JPS6327286B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6327286B2
JPS6327286B2 JP56113615A JP11361581A JPS6327286B2 JP S6327286 B2 JPS6327286 B2 JP S6327286B2 JP 56113615 A JP56113615 A JP 56113615A JP 11361581 A JP11361581 A JP 11361581A JP S6327286 B2 JPS6327286 B2 JP S6327286B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
reaction
heating zone
granules
range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP56113615A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5820708A (ja
Inventor
Akira Enomoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP56113615A priority Critical patent/JPS5820708A/ja
Publication of JPS5820708A publication Critical patent/JPS5820708A/ja
Publication of JPS6327286B2 publication Critical patent/JPS6327286B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、シリカと炭素を出発原料とする主と
してβ型結晶よりなる超微細炭化珪素粉末の製造
方法に関し、特に本発明は、平均粒径が1μm以
下の超微細炭化珪素粉末の製造方法に関するもの
である。 従来、炭化珪素を連続的に製造する方法が数多
く提案され、例えば西ドイツ国特許第1186447号
にα型炭化珪素を得ることを目的とし、中間工程
で垂直炉を用いてβ型炭化珪素を連続製造する方
法が開示されている。該方法は連続化のために珪
砂を炭材で被覆する原料処理に特徴があるが、後
述するように、SiOガスの挙動に対する適切な対
応がなされていないので、原料収率と熱効率が低
くなり、さらにSiOガスの析出反応により排ガス
通路が閉塞されるため安定した連続操業は困難で
あつた。 本発明者等は先に特開昭54−33899号により、
シリカと炭素をC/SiO2モル比で3.2〜5.0の範囲
内に配合した原料を予熱帯と加熱帯と冷却帯を有
する反応容器内で連続的あるいは間歇的に自重降
下させつつ、1650〜2100℃の温度に間接電気加熱
してSiO化反応を行なわせる、主としてβ型結晶
よりなる炭化珪素の製造方法において前記配合原
料の嵩比重を0.45〜0.90の範囲内となしまた前記
予熱帯における原料充てん層の高さを0.2〜0.9m
の範囲内に維持しながら操業することを特徴とす
る主としてβ型結晶よりなる炭化珪素の製造方
法。 および特公昭55−40527号により、 シリカと炭素とをC/SiO2モル比で3.2〜5.0の
範囲内に配合した原料を予熱帯、加熱帯および冷
却帯を有する反応容器内の上部より予熱帯に装入
し、前記装入された原料を前記反応容器の予熱帯
内を連続的あるいは間歇的に自重降下させつつ加
熱帯に至らせ、前記加熱帯内で水平方向に間接電
気加熱して1650〜2100℃の温度範囲内で加熱帯に
おける充填幅(lcm)を10〜28cmの範囲内とな
し、かつ加熱帯における装入物の降下速度(U
m/hr)を充填幅の下記関係式で示す範囲内で降
下させて、SiC化反応を行なわせ、次いで反応生
成物を冷却帯に降下させ非酸化性雰囲気下で冷却
後、前記反応容器の冷却帯下部より連続的あるい
は間歇的に生成物を排出することにより、得られ
た生成物中の炭化珪素をα型炭化珪素の含有率が
10%以下のβ型炭化珪素となし、当該β型炭化珪
素の平均粒径を15μ以下となし、更に生成物中の
炭化珪素、シリカ、遊離炭素の成分比を重量%
で、炭化珪素、シリカ、遊離炭素の組成範囲を示
す図の点A(SiC66.0%、SiO217.5%、FC16.5%)、
点B(SiC51.5%、SiO28.0%、FC40.5%)、点C
