JPS6127283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は農用トラクター等の移動農機に対して
各種作業機を連結する際に用いられる移動農機の
作業機取付け構造に関する。

一般に農用トラクター等の移動農機は多数種の
作業を行なうことが要求される汎用機として用い
られ、その各作業形態に応じて各種作業機を付け
替えて連結していたものであるが、被連結作業機
の形態が様々であるために本機に対する連結部材
もその作業機毎に各種付け替えて使用しなければ
ならず、この連結部材を多数種準備しなければな
らないユーザーの経済的負担と付け替え作業の煩
わしさとを招く不都合があつた。

本考案は、かかる従来技術の欠点を解消すべ
く、単一の取付け構造を用いて複数種の作業機を
連結することができ、しかもその構造もきわめて
簡素である移動農機の作業機取付け構造を提供せ
んとするものである。

本考案の実施の一態様を例示図に基いて詳述す
る。

１は移動農機の一例として示すトラクターのミ
ツシヨンケースであり、その後端部の横側面１ａ
と後端面１ｂとに接当する状態でブラケツト２が
固定され、このブラケツト２を介して作業機の一
例であるスイングローバー（図外）のスイングロ
ーバーガイド板１４が固定され、スイングドロー
バーと前記ミツシヨンケース１とはミツシヨンケ
ース１の下面側に固定された支点ピン１２周りに
回動自在な連結杆１３によつて連結されている。

前記ブラケツト２は全体形状が略Ｔ字状に形成
されたブラケツト主体３とこれに対して着脱自在
に構成された枢支部材４とからなり、前記ブラケ
ツト主体３の取付け腕部３Ａ，３Ｂに互いに略直
交する状態で形成された取付け面３ａ，３ｂを、
前記ミツシヨンケース１の横側面１ａおよび後端
面１ｂに接当させ、且つ、その各取付け腕部３
Ａ，３Ｂに夫々穿設された固定具取付け孔９……
に締付けボルト等の固定具１０……を挿通してこ
のブラケツト主体３全体がミツシヨンケース１に
固定される。また、このブラケツト主体３にに前
記取付け腕部３Ａ，３Ｂよりも後方側へ延びる延
出腕部３Ｃが設けてあり、この延出腕部３Ｃに前
記枢支部材４の枢支軸５を嵌挿するための枢支軸
挿通孔６と複数個の固定具取付け孔７……とを穿
設し、さらにこの延出腕部３Ｃに対してその横外
側方から枢支部材４を装着する。枢支部材４は前
記延出腕部３Ｃの横外側面３C′に当てつける取
付け板５ａとその取付け板５ａを貫ぬく枢支軸５
とから構成され、該枢支軸５と取付け板５ａは溶
接等の接合手段で一体に構成されている。また、
前記取付け板５ａには前記延出腕部３Ｃに穿設さ
れた固定具取付け孔７……と同芯状の固定具取付
け孔８……が穿設されていて、これら両取付け孔
７，８……を貫ぬく締付けボルト・ナツト等の固
定具１１……によつて枢支部材４が前記延出腕部
３Ｃに一体的に固定されるよう構成してあり、且
つ、このように両者４，３Ｃを固定した状態で前
記枢支部材４の枢支軸５が延出腕部３Ｃの横内側
面３Ｃよりもさらに内方へ突出するよう構成され
ている。このように構成されたブラケツト２が前
記ミツシヨンケース１の後端部の左右両側に夫々
取付けられて一対の取付け構造を構成する。

そして、前記スイングドローバーガイド板１４
は、前記ミツシヨンケース１の下部に設けられた
支点ピン１２の縦軸芯周りに回動する連結杆１３
の水平面内での回動を許し乍ら、前記連結杆１３
に下方への負荷が作用したときその下方への移動
を阻止すべく構成された平板状のガイド部１５
と、そのガイド部１５の左右両端部での立上り片
部１６，１６とから構成され、立上り片部１６，
１６には、前記枢支部材４の枢支軸５を挿通可能
な枢支孔１６ａと、前記固定具１１……を挿通可
能な固定具取付け孔１６ｂ……とが設けられてい
て、前記枢支部材４、ブラケツト主体３の延出腕
部３Ｃおよび前記立上り片部１６の三者が、それ
ら三者を貫ぬく固定具１１……により一体に固定
される。

また、このスイングドローバーガイド板１４の
前記ガイド部１５の左右両端部近くには、このガ
イド部１５に対して上方から抜き差し自在なピン
状の位置規制具１７……が設けられていて、前記
連結杆１３を走行機体に対して一定角度傾斜した
姿勢に固定する必要がある場合に、前記位置規制
具１７……をガイド部１５に差し込んで連結杆１
３を両側から挾持する状態に位置規制し得るよう
構成されている。

