JP4364331B2 - 酵素を用いる分析方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体成分、食品成分、細菌等の微生物検査等に有用な酵素的分析法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下NADと略す。)またはその還元型(以下NADHと略す。)は生体成分中含量の多い補酵素であり、生体中では多くの酸化還元反応に関与している。これらNAD(あるいはNADH)を分析する方法としてはそれぞれ260nmあるいは340nm付近に吸収極大を示すためこれらの吸収を分光学的に測定する方法が知られているが、本方法は感度が低い。一方これらの補酵素を高感度に分析するための手段として酵素的サイクリングシグナル増幅法が知られている(T.Slater他,ArchIntPhysiolBiochim,72巻、427〜447頁、1964年;C.Bernofsky等、AnalyticalBiochemistry、53巻、452〜458頁、1973年;A.Johannsson等、ClinicaChimicaActa,148巻、119〜124頁、1985年)。
【0003】
この分析法は酵素的サイクリング反応によるNADまたはNADHの酸化還元反応に伴って発色するシグナルを、その反応の繰り返しによって増幅させ、NADまたはNADHを高感度に検出する方法である。すなわち、以下にその反応を示したように、NADは、アルコール脱水素酵素とその基質であるエタノール存在下でアルコール脱水素酵素によるエタノールからアセトアルデヒドへの酸化反応に補酵素として働き、その際にNADHに還元される。この還元型NADは、テトラゾリウム系色原体とジアフォラーゼ存在下に再びNADに酸化されるが、同時にテトラゾリウム系色原体が還元されて呈色したホルマザン色素が生成される。NADはこのような条件下で酸化還元反応を繰り返し受けてシグナル強度は反応時間と共に大きくなる。NADHが被検液中に存在する場合でも同様の原理によりサイクリング反応が進行する。
【0004】
この酵素サイクリング系によるNAD(NADH)の高感度検出系は、直接生体成分中の検出に応用できるが、この他にアルカリホスファターゼの酵素活性分析(F.J.Dhahir他、ClinicalChemistry、38巻(2)、227〜232頁、1992年)、特にアルカリホスファターゼの酵素活性測定を利用した免疫測定系においては非常に優れた分析方法として位置付けられている(石川英二他編、免疫測定法、3巻、58〜60頁、医学書院刊)。
【0005】
従来、酵素サイクリング酵素としては、パン酵母由来のアルコール脱水素酵素(T.Slater他,ArchIntPhysiolBiochim,72巻、427〜447頁、1964年)、ザイモモナス属由来のアルコール脱水素酵素(特願平4−60743号)、好熱性微生物由来のアミノ酸脱水素酵素が知られていた(特願平4−298924)。
【0006】
しかしながら、NADあるいはNADH分析の目的で酵素サイクリング反応に酵母由来のアルコールデヒドロゲナーゼ、耐熱性アルコール脱水素酵素や耐熱性アミノ酸脱水素酵素等を使用した場合、サイクリング反応により感度良く分析できるものの単位時間当たりのサイクル数には限度があった。また、より微量のNADあるいはNADHを検出する場合には上記脱水素酵素の利用では対応できていないのが現状である。更に高感度を達成するためには、脱水素酵素の基質例えばアルコールデヒドロゲナーゼの場合はエチルアルコールを高濃度(100〜300mM)反応系に用いなければならず、同時に使用する他の酵素の安定性へ悪影響を及ぼす危険性があった。また、殆どの酵素サイクリング反応は水溶液中で行われ、着色した生成物濃度を分光光度計で比色分析する方法が一般的であり、高精度の分析機器の使用が必須であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、さらに高感度で、かつ高精度で簡便かつ迅速にNADおよびまたはNADH濃度を複雑な分析機器を要することなく検出する酵素サイクリング試薬を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するためNADまたはNADH濃度を検出する酵素サイクリングシグナル増幅反応系において、酵素サイクリング反応に12αハイドロキシステロイド脱水素酵素(以下12αHSDと省略する。)とジアフォラーゼ(以下DIと省略する。)および電子伝達体を用いNADまたはNADH濃度を高感度で、かつ高精度に電極上で検出できることを見出し、本発明に到達した。つまり、12αHSDがその基質である胆汁酸塩を酸化する際に、補酵素NADはNADHに還元される。そのNADHおよび初めから存在したNADHがDIにより酸化されてNADに戻る際に、電子伝達体が還元されて、その電子伝達体が電極へ電子を移送する。そして、この酵素サイクリング反応を繰り返すことにより、NADまたはNADHを電極上で高感度検出することが可能となる。