(SiC59.5%、SiO22.0%、FC38.5%)、点D
(SiC88.5%、SiO22.5%、FC9.0%)で囲まれた範
囲内にしたことを特徴とする主としてβ型結晶よ
りなる炭化珪素の製造方法。 3.9×10-3l2−0.21l+3.1≦U≦5.1×10-3l2−0.31l
+6.0 を提案し、世界において初めて工業的なβ型結晶
よりなる炭化珪素の製造方法を確立した。 ところで、β型結晶よりなる炭化珪素は最近無
加圧焼結体製造用原料としての用途において極め
て優れた特性を有していることが認められ、かか
る用途によれば微細なものほど焼結性あるいは均
一収縮性に優れるため、特に微細なものが要求さ
れている。しかしながら、かかる要求を満足する
ような微細なβ型結晶よりなる炭化珪素の工業的
な製造方法は確立していなかつた。このような要
求に基づき、本発明者は極めて微細なβ型結晶よ
りなる炭化珪素の製造方法に係る研究を種々行な
つた結果、次に示す如き方法により極めて微細な
β型結晶よりなる炭化珪素を工業的にかつ安定し
て製造する方法を発明するに至つたものである。 本発明は、極めて微細なβ型結晶よりなる炭化
珪素の工業的な製造方法を提供することを目的と
するものであり、本発明によれば、シリカと炭素
をC/SiO2モル比で3.2〜5.0の範囲内に配合した
原料を、予熱帯と加熱帯と冷却帯を有する反応容
器内に装入し、反応温度を1650〜2100℃の範囲内
に制御してSiC化反応を行なわせる主としてβ型
結晶よりなる炭化珪素の製造方法において、 前記配合原料を造粒し、粒状物の気孔率が40〜
55%、粒状物嵩密度が0.40〜0.90g/cm3の範囲内
の粒状原料となし、ついで、前記粒状原料を反応
容器の上部より装入して加熱帯における装入物の
充填幅を0.10〜0.35mの範囲内として、前記加熱
帯における装入物の降下速度(Um/hr)を前記
充填幅(Wm)と加熱帯の高さ(Hm)の下記関
係式(1)で示される範囲内とすることを特徴とする
主としてβ型結晶よりなる超微細炭化珪素粉末の
製造方法によつて前記目的を達成することができ
る。 17.9H(W−0.31)2+0.23≦U≦53.1H(W−0.31)2
+1.24 ……(1) なお、前記粒状物の気孔率は単位嵩容積当りに
気孔の占める容積比率であり、嵩容積というのは
粒状物中に占める固体と内部空隙を含んだ容積で
ある。前記粒状物嵩密度は粒状物の一定容積の重
量、すなわち固体、内部空隙および外部空隙を含
んだ単位容積当りの重量である。前記装入物の充
填幅は反応容器の側壁から水平方向に最も遠くに
存在する装入物迄の距離の2倍である。加熱帯の
高さは装入物を間接加熱する手段、すなわち発熱
体の発熱部における高さ方向の長さである。 次に本発明を詳細に説明する。 シリカと炭素とから生成される炭化珪素の反応
は一般に下記式(2)によつて示されている。 SiO2+3C→SiC+2CO ……(2) しかしながら実際に主体となる生成機構は下記
(3)によつてSiCガスが生成し、該SiOガスと炭素
が下記式(4)にしたがつて反応して炭化珪素が生成
することが知られている。 SiO2+C→SiO+CO ……(3) SiO+2C→SiC+CO ……(4) ところで、本発明によれば、不純物の少ない極
めて高純度の炭化珪素粉末を得ることが重要であ
り、炭素材は灰分の少ない例えば石油コークス、
ピツチコークス、無煙炭あるいは熱分解炭素等よ
り選択される少なくとも1種を使用することが有
利であるが、前記炭素材は嵩比重が高く、反応性
に劣るため微粉砕することにより表面積と表面の
活性度を高くし、SiO2およびSiOガスとの両反応
性を改善して使用される。またシリカは例えば珪
石あるいは珪砂等より選択される少なくとも1種
からなる粉末を使用することが有利である。 本発明によれば、シリカと炭素とを配合し、造
粒した原料が使用される。シリカと炭素とを粉体
のまま造粒せずに使用すると、反応時に生成する
COガスのガス抜けが悪化し反応が進み難くなる
欠点を有するからであり、前記粒状物の平均粒径
は3〜18mmとすることが有利である。その理由
は、前記粒状物の平均粒径が3mmより小さいと粒
状物とした効果が殆どなく、一方18mmより大きい
と粒状物内における反応速度が遅くなり、経済的
でないからである。 また、本発明によれば、前記式(3)によつて生成
したSiOガスは前記式(4)に従つて速やかにSiC化
反応せしめ、反応容器内のSiOガス分圧をそれ程
上昇させないことが望ましい。なぜならば、本発
