JPS6342519B2 - - Google Patents

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JPS6342519B2
JPS6342519B2 JP6740579A JP6740579A JPS6342519B2 JP S6342519 B2 JPS6342519 B2 JP S6342519B2 JP 6740579 A JP6740579 A JP 6740579A JP 6740579 A JP6740579 A JP 6740579A JP S6342519 B2 JPS6342519 B2 JP S6342519B2
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JP
Japan
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formaldehyde
nad
enzyme
dehydrogenase
adenine dinucleotide
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Application number
JP6740579A
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Inventor
Minoru Ando
Yasuo Iwaki
Hideji Shibata
Toshiro Kikuchi
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6342519B2 publication Critical patent/JPS6342519B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規なホルムアルデヒドデヒドロゲナ
ーゼによるホルムアルデヒドの定量法に関するも
のである。 近年、臨床医学の分野における血液、尿中に存
在する化学物質或は酵素活性の定量に際してそれ
ぞれの物質に対する基質特異性の高い酵素或は基
質を作用させ、その反応系で生成する比色しやす
い物質を検量する方法が正確、簡便、迅速な日常
検査法として繁用される方向にある。たとえば、
尿酸、グルコース、コレステロール等、日常の臨
床検査として重要なもの、更にはキサンチン、ヒ
ポキサンチン、フルクトース、ラクトース、ガラ
クトース、プレグナンジオール、各種アミノ酸、
生体塩基性物質等を含めて、これらを基質として
それぞれに特異性を有する酸化還元酵素を作用さ
せ、基質量と化学量論的に等価に発生した過酸化
水素を定量するに際し、発生した過酸化水素を用
いてカタラーゼの存在下でメタノールを酸化さ
せ、生じるホルムアルデヒドを定量することによ
り上記生体成分の含量を定量することが行なわれ
ている。 従来のホルムアルデヒドの定量法にはアセチル
アセトン法、クロモトロープ酸法、フロログルシ
ン法、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒド
ラゾン法、トリアゾール法等の比色定量法が良く
用いられる。しかし、ホルムアルデヒドに対する
特異性が低い、夾雑物による防害をうけやすい、
呈色が不安定で再現性に乏しい、操作が煩雑であ
る、高濃度の酸、アルカリを使用するため測定者
に対する危険性また廃水処理の問題等の欠点が多
かつた。 本発明者等は上記欠点のないホルムアルデヒド
の定量法について種々鋭意検討したところ、新規
なホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼを見出すと
ともにこの酵素によりホルムアルデヒドを定量す
る方法を見出し本発明に到達した。すなわち本発
明はホルムアルデヒドに酸化型ニコチンアミドア
デニンジヌクレオチド(以下NADと略す)の存
在下で、少なくとも下記性質〜を有する新規
なホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ(以下
FDHaseと略することがある)を作用させ、生成
するギ酸または還元型ニコチンアミドアデニンジ
ヌクレオチド(以下NADHと略す)を定量する
ことを特徴とする新規なホルムアルデヒドデヒド
ロゲナーゼによるホルムアルデヒドの定量法であ
る。 HCHO+NAD+H2O→HCOOH+NADH2 上記のごとく、NADを介してホルムアルデ
ヒドを酸化してギ酸を生成し、逆の作用を有し
ない。 NADのみを電子受容体とする。 活性発現に還元型グルタチオンの添加を要し
ない。 ホルムアルデヒドの他にアセトアルデヒド、