【0009】
12αHSDとDIを使用して過剰量のNAD存在下に胆汁酸を分析する方法は既に公知である(N.Tamasaka他、Gastroenterologia Japonica,23巻(6)、646〜651頁、1988年)が、本酵素を用いてNADやNADHを高感度に発色法により検出できることは全く予測できるものではなく、また電極上で該酵素による酵素サイクリングによるシグナル増幅反応も全く予測できるものではなかった。
【0010】
すなわち、本発明は、(1)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドおよび/またはその還元型を分析する方法において、胆汁酸塩、12αハイドロキシステロイド脱水素酵素、ジアフォラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの還元型がジアフォラーゼにより酸化されてニコチンアミドアデニンジヌクレオチドに戻る際に還元される電子伝達能を有する化合物、および該化合物から電子が移送される電極を用いて酵素サイクリングシグナル増幅反応を行うことを特徴とする方法、(2)胆汁酸塩、12αハイドロキシステロイド脱水素酵素、ジアフォラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの還元型がジアフォラーゼにより酸化されてニコチンアミドアデニンジヌクレオチドに戻る際に還元される電子伝達能を有する化合物、および該化合物から電子が移送される電極を用いてニコチンアミドアデニンジヌクレオチドおよび/またはその還元型を分析する酵素サイクリングシグナル増幅反応系、(3)上記1記載のニコチンアミドアデニンジヌクレオチドおよび/またはその還元型を分析する方法において、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの還元型がジアフォラーゼにより酸化されてニコチンアミドアデニンジヌクレオチドに戻る際に還元される電子伝達能を有する化合物から電子が移送される電極であって、12αハイドロキシステロイド脱水素酵素および/またはジアフォラーゼを固定化したニコチンアミドアデニンジヌクレオチドおよび/またはその還元型分析用の電極、に関する。
【0011】
さらには、(4)12αハイドロキシステロイド脱水素酵素がバチルス属由来である(1)に記載の方法、(5)12αハイドロキシステロイド脱水素酵素がバチルス属由来である(2)に記載の酵素サイクリングシグナル増幅反応系、(6)12αハイドロキシステロイド脱水素酵素がバチルス属由来である(3)に記載の電極、(7)12αハイドロキシステロイド脱水素酵素がバチルス・スフェリクス由来である(1)または(4)に記載の方法、(8)12αハイドロキシステロイド脱水素酵素がバチルス・スフェリクス由来である(2)または(5)に記載の酵素サイクリングシグナル増幅反応系、(9)12αハイドロキシステロイド脱水素酵素がバチルス・スフェリクス由来である(3)または(6)に記載の電極、(10)電極がカーボン電極である(1)、(4)または(7)に記載の方法、(11)電極がカーボン電極である(2)、(5)または(8)に記載の酵素サイクリングシグナル増幅反応系、(12)電極がカーボン電極である(3)、(6)または(9)に記載の電極、(13)胆汁酸塩がコール酸塩、デオキシコール酸塩、タウロコール酸塩、タウロデオキシコール酸塩、グリココール酸塩、グリコデオキシコール酸塩からなる群から選ばれる胆汁酸塩である(1)、(4)、(7)または(10)に記載の方法、(14)胆汁酸塩がコール酸塩、デオキシコール酸塩、タウロコール酸塩、タウロデオキシコール酸塩、グリココール酸塩、グリコデオキシコール酸塩からなる群から選ばれる胆汁酸塩である(2)、(5)、(8)または(11)に記載の酵素サイクリングシグナル増幅反応系、(15)電子伝達能を有する化合物がキノン類、フラビン類、フェノール類、フェロセン類、シアン化鉄類、フェニレンジアミン類からなる群から選ばれる化合物である(1)、(4)、(7)、(10)または(13)に記載の方法、(16)電子伝達能を有する化合物がキノン類、フラビン類、フェノール類、フェロセン類、シアン化鉄類、フェニレンジアミン類からなる群から選ばれる化合物である(2)、(5)、(8)、(11)または(14)に記載の酵素サイクリングシグナル増幅反応系。