明において反応容器内のSiOガス分圧が上昇する
とSiOガス分圧の上昇に伴つて前記式(4)に従う反
応速度が相対的に速くなるが、この場合の前記式
(4)に従う反応に伴つてSiC結晶の成長が生起する
ので、このようなSiOガス分圧の高い条件下で
は、微細なSiC粒子を得ることが困難になり、さ
らに甚しい場合にはSiOガスの一部が予熱帯へ上
昇して下記式(5)、(6)、(7)に示す反応を生起し、予
熱帯においてSiO2、Si、SiC、C等が混合した状
態で析出する。前記析出物は粘着性を有するた
め、原料が互いに凝結し、炭化珪素を連続的に製
造する上で最も重要な原料の円滑な移動降下が著
しく阻害され、長期間にわたる安定した連続操業
が困難になる。 2SiO→SiO2+Si ……(5) SiO+CO→SiO2+C ……(6) 3SiO+CO→2SiO2+SiC ……(7) したがつて、本発明によれば、原料中の炭素量
を増加させて前記式(4)の生起する箇所を増加させ
ることが有効であり、前記配合原料のC/SiO2
モル比を3.2〜5.0の範囲内とすることが必要であ
る。 前記配合原料のC/SiO2モル比を3.2〜5.0の範
囲内に限定する理由は、前記C/SiO2モル比が
3.2より小さいと、前記式(4)に従う反応を充分に
行なわせ、SiOガス分圧を低く維持することが困
難であり、他方5.0より大きいと反応に寄与しな
い過剰の炭素を高温に加熱するために熱効率が低
くなるし、炭素原料に要する費用が増加するので
経済的にβ型炭化珪素を製造するには好ましくな
いからである。 本発明者は、本発明の出発原料として使用され
るシリカと炭素および反応条件について種々研究
した結果、シリカの平均粒径が75〜250μmの範
囲内でかつシリカと炭素とからなる粒状原料を用
いて操業するに当り、それぞれの平均粒径、反応
温度およびシリカと炭素とのC/SiO2モル比が
下記の関係式(8)を満足する場合に極めて良好な結
果を得ることができることを知見した。 Y≦8.5×10-2RX+3.1×104/T ……(8) なお、上記式中Xはシリカの平均粒径(μm)、
Yは炭素の平均粒径(μm)、Tは反応温度
(〓)、Rは出発原料中のシリカと炭素のC/
SiO2モル比である。 前記シリカの平均粒径を75〜250μmの範囲内
に限定する理由は、前記平均粒径が75μmより小
さいと前記式(3)に従う反応が極めて速くSiOガス
分圧を低く維持することが困難であるし、一方
250μmより大きいと前記式(3)に従う反応が極め
て遅く効率的に炭化珪素を製造することが困難で
あるからである。また、シリカの平均粒径と炭素
の平均粒径とが前記式(8)を満足することが好まし
い理由は、前記式(8)の範囲外では前記式(3)と前記
式(4)に従うそれぞれの反応速度の均衡を保つこと
が著しく困難であり、反応容器中のSiOガス分圧
を低く維持することが不可能となるからである。 また、本発明によれば、原料内の通気性を向上
させて反応容器内のSiOガス分圧を均一にするこ
とが有効であり、前記配合原料を造粒し、粒状物
の気孔率が40〜55%、粒状物嵩密度0.40〜0.90
g/cm3の範囲内の粒状原料となすことが必要であ
る。 前記配合原料を造粒し、粒状物の気孔率を40〜
55%の範囲内に限定する理由は、前記気孔率が40
%より低いと粒状物中における通気性が悪く、反
応生成ガスが放出され難く、粒状物内で局部的に
SiOガス分圧が高くなり、前述の如く結晶粒の粗
大化が発生し易いからであり、他方前記気孔率は
反応生成ガスの放出性の点を考慮すればなるべく
高い方が好ましいが、55%より高いと粒状物の強
度が極めて低く、反応容器中で潰れ通気性が著し
く悪化するからである。 前記配合原料の粒状物嵩密度を0.40〜0.90g/
cm3の範囲内に限定する理由は、嵩密度は低い方が
通気性その他の点で好ましいが、0.40g/cm3より
低い粒状原料となすためには、前記粒状物の気孔
率を著しく高めるか、あるいは粒状物の粒径を極
めて均一に揃えなければならず、前記気孔率は余
り高くすると前述の如く粒状物の強度が著しく低
下するし、また粒状物の粒径を均一に揃えること
は原料コストの著しい増大につながるからであ
り、他方0.90g/cm3より高いと反応生成ガスの通
気性が悪く予熱帯における高温ガスの流れが不均
一になり、原料と高温ガスとの熱交換が不充分に
なるからであり、さらにまた前記SiOガスよりの
析出物の影響を敏感に受け易くなり原料の円滑な
