係を第2表に示す。
a)試薬 アスコルビン酸オキシダーゼ  45u(東洋醸造■社
製) エマルゲン935       0.49(花王石けん
■社製) 0.4M−)リスー塩敵綬衝液(PH7,8)にて全k
を10−としたもの。
試1152 ニトロテトラゾリウムプル−5,OQ (向仁化学研究所■社製) ジアホラーゼ         80u(オリエンタル
酵母■社製) 0.6Mメス緩衝液(PH6)(同位化学研究所■にて
全社を20−としたもの。
試 薬3 IM  塩酸溶液 b)測定法 W元m ニコチンアミド補酵素を200μ、++01e
/l  含有する尿試料を調製した。一方同じ尿に還元
型ニコチンアミド補酵素の代わりに精製水を添加したも
のも調製した。
それぞれの試料を精製水を用いて希釈系列を作成した。
次に第1表に示す様に操作した。この希釈系列溶液tそ
れぞれ0.5TILtずつ分取し、試薬1を0.51添
加混和後37℃20分反応させた。その後試薬2を0.
5耐添加混和してPHを6.0に調整して37℃5分間
テトラゾリウム系発色剤を作用させた後、Imole/
j’  塩酸水溶液を0.51添加混和後波長530 
nm の吸光度を測定した。
第1表 E = Ell −El) 第2表 第2表より作成した検量線を第1図に示す。
第1図から還元をニコチンアミド補酵素濃度と得られる
吸光度の菌体は200μmol・/lの濃度まで直M関
係が得られ、これより還元をニコチンアミド補酵素の比
色全社が可能であることがわかる。
実施例2 尿中の還元型ニコチンアミド補酵素の定m還元型ニコチ
ンアミド補酵素を30umole/1 、60 μmo
le/j’ 、  120 μmole/l  含有す
る尿試料な調製した。一方同じ尿に還元型ニコチンアミ
ド補酵素の代わりに精製水を添加したものもそれぞれ調
製した。
上記試料を実施例1と同様な方法により吸光度E8およ
びBHbを得た。さらに標準液として30uMの還元型
ニコチンアミド補酵素水溶液及び盲検体として精製水を
用い前記E8及びEl)の測定方法と同様な方法により
吸光度をそれぞれ測定した。かかる標準液について得ら
れた吸光度なそれぞれEat及びEet’とし盲検体に
ついて得られた吸光度をそれぞれE H2o及びEH’
20とする。
上記方法によって得られた測定値により下記式を用いて
試料中の還元型ニコチンアミド補酵素量を計算して求め
た。
Lj!;8t−patノー(ji;1’121J−1!
i%IJl上記測定操作を3種類の尿検体について5回
ずつ行ないその結果を第3表に示した。この結果より本
発明の方法か良好な再現性を示すことがわかる。
第3表 第3表から本発明の方法は尿中の還元型ニコチンアミド
補酵素量を正薙に測定できることがわかる。
実施例3 還元型ニコチンアミド補酵素を120μmole/J含
有する尿試料を調製した。一方同じ尿に還元型ニコチン
アミド補酵素の代わりに精l水を添加したものもそれぞ
れ調製し島上記試料を実施例1と同様な方法により吸光
度E8およびEBを得た。ただし実施例1に示す試薬1
中のノニオン系界面活性剤エマルゲン935の濃度は発
色反応時第4表に示す濃度になる様それぞれ調製した。
得られた吸光度より次式に従って尿中還元型ニコチンア
ミド補酵素濃度を計算した。
尿中還元型ニコチンアミド補酵素濃度(μm o 11
 e/l)a −EB 上記測定を同じ条件下でそれぞれ5回測定しその時の結
果を第4表に示した。また得られた吸光度からそれぞれ
の条件下でのホルマザンの分子吸光係数を計算した。そ
の結果も合わせて第4表に示した。
以上のことより本発明は還元型ニコチンアミド補酵素の
定量法として非常に安定でかつ正確にまた十分な分子吸
光係数が得られることから高感度に定量できることが判
明した。
比較例1 比較例として実施4+113においてノニオン系界面活
性剤エマルゲン935濃度が0.3重量%以下の場合と
10重量%以上の場合の結果を第5表に示した。
以上のことがらノニオン系界面活性剤エマルゲン935
濃度が0.3重量幅以下では得られた分子吸光係数が小
さく感度が低くなりしかも測定値も非常にバラツキがあ
ることがわかる。また101M%以上でも感度は十分に
あるが測定値のバラツキが大きくなり、還元型ニコチン
アミド補酵素の定量方法としては不適当であることが判
明した。
実施例4 下記組成の試薬を用い、還元型ニコチンアミド補酵素を
本発明により定量するに際し、還元性物質の定量値に対
する影響を調べ第6表に示した。
a)試薬 試  薬1 0.2M)リス−塩酸緩衝液(PH&0)10就にアス
コルビン酸オキシダーゼ40Uを溶解したもの。
試  薬2 ニトロテトラゾリウムブルー  1.5Q(同位化学研
究所■社製) ジアホラーゼ         40u(オリエンタル