プロピオンアルデヒド、メチルグリオキザル、
グリオキザルにも作用するが、炭素数4以上の
アルデヒド類、アルコール類としてメタノー
ル、エタノール、プロパノール、エチレングリ
コール、グリセロール、脂肪酸およびアミン類
には作用しない(基質濃度50mM)。 ホルムアルデヒドに対するKm値が8×10-5M
(PH7.5)であり、NADに対するKmが12×
10-5M(PH7.5)である。 分子量が150000±1000であり、等電点がpI=
5.2±0.1であり、至適PHが7.0〜8.0であり、安
定PHが8.5〜9.5である。 非イオン系界面活性剤に対して安定である
が、アニオン系、カチオン系および両性界面活
性剤に対して影響を受ける。 従来から知られているホルムアルデヒドデヒド
ロゲナーゼは酵母や細菌の生産する酵素としてニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下
NADと略する)と、還元型グルタチオンの存在
下でのみ酵素作用を生ずる(酵素ハンドブツク、
朝倉書店刊、第97頁1977年参照)。またNADおよ
び/または還元型グルタチンの添加は要しない
が、ジクロロフエノールインドフエノール(以下
DCPIPと略する)の添加を要するホルムアルデ
ヒドデヒドロゲナーゼ(Antonie Van
Leeuwenhock第41巻第89〜95頁1975年参照)、更
にはNADおよび還元型グルタチオンの添加は要
しないが、プテリジンまたはフエナジンメトサル
フエートの添加を要し、且つメタノールに対して
も酸化作用を有するホルムアルデヒドデヒドロゲ
ナーゼが知られている(Agr.Biol.Chem.第41巻
第467頁、1977年参照)。 またシユードモナス属に属する微生物がNAD
を電子受容体とし、活性発現に還元型グルタチオ
ンの添加を要しないホルムアルデヒドデヒドロゲ
ナーゼを生産する能力を有することも知られてい
る(Biochem.J.第116巻第357〜365頁1970年参
照)。 本発明に用いる酵素は上記ホルムアルデヒドデ
ヒドロゲナーゼとは作用機作が全く異なり、
NADのみを電子受容体としてホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、メチ
ルグリオキザル、グリオキザルに作用するが、炭
素数4以上のアルデヒド類、アルコール類として
メタノール、エタノール、プロパノール、エチレ
ングリコール、グリセロール、脂肪酸およびアミ
ン類には作用せず(基質濃度50mM)、また活性
発現に還元型グルタチオンの添加を要しない新規
なホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼである。 すなわち本発明に用いる酵素は下記性質〜
を有してなる新規なホルムアルデヒドデヒドロゲ
ナーゼである。 HCHO+NAD+H2O→HCOOH+NADH2 上記のごとく、ニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチドを介してホルムアルデヒドを酸化し
てギ酸を生成し、逆の作用を有しない。 ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのみ
を電子受容体とする。ニコチンアミドアデニン
ジヌクレオチドホスフエート等の他の電子受容
体を利用しない。 活性発現に還元型グルタチオンの添加を要し
ない。 ホルムアルデヒドの他にアセトアルデヒド、
プロピオンアルデヒド、メチルグリオキザル、
グリオキザルにも作用するが、炭素数4以上の
アルデヒド類、アルコール類としてメタノー
ル、エタノール、プロパノール、エチレングリ
コール、グリセロール、脂肪酸およびアミン類
には作用しない。 ホルムアルデヒドに対するKm値が8×10-5M
(PH7.5)であり、NADに対するKm値が12×
10-5M(PH7.5)である。 分子量が150000±1000であり、等電点がpI=
5.2±0.1であり、至適PHが7.0〜8.0であり、安
定PHが8.5〜9.5である。 非イオン系界面活性剤に対して安定である
が、アニオン系、カチオン系および両性界面活
性剤に対して影響を受ける。 本発明に用いるホルムアルデヒドデヒドロゲナ
ーゼは還元型グルタチオンの添加を要しない点に
おいて、従来知られているホルムアルデヒドデヒ
ドロゲナーゼ(酵素ハンドブツク、朝倉書店刊、
第97頁1977年参照)とは相違する。また、
DCPIPの添加を要しない点において、従来のホ
ルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ(Antonie van