自重降下が阻害され長期間の安定した操業を維持
することが困難になるからである。前記粒状物嵩
密度は0.50〜0.80g/cm3の範囲内において最も良
い結果が得られる。 本発明において、前記配合原料の粒状物は高温
にさらされても初期の形状を維持していることが
重要であり、原料の成形時に用いる結合剤として
は、高温域でも結合力を維持する炭素系の結合剤
を使用することによつて粒状物は、反応域におい
ても圧潰強度が強く、崩壊して再粉化することな
く、一定の形状を保ち得るし、かつこの粒状物が
加熱されて反応生成物になるときも、結合剤中の
炭素はガス化することなく反応SiOガスと反応し
て炭化珪素となり形状を保つ、したがつて中間生
成物であるSiOガスの成形体からの飛散が少なく
なり、成形体中でSiC化されるSiOガス量が増加
するので有利である。 本発明における炭素系の結合剤として例えばコ
ールタール、石油タール、木タール、コールター
ルピツチ、石油ピツチ、木タールピツチ、アスフ
アルト、糖密、フエノール樹脂、パルプ廃液、リ
グニン、リグニンスルホン酸塩およびこれらと同
等の効果を有するものが有利に使用できる。 また、前記粒状物の成形時にはCMC等の粘着
性溶液を使用することが有利である。上記の粘着
性溶液は粒状物の常温における圧潰強度を高くし
て、粒状物を内に投入するまでの取扱い時にお
ける崩壊を防止する効果がある。前記の粘着性溶
液としてはCMCの他に例えば澱粉、PVA、酢酸
ビニ−ル等が有利に使用できる。 本発明によれば、粒状原料を反応容器の上部よ
り装入して加熱帯における装入物の充填幅を0.10
〜0.35mの範囲内として、前記加熱帯における装
入物の降下速度(Um/hr)を前記充填幅(W
m)と加熱帯の高さ(Hm)の関係式(1)で示され
る範囲内とすることが必要である。 前記加熱帯における装入物の充填幅を0.10〜
0.35mの範囲内とする理由は、反応容器内の水平
方向における温度差をなるべく小さくし、均一で
微細な結晶粒よりなる炭化珪素を製造することに
あり、前記充填幅は狭い程反応容器内の水平方向
における温度差を小さくでき好ましいが、0.10m
より狭いと装入物が架橋し易く、反応容器内を円
滑に自重降下させることが困難であるし、また生
産量が極めて少なく工業的な製造方法とはなり得
ず、一方0.35mより広い加熱帯における装入物の
水平方向における温度差を小さくすることが困難
であり、反応率を向上させようとすると炉壁付近
の装入物は長時間高温に曝されるため、結晶粒が
粗大化し、甚しい場合には生成物が相互に塊状化
するために長期間の連続操業が困難となるからで
ある。 また、装入物の降下速度を前記式(1)で示す範囲
内とする理由は、装入物の降下速度が前記式(1)で
示される範囲より速いと反応容器の中心部まで充
分に反応を生起させることが困難で生成物の品位
が低下するし、一方前記式(1)で示す範囲より遅い
と、加熱帯の途中で炭化珪素生成反応が完了し、
反応容器内の熱平衡がくずれるため温度制御が著
しく困難になり、均一で微細な炭化珪素を製造す
ることが困難になるからである。 本発明によれば、前記粒状物嵩密度(Dg/
cm3)は加熱帯における装入物の充填幅(Wm)と
粒状物の気孔率(A%)で示される下記関係式(9)
を満足することが好ましい。 −0.0146A(W−0.82)3+0.3≦D≦−2.52A(W−
0.22)3+1.0 ……(9) その理由は、前記粒状物嵩密度が前記式(9)で示
される範囲より高い場合には、装入物中の熱伝導
が不充分となり、炉壁付近部と中心部との間に大
きな熱勾配が生じ易く、均一で微細な炭化珪素を
効率的に製造することが困難であるからであり、
一方前記式(9)で示される範囲より低い原料は極め
て好ましいと考えられるが、このような原料とな
すためには粒状原料の粒径分布を極めて狭い範囲
内に揃えなければならず、経済的に原料を調製す
ることができないからである。 次に、本発明の方法の実施に直接使用する製造
装置の1例を図面を参照しながら説明する。 本発明の方法の実施に直接使用する装置は、第
1図に示す如く原料装入口1と予熱帯2と加熱帯
3と冷却帯4と密閉自在の生成物排出口5とを有
し、それらが縦方向にそれぞれ連接されてなる反
応容器6であつて、前記加熱帯を形成する筒7は
黒鉛製であり、加熱帯の装入物を間接電気加熱す
る手段8,9を具備し、少なくとも前記加熱帯の
外側に炭素あるいは黒鉛質微粉よりなる断熱層1
0を有するものである。 前記反応容器6は装置の中心部に設置され、間
