JPS6326768B2 - - Google Patents

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JPS6326768B2
JPS6326768B2 JP57060293A JP6029382A JPS6326768B2 JP S6326768 B2 JPS6326768 B2 JP S6326768B2 JP 57060293 A JP57060293 A JP 57060293A JP 6029382 A JP6029382 A JP 6029382A JP S6326768 B2 JPS6326768 B2 JP S6326768B2
Authority
JP
Japan
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aromatic polyamide
film
composition
temperature
amide solvent
Prior art date
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Expired
Application number
JP57060293A
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English (en)
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JPS58177320A (ja
Inventor
Jiro Sadanobu
Tsutomu Nakamura
Junichi Tamura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP6029382A priority Critical patent/JPS58177320A/ja
Priority to US06/482,241 priority patent/US4539393A/en
Priority to EP83301930A priority patent/EP0091778B1/en
Priority to DE8383301930T priority patent/DE3374874D1/de
Publication of JPS58177320A publication Critical patent/JPS58177320A/ja
Publication of JPS6326768B2 publication Critical patent/JPS6326768B2/ja
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は芳香族ポリアミドフイルムの熱処理方
法に関するものである。更に詳しくは、芳香族ポ
リアミドフイルムに特定量のアミド溶剤を含有せ
しめ、熱処理を施すことにより寸法安定性及び機
械的性質のすぐれた芳香族ポリアミドフイルムを
得る寸法に係るものである。 芳香族ポリアミドはすぐれた耐熱性、機械的性
質を有しており、p−フエニレンテレフタルアミ
ド系,ハロゲン置換p−フエニレンテレフタルア
ミド系,m−フエニレンテレフタルアミド系;p
−フエニレンイソフタアミド系およびm−フエニ
レンイソフタルアミド系等の重合体は繊維、合成
紙等の分野で各種の広い用途展開がなされ近年特
に注目されている高分子素材である。 しかしながら、芳香族ポリアミドは、化学構造
的に強い極性を示し、水との親和性が高い高分子
であるため芳香族ポリアミドよりなる高分子フイ
ルムは吸湿率が高く、かつ吸湿による寸法変化が
大きいため、高い配線密度の要求される電子基板
材料などに用いることができない欠点を有してい
た。一般に高分子フイルムはガラス転移点より高
い温度で結晶化熱固定することにより、寸法安定
性を改良しうることが知られている。しかしなが
ら、芳香族ポリアミドはガラス転移点が高く、結
晶化熱固定を有効に実施するためには、少くとも
200℃以上の高温が必要である。しかしながら、
該高温領域の熱処理技術は、工業的生産技術とし
て、いまだ完成されていないのが実状である。ま
た、芳香族ポリアミドは、ガラス転移点と高分子
の分解温度が近接しており、芳香族ポリアミドフ
イルムのガラス転移点より十分高い温度での熱処
理に際して、高分子の分解劣化が避け難く、良好
な寸法安定性、機械的性質を実現することが困難