Leeuwenhock第41巻第89〜95頁、1975年参照)
とも相違する。さらに、メタノールに対して酸化
作用を有しない点において、従来のホルムアルデ
ヒドデヒドロゲナーゼ(Agr.Biol.Chem.第41巻
第467頁、1977年参照)とも相違し、かつ、メチ
ルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等
のアミン類に対して酸化作用を有しない点におい
て、従来のホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ
(Biochem.J.第116巻第357〜365頁、1970年参照)
とも相違する。 次に本発明に用いる新規なホルムアルデヒドデ
ヒドロゲナーゼについてさらに詳述する。 (1) 作 用 下記のごとく、NADを介してホルムアルデ
ヒドを酸化してギ酸を生成し、逆の作用を有し
ない。 HCHO+NAD+H2O→HCOOH+NADH2 電子受容体としてNADのみを利用し、ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチドホスフエー
ト(NADP)、ジクロロフエノールインドフエ
ノール(DCPIP)、プテリジン、フエナジンメ
トサルフエート(PMS)などの他の電子受容
体を利用しない。 活性発現に還元型グルタチオンの添加を要し
ない。 (2) 基質特異性 ホルムアルデヒドの他にアセトアルデヒド、
プロピオンアルデヒド、メチルグリオキザル、
グリオキザルにも作用するが、炭素数4以上の
アルデヒド類、アルコール類としてメタノー
ル、エタノール、プロパノール、エチレングリ
コール、グリセロール、脂肪酸およびアミン類
には作用しない(基質濃度50mM)。 下記第1表に本発明に用いる新規なホルムア
ルデヒドデヒドロゲナーゼの一例の各種基質に
対する相対活性を示す。
【表】
【表】 (3) 至適PHおよび安定PH範囲 本発明に用いる酵素の一例のPH作用曲線を第
1図に、25℃、16時間におけるPH安定曲線を第
2図に示す。 至適PHはPH7.5付近であり、安定PH範囲は25
℃、16時間処理においてPH8.5〜9.5である。 (4) 力価の測定法 (i) NADの還元における340nmの吸収増加法 10mMのホルムアルデヒド溶液(PH7.5)
1mlと10mMのNAD溶液0.5mlを1cm巾の石
英セルに添加し、37℃で予備加温しておく。
適当に稀釈した酵素液0.5mlを添加して直ち
に分光光度計で340nmにおける吸光度を記
録し、その直線部分から1分間の吸光度変化
を読み取り、次式により酵素活性を計算す
る。 U/ml=△E340×2.0(ml)/6.22×0.5(ml) (ii) ジホルマザン法 0.5%のトリトンX−100を含む10mMホル
ムアルデヒド溶液(PH7.5)0.5ml、0.01%
PMSと0.1%のNTBを含む溶液0.1ml、3m
MのNADを含む水溶液0.1mlを混合し、37℃
に予備加温する。酵素液0.5mlを注加して酵
素反応せしめ、15分後、0.3N−HCl、3ml
で反応を停止させ、570nmにおける吸光度
を読む。0.3N−HClを添加してから酵素液
を添加した場合を対照として次式により酵素
活性を計算する。 U/ml=△E570×4.2ml/20.1×15×0.5 いずれの場合も酵素作用および発色変化は
次式に従つており、両者における酵素活性表
示値は一致する。尚1単位は37℃、PH7.5に
おいて1分間に1マイクロモルのホルムアル
デヒドを分解する量と定義する。 (5) 作用温度の範囲 本発明に用いる酵素の温度活性曲線を第3図
に、PH7.5、30分間処理における温度安定曲線
を第4図に示す。作用適温は約40℃付近であ
り、PH7.5、30分間処理において40℃まで安定
である。 (6) 各種金属および界面活性剤による影響 NiZnMnHgCdにより酵素は阻害
されるが、その他の金属では影響を受けない。
又非イオン系界面活性剤には影響を受けない
が、アニオン系及びカチオン系界面活性剤で阻
害される。
【表】
【表】 (7) 分子量 セフアデツクスG−200によるゲル過法で
150000±1000であり、SDSポリアクリルアミド
を用いたDISC電気泳動法では72000±2000であ
る。 (8) 等電点 アンホライン電気泳動法でpI=5.2±0.1であ
る。 (9) Km値 ラインウエーバーバーク・プロツトからホル
ムアルデヒドに対して8×10-5M(PH7.5)、
NADに対して12×10-5M(PH7.5)である。又
その作用図からピンポンBiBiメカニズムによ
る反応であると推定される。 本発明に用いる酵素は微生物の培養により生産