接加熱手段8,9は黒鉛製発熱体8と前記発熱体
の外側に近接して設けられた黒鉛製反射筒9から
なる。前記加熱帯を形成する筒と黒鉛製反射筒に
囲まれた空間内には非酸化性ガス装入口11より
例えばアルゴン、ヘリウム、窒素、一酸化炭素、
水素、その他の非酸化性ガスが封入され、空気の
侵入による黒鉛製発熱体の酸化消耗が防止され
る。 以下、本発明を実施例について説明する。 実施例 1 平均粒径が153μmのシリカ粉末(SiO2=99.7重
量%)100重量部、平均粒径が29μmの石油コー
クス粉(F.C.=98.7重量%)76重量部および平均
粒径が43μmの高ピツチ粉(F.C.=50.4重量%)
7重量部を配合し、縦型スクリユー混合機にて10
分間混合した。前記配合原料にCMC0.5%水溶液
をスプレーしながらパン型造粒機を用いて成形
し、篩とバーグリズリーで整粒した後、バンド型
通気乾燥機に入れて150℃の熱風で90分間乾燥し
て平均粒径が10.5mm、粒状物の気孔率が47%、粒
状物嵩密度が0.62g/cm3、C/SiO2モル比が4.0
の粒状原料を得た。 この粒状原料を第1図に示した如き縦型の間接
加熱炉の上部より装入し、前記加熱炉内を連続的
に自重降下させて、黒鉛製筒の外壁温度が2150℃
に制御された加熱帯に至らせ、加熱帯における装
入物を0.60m/hrで自重降下させつつ水平方向に
間接加熱してSiC生成反応を行なわせた後、冷却
帯に自重降下させ、排出口より反応生成物を連続
的に排出させた。 使用した間接加熱炉の仕様は第1表に示した如
くであり、加熱帯における装入物の充填幅は0.24
mである。
【表】 得られた反応生成物から遊離炭素を除去した
後、内径250mmφのボールミルを用いて回転数
48rpmで5hr湿式解砕し、さらに10%HF水溶液に
3hr浸漬して遊離シリカを除去精製した。前記精
製して得られた炭化珪素中のβ型結晶よりなる炭
化珪素の含有率はX線回折によつて測定したとこ
ろ90.2%であり、光透過式粒度分布測定器でもつ
て測定した粒度分布は第2図に示した如く比較的
粒度分布範囲の狭い均一な粒径よりなる炭化珪素
微粉であり、その平均粒径は0.30μmであつた。 なお、前記粒度分布の測定に光透過式粒度分布
測定器を使用する理由は、本発明方法によつて得
られる炭化珪素微粉は極めて微細であり、しかも
凝集性の強い粉末であるため、前記測定器の如く
比較的短時間のうちに測定できる測定器でない
と、測定中に微粉が相互に凝集し、正確な測定値
を得難いからである。 実施例2、比較例1 実施例1で使用したと同様の原料であるが、粒
状物嵩密度の異なつた粒状原料を使用し、加熱帯
における装入物の降下速度を変えて実施例1と同
様の操作を行ない反応生成物の物性は実施例1と
同様の方法で測定した。結果は第2表に示した。
なお、本発明による条件の限定範囲を外れたもの
については下線を施して示した。 第2表に示した結果よりわかるように、実施例
2−1は、炭化珪素の反応生成率は高かつたが、
炭化珪素の平均粒径が0.39μmと若干粗くなつた。
また、実施例2−2は、平均粒径が0.29μmと極
めて微細な炭化珪素を得ることができたが、炭化
珪素の生成反応率が若干低下した。これに対し、
比較例1−1は、炭化珪素の生成反応率が殆ど
100%に近く、時々加熱帯の途中で反応が終了す
るため、反応温度の制御が困難となる場合が生
じ、操業中に時々反応生成物の排出に支障をきた
すことがあつた。反応生成物を観察したところ一
部にα型化した粗大結晶の存在が確認された。ま
た、比較例1−2は、予熱帯においてSiOガスか
らの析出物が多量に生成し、装入物を円滑に自重
降下させることが著しく困難であつた。さらにま
た、反応生成物中には未反応のシリカが多量に残
存しており、反応率が低かつた。 実施例3、比較例2 実施例1と同様の方法であるが、第2表に示し
た如き平均粒径の異なつたシリカおよび炭素を使
用し、第2表に示した如き物性の粒状物原料を得
た。 前記粒状物原料を実施例1で使用した間接加熱
炉に装入し、第2表に示した如く降下速度を変え
て操業を行い反応生成物を得た。 得られた反応生成物の物性は実施例1と同様の
方法で測定した。結果は第2表に示した。 第2表に示した結果よりわかるように、実施例
3−1は、炭化珪素の平均粒径が0.24μm、生成
物中遊離シリカ含有率が0.9重量%、実施例3−
2は、炭化珪素の平均粒径が0.34μm、生成物中
遊離シリカ含有率が2.1重量%、実施例3−3は、