17)電子伝達能を有する化合物がアミノフェノール類、フェロセン類、ベンゾキノン類からなる群から選ばれる化合物である(1)、(4)、(7)、(10)または(13)に記載の方法、(18)電子伝達能を有する化合物がアミノフェノール類、フェロセン類、ベンゾキノン類からなる群から選ばれる化合物である(2)、(5)、(8)、(11)または(14)に記載の酵素サイクリングシグナル増幅反応系、に関する。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。この発明の酵素的測定法におけるNADおよびNADHの検出は、これらの両方あるいはいずれか一方を含有する検体と、緩衝液、12αHSD、水可溶性の胆汁酸塩、DI、アミノフェノール類,フェロセン類またはベンゾキノン類等の電子伝達体、界面活性剤等で構成されるカーボン電極に作用させ生じる電流を測定すればいい。
【0013】
本発明で使用される12αHSDとしては、微生物由来の酵素が用いられる。市販の酵素(旭化成工業社製、カタログ番号;T−29)を使用してもいいし、バチルス・スフェリクスB0865(日本国通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に平成10年11月18日に受託番号:FERMP−17057として寄託されている)を液体培養し得られる菌体より抽出精製したものを用いることができる。菌の培養及び精製は下記のように行った。0.05%コール酸ナトリウム、2%ペプトン、1%酵母エキス、0.3%塩化ナトリウム、0.1%リン酸2ナトリウム、0.05%塩化マグネシウム、0.02%塩化カルシウム、0.01%消泡剤(シリコンKM72)の組成の滅菌培地20リットルに同一培地で前培養(30℃、20時間)したバチルス・スフェリクスB0865の培養液100mlを移植し、250回転、20リットル/分の通気条件で18時間培養した。得られた培養液を5000回転、15分間遠心分離して菌体を得た。
【0014】
菌体を10mMリン酸緩衝液pH7.5 1リットルに分散し、氷冷下で15分間超音波処理して酵素を抽出後、15000回転、20分間遠心分離して酵素粗抽出液965mlを得た。次いでこれに等量の飽和硫安液を加え4℃で1昼夜放置し遠心分離(15000回転、20分間)して得られた沈殿を150mlの10mMリン酸緩衝液pH7.5に溶解した後、セファデックスG25カラムで脱塩した。この酵素液を10mMリン酸緩衝液pH7.5で平衡化したDEAEセファロースカラム(内径5x高さ13cm)に通し酵素を吸着させた後、500mlの10mMリン酸緩衝液pH7.5でカラムを洗浄し、次いで300mlの0.1M塩化カリウムを含む10mMリン酸緩衝液pH7.5、0.2M塩化カリウムを含む10mMリン酸緩衝液pH7.5、300mlの0.3M塩化カリウムを含む10mMリン酸緩衝液pH7.5、0.4M塩化カリウムを含む10mMリン酸緩衝液pH7.5を順次通液した。活性画分280mlを集め3リットルの10mMリン酸緩衝液pH7.5で透析した後、凍結乾燥して192mg(125単位/mg重量)の12αHSDを得た。
【0015】
この酵素の測定試薬中の使用量は、4〜24単位、より好ましくは6〜10単位である。なお、酵素活性1単位はpH8.0、37℃で1分間にNAD存在下デオキシコール酸を1マイクロモル脱水素する酵素量として定義される。本酵素の活性測定は下記のように行った。すなわち0.2Mリン酸緩衝液pH8.0 0.1ml、10mM NAD 0.05ml、0.25%ニトロテトラゾリウムブルー0.05ml、200U/ml DI 0.025ml、2%トリトンX100 0.05ml、精製水0.225mlからなる反応液0.5mlを37℃で予備加温して10mMリン酸緩衝液pH8で希釈した酵素液20マイクロリットルを添加して正確に5分間酵素反応を行った。しかる後0.5%SDS 2.5ml添加して反応を止め550nmの吸光度を測定した。