図中、１８はロアーリンクでその先端のボス部
１８a′を前記枢支軸５，５に嵌入させることによ
つて左右両ブラケツト２，２の夫々に連結され、
この両ロアーリンク１８，１８とミツシヨンケー
ス１の上部から後方に向けて延出されたリフトア
ーム（図外）若しくはアツパーリンク（図外）と
で三点リンクを構成するもので、リンク機構によ
り吊り下げ保持される必要のある作業機を連結す
る際に用いられるものであり、前記スイングドロ
ーバーを連結する際には前記枢支軸５との連結を
解除される。

第５図，第６図は前記ブラケツト２に牽引ヒツ
チ１９を取付ける場合の使用例を示すもので、こ
の場合には、牽引ヒツチ１９の支持筒２０に対し
て前記枢支部材４の枢支軸５を嵌入させ、ミツシ
ヨンケース１の下面側に先端部を固定した牽引ヒ
ツチ１９の中間部を保持して、該牽引ヒツチ１９
を機体前後方向での二点支持により強固に固定す
る。

以上要するに、本考案における移動農機の作業
機取付け構造は、走行機体のミツシヨンケース１
後端部に取付けられるブラケツト主体３を、前記
ミツシヨンケース１の横側面１ａと後端面１ｂと
に接当すべく互いに略直交した取付け面３ａ，３
ｂを備える取付け腕部３Ａ，３Ｂと、これよりも
後方側へ延びる延出腕部３Ｃとを備えた略Ｔ字状
に形成すると共に、前記両取付け腕部３Ａ，３Ｂ
は夫々ミツシヨンケース１壁面に対する固定具取
付け孔９……を穿設し、前記延出腕部３Ｃには枢
支軸挿通孔６と固定具取付け孔７……とを穿設
し、さらに、この延出腕部３Ｃに対して前記枢支
軸挿通孔６を通して該延出腕部３Ｃの内外両側に
突出する枢支軸５と前記固定具取付け孔７……と
同芯状の固定具取付け孔８……とを備えた枢支部
材４を着脱自在に装着してあることを特徴とする
ものであるが故に、単一種のブラケツト２，２を
用いるものであり乍ら、その取付け構造としての
ブラケツト２，２を取り外すことなく複数種の作
業機を付け替えることが可能となり、多数の取付
け構造部材を準備する必要もなく、しかも迅速且
つ容易な作業機付け替え作業を行ない得るに至つ
たものである。

また、前記ブラケツト２には互いに略直交する
取付け面３ａ，３ｂが形成されていて、ミツシヨ
ンケース１の横側面１ａと後端面１ｂとの両面に
対して前後左右の位置を規制した強固な取付けが
行なえ、さらにまた、ブラケツト主体３の延出腕
部３Ｃに対して枢支部材４を着脱自在に構成し、
且つ、両者３，４を一体化したときに枢支軸５が
延出腕部３Ｃの内外両側に突出するよう構成され
ているので、ブラケツト主体３の内側に装着され
る各作業機に対して前記突出する枢支軸５を有効
に利用した取付け構造が得られるものであり、前
記枢支軸５をブラケツト主体３の内外両側でロア
ーリンク１８の枢支連結部材或いは他の作業機の
固定取付け構造部材として有効に兼用でき、その
構造もきわめて簡素なものであり乍ら汎用性の高
い作業機取付け構造を得るに至つたものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る移動農機の作業機取付け構
造の実施の態様を例示し、第１図は取付け状態を
示す斜視図、第２図は分解斜視図、第３図は取付
け状態を示す一部切欠き平面図、第４図は取付け
状態を示す一部切欠き側面図、第５図は他の取付
け状態を示す一部切欠き平面図、第６図は、他の
取付け状態を示す一部切欠き側面図である。 １……ミツシヨンケース、３……ブラケツト主
体、３Ａ，３Ｂ……取付け腕部、３ａ，３ｂ……
取付け面、３Ｃ……延出腕部、４……枢支部材、
５……枢支軸、６……枢支軸挿通孔、７，８，９
……固定具取付け孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行機体のミツシヨンケース１後端部に取付け
   られるブラケツト主体３を、前記ミツシヨンケー
   ス１の横側面１ａと後端面１ｂとに接当すべく互
   いに略直交した取付け面３ａ，３ｂを備える取付
   け腕部３Ａ，３Ｂと、これよりも後方側へ延びる
   延出腕部３Ｃとを備えた略Ｔ字状に形成すると共
   に、前記両取付け腕部３Ａ，３Ｂには夫々ミツシ
   ヨンケース１壁面に対する固定具取付け孔９……
   を穿設し、前記延出腕部３Ｃには枢支軸挿通孔６
   と固定具取付け孔７……とを穿設し、さらに、こ
   の延出腕部３Ｃに対して前記枢支軸挿通孔６を通
   して該延出腕部３Ｃの内外両側に突出する枢支軸
   ５と前記固定具取付け孔７……と同芯状の固定具
   取付け孔８……とを備えた枢支部材４を着脱自在
   に装着してあることを特徴とする移動農機の作業
   機取付け構造。