されるが、微生物としてはシユードモナス属、ア
クロモバクター属、アースロバクター属、プロテ
ウス属、セラチア属、アグロバクテリウム属、エ
ツシエリヒア属またはミクロコツカス属などがそ
の生産能を有する。特にシユードモナス属の微生
物が望ましい。 次に本発明に用いる酵素の製造法について述べ
る。 使用する培地は炭素源、窒素源、無機物、その
他の栄養素を程良く含有する培地ならば合成培地
または天然培地のいずれも使用可能である。特に
液体培地が好ましい。 炭素源としてはグルコース、フルクトース、シ
ユクロース、マルトース、マンノース、澱粉、澱
粉加水分解液、糖蜜などの種々の炭水化物あるい
はグリセロール、ソルビトール、マンニトールな
どの種々の糖アルコールが使用でき、また酢酸、
乳酸、ピルビン酸、フマール酸、クエン酸などの
各種有機酸、メタノール、エタノールなどの各種
アルコール、エチレングリコール、プロピレング
リコールなどの各種グリコール、各種アミノ酸、
あるいはn−ヘキサデカンなどの炭化水素も使用
可能である。 窒素源としてはアンモニアあるいは塩化アンモ
ニウム、炭酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、
硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウムなどの各種
無機および有機アンモニウム塩、あるいは尿素、
アミノ酸およびその他の窒素化合物ならびにペプ
トン、NZ−アミン、肉エキス、コーンステープ
リカー、カゼイン加水分解物、蛹加水分解物、フ
イツシユミールあるいはその消化物、脱脂大豆あ
るいはその消化物などの窒素性有機物質などが使
用できる。 無機物としては燐酸第一カリウム、燐酸第二カ
リウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸
マンガン、硫酸第一鉄、塩化ナトリウム、炭酸カ
ルシウムなどが使用できる。 その他の栄養素としては酵母エキスあるいは麦
芽エキスなどが好ましい。 使用する培地には酵素の誘導物質として、ザル
コシン、ベタイン、ジメチルグリシン、コリン、
ベタインアルデヒド、クレアチン、クレアチニ
ン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチル
アミン、ホルムアルデヒド等の代謝前駆物質また
はこれらの混合物、これを含有する物質を添加す
れば、より多量のホルムアルデヒドデヒドロゲナ
ーゼを生成させることができる。前記代謝前駆物
質の添加量は培地に対して0.05〜1.0重量%であ
ることが好ましい。ホルムアルデヒドは培養終期
に培地に極く微量添加すると酵素の生産性は増大
する。 培養温度は通常15〜40℃の範囲で、好適には28
〜33℃である。培養時のPHは通常6.0〜8.5の範囲
で、好適には6.5〜8.5である。このような条件下
で1〜2日間培養すれば培養液および/または菌
体中にホルムアデヒドデヒドロゲナーゼが多量に
生成する。 菌体は凍結融解、超音波破砕、ガラスビーズ磨
砕、機械的圧縮、自己消化など公知の方法で破砕
して菌体抽出物とする。 培養液および上記菌体抽出物からの酵素の抽出
は硫安塩析、脱塩、イオン交換クロマトグラフイ
に処して行なう。 本発明はホルムアルデヒドにNADの存在下で、
上記新規なホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼを
作用させ、生成するギ酸又はNADHを定量する
ことによりホルムアルデヒドを定量する。 本発明で測定可能なホルムアルデヒドとして
は、生体成分、たとえば血液中の重要なパラメー
ターであるグルコース、尿酸、コレステロール、
コリンのような物質、更にはキサンチン、ヒポキ
サンチン、フラクトース、ラクトース、ガラクト
ース、プレグナンジオール、各種アミノ酸、生体
塩基物質等を基質として、それぞれに特異性を有
する酸化還元酵素を作用せしめ、基質量と化学量
論的に等価に発生した過酸化水素をメタノールの
存在下でカタラーゼを作用させ、発生したホルム
アルデヒドがある。 また、生体成分、たとえば血液中のクレアチニ
ン、クレアチンなどを基質として、それぞれに特
異性を有する分解酵素を作用せしめ、基質量と化
学量論的に等価に発生したホルムアルデヒドも測
定可能である。したがつて、本発明方法によりホ
ルムアルデヒドを測定することにより、上記生体
成分、あるいは各種酵素を定量することができ
る。 本発明ではまた、消毒剤、防腐剤、改質剤、接
着剤、樹脂として直接ホルムアルデヒドまたはそ
の誘導体を含有する物質のホルムアルデヒド、あ
るいは廃水、大気中のホルムアルデヒド等、ホル