であつた。 本発明者は、これらの諸問題を考え合せ、鋭意
検討した結果、芳香族ポリアミドフイルムに特定
量のアミド溶剤を含有せしめ、熱処理を施すこと
により寸法安定性、機械的性質が向上する事実を
見出し本発明に到達したものである。 即ち、本発明は、芳香族ポリアミドフイルムに
アミド溶剤を1〜200重量%含有せしめ、定長ま
たは緊張下で100℃以上、該ポリアミドの分解温
度以下で熱処理を施すことを特徴とする芳香族ポ
リアミドフイルムの処理方法である。 本発明に用いられる芳香族ポリアミド系重合体
は一般式
【式】
【式】で示された繰返し構造単位を単 独、又は共重合の形で含む芳香族ポリアミド系重
合体であり、好ましくは該構造単位を75モル%以
上含む芳香族ポリアミド系重合体である。 ここにAr1,Ar2,Ar3は同一であつても異つて
いてもよく、その代表的なものとして次の構造式
を有する。
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】 ここにおいてRは低級アルキル,低級アルコキ
シ,ハロゲンあるいはニトロ基であり、nは0お
よび4を含む0〜4の整数であり、Xは
【式】
【式】−O−,
【式】
【式】の内から選ばれた1種であつて、ここに Yは水素あるいは低級アルキル基を示す。 本発明において特に好ましく使用され、大きな
作用効果を奏する芳香族ポリアミドは、繰り返し
単位の少くとも75モル%がm−フエニレンジアミ
ンとイソフタル酸クロライドの如きイソフタル酸
ハライドとを溶液重合あるいは界面重合等の方法
で反応させて得られるポリ−m−フエニレンイソ
フタルアミドであり、必要に応じて共重合される
成分はアミン成分としてo−フエニレンジアミ
ン,ベンジジン,4,4′−ジアミノジフエニルエ
ーテル,3,4′−ジアミノジフエニルエーテル,
キシリレンジアミン,トルニンジアミン,4,
4′−ジアミノジフエニルスルホン等があげられ、
又酸成分としてはテレフタル酸クロライド,1,
4−ナフタレンジカルボン酸クロライド,2,6
−ナフタレンジカルボン酸クロライド、ジフエニ
ルスルホン−4,4′−ジカルボン酸クロライド,
4,4′−ジフエニルジカルボン酸クロライド等の
ジカルボン酸ハライドがその代表的なものとして
挙げられる。 本発明方法の熱処理に用いる芳香族ポリアミド
フイルムを製造する方法としては、 (1) 乾式−湿式製膜法 (2) 湿式製膜法 がその代表的なものとしてあげられる。 乾式−湿式製膜法による芳香族ポリアミドフイ
ルムの製造法に関しては該芳香族ポリアミド−ア
ミド系溶剤組成物を流延し、150〜250℃の雰囲気
下溶剤を除去した後、水洗する事によつて水溶性
残留化合物を抽出し、含水フイルムを得る。この
フイルムを必要に応じて延伸配向した後乾燥し、
本発明に適用すべきフイルムを得る事が出来る。 次に工業生産的に有利な方法と考えられる湿式
製膜法について述べる。 芳香族ポリアミドフイルムを製造するに際して
は、前述した乾式−湿式法は用いる溶剤がアミド
系溶剤等極性の高い高沸点溶剤であるため高温・
長時間が必要であり、又芳香族ポリアミドとアミ
ド系溶剤とが錯体を作る等強い相互作用があつて
乾式のみでは完全に溶剤を除去することは不可能
である。従つて湿式法と組み合せる事が不可避で
あり、どうしても工程が複雑化する問題点があ
る。 これに対して湿式法は工程が単一であり、有利
な方法と考えられるが、芳香族ポリアミド−アミ
ド系溶剤による組成物の湿式凝固性はかならずし
も良好なものではなく強靭な高分子フイルムを得
る事は容易ではなく、これらの諸問題のため芳香
族ポリアミドフイルムが工業生産に成功していな
い技術的障害の一つとなつていたのである。 これらの技術的障害を排除すべきすぐれた芳香
族ポリアミドの湿式製膜技術を我々はすでに以下
に記述する方法を提案してきた。 すなわち、芳香族ポリアミド組成物の組成比が
下記式 0.5≧a/a+b≧0.05 ……(1) c/a≧0.1 ……(2) 〔上記式(1),(2)中、aは芳香族ポリアミドの重
量部、bはアミド系溶剤の重量部、及びcは可溶
化助剤の重量部を表わす。〕 で表わされる芳香族ポリアミド組成物を水性凝固
浴中に導入してなる湿式製膜法である。 さらには繰り返し構造単位が少くとも75モル%
以上がメタ構造であるような芳香族ポリアミドに
あつては芳香族ポリアミド組成物の組成比はポリ