【0016】
また、この酵素の基質としてはデオキシコール酸塩、グリコデオキシコール酸塩、タウロデオキシコール酸塩、コール酸塩、グリココール酸塩、タウロコール酸塩等のいずれをも使用でき、その使用量は0.02〜2マイクロモル、好ましくは0.1〜0.4マイクロモルである。
DIについては、特にその由来に制限はないが、細菌由来の酵素が好ましく、市販の酵素を使用できる(バチルス・メガテリウム由来酵素:旭化成工業株式会社;カタログ番号T−06、クロステリジウム・エスピー由来酵素:東洋紡績株式会社;コードDAD−301、バチルス・ステアロサーモフィルス由来酵素:生化学工業株式会社;カタログ番号100436)。その測定試薬中の使用量は2〜12単位、好ましくは4〜8単位/mlである。なお、酵素活性1単位はpH8.0、37℃で1分間にニトロテトラゾリウムブルー存在下NADHを1マイクロモル脱水素する酵素量として定義した。DIの酵素活性測定は下記に示す方法で行った。すなわち、0.2Mリン酸緩衝液(pH8)0.5ml、0.25%ニトロテトラゾリウムブルー0.1ml、1%ウシ血清アルブミン0.1ml、10mM NADH 0.1ml、精製水0.2mlからなる反応液1mlを37℃で予備加温しこれに0.1%ウシ血清アルブミンを含む0.1Mリン酸緩衝液pH8で希釈した酵素液100マイクロリットルを添加し正確に10分後に0.1M塩酸2mlを加えて酵素反応を止め、生成したホルマザン色素を550nmで比色定量した。
【0017】
測定試薬に用いる緩衝液としては、トリス−塩酸緩衝液、燐酸緩衝液、各種グッド緩衝液、エタノールアミン緩衝液等の中性からアルカリ性のものを使用できる。pH範囲としては6.0〜10.0、好ましくは7.0〜9.0程度であり、特に好ましくは8から8.5である。その濃度は10〜1000mM、好ましくは25〜400mM程度である。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤またはイオン性界面活性剤を用いることができ、中でもトリトンX−100等のポリオキシエチレン・フェニルアルキルエーテル系の界面活性剤が好ましく、その測定試薬中の濃度は0.01〜5%、より好ましくは0.05〜2%程度である。
【0018】
本発明の具体的なNADまたはNADHの分析方法は以下のように行うことができる。すなわち、緩衝液、界面活性剤、上記酵素12αHSD、DI、水可溶性胆汁酸塩から構成されるカーボン電極を作製する。用いる酵素類は緩衝液中に溶解させてもいいし電極表面に固定化してもいいが、固定化した方が効率よく分析できる。固定化はグルタルアルデヒドのような架橋性試薬を用いて直接行ってもいいし、アミノ基を有する合成ポリマーやアルブミンのような蛋白質を介してもいい。酵素活性を最大限に発現する条件を適宜選ぶことができる。使用する電極の材料としては金、白金、カーボンペースト、グラッシーカーボン等から適宜選ぶことができるがカーボン電極が好ましい。酵素以外の反応に必要な成分(緩衝液、水可溶性胆汁酸塩類、電子伝達体、界面活性剤等)は電極に酵素類を固定化する際に同時に含浸させることもできる。このようにして得られた電極をNADあるいはNADHを含む試料液に浸し、一定電圧を印加して電極間に生じる電流を測定することにより濃度を容易に決定することができる。
【0019】
使用する電子伝達体としては、1,4−ベンゾキノン、トルキノン、1,4−ナフトキノン、ビタミンK3、パラメチルアミノフェノール、2,5−ジクロロベンゾキノン、デュロキノン、2,5−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン等のキノン類、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド等のフラビン類、4−アミノフェノール、4−メチルアミノフェノール、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール等のフェノール類、ヒドロキシメチルフェロセン、1ーヒドロキシエチルフェロセン等のフェロセン類、フェロシアン化カリウムのシアン化鉄類、N,N,N’,N’−テトラメチルフェニレンジアミンのフェニレンジアミン類が使用できるが、中でもアミノフェノール類、フェロセン類、ベンゾキノン類が好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に実施例、比較例、参考例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限されるものではない。