ムアルデヒドが含有されている物質ならばいずれ
も測定可能である。 本発明においてホルムアルデヒドデヒドロゲナ
ーゼをホルムアルデヒドに作用させるPHおよび温
度範囲はPH5からPH11の範囲、好ましくはPH7か
らPH8、温度20℃から40℃、好ましくは30℃から
37℃の間である。 生成したNADHは340nmに特異的吸収をもつ
ているので、この吸光度を吸光度が一定になつた
後に分光光度計で測定することによりNADHの
分子吸光係数6270からNADHの含有量、ひいて
はNADH生成と等価に消費されたホルムアルデ
ヒドの含有量を測定することができる。 またギ酸をメチルオレンジ、フエノールフタレ
イン等の指示薬を加え、苛性ソーダ、苛性カリ等
のアルカリで滴定する酸・アルカリ滴定法、その
他の公知の方法で定量することも可能である。 NADHの測定に際し、NADHよりフエナジン
メトサルフエート(PMS)を介してニトロブル
ーテトラゾリウム(NTB)、3−(p−ヨードフ
エニル)−2(p−ニトロフエニル)−5−フエニ
ル−2H−テトラゾリウムクロライド(INT)等
のテトラゾリウム系への電子伝達を行なわせ、
NTB、INT等よりジホルマザンを形成させるこ
とにより可視発色させ感度を上げて測定すること
も可能である。 本発明方法を用いると、NADHの増加を340n
mの吸光度を分光光度計で測定すればよい。 本発明法と従来のアセチルアセトン法とを比較
すると第1表に示すような結果が得られた。な
お、両方法ともにホルムアルデヒドの量は
0.20μM、反応温度は37℃であつた。測定波長は
本発明法は340nmであり、アセチルアセトン法
は400nmであつた。
【表】 したがつて、発色の上限に到達する時間は第1
表に示すごとく、アセチルアセトン法で約1時間
であるのに対し、本発明法によれば15分程度であ
り、大幅な時間短縮が可能である。またFDHase
の基質特異性が高いので夾雑物があつても測定に
は何ら支障はない。 測定に際しては中性付近の緩衝液を用いるので
安全であり、恒温槽中に一定時間保つた後、分光
光度計で測定するだけであるから操作はきわめて
容易かつ安全である。このように本発明法は従来
法の問題点をよく解決するものである。さらに基
質特異性が高く、臨床分析にも応用しうるのでそ
の応用分野はきわめて広い。 本発明方法はさらに次のような特徴を有する。
血液中の尿酸からウリカーゼの作用で過酸化水素
を生成せしめ、メタノールの存在下でカタラーゼ
によりホルムアルデヒドに転換し、ホルムアルデ
ヒドデヒドロゲナーゼを利用してホルムアルデヒ
ドを測定する場合、 (i) 従来の酵素では還元型グルタチオンが定量に
妨害となるが、本発明の酵素では還元型グルタ
チオンの影響を受けない。 (ii) 上記ホルムアルデヒドの測定においてメタノ
ールに作用する酵素は利用できないが、本発明
の酵素はメタノールに作用しないから有用であ
る。 (iii) DCPIPを電子受容体として測定する場合、
DCPIPは酸化状態で着色している為にその添
加量に制限があり、基質濃度を充分高くするこ
とができない。他方、本発明の酵素はDCPIP
を電子受容体とせず、NADを電子受容体とす
るが、NADは還元型のNADHになつてはじめ
て340nmに吸収をもつのでNADの添加に制限
がない。 次に本発明を実施例により具体的に説明するが
各試薬の濃度ならびに液量の組合せは実施例の記
載に限定されるものではなく、また本発明は実施
例のみに限定されるものではない。 参考例 1 ベタイン1%、ポリペプトン1%、酵母エキス
0.4%、麦芽エキス0.1%、塩化アンモニウム0.2
%、リン酸第二カリウム1.4%、リン酸第一カリ
ウム0.3%となるように水道水に各種栄養源を溶
解した培地500mlを2容量の肩付フラスコへ入
れ、120℃で15分間殺菌した。シユードモナスエ
アルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)
IFO3445を予め、同一培地で増殖させ、この種菌
液10mlを上記培地に植菌し、30℃で144r.p.mの速
度で振とう培養し、40時間後遠心分離により菌体
を集めた。50mMリン酸緩衝液(PH7.5)100mlに
上記菌体を懸濁し、再び遠心分離した後、洗浄
し、この菌体を同一緩衝液50mlに懸濁した。この
懸濁液を超音波破砕装置で10分間破砕処理し、遠
心分離により粗酵素液を得た。次いで硫安を50%
飽和まで添加し、生じた沈澱物を遠心分離で集
め、25mMリン酸緩衝液にて再溶解した後、同一
緩衝液を外液として透析脱塩した。得られた液を
予め25mMリン酸緩衝液で平衡化したDEAE−セ
ルロースのカラムに負荷して吸着させた。同濃度