マー濃度に依存し、下記の如く規定される。 0.25≦a/a+b≦0.336のとき 0.1≦c/a 0.336<a/a+b≦0.5のとき 2.8×a/a+b−0.84<c/a かかる組成物を水性凝固浴中に導入することに
よつて製膜する方法である。 ここで用いられるアミド溶剤としてはテトラメ
チル尿素,ヘキサメチルホスホルアミド,N,N
−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドン
−2,N−メチルピペリドン−2,N,N−ジメ
チルエチレン尿素,N,N,N′,N′−テトラメ
チルマロン酸アミド,N−メチルカプロラクタ
ム,N−アセチルピロリジン,N,N−ジエチル
アセトアミド,N−エチルピロリドン−2,N,
N−ジメチルプロピオン酸アミド,N,N−ジメ
チルイソブチールアミド,N,N−ジメチルプロ
ピレン尿素,N,N−ジメチルホルムアミド及び
それらの混合系が挙げられる。とくに好ましいア
ミド溶媒はN−メチルピロリドン−2(以下
NMPと略称する),N,N−ジメチルアセトア
ミド及びそれらの混合系を挙げることができる。 又、好ましく使用される可溶化助剤としては周
期律表族及び/又は第族の金属塩並びにハロ
ゲン化アンモニウムをあげる事ができる。かかる
塩類は、例えば特公昭35−16027号等に記載され
ている如く、ポリマー溶液中に溶存し、溶液安定
性を高める働きをする。好ましい可溶化助剤とし
ては塩化リチウム,塩化カルシウム,塩化マグネ
シウムを挙げることができ、特に好ましくは塩化
カルシウムである。 芳香族ポリアミドフイルムの製膜に際して使用
される芳香族ポリアミド組成物中において芳香族
ポリアミド組成物(a),アミド系溶剤(b)及び可溶化
助剤(c)は前述した如く一般的には下記式であるこ
とが好ましい。 0.5≧a/a+b≧0.05 ……(1) c/a≧0.1 ……(2) 更に繰り返し構造単位の75モル%以上がメタ構
造である芳香族ポリアミドの場合には、 0.25≦a/a+b≦0.336のとき 0.1≦c/a ……(3) 0.336≦a/a+b≦0.5のとき 2.8×a/a+b−0.84<c/a ……(4) で規定される組成物が好ましい。 上記式中(1)においてa/a+b<0.05及び(3)にお いてa/a+b<0.25の場合には、フイルム成形の 目的には充分な成形性が得られないことがあつた
り、アミド系溶剤の使用量が多いこと等好ましく
ない。 又、反面(1),(3)式に於てa/a+b>0.5の場合に は得られた組成物溶液粘度が極めて高くなり、取
り扱い上困難であることが多い。 前記式(2)においてc/a≧0.1であることが必
要である。更には(4)における範囲に可溶化助剤を
用いる事が望ましい。c/a<0.1にあつては充
分な溶液安定性を得る事が困難である。 かかる芳香族ポリアミド組成物を製造する方法
には (イ) 再溶解法 (ロ) 溶液重合−中和法 が代表的なものとしてあげられる。 再溶解法はあらかじめ単離されている芳香族ポ
リアミド,アミド系溶剤及び可溶化助剤を所定の
割合に調合して再溶解せしめる方法である。 代表的な手法としては、可溶化助剤をアミド系
溶剤に溶解せしめた後、好ましくは冷却下にポリ
マーを混合せしめて調整することができる。 可溶化助剤の種類と使用量とによつては、アミ
ド系溶剤のみには全量溶解しないこともあるが、
ポリマーをさらに混合すると均一に溶解すること
が多い。別法としては、可溶化助剤の粉未とポリ
マーの粉末とを必要に応じてさらに混合粉砕し、
充分に混和した後にアミド溶剤を冷却下に混合す
ることも可能である。 また、該組成物は溶液重合−中和法によつても
調製することができる。アミド系溶剤を用いて、
芳香族ジアミンと芳香族ジ酸ハライドとを重合反
応せしめ、ポリマー溶液を調製することは公知で
ある(例えば特公昭35−14399号公報参照)。ひき
続き該重合溶液中に生成しているハロゲン化水素
を中和せしめ本発明の可溶化助剤を生成させ安定
なポリマー溶液を調製することも公知である(例
えば特公昭35−15027号公法参照)。さらに溶液重
合−中和法によつて本発明の芳香族ポリアミド組
成物を調製する優れた方法としてプレポリマーを
経由する製造法が提案されている。この方法によ
れば原液組成物中の可溶化助剤を組成比をコント
ロールでき好ましい。 前記芳香族ポリアミド組成物には、必要に応じ
て、下記に例示する添加剤、改質剤等を含有する
こともできる。:光安定剤,熱安定剤,酸化防止
剤,架橋剤,難燃剤,紫外線しや断剤,静電防止
剤,艷消剤,染料・顔料等の着色剤,有機・無機