酵母−社製) エマルゲン935       0.4g以上のものを
0.2Mメス緩衝液201に溶解したもの。
b)測定法 既知濃度の還元型ニコチンアミド補酵素と各還元性物質
を含有する溶液を等濃度の還元型ニコチンアミド補酵素
を含有する溶液で希釈し、還元型ニコチンアミド濃度が
等しく、各還元性物質の濃度の異なる希釈系列を用意し
た。同様に還元型ニコチンアミド補酵素の代わりに精製
水を用いたものの希釈系列も用意した。該試料を日立7
050自動分析装置を用い、還元型ニコチンアミド補酵
素を定量し、各還元性物質の影響をみた。
試料を20μlサンプリングし第1試薬として試薬1を
各100μl 分注させ、37’C5分反応後、第2試
薬として試薬2を各250μl 分注させ、主波長70
0 nm  とし還元型ニコチンアミド補酵素濃度を求
めた。
この時の盲検用試料としては生理食塩水を朗いた。試料
として還元型ニコチンアミド補酵素を含有する試料を用
いた時の得られた吸光度をA1 とし、試料として還元
型ニコチンアミド補酵素を含有しない試料を用いた時の
吸光度すなわちブランク上昇なA2とした。また得られ
た吸光度からの濃度換算は、あらかじめ盲検用として生
理食塩水、標準液として50μmole/7  還元型
ニコチンアミド補#素を含有する生理食塩水を用いそれ
ぞれの吸光度を測定しておいた。この時の50μmol
e/l還元型ニコチンアミド袖ト素の吸光度は0.04
75  であった。各吸光度からのh度換算は次式によ
って行なった。
I C1= −X  5  Q o、0475 C2= −X  5 0 0.0475 その結果を第6表に示した。
第6表よりアスコルビン酸においてわずかにブランク上
昇が認められるが、その他の還元性物質の影響は認めら
れない。還元型ニコチンアミド補酵素の分析値(CI−
02)としてはいずれの還元性物質の影梼も受けていな
いことがわかった。またホルマザンの呈色安定性にも非
常に優れ、自動分析装置のセル等への汚染や沈着はまっ
たく認められなかった。
実施例5 実施例1と同様に尿中の還元型ニコチンアミド補酵素の
定量を行った。還元型ニコチンアミド補酵素濃度として
は60μ+nole/lとし対照検体としては精製水を
添加したものを用い、それぞれについて530 nm 
の吸光度E8およびEBを得た。還元型ニコチンアミド
濃度は次式により算出した。
還元型ニコチンアミド濃度(μm o l e/ iり
3.6X10’ 同じ測定をそれぞれ5回繰り返し、その再現性を求めた
。ただし発色反応時のPHは第7表に711すPHとな
る様に調製した。その結果を第7表に示した。
第7表 P H7,9とP H3,5は比較例である。
以上のことからPH7,9ではブランク上昇のために測
定値のバラツキが大きくPH3,5では感度が低くバラ
ツキの原因となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1におけるNADH濃度と本発明の方法
を使用して得られる吸光度の関係を示したものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)還元型ニコチンアミド補酵素を含有する試料液に
    テトラゾリウム系発色剤を作用させて、その発色の度合
    により該還元型ニコチンアミド補酵素を定量する方法に
    おいて、該試料液のPHが4〜7で且つノニオン系界面
    活性剤0.3〜10重量%の存在下にテトラゾリウム系
    発色剤を作用させることを特徴とする還元型ニコチンア
    ミド補酵素の定量方法。
JP10890187A 1987-05-06 1987-05-06 還元型ニコチンアミド補酵素の定量方法 Expired - Fee Related JPH0675517B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10890187A JPH0675517B2 (ja) 1987-05-06 1987-05-06 還元型ニコチンアミド補酵素の定量方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10890187A JPH0675517B2 (ja) 1987-05-06 1987-05-06 還元型ニコチンアミド補酵素の定量方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63276499A true JPS63276499A (ja) 1988-11-14
JPH0675517B2 JPH0675517B2 (ja) 1994-09-28

Family

ID=14496499

