JPS6327285Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、複数の磁気ヘツドからの出力を選択
的に切換えて連続した映像信号を得るような構成
の磁気再生装置に関し、特に、上記各磁気ヘツド
からの出力を切換えて連続した映像信号を得るた
めのスイツチング手段において生ずるスイツチン
グノイズを除去し品質の良好な映像信号を得るよ
うに改良した磁気再生装置に関するものである。

一般に、２ヘツド方式のビデオテープレコーダ
等の複数の磁気ヘツドを備えた磁気再生装置にお
いては、各磁気ヘツドからのヘツド出力信号を順
次に切換えて用いることによつて連続した映像信
号を得ている。上記各ヘツド出力信号を切換えて
連続した映像信号を得るためには、各磁気ヘツド
の出力側にスイツチ回路を設けるようにしている
が、該スイツチ回路におけるスイツチングノイズ
が映像信号に重畳されてしまうことにより再生画
像の画質が劣化されてしまう問題点があつた。従
来、上記スイツチングノイズにより悪影響を除去
するには、映像信号のペデスタル電位をサンプリ
ングホールドして、このペデスタル電位とスイツ
チング部分とを置換えるようにしたペデスタルク
ランプの手法が用いられているが、ペデスタルク
ランプの手法を用いると同期信号部分の波形の歪
やノイズによるミスクランプ等の問題点を新たに
生じてしまう。

そこで、本考案は、同期信号の波形歪等の問題
を生ずることなくスイツチングノイズを除去し
て、高品質の映像信号を得られるようにした新規
な構成の磁気再生装置を提供するものである。

以下、本考案について一実施例を示す図面に従
い詳細に説明する。

本考案に係る磁気再生装置の一実施例につい
て、その構成を第１図のブロツク図に示す。

この実施例は、本考案を２ヘツド方式のビデオ
テープレコーダに適用したものであり、図示しな
い回転ドラムに配設した２個の磁気ヘツド１，２
により磁気テープの記録トラツクを順次にトレー
スして、一方の磁気ヘツド１から奇数フイールド
分の各映像信号を得、また他方の磁気ヘツド２か
ら偶数フイールド分の各映像信号を得ている。こ
こで、上記一方の磁気ヘツド１から得られる映像
信号を第２図Ａに示し、他方の磁気ヘツド２から
得られる映像信号を第２図Ｂに示してある。な
お、各映像信号はFM変調信号である。上記各磁
気ヘツド１，２の出力側は、各々再生増幅器３，
４に接続されている。上記各再生増幅器３，４の
各出力側は、各々トランジスタ５，６から成るス
イツチング回路７，８に接続されているととも
に、抵抗９から成るアナログ信号加算回路１０に
接続されている。上記各スイツチング回路７，８
は、信号入力端子１１から供給される第２図Ｃに
示すようなスイツチングパルスによつてスイツチ
ング動作が制御されており、奇数フイールドに対
応する期間T_A中には一方のスイツチング回路７
が開成され他方のスイツチング回路８が閉成さ
れ、また偶数フイールドに対応する期間T_B中に
は一方のスイツチング回路７が閉成され他方のス
イツチング回路８が開成されるようになつてい
る。従つて、上記アナログ信号加算回路１０から
は、第２図Ｄに示すように奇数フイールド分の映
像信号と偶数フイールド分の映像信号とが交互に
順次連続した映像信号が得られる。上記連続した
映像信号は、デイモジユレータ１２を介してFM
復調されてからローパスフイルタ１３を介してデ
イ・エンフアシス回路１４に供給される。上記復
調された映像信号は、デイ・エンフアシス回路１
４を介してデイ・エンフアシスが掛けられてか
ら、スイツチ回路１６の第１の入力端子１６ａに
供給されるとともに、一走査期間1Hに等しい遅
延特性を有する遅延回路１５を介して上記スイツ
チ回路１６の第２の入力端子１６ｂに供給され
る。ここで、上記スイツチ回路１６の第１の入力
端子１６ａには、第２図Ｅに示すように上記連続
した映像信号をFM復調した映像信号が供給さ
れ、また、第２の入力端子１６ｂには第２図Ｆに
示したように上記FM復調した映像信号が1Hだ
け遅延されて供給されることになる。上記FM復
調された映像信号には、上記各スイツチング回路
７，８のスイツチング動作によつて生ずるスイツ
チングノイズが、そのスイツチングのタイミング
t₀から所定の時間T₁だけずれたタイミングt₁に常
時重畳されている。