の緩衝液で良く洗つた後、0.3Mの塩化カリウム
を含むリン酸緩衝液を流すことにより粗製酵素が
溶出されてきた。溶出液にはホルムアルデヒドデ
ヒドロゲナーゼは110単位含まれ、蛋白質は44mg
であつた。 参考例 2 参考例1で得られた溶出液を脱塩し、得られた
溶液1ml(0.03単位/ml)に、10mMのホルムア
ルデヒド溶液1ml、3mMのNADおよび50mM
のリン酸緩衝液0.2ml添加し、37℃で反応させた。
NADの添加直後から340nmにおける吸光度の変
化を測定した。1分間当りの吸光度の増加は0.07
であつた。 同様にして、基質、補酵素および還元型グルタ
チオンを下記第2表に示されるように添加して吸
光度の変化を測定した。
【表】 第2表から明らかなように、この酵素は還元型
グルタチオンの添加を要せず、またギ酸には作用
しないことが明らかである。 また、参考例1で得られた溶出液を脱塩し、得
られた溶液に5mMのホルムアルデヒド溶液を等
量混合し、予め37℃に加温した。この混合液2ml
に次の電子受容体を0.2ml添加し、各々の特異吸
収帯での吸光度変化を測定した。その結果を第3
表に示す。
【表】 第3表から明らかなように、この酵素は電子受
容体としてNADのみを利用する。 実施例 1 血清中の尿酸含量を測定した。 試薬:次の各試薬を調製した。 1 酵素液(組成は次のとおりである) ウリカーゼ(東洋紡績製) 15単位 カタラーゼ(シグマ社製) 75000単位 FDHase(参考例1にて調製した酵素) 100単位 メタノール 10ml M/20リン酸緩衝液(PH7.0) 100ml 2 発色液 NAD 100mg PMS 10mg NTB 100mg トリトンX−100 0.01ml 蒸留水 10ml 3 標準液:尿酸水溶液 操作法:試験管に4つの試料(血清)あるいは標
準液0.025mlをとり、酵素液2ml、発色液0.5ml
を添加して37℃で20分間反応させた後、分光光
度計で570nmの吸光度を測定した。水を試料
として使用した際の吸光度をERB、標準液を試
料として使用した際の吸光度をEstd、血清を
試料として使用した際の吸光度をEsとした。
測定結果を第5図に示す。 計算法:次式により尿酸含量を計算した。 尿酸量(mg/dl)=(Es−ERB)/Estd−ERB×標準液の
尿酸含量(mg/dl) 実施例 2 参考例1にて調製したホルムアルデヒドデヒド
ロゲナーゼまたは牛肝から採取したホルムアルデ
ヒドデヒドロゲナーゼを用いる方法で、血清中の
ブドウ糖含量の測定および血清中に添加したブド
ウ糖の回収試験を行なつた。 試薬:次の各試薬を調製した。 1 酵素液a.(組成は次のとおりである) グルコースオキシダーゼ(シグマ社製)
150単位 カタラーゼ(シグマ社製) 90000単位 ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ(参考例1
にて調製した酵素) 100単位 メタノール 5ml M/20リン酸緩衝液(PH7.0) 100ml 2 酵素液b.(組成は次のとおりである) グルコースオキシダーゼ(シグマ社製)
150単位 カタラーゼ(シグマ社製) 90000単位 ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ(牛肝より
調製した酵素) 100単位 メタノール 5ml M/20リン酸緩衝液(PH7.0) 100ml 3 NAD水溶液 NAD 100mg 蒸留水 10ml 4 還元型グルタチオン水溶液 還元型グルタチオン 100mg 蒸留水 10ml 水酸化ナトリウム水溶液でPHを7.0に調製する。 操作法:キユベツトに酵素液aまたはb2.0ml、
NAD水溶液0.2ml、還元型グルタチオン水溶液
または水をとり、37℃に5分間放置し、血清
0.005mlを添加混合し、吸光度変化を記録し、
1分間当りの吸光度変化を測定した。同様にし
てブドウ糖を添加した血清についても測定し
た。 計算法:次式によりブドウ糖含量を計算した。 ブドウ糖量(mg/dl)=1分間当りの吸光度変化×2.40
5(ml)/6.22×0.005(ml)×1.0(cm)×180×100(m
l)/1000(ml) 6.22:NADHのミリモル分子吸光係数 180:ブドウ糖の分子量
【表】 考察:牛脂ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼを
用いる方法(2)では還元型グルタチオンを必須と
するが、還元型グルタチオンの添加は血清ブド
ウ糖値を高く読んでしまうことになる。本発明
方法(1)では還元型グルタチオンを必要としない
ため、血清ブドウ糖の真の値を正確に求めこと