炭化珪素の平均粒径が0.25μm、生成物中遊離シ
リカ含有率が1.6重量%、実施例3−4は、炭化
珪素の平均粒径が0.29μm、生成物中遊離シリカ
含有率が1.8重量%、実施例3−5は、炭化珪素
の平均粒径が0.42μm、生成物中遊離シリカ含有
率が6.3重量%であつた。前記実施例はいずれも
長期間安定して連続操業することができた。これ
に対し、比較例2−1は、シリカおよび炭素の粒
度が細かすぎるため、予熱帯においてSiOガスか
らの析出物が多量に生成し、装入物を円滑に自重
降下させることが困難であるばかりでなく、時々
反応温度の制御が困難になることがあつた。ま
た、比較例2−2は、装入物の自重降下も順調で
長期間安定して連続操業することができたが、シ
リカおよび炭素の粒度が粗すぎるため、生成物中
遊離シリカ含有率が10.7重量%と未反応シリカが
多量に残留していた。 なお、第2表中の比較例2−1および2−2に
おいてシリカの平均粒径の数値に下線を施した
が、これは本発明の限定条件を外れていることを
示すものである。 実施例 4 実施例1と同様の原料および間接加熱炉を使用
し、加熱帯における装入物の降下速度を実施例1
の場合よりも速くした場合と遅くした場合につい
て反応生成物を得た。 得られた反応生成物の物性は実施例1と同様の
方法で測定した。結果は第2表に示す如く、いず
れも平均粒径0.28μm、0.26μmと非常に微細なβ
型結晶よりなる炭化珪素微粉を得ることができ
た。 実施例 5 実施例1と同様の原料を、実施例1で使用した
と同様であるが、有効伝熱幅が0.14mの間接加熱
炉を使用し、加熱帯における装入物の充填幅を
0.14mとなし、実施例1と同様の操作を行ない反
応生成物を得た。 得られた反応生成物の物性を実施例1と同様の
方法で測定したところ、β型結晶よりなる炭化珪
素の含有率は92.8%、平均粒径は0.32μmであつ
た。 なお、上述の実施例は、いずれも長期間にわた
つて安定した連続操業を行うことができた。 以上、本発明によれば、平均粒径が1μm以下
の超微細炭化珪素粉末を高収率に製造することが
でき、この粉末を用いることにより、従来の炭化
珪素粉末を用いて造つた無加圧焼結法による炭化
珪素焼結体に比較して極めて高強度で、かつ耐熱
衝撃性に優れ、しかも信頼性の高い炭化珪素焼結
体を製造することができるものであつて産業上極
めて有用なものである。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例および比較例におい
て使用した堅型連続製造装置の縦断面図、第2図
は、本発明の実施例1によつて得られたβ型結晶
よりなる炭化珪素の粒度分布を重量基準積算で示
す図である。 1……原料装入口、2……予熱帯、3……加熱
帯、4……冷却帯、5……生成物排出口、6……
反応容器、7……加熱帯を形成する筒、8……黒
鉛製発熱体、9……黒鉛製反射筒、10……断熱
層、11……非酸化性ガス装入口、12……案内
電極、13……可とう導体、14……ブスバー、
15……測温パイプ、16……外殻、17……耐
火煉瓦、18……排気ダクト、19……原料ホツ
パー。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 シリカと炭素をC/SiO2モル比で3.2〜5.0の
    範囲内に配合した原料を、予熱帯と加熱帯と冷却
    帯を有する反応容器内に装入し、反応温度を1650
    〜2100℃の範囲内に制御してSiC化反応を行なわ
    せる主としてβ型結晶よりなる炭化珪素の製造方
    法において、 平均粒径が75〜250μmの範囲内のシリカを炭
    素と配合した原料を造粒し、粒状物の気孔率が40
    〜55%、粒状物嵩密度が0.40〜0.90g/cm3の範囲
    内の粒状原料となし、ついで前記粒状原料を反応
    容器の上部より装入して加熱帯における装入物の
    充填幅を0.10〜0.35mの範囲内として、前記加熱
    帯における装入物の降下速度(Um/hr)を前記
    充填幅(Wm)と加熱帯の高さ(Hm)の下記関
    係式で示される範囲内とすることを特徴とする主
    としてβ型結晶よりなる超微細炭化珪素粉末の製
    造方法。 17.9H(W−0.31)2+0.23≦U≦53.1H(W−0.31)2
    +1.24 2 前記粒状物嵩密度(Dg/cm3)は加熱帯にお
    ける装入物の充填幅(Wm)と粒状物の気孔率