【0021】
【実施例1】
鏡面仕上げした直径3mmのグラッシーカーボン電極(BAS製:11−2012)上に4000単位/mlDI(旭化成工業社製:カタログ番号T−06)と12000単位/mlバチルス・スフェリクス由来12αHSDの混合溶液1マイクロリットルと2%(v/v)グルタルアルデヒド溶液0.5マイクロリットルを塗布し、室温(25℃)で2時間静置してDI、12αHSD同時固定電極を作製した。この酵素電極を作用電極、飽和カロメル電極(BAS製:11−2055)を参照電極、白金電極(BAS製:11−2230)を対向電極としてポテンシオスタット(BAS製:BAS−100B)に接続し、30℃での測定を行った。予めサンプルホルダーに0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)、1mMコール酸ナトリウム、0.1mMヒドロキシメチルフェロセンを含む200マイクロリットルを上記の固定化酵素電極を浸漬した後0.2ボルトを30分間印加した。しかる後終濃度で100nMになるようにNADHを加え、30℃で5分後の電流値を測定した結果、56nAの電流(水を検体にして同様の操作によって生じる電流値との差)が得られた。
【0022】
【実施例2】
実施例1に示した酵素固定化電極を用いて実施例1と同様の操作により、20、40、60、80、100nM濃度のNADを被検液として用い分析した。図1に示したように高感度でNADを精度良く定量分析することができた。
【0023】
【実施例3】
実施例1に示した組成の中でコール酸ナトリウムの代わりに、基質をタウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、またはグリコデオキシコール酸ナトリウムを用いて得られた電流値は表1の通りであった。
【0024】
【表1】
Figure 0004364331
【0025】
【比較例1】
実施例1の12αHSDの代わりにアルコール脱水素酵素(シグマ社製)100単位を使用、コール酸の代わりにエタノールを使用し同様の操作によりNADの酵素サイクリングによる定量を行った。但しエタノール濃度は300mM使用した。実施例1と同じ100nM NADHでは全く電流値増加は観察されなかった。0.1mM NADHを用いたとき110nAの電流値が得られた。
【0026】
【参考例1】
125マイクロリットルの0.2Mリン酸緩衝液pH8、100マイクロリットルの0.5%ニトロテトラゾリウムブルー、50マイクロリットルの5%トリトンX−100、50マイクロリットルの8mMコール酸ナトリウム、40マイクロリットルのDI(790単位/ml)、30マイクロリットルの12αHSD(480単位/ml)、105マイクロリットルの精製水からなる500マイクロリットルの分析試薬を37℃で予備加温し、20マイクロリットルの100nM NADを添加し10分後に500マイクロリットルの1%SDSで反応を止めた。しかる後550nmの吸光度を測定した。その結果NADH無添加試薬のみの吸光度は0.073、NADHを添加した時の吸光度は0.242であった。10分間の酵素サイクリング回数は5280であった。
【0027】
【参考例2】
参考例1の12αHSDの代わりにアルコール脱水素酵素(シグマ社製)25単位を使用、コール酸の代わりにエタノールを使用し参考例1と同様の操作によりNADの酵素サイクリングによる定量分析を行った。その結果1mMエチルアルコール使用時で10分間のサイクリング回数は250、300mMエチルアルコール使用時で回転数は850であった。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、酵素サイクリング用酵素として12αHSDを用いることにより極めて高感度にNADあるいはNADHを定量分析することができ、高感度分析が要求される臨床検査分野や食品分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】酵素サイクリング法によるNADの検量線を示すグラフ。

Claims (18)

