JPS6327524Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は作業機連結装置に係り、作業機をトラ
クタに連結する際に用いるものに関する。

（従来の技術） 一般に、作業機を連結牽引するトラクタには、
三点リンク機構による三点懸架方式と二点リンク
機構により二点懸架方式があるため、これに連結
する作業機側にはあらかじめ上記懸架方式のいず
れかに対応する連結方式の連結機構が設けられて
いる。

また、特開昭50−29304号公報に記載されてい
るように、架構体すなわち本体フレームの横マス
ト内の両側部に作業機連結用のピボツト片を有す
るスライド子を移動自在に設けるとともに、この
左右のスライド子に前記横マストに固定した油圧
シリンダーのピストンロツドの両端部を枢着し、
ピストンロツドの横移動によつて左右のスライド
子を介して左右のピボツト片を左右方向において
相対的に移動自在とするとともに、左右のロワリ
ンクを連結するピボツト部は横マストに固着した
構造が知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記作業機側の連結機構によると、たとえば、
作業機側がトラクタの三点リンク機構に連結する
連結機構の場合には、二点リンク機構からなるト
ラクタには連結牽引できないという不具合があ
る。またトラクタの三点リンク機構または二点リ
ンク機構は、その機種によつてそのロワリンクの
相互の間隔が一様でないため、作業機をトラクタ
に連結することができないことも多いという不具
合もある。

また前記公報に記載の構造によると、作業機連
結用の左右のピボツト片の間隔は変化せず一定で
あり、また左右のロワリンクを連結する左右のピ
ボツト部は横マストに固着されており、したがつ
て各種トラクタのロワリンクの相互の間隔に対応
してこれを連結することができないという問題が
ある。

そこで、本考案はこのような点に鑑みなされた
もので、トラクタに連結する左右の連結アーム
を、各種トラクタに対応できるようにその相互間
の間隔を調節自在にできるようにし、これにより
トラクタの三点リンク機構にセツトする三点連結
部を有する作業機を、トラクタの三点リンク機構
によることなく当該トラクタに簡単に連結できる
汎用性の高い作業機連結装置を提供することを目
的としたものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の作業機連結装置は、左右にロワリンク
取付部を有するトラクタと、三点連結部を有する
作業機との間に介在しその組互を連結する作業機
連結装置であつて、本体フレームと、この本体フ
レームの両側下部に相対して固着され前記作業機
の左右部を連結する連結部を有する左右の取付基
板と、この左右の取付基板に着脱自在に連結され
前記トラクタの左右のロワリンク取付部に連結す
る連結部を有する左右の連結アームと、前記本体
フレームの上部に設けられ前記作業機の上部の連
結部を連結し作業機の作業姿勢を調節する調節機
構とを具備し、前記左右の連結アームを、その連
結部を内向きまたは外向きにして、かつ前記左右
の取付基板の内側または外側に対して選択的に連
結するようにしたものである。

（作用） 本考案の作業機連結装置はトラクタの左右のロ
ワリンク取付部に本体フレームの左右の連結アー
ムにおける連結部を配置するとともに、この左右
の連結部と左右のロワリンク取付部とを上下動自
在に連結する。これにより作業機連結装置はトラ
クタに連結される。

また本体フレームにおける左右の連結部に作業
機の左右の連結金具を連結するとともに、本体フ
レームの調節機構を作業機の上部の連結金具に連
結し、そしてこの調節機構を作動することによつ
て作業機の作業姿勢を所望の角度に調節設定す
る。

前記の場合において、すなわち本体フレームの
左右の連結アームの巾すなわち連結アームに設け
た連結部の間隔がトラクタのロワリンク取付部の
間隔に整合しない場合には、左右の連結アーム
を、ロワリンク取付部の間隔に応じて左右の取付
基板の内側または外側に対して連結することによ
つて、左右の連結部の間隔をロワリンク取付部の
間隔に整合設定する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を添附図面に基づいて
説明する。