ができる。なお、使用した血清はトリンダー法
(Ann.Clin.Biochem.、24.(1969))により測
定するとブドウ糖を84mg含有していた。 実施例 3 実施例2の試薬、酵素液a.またはb.2.0ml、
NAD水溶液0.2ml、還元型グルタチオン水溶液ま
たは水0.2mlを混合し、冷蔵庫に放置し経日的に
340nmの吸光度を測定した。
【表】 上記第5表の如く、還元型グルタチオンを含む
場合、340nmの吸光度の上昇が見られるが、還
元型グルタチオンを含まない場合、340nmの吸
光度の上昇が見られない。したがつて還元型グル
タチオンを必要とする牛肝より調製したホルムア
ルデヒドデヒドロゲナーゼを用いる方法ではこの
上昇をまぬがれないが、還元型グルタチオンを必
要としない本発明方法ではブランク値の吸光度の
上昇が見られない。 実施例 4 血清中のクレアチン含量を測定した。 試薬:次の各試薬を調製した。 1 酵素液(組成は次のとおりである) クレアチンアミジノヒドロラーゼ(シユードモ
ナス属細菌より分離採取) 200単位 ザルコシンデヒドロゲナーゼ(シユードモナス
属細菌より分離採取) 1000単位 FDHase(参考例1にて調製した酵素) 100単位 M/20リン酸緩衝液 100ml 2 発色液 NAD 100mg PMS 10mg NTB 100mg トリトンX−100 0.01ml 蒸留水 10ml 3 標準液:クレアチン水溶液 操作法:試験管に試料(血清)または標準液0.2
mlをとり、酵素液2ml、発色液0.5mlを添加し
て37℃で30分間反応させた後、分光光度計で
570nmの吸光度を測定した。 測定結果を第6図に示す。 計算法:実施例1と同様にして計算した。 実施例 5 血清中のクレアチン含量を測定した。 試薬:実施例4においてザルコシンデヒドロゲナ
ーゼをザルコシンオキシターゼ(アクロモバク
ター属細菌より分離採取)1000単位におきか
え、さらにカタラーゼ(シグマ社製)75000単
位、メタノール10mlを添加した。 操作法:実施例4と同様に行なつた。 測定結果を第7図に示す。 計算法:実施例1と同様にして計算した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる酵素のPH作用曲線を示
す。第2図は25℃、16時間におけるPH安定曲線を
示す。第3図は本発明に用いる酵素の温度活性曲
線を示す。第4図はPH7.5、30分間処理における
温度安定曲線を示す。第5図は血清中の尿酸含量
を測定したときの測定結果を示す。第6図および
第7図は血清中のクレアチン含量を測定したとき
の測定結果を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ホルムアルデヒドに酸化型ニコチンアミドア
    デニンジヌクレオチドの存在下で、少くとも下記
    性質〜を有する新規なホルムアルデヒドデヒ
    ドロゲナーゼを作用させ、生成するギ酸又は還元
    型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを定量
    することを特徴とする新規なホルムアルデヒドデ
    ヒドロゲナーゼによるホルムアルデヒドの定量
    法。 HCHO+NAD+H2O→HCOOH+NADH2 上記のごとく、ニコチンアミドアデニンジヌ
    クレオチドを介してホルムアルデヒドを酸化し
    てギ酸を生成し、逆の作用を有しない。 ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのみ
    を電子受容体とする。 活性発現に還元型グルタチオンの添加を要し
    ない。 ホルムアルデヒドの他にアセトアルデヒド、
    プロピオンアルデヒド、メチルグリオキザル、
    グリオキザルにも作用するが、炭素数4以上の
    アルデヒド類、アルコール類としてメタノー
    ル、エタノール、プロパノール、エチレングリ
    コール、グリセロール、脂肪酸およびアミン類
    には作用しない(基質濃度50mM)。 ホルムアルデヒドに対するKm値が8×10-5M
    (PH7.5)であり、NADに対するKm値が12×
    10-5M(PH7.5)である。 分子量が150000±1000であり、等電点がpI=
    5.2±0.1であり、至適PHが7.0〜8.0であり、安
    定PHが8.5〜9.5である。 非イオン系界面活性剤に対して安定である
    が、アニオン系、カチオン系および両性界面活
    性剤に対して影響を受ける。
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