  1. ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドおよび/またはその還元型を分析する方法において、胆汁酸塩、12αハイドロキシステロイド脱水素酵素、ジアフォラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの還元型がジアフォラーゼにより酸化されてニコチンアミドアデニンジヌクレオチドに戻る際に還元される電子伝達能を有する化合物、および該化合物から電子が移送される電極を用いて酵素サイクリングシグナル増幅反応を行うことを特徴とする方法。
  2. 胆汁酸塩、12αハイドロキシステロイド脱水素酵素、ジアフォラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの還元型がジアフォラーゼにより酸化されてニコチンアミドアデニンジヌクレオチドに戻る際に還元される電子伝達能を有する化合物、および該化合物から電子が移送される電極を用いてニコチンアミドアデニンジヌクレオチドおよび/またはその還元型を分析する酵素サイクリングシグナル増幅反応系。
  3. 請求項1記載のニコチンアミドアデニンジヌクレオチドおよび/またはその還元型を分析する方法において、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの還元型がジアフォラーゼにより酸化されてニコチンアミドアデニンジヌクレオチドに戻る際に還元される電子伝達能を有する化合物から電子が移送される電極であって、12αハイドロキシステロイド脱水素酵素および/またはジアフォラーゼを固定化した、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドおよび/またはその還元型分析用の電極。
  4. 12αハイドロキシステロイド脱水素酵素がバチルス属由来である請求項1に記載の方法。
  5. 12αハイドロキシステロイド脱水素酵素がバチルス属由来である請求項2に記載の酵素サイクリングシグナル増幅反応系。
  6. 12αハイドロキシステロイド脱水素酵素がバチルス属由来である請求項3に記載の電極。
  7. 12αハイドロキシステロイド脱水素酵素がバチルス・スフェリクス由来である請求項1または4に記載の方法。
  8. 12αハイドロキシステロイド脱水素酵素がバチルス・スフェリクス由来である請求項2または5に記載の酵素サイクリングシグナル増幅反応系。
  9. 12αハイドロキシステロイド脱水素酵素がバチルス・スフェリクス由来である請求項3または6に記載の電極。
  10. 電極がカーボン電極である請求項1、4または7に記載の方法。
  11. 電極がカーボン電極である請求項2、5または8に記載の酵素サイクリングシグナル増幅反応系。
  12. 電極がカーボン電極である請求項3、6または9に記載の電極。
  13. 胆汁酸塩がコール酸塩、デオキシコール酸塩、タウロコール酸塩、タウロデオキシコール酸塩、グリココール酸塩、グリコデオキシコール酸塩からなる群から選ばれる胆汁酸塩である請求項1、4、7または10に記載の方法。
  14. 胆汁酸塩がコール酸塩、デオキシコール酸塩、タウロコール酸塩、タウロデオキシコール酸塩、グリココール酸塩、グリコデオキシコール酸塩からなる群から選ばれる胆汁酸塩である請求項2、5、8または11に記載の酵素サイクリングシグナル増幅反応系。
  15. 電子伝達能を有する化合物がキノン類、フラビン類、フェノール類、フェロセン類、シアン化鉄類、フェニレンジアミン類からなる群から選ばれる化合物である請求項1、4、7、10または13に記載の方法。
  16. 電子伝達能を有する化合物がキノン類、フラビン類、フェノール類、フェロセン類、シアン化鉄類、フェニレンジアミン類からなる群から選ばれる化合物である請求項2、5、8、11または14に記載の酵素サイクリングシグナル増幅反応系。
  17. 電子伝達能を有する化合物がアミノフェノール類、フェロセン類、ベンゾキノン類からなる群から選ばれる化合物である請求項1、4、7、10または13に記載の方法。
  18. 電子伝達能を有する化合物がアミノフェノール類、フェロセン類、ベンゾキノン類からなる群から選ばれる化合物である請求項2、5、8、11または14に記載の酵素サイクリングシグナル増幅反応系。
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