の各種充填材もしくは補強材、その他種々の可塑
剤,溶液粘度調節剤等である。 該芳香族ポリアミド組成物は常温において通
常、粘稠な液体又は半固体状であることが多い。
しかしながら実施例にも示した如く、常温で半固
体状であつても、80℃以上の温度に於いて容易に
流動し、使用する溶剤の沸点までの温度範囲で適
正な流動性を確保することが出来、又溶液の熱安
定性も良好である。従つて、従来の湿式成形機の
みならず溶融成形機を適用するフイルム成形も可
能である。 成形温度は使用する芳香族ポリアミド組成物の
組成比、適用される成形方法によつても異るが60
〜180℃の範囲から好ましく選択される。成形温
度が60℃未満では組成物の溶液粘度が高く、均質
なフイルムの得られにくいこと充分な生産性が得
られないことがある。一方、180℃以上では成形
物の着色及び組成物中の水分による発泡等が生ず
ることがあり、操作上問題となることがある。 かかる芳香族ポリアミド組成物の成形は湿式又
は空中吐出湿式法によつてフイルムを得る事が出
来る。一般に溶液粘度の低い芳香族ポリアミド組
成物を使用する場合には湿式成形法を適用し、溶
液粘度が比較的高い場合には、空中吐出一湿式成
形法を適用することが多いが、必ずしも限定され
るものではなく、フイルム製造の目的、原液組成
物の物理的特性に応じて、より好ましい成形法を
選択することができる。 特に空中吐出−湿式成形法は下記の点におい
て、従来公知の成形方法に比して極めて有利であ
る。 きわめて高ポリマー濃度の成形を可能にするの
で、高価なアミド系溶剤の使用量が少ない。 溶融成形と同様の成形法を適用でき、押し出し
速度の向上がみられる等極めて生産性の良い成形
法を提供できる。 均質で、透明性の高いフイルムが比較的厚みの
大きいところ迄、安定に製造できる。 製造のエネルギーコストが低減される。可溶化
助剤を含有する原液組成物から乾式成形する場合
は、湿式洗浄工程を必要とし工程が複雑である。
これに対し本発明の方法は基本的に湿式成形工程
のみからなり工程が単純である。 凝固浴としては下記の組成をもつ浴の少くとも
一つが芳香族ポリアミドフイルムの成形に好まし
く用いられる。 (i) 無機塩水溶液 (ii) 有機溶剤水溶液 (iii) (i),(ii)の混合水溶液 延伸工程を容易にし、透明で強靭なフイルムの
製造を行う目的には、勿論凝固は特に重要な要因
であつて先述の芳香族ポリアミド組成物と上記の
凝固浴とを組み合わせる事によつて以下に示す延
伸が可能となり、高性能フイルムを得る事が出来
るのである。 無機塩水溶液中に含まれる化合物として代表的
なものはCaCl2,BaCl2,znCl2,MgCl2
NaCl2,KCl,AlCl2,SnCl2,NiCl,SrCl2
LiCl,CaBr2,LiBr,Ca(NO32,Zn(NO32
Al(NO32,Ca(SCN)2,KSCN,NaSON等を
挙げることができる。好ましい無機塩としては
CaCl2,LiCl,MgCl2,ZnCl2を挙げることが出
来、とくに好ましくはLiCl,CaCl2である。ま
た、一般に芳香族ポリアミド組成物中の可溶化助
剤と凝固浴中の無機塩とは同じ化合物であること
が有利である。 好ましい無機塩濃度は無機塩の種類,芳香族ポ
リアミド組成物の組成又は組成比,成形条件等に
よつても異なるが、前記の無機塩を20重量%以上
含む水溶液が好ましい。かかる凝固浴を用いた場
合には、機械的性能及び透明性の優れたフイルム
を製造することが可能である。さらに目的とする
フイルムの厚み、透明度に応じて凝固浴組成,温
度,浸漬時間は一定ではないが、無機塩水溶液を
用いる場合の好適凝固浴温度は40〜110℃である。 凝固浴としては有機溶剤水溶液も使用すること
ができる。有機溶剤としては各種のアルコール、
アミド溶剤も用いることができる。各種アルコー
ルの中でアルキレングリコールは好ましく選択で
きる有機溶剤の一つである。代表的なアルキレン
グリコールとしては、エチレングリコール,プロ
ピレングリコール,ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール等を用いることができ
る。ポリアルキレングリコール又はグリセリン水
溶液の濃度は、芳香族ポリアミド組成物の組成又
は組成比,成形方法又はその他の要因によつても
異るが30℃〜凝固浴沸点の範囲から選択される。 好ましい実施態様として、しばしば多段凝固浴
が用いられる。多段凝固浴としては無機