図において１は逆Ｕ字状に折曲形成された本体
フレームで、この本体フレーム１の両側下部に作
業機Ａの両側から前方に突設されたＵ字状の連結
金具Ｂ，Ｂを連結する連結部としての連結横軸
２，２を有する取付基板３，３が相対して前方に
向けて平行状に固着され、この相対する左右の取
付基板３，３の前後方向に所定の間隔をおいて複
数の取付孔４，４が相対して穿設されているとと
もに、この左右の取付基板３，３の先端近傍の上
部にセツトチエーン５，５の一端部が連結されて
いる。また前記左右の取付基板３，３の先端部に
対してトラクタＧの左右のロワリンク取付部Ｈ，
Ｈに連結する連結部６，６を有する連結アーム
７，７の基端部がボルトナツト８，８によつて内
外側および長さ方向位置調節自在にかつ着脱自在
に連結されている。すなわち、この左右の連結ア
ーム７，７の基端部には、前記取付基板３，３の
複数の取付孔４，４の少なくとも２つに対応した
位置に２つの通孔９，９が穿設され、この２つの
通孔９，９を所定位置の取付孔４，４に対して長
さ方向位置調節自在にすなわち前後位置選択的に
連通配置するとともに互いに連通した通孔９，９
および取付孔４，４にボルトナツト８，８を挿通
して連結され、かつ、この左右の連結アーム７，
７を左右の取付基板３，３の内側または外側に、
さらに連結部６，６の向きを内側または外側に向
けて配置して連結アーム７，７相互間の間隔を調
節自在に連結されている。しかして、第３図イの
場合は、左右の取付基板３，３の内側部にその連
結部６，６を内向対向した状態で連結アーム７，
７を連結した状態を示し、また第３図ロの場合は
前記イの場合においてその連結部６，６を外向き
に突出する状態で連結アーム７，７を取付基板
３，３の内側部に連結した状態を示し、また第３
図ハの場合はその連結部６，６を内向きに対向し
た状態で連結アーム７，７を取付基板３，３の外
側部に連結した状態を示し、さらに第３図ニの場
合は前記ハの場合においてその連結部６，６を外
向きに突出する状態で連結アーム７，７を取付基
板３，３の外側部に連結した状態を示すものであ
る。

また、前記本体フレーム１の上部に取付片１
０，１０が突設されこの取付片１０，１０に挿脱
自在に貫通された横杆１１に案内孔１２を有する
案内板１３が固着され、この案内板１３の案内孔
１２に前記作業機Ａの作業姿勢を調節する調節機
構としての操作ハンドル兼用のクランク杆１４が
回動自在に取付けられ、このクランク杆１４の先
端部に形成されたねじ部１５が前記作業機Ａの上
部前方に突設された連結部としての連結金具Ｃの
ねじ孔Ｄに進退調節自在に螺合されるようになつ
ており、この連結金具Ｃは作業機ＡのマストＥに
横杆Ｆを介して着脱可能に取付けられている。

つぎに、使用にあたつては、トラクタＧの左右
のロワリンク取付部Ｈ，Ｈに左右の連結アーム
７，７の連結部６，６を配置するとともに、この
左右の連結部６，６と左右のロワリンク取付部
Ｈ，Ｈとを上下動自在に連結するとともに、左右
の取付基板３，３に一端部を係止したセツトチエ
ーン５，５の他端部の係止金具１７をトラクタＧ
のリフトアームＩに係止する。これにより作業機
連結装置はトラクタＧに連結される。

また前記作業機連結装置の本体フレーム１にお
ける左右の連結横軸２，２に作業機Ａの左右前方
に突設された連結金具Ｂ，Ｂを嵌合し、この左右
の連結金具Ｂ，Ｂの先端部に相対して上下方向に
穿設された挿通孔B₁，B₁に係止ピン１８，１８
を嵌挿し、この係止ピン１８，１８と連結金具
Ｂ，Ｂとにより連結横軸２，２を挟持するととも
に、クランク杆１４のねじ部１５を作業機Ａの上
部前方に突設された連結金具Ｃのねじ孔Ｄに螺合
し、このクランク杆１４を回動して作業機Ａの作
業姿勢を所望の角度に調節設定する。