    (A%)で示される下記関係式を満足する特許請
    求の範囲第1項記載の主としてβ型結晶よりなる
    超微細炭化珪素粉末の製造方法。 −0.0146A(W−0.82)3+0.3≦D≦−2.52A(W−
    0.22)3+1.0
JP56113615A 1981-07-22 1981-07-22 主としてβ型結晶よりなる超微細炭化珪素粉末の製造方法 Granted JPS5820708A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP56113615A JPS5820708A (ja) 1981-07-22 1981-07-22 主としてβ型結晶よりなる超微細炭化珪素粉末の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP56113615A JPS5820708A (ja) 1981-07-22 1981-07-22 主としてβ型結晶よりなる超微細炭化珪素粉末の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5820708A JPS5820708A (ja) 1983-02-07
JPS6327286B2 true JPS6327286B2 (ja) 1988-06-02

Family

ID=14616698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP56113615A Granted JPS5820708A (ja) 1981-07-22 1981-07-22 主としてβ型結晶よりなる超微細炭化珪素粉末の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5820708A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6096517A (ja) * 1983-10-27 1985-05-30 Shin Etsu Chem Co Ltd 超微粒子状炭化けい素

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5820708A (ja) 1983-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU650734B2 (en) Moving bed process for carbothermally synthesizing nonoxide ceramic powders
US4292276A (en) Apparatus for producing silicon carbide
CA1136382A (en) Method for producing solar-cell-grade silicon
JP2934648B2 (ja) 炭化ホウ素の製造方法
US4529575A (en) Process for producing ultrafine silicon carbide powder
US4360506A (en) Method of preparing sialon products
JPS61117111A (ja) 光起電産業で用いる金属珪素の製造方法
US4390504A (en) Apparatus for producing silicon carbide consisting mainly of β-type crystal
JPH0118005B2 (ja)
JPS6327286B2 (ja)
JPS6362449B2 (ja)
JPH0138042B2 (ja)
JP2536849B2 (ja) 焼結用β晶炭化ケイ素粉末
JPS61168567A (ja) 炭化珪素焼結体の製造方法
JPH0135773B2 (ja)
JP2634451B2 (ja) β型炭化ケイ素微粉末の製造方法およびその製造装置
JPS5836915A (ja) SiC系物質の連続製造法
JPS5834405B2 (ja) 主としてβ型結晶よりなる炭化珪素の製造方法
JPS63297205A (ja) 窒化物の製造方法
JPS6358769B2 (ja)
JPH01172205A (ja) 金属炭化物製造用原料組成物
JPS5855322A (ja) 高純度SiCの製造法
JPH022802B2 (ja)
JPH0152325B2 (ja)
JPS5864267A (ja) サイアロンの連続製造法