また、上記信号入力端子１１からのスイツチン
グパルスは、抵抗１７およびコンデンサ１８から
成る遅延回路１９と排他的論理和回路２０とで構
成した制御パルス発生回路２１に供給されてい
る。上記制御パルス発生回路２１は、上記スイツ
チングノイズが発生されるタイミングt₁を含むよ
うな期間T₀中に第２図Ｇに示すように制御パル
スを発生する。

上記制御パルス発生回路２１から得られる制御
パルスは、オアゲート２２を介して上記スイツチ
回路１６の制御入力端子１６ｄに供給される。

上記スイツチ回路１６は、通常、第１の入力端
子１６ａと出力端子１６ｃとが導通されており、
上記制御パルスの期間T₀中にのみ第２の入力端
子１６ｂと出力端子１６ｃとを導通するように該
制御パルスによつてスイツチ動作が制御されてい
る。このスイツチ回路１６を介して得られる映像
信号は、第２図Ｈに示すよう上記スイツチングノ
イズの存在する期間T₀中の情報が1H前の情報に
置換えられ、スイツチングノイズを含まない極め
て高品質の映像信号となる。

なお、この実施例においては、上記アナログ信
号加算回路１０から得られる連続した映像信号を
リミツタ２３により振幅制限してから検波回路２
４により検波して得られる検波出力信号について
シユミツトトリガ回路２５でレベル弁別すること
によつて該映像信号のドロツプアウトを検出し、
上記ドロツプアウトの存在を示すドロツプアウト
検出信号を得て、このドロツプアウト検出信号を
上記オアゲート２２を介してスイツチ回路１６の
制御入力端子１６ｄに供給することによつて、ド
ロツプアウト補償の動作も行えるようにしてあ
る。

上述の実施例の説明から明らかなように、本考
案によれば、複数の磁気ヘツドからの出力を切換
えて連続した映像信号を得るようにした構成の磁
気再生装置において、上記連続した映像信号を一
走査期間1Hだけ遅延させる遅延回路と、上記連
続した映像信号が直接および上記遅延回路を介し
て供給され各映像信号を選択的に出力するスイツ
チ回路と、上記磁気ヘツドからの各映像信号を順
次に切換えて連続した映像信号を得るためのスイ
ツチング手段のスイツチング動作を制御するスイ
ツチングパルスから該スイツチングのタイミング
で生ずるスイツチングノイズを含む所定の期間に
制御パルスを発生する制御パルス発生回路とを備
え、上記制御パルスによつて上記スイツチ回路の
動作を制御するように構成したことを特徴とする
ことによつて、スイツチングノイズを含む期間中
の映像情報を1H前の映像情報に置換えることが
できるので、極めて高品質の映像信号を得ること
ができる。また、回転磁気ヘツドの位相サーボが
若干変動する磁気再生装置ではスイツチング区間
がフイールドによつて若干ずれるが、このような
磁気再生装置においても本考案によれば映像信号
を失うことなくスイツチングノイズのみを除去す
ることができる。このように本考案によれば極め
て高品質の映像信号が得られる磁気再生装置を簡
単な構成にて提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る磁気再生装置の一実施
例の構成を示すブロツク図である。第２図は上記
実施例の動作を説明するためのタイムチヤートで
ある。 １，２……磁気ヘツド、７，８……スイツチン
グ回路、１５……1H遅延回路、１６……スイツ
チ回路、２１……制御パルス発生回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の磁気ヘツドからの出力を切換えて連続し
   た映像信号を得るようにした構成の磁気再生装置
   において、上記連続した映像信号を一水平走査期
   間（1H）だけ遅延させる遅延回路と、上記連続
   した映像信号が直接および上記遅延回路を介して
   供給され各映像信号を選択的に出力するスイツチ
   回路と、上記磁気ヘツドからの各映像信号を順次
   に切換えて連続した映像信号を得るためのスイツ
   チング回路のスイツチング動作を制御するスイツ
   チングパルスから該スイツチングのタイミングで
   生ずるスイツチングノイズを含む所定期間に制御
   パルスを発生する制御パルス発生回路とを備え、
   上記制御パルスによつて上記スイツチ回路の動作
   を制御するように構成したことを特徴とする磁気
   再生装置。