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10890187A Expired - Fee Related JPH0675517B2 (ja) 1987-05-06 1987-05-06 還元型ニコチンアミド補酵素の定量方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0675517B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006517100A (ja) * 2003-01-06 2006-07-20 ユニヴァーシティ・オヴ・ノース・キャロライナ・アト・チャペル・ヒル Dna一本鎖切断を検出する方法
WO2019181911A1 (ja) * 2018-03-23 2019-09-26 東洋紡株式会社 アスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006517100A (ja) * 2003-01-06 2006-07-20 ユニヴァーシティ・オヴ・ノース・キャロライナ・アト・チャペル・ヒル Dna一本鎖切断を検出する方法
WO2019181911A1 (ja) * 2018-03-23 2019-09-26 東洋紡株式会社 アスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法
JPWO2019181911A1 (ja) * 2018-03-23 2021-03-11 東洋紡株式会社 アスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0675517B2 (ja) 1994-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU614405B2 (en) Process and agent for the colorimetric determination of an analyte by means of enzymatic oxidation
Mizutani et al. L-Malate-sensing electrode based on malate dehydrogenase and NADH oxidase
EP0606296B1 (en) Reagents and assay methods including a phenazine-containing indicator
JPS63276499A (ja) 還元型ニコチンアミド補酵素の定量方法
JPS6279780A (ja) 1,5―アンヒドログルシトールの定量法
EP0264815A1 (en) Methods for selective measurement of amino acids
JP2811319B2 (ja) 胆汁酸の高感度測定法および測定用組成物
JP4364331B2 (ja) 酵素を用いる分析方法
JP2994831B2 (ja) コレステロールの定量法および定量用試薬
US6541215B1 (en) Quantitative determination method of mannose and reagent therefor
JPH02100699A (ja) 生体試料の測定法
CN111575339A (zh) 1,5-脱水葡萄糖醇酶学定量方法及其试剂
JPH01174400A (ja) ポリアミンの測定法
JPH06153991A (ja) ホスファターゼ測定試薬
CN117778524A (zh) 一种快速检测尿液中半乳糖含量的方法
JPH01257500A (ja) 酵素または基質の測定法
JPH04278098A (ja) カンジダ症の検出方法及びキット
JPH01257499A (ja) Nad(p)hオキシダーゼを用いたnad(p)hの定量法
JPS6219100A (ja) 胆汁酸の定量法
JPS6342519B2 (ja)
JPH0533999B2 (ja)
JPH09248200A (ja) グルコース測定用試薬
JPS6251986A (ja) ピロロキノリンキノンを補欠分子族として含む酸化還元酵素のアポ酵素およびピロロキノリンキノンの定量方法
EP0154409A2 (en) Testing material for detecting alcohols
JPS6191570A (ja) 還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドまたは還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の定量法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees