JPS6327095Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本発明は、例えば内燃機関用の点火装置に関す
る。この点火装置は点火コイルを有し、該点火コ
イルの１次電流回路に電気スイツチが接続され、
２次電流回路に火花ギヤツプが接続され、また電
気スイツチを制御するための点火時期信号発信器
を有している。

このような公知の点火装置の場合、電気スイツ
チは所定の時点に閉成され、その後スイツチが十
分な時間だけ閉鎖していれば、点火コイル中の電
流が急上昇し、飽和する。続いてこの電気スイツ
チが開放されると、２次側の電圧は急激に上昇
し、火花ギヤツプ（例えば内燃機関においては点
火プラグ）に点火火花が発生する。点火時期信号
発信器は点火信号を供給するが、この信号の時間
位置は、適当な電子装置により内燃機関のパラメ
ータに依存してずらすことができる。点火信号は
電気スイツチを開放するように作用する。閉成角
度制御装置によつて電気スイツチが適正な時間に
閉成し、それによつて点火時点には点火コイルの
全磁気エネルギが利用できる。この種の閉成角度
制御装置は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公
開第2244781号公報、米国特許第3881458号明細書
から公知である。この点火装置では、点火火花が
弱すぎる場合または短かすぎる場合、内燃機関中
の混合気が不完全燃焼し、もしくは全く燃焼しな
いおそれがある。

この欠点を回避するため、周波数発生器を用い
て点火時点に多数の点火火花を発生させる点火装
置も公知である。しかしこの種の公知の点火装置
には、点火時点にならないと周波数発生器が電子
スイツチの制御を開始できないという欠点があ
る。そのため、電気スイツチの開放により点火火
花を発生するには、スイツチの閉成によつて磁気
エネルギーを点火コイル中に蓄積しなければなら
ない。従つて、最初の点火火花が本来の点火時点
より時間だけ遅れて発生する。

本考案の課題は、点火時点に複数の点火火花を
供給でき、かつ最初の点火火花が正確に点火時点
に生じる点火装置を提供することである。本考案
の別の課題は、点火時点における複数の点火火花
の発生を、例えば内燃機関の所定の動作状態での
み可能にすることである。

本考案によれば、この課題は次のようにして解
決される。すなわち、 点火時点より前の時点に電気スイツチを閉成す
るために、点火時期信号発信器と電気スイツチの
制御入力側との間に閉成角度制御装置が接続さ
れ、 複数の点火火花を発生させるための装置として
クロツク発生器が設けられ、該クロツク発生器の
出力側が電気スイツチの入力側と接続され、 クロツク発生器が時限素子によつて制御され
て、該時限素子の保持期間の間投入接続され、ま
た該時限素子に、電気スイツチを開放するための
信号が始動信号として供給され、 クロツク発生器がスイツチング装置によつても
制御され、該スイツチング装置によつて、少なく
とも１つのパラメータに相応する信号が現れた場
合にのみクロツク発生器が投入接続され、 微分段の後置された圧力検知器と温度検知器と
が設けられ、圧力検知器は内燃機関の吸気管負圧
をパラメータとして検出し、温度検知器はパラメ
ータとして温度を検出する、のである。

本考案による利点は、点火時点に複数の点火火
花を連鎖火花として発生でき、かつ点火時点に最
初の点火火花が発生するので、極めて正確かつ均
一な点火を行えることである。また、単一の点火
火花も十分な点火が保証される動作状態では連鎖
火花を遮断できるので、火花ギヤツプ、点火コイ
ルおよびその他の回路素子の保護のために好都合
である。

実用新案登録請求の範囲第３項記載の構成によ
れば、複数の点火火花を発生させる装置は相応に
構成された点火時期信号発信器から成る。それに
より、点火火花を発生させるための複数のパルス
を極めて簡単に発生できる。

実用新案登録請求の範囲第４項記載の構成によ
れば、内燃機関が所定の動作状態になつた時にだ
け、複数の点火火花を発生させることができる。

実用新案登録請求の範囲第５項記載の構成によ
れば、特別な制御装置を用いる必要がなくなる。

さらに実用新案登録請求の範囲第６項記載の構
成によれば、機関の低温始動時にのみ、複数の点
火火花を発生させることができる。

次に図面を用いて本考案を実施例につき詳細に
説明する。

第１図に示した実施例において、例えば内燃機
関のクランク軸と連結された発信器１０は、有利
にはシユミツトトリガとして構成されたパルス成
形段１１と接続されている。発信器１０は第１図
で誘導発信器として構成されているが、例えば断
続器接点またはホール発生器とすることもでき
る。パルス成形段１１の出力側は点火位置調節電
子装置１２および接続端子１３を介して閉成角度
制御装置１４と接続されている。例えばエンジン
データ（回転数ｎ、吸気管負圧ｐ、温度Ｔおよび
絞り弁α）に依存して点火信号の時間位置を変化
させるための点火位置調節電子装置１２は公知で
あり、ここでは詳述しない。閉成角度制御装置１
４も、従来の点火装置に対して冒頭に述べた文献
により公知である。この閉成角度制御装置１４
は、オアゲート１５を介して電気スイツチ１６の
制御入力側と接続されている。電気スイツチは、
有利には例えばトランジスタのような制御可能な
半導体スイツチとして構成される。供給電圧のプ
ラス極と接続されている端子１７は、電気スイツ
チ１６のスイツチ区間を介して点火コイル１８の
１次コイルに接続されている。点火コイルの２次
コイルは、端子１９を介して火花ギヤツプ２０と
接続されている。火花ギヤツプ２０の第２の電
極、および点火コイル１８の２つのコイルはアー
スに接続されている。火花ギヤツプ２０は、内燃
機関においては点火プラグとして構成されてい
る。点火プラグが多数ある場合には、公知のよう
に高電圧デイストリビユータを設けることができ
る。

また端子１３は、回転数測定器２１と加速度測
定器２２との並列接続を介してオアゲート２５の
２つの入力側に接続されており、その際２１，２
２にはしきい値段２３，２４が後置接続されてい
る。車両用の回転数測定器２１は公知であり、加
速度測定器も例えば車両用ロツク防止装置におい
て公知である。加速度測定器は、実質的には微分
段の後置接続された回転数測定器である。

内燃機関の始動モータに対する始動スイツチ２
６の２つの端子は、一方で端子１７に接続され、
他方でオアゲート２５の別の１つの入力側に接続
されている。吸気管負圧ｐを測定するために内燃
機関の吸気管内の圧力スイツチ（図示せず）と接
続されている端子２７は、微分段２８およびしき
い値段２９を介してオアゲート２５の１つの入力
側に接続されている。吸気管負圧ｐの変化が大き
いほど微分段２８の出力信号は大きくなる。この
信号が所定の大きさになればしきい値段２９が切
換えられ、その出力側から信号が送出される。

その出力側がオアゲート２５の入力側と接続さ
れた別のしきい値段３０は、２つの入力側を有し
ている。その一方の入力側は端子１７と接続され
ており、他方の入力側は端子３１と接続されてい
る。端子３１は、有利には内燃機関に設けられた
温度センサ（図示せず）に接続されている。温度
Ｔまたはバツテリ電圧が固定のしきい値を下回つ
た場合にしきい値段３０が出力側に信号が送出さ
れる。

オアゲート２５の出力側は、端子３２およびア
ンドゲート３３を介して周波数発生器３４の入力
側と接続されている。周波数発生器３４の入力側
がアンドゲート３３の出力信号によつて制御され
ると、この発生器３４は有利にはく形パルスを発
生する。端子１３は、有利には単安定回路段とし
て構成された時限素子３５を介してアンドゲート
３３の第２の入力側と接続されている。周波数発
生器３４の出力側はオアゲート１５の第２の入力
側と接続されている。第１図に示した点火装置の
動作を、第２図の信号ダイヤグラムを用いて説明
する。発信器１０の信号Ａは、パルス成形段１１
でく形信号Ｂに変換される。点火位置調節電子装
置１２によつてこの信号Ｂは時間Toだけずらさ
れ、信号Ｃとして端子１３に現れる。閉成角度制
御装置１４によつて信号Ｃは信号Ｄに変換され
る。信号Ｄの信号終了時点は、点火時点である信
号Ｃの信号開始時点と一致する。信号Ｄの信号開
始時点は先行する信号Ｃによつて決まる。電気ス
イツチ１６を介して流れる点火コイルの１次電流
Ｉを飽和させるために、信号Ｄは十分な長さを有
している。信号Ｃの立上り縁によつて時限素子３
５が始動し、その出力側に信号Ｅが現れる。後述
するように端子３２に信号が現れると、信号Ｅが
持続している間ずつと周波数発生器３４が制御さ
れ、その間発生器３４の出力側には、信号列Ｆが
現われる。オアゲート１５は信号ＤとＦを交互に
通過させるので、電気スイツチ１６は信号列Ｇに
よつて順次開閉される。まず、信号列Ｇ中の長い
方の信号Ｄがスイツチ１６を閉じ、それによつて
点火コイル１８を流れる電流Ｉは飽和する。信号
Ｄの終り、すなわち点火時点において電気スイツ
チ１６が開放されるので、火花ギヤツプ２０に点
火パルスＵが発生する。それに続く信号列Ｆの信
号によつてスイツチ１６は再び閉成され、電流Ｉ
が改めて上昇し始める。信号Ｆの終了時点で再び
スイツチ１６の開放が行われ、新しい点火パルス
または点火火花が火花ギヤツプ２０に発生する。
この過程は信号Ｆの数に相応して繰り返される。
ダイヤグラムから明らかなように、信号Ｆが相互
に非常に密接して存在する場合には、点火コイル
１８中の磁気エネルギーは各点火火花によつて完
全には消滅しない。従つて、スイツチ１６の次の
閉成の場合に電流Ｉは零の値から上昇するのでは
なく、零よりいくらか高い値から上昇し始める。
そのため飽和するまでの時間が減少するので、点
火火花列の周波数を高く選択することができる。

周波数発生器３４は、端子３２における信号の
有無によつて作動または休止する。つまり端子３
２の信号によつて、単一点火を行うか連鎖点火を
行うかが決定される。すべての場合に連鎖点火を
行うのであればアンドゲート３３を省略でき、時
限素子３５の出力側が周波数発生器３４の入力側
と直接接続される。第１図に示した回路におい
て、端子１７および３１を介して供給される電圧
が所定の最小値を下回るか、温度が所定の最小値
より低くなつた場合、吸気管負圧が端子２７を介
して単位時間当りの所定の変化量に達した場合、
始動スイツチ２６が操作された場合、および構成
部分２１〜２４を介して回転数または加速度が所
定のしきい値を上回るか下回つた場合にのみ、連
鎖点火が行われる。

しきい値段２３，２４，２９，３０は上方およ
び下方しきい値を有するので、前述のパラメータ
の所定の範囲内で連鎖点火が行われる。

オアゲート２５の入力側に設けられた構成部分
は、あるパラメータを連鎖点火のトリガに対して
影響を及ぼさないようにする場合、選択的に省略
できる。しかし、別のパラメータを連鎖点火のト
リガに影響させる場合には、このパラメータを関
与させることもできる。

第３図に示した第２の実施例は回路的に第１図
と類似の構成を有しており、以下においては同じ
記号の構成部分について重複して説明しない。端
子１３は直接アンドゲート３３の入力側に接続さ
れてお、アンドゲート３３の出力側はフリツプフ
ロツプ３６のセツト入力側に接続されている。フ
リツプフロツプ３６の出力側はオアゲート１５の
第２の入力側に接続されている。電気スイツチ１
６と点火コイル１８との間には、点火コイル１８
の１次電流Ｉを検出するために電流検出装置３７
が接続されている。この装置３７は、簡単には電
流Ｉの電流回路中に接続された抵抗３７０から成
り、抵抗３７０の電圧タツプはしきい値段３７１
と接続されている。しきい値段３７１の出力側は
フリツプフロツプ３６のリセツト入力側Ｒに接続
されている。端子１９は、火花持続時間検出装置
３８を介してアンドゲート３３の別の入力側に接
続されている。この火花持続時間検出装置３８
は、しきい値段３８０と後置接続された時限素子
３８１とから成つている。しきい値段３８０によ
つて点火信号の開始を決めることができ、時限素
子３８１によつて点火火花の所定の持続時間を調
節できる。

電気スイツチ１６の最初の閉−開動作は、既述
のように信号Ｄによつて行われる。信号Ｄの終了
時点に、端子１９で点火電圧Ｕが急上昇する。点
火電圧が急上昇する時に時限素子３８１がしきい
値段３８０によつて動作を開始する。時限素子３
８１の保持時間の終りに信号Ｃが現われるので、
アンドゲート３３を介してフリツプフロツプ３６
がセツトされる。この場合端子３２にも信号が供
給される必要がある。フリツプフロツプ３６がセ
ツトされると電気スイツチ１６が改めて閉成す
る。電流Ｉは上昇し始め、しきい値段３７１によ
つて定まる所定のしきい値に達すると、フリツプ
フロツプはリセツト入力側を介してリセツトされ
る。それによつてスイツチ１６は開放され、点火
電圧Ｕが再び上昇する。信号Ｃが終了するまで、
または端子３２に信号が現れている限り、この過
程が繰返される。第２の実施例の場合、連鎖火花
の持続時間は所定の時間（時限素子３５の保持時
間）ではなく信号Ｃの持続時間によつて決まる。
信号Ｃの信号持続時間は信号Ａの幅に依存する。
信号Ａの振幅は回転数によつて変化するが、その
幅は実質的に常に発信器１０の駆動軸の所定角度
に相応している。内燃機関の場合、この所定角度
はクランク軸の所定角度に相応する。信号Ｃを一
定回転角信号として使用する代りに、この種の信
号を発生するために他の発信器を設けることもで
きる。他の発信器は、例えば、信号Ａの零点通
過、半波ピークまたは勾配を検出するセンサであ
る。信号Ａの勾配検出用センサは微分段によつて
実現できる。

第２の実施例でも、連鎖火花列の持続時間を回
転角比例信号によつて制限する代りに、時限素子
によつてこの制限を行うことができる。逆に第１
の実施例でも、時限素子ではなく回転数比例信号
によつて連鎖火花列の持続時間を制限できる。

第４図に示した第３の実施例の場合、発信器１
０は特殊な構成になつている。例えば４気筒内燃
機関の場合、この種の発信器は通常それぞれ90度
転置した個所に点火マーク１００を有している。
図示の例の場合点火マークは各々４つである。検
出器１０１は、発信器が90度回転するたびに順次
連続する４つの信号Ａを発生する。検出器に接続
された段１１と１２の出力側において、この信号
からその都度４重の信号Ｂ，Ｃが発生する。その
際信号Ｃは信号Ｂに対して時間Toだけ遅れてい
る。端子１３に加わる最初の信号Ｃによつて、閉
成角度制御装置１４は既述のように制御され、そ
の出力側に信号Ｄが現れる。閉成角度制御装置１
４の出力側はオアゲート１５を介して電気スイツ
チ１６の制御入力側と接続されている。端子１３
はアンドゲート３３を介してオアゲート１５の第
２の入力側と接続されている。アンドゲート３３
の第２の入力側は前述のように端子３２に接続さ
れている。端子３２に信号が加わらないと、閉成
角度制御装置の出力信号Ｄは、前述の実施例の場
合のように単一の点火火花を発生する。それに対
して端子３２に信号が供給されると、アンドゲー
ト３３は端子１３の多重信号Ｃに対して導通す
る。従つて各点火時点で信号Ｄの信号終了時点に
４つの信号Ｃが続いて発生する。その結果、各点
火時点について合計５つの点火火花が生じる。こ
の場合連鎖火花列の持続時間は、点火マーク１０
０の配置および数によつて定まる。第１の信号Ｃ
の信号開始時点と信号Ｄの信号終了時点との間の
制御の衝突をなくすために、端子１３からアンド
ゲート３３への導線中に遅延素子を設け、信号Ｄ
の信号終了時点が第１の信号Ｃの信号開始時間と
一致するのを防ぐことができる。またこの衝突を
回避するために、別のいろいろな方法を実施でき
る。端子３２の制御は前述のように行われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、周波数発生器を有する本考案による
点火装置の第１の実施例の回路略図、第２図は本
考案の点火装置の動作を説明する信号ダイヤグラ
ム、第３図は、連鎖火花を発生するための回路素
子を有する点火装置の第２の実施例の回路略図、
第４図は、連鎖火花を発生するための特別の点火
時期信号発信器を有する点火装置の第３の実施例
の回路略図である。 １０……発信器、１１……パルス成形段、１２
……点火位置調整装置、１４……閉成角度制御装
置、１８……点火コイル、３４……周波数発生
器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 点火コイルを有し、該点火コイルの１次電流
   回路に電気スイツチが接続され、２次電流回路
   に火花ギヤツプが接続され、また電気スイツチ
   を制御するための点火時期信号発信器を有して
   いる、点火装置において、 点火時点より前の時点に電気スイツチ１６を
   閉成するために、点火時期信号発信器１０と電
   気スイツチ１６の制御入力側との間に閉成角度
   制御装置１４が接続され、 複数の点火火花を発生させるための装置とし
   てクロツク発生器３４が設けられ、該クロツク
   発生器の出力側が電気スイツチ１６の入力側と
   接続され、 クロツク発生器３４が時限素子３５によつて
   制御されて、該時限素子の保持期間の間投入接
   続され、また該時限素子３５に、電気スイツチ
   １６を開放するための信号が始動信号として供
   給され、 クロツク発生器３４がスイツチング装置２５
   によつても制御され、該スイツチング装置によ
   つて、少なくとも１つのパラメータに相応する
   信号が現れた場合にのみクロツク発生器３４が
   投入接続され、 微分段２８の後置された圧力検知器と温度検
   知器とが設けられ、圧力検知器は内燃機関の吸
   気管負圧をパラメータとして検出し、温度検知
   器はパラメータとして温度を検出する、 ようにしてなる点火装置。 ２ 複数の点火火花を発生させるための装置を、
   点火時期信号発信器１０、パルス成形段１１お
   よび点火位置調整装置１２によつて制御し、点
   火時期信号発信器１０を駆動する軸の所定の回
   転角の間、該点火時期信号発信器１０、パルス
   成形段１１および点火位置調整装置１２が信号
   を送出し、該信号の持続時間が複数の点火火花
   を発生させるための装置の動作時間を決めるよ
   うにした実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   点火装置。 ３ その制御入力側にパラメータに相応する信号
   が供給されるスイツチング装置２５，３３が設
   けられ、点火時点に前記パラメータに相応する
   信号の少なくとも１つが現れた場合にのみ、複
   数の点火火花を発生させるための装置が前記ス
   イツチング装置によつて投入接続されるように
   した実用新案登録請求の範囲第１項記載の点火
   装置。 ４ 点火時期信号発信器１０の信号を閉成角度制
   御装置１４をバイパスして電気スイツチ１６の
   制御入力側に供給可能にしている線路中に、ス
   イツチング装置２５，３３が接続されている、
   実用新案登録請求の範囲第４項記載の点火装
   置。 ５ スイツチング装置２５，３３の入力側が、内
   燃機関の始動モータに対する始動スイツチ２６
   に接続されている実用新案登録請求の範囲第４
   項または第５項記載の点火装置。