さらに、トラクタＧの出力軸（図示せず）に作
業機Ａのミツシヨンの入力軸（図示せず）をユニ
バーサルジヨイントを有する動力伝達軸（図示せ
ず）を介して連動連結する。

前記の場合において、すなわち本体フレーム１
の左右の連結アーム７，７の巾すなわち連結アー
ム７，７に設けた連結部６，６の間隔がトラクタ
Ｇのロワリンク取付部Ｈ，Ｈの間隔に整合しない
場合には、ロワリンク取付部Ｈ，Ｈの間隔に応じ
て左右の取付基板３，３に対して左右の連結アー
ム７，７を第３図イ，ロ，ハ，ニのいずれか１つ
の形態を選択して連結することによつて、左右の
連結部６，６の間隔をロワリンク取付部Ｈ，Ｈの
間隔に整合設定する。またトラクタＧの出力軸と
作業機の入力軸とを連結する動力伝達軸の長さに
応じて左右の取付基板３，３に対して左右の連結
アーム７，７の取付位置を長さ方向に進退して適
正位置で連結する。これによつて、動力伝達軸と
の長さの整合性を保つことができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、本体フレームの左右の取付基
板に対して、左右の連結アームを、その相互間の
間隔を調節自在に連結できるようにしたので、こ
の左右の連結アームをトラクタの左右のロワリン
ク取付部の間隔に対応させかつこれに確実に連結
することができ、また本体フレームの左右の連結
部及び本体フレームの上部の連結部に作業機の各
連結部を連結することができるので、したがつて
この連結装置を用いることによつて、トラクタの
二点リンク機構に、トラクタの三点リンク機構に
セツトする三点連結部を有する作業機を確実に連
結することができるとともに、本体フレームの三
点連結部に作業機の三点連結部を連結するので作
業機が左右に振れることなくこれを安定性よく連
結することができる。また本体フレームの上部に
調節機構を設けたので、この調節機構によつてト
ラクタのトツプリンクによることなく作業機の作
業姿勢を作業条件に対応した状態に簡単に調節設
定することができる。したがつて、各種トラクタ
と各種作業機との間に介在しその相互を連結する
汎用性の高い作業機連結装置を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
トラクタに作業機を連結した状態を示す側面図、
第２図は同上作業機の一部および作業機連結装置
の斜視図、第３図イ，ロ，ハ，ニは作業機連結装
置の各種形態の説明平面図である。 １…本体フレーム、２…取付基板の連結部、３
…取付基板、６…連結アームの連結部、７…連結
アーム、１４…調節機構、Ａ…作業機、Ｂ…連結
部としての連結金具、Ｃ…連結部としての連結金
具、Ｇ…トラクタ、Ｈ…ロワリンク取付部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右にロワリンク取付部を有するトラクタと、
   三点連結部を有する作業機との間に介在しその相
   互を連結する作業機連結装置であつて、本体フレ
   ームと、この本体フレームの両側下部に相対して
   固着され前記作業機の左右部を連結する連結部を
   有する左右の取付基板と、この左右の取付基板に
   着脱自在に連結され前記トラクタの左右のロワリ
   ンク取付部に連結する連結部を有する左右の連結
   アームと、前記本体フレームの上部に設けられ前
   記作業機の上部の連結部を連結し作業機の作業姿
   勢を調節する調節機構とを具備し、前記左右の連
   結アームを、その連結部を内向きまたは外向きに
   して、かつ前記左右の取付基板の内側または外側
   に対して選択的に連結することを特徴とする作業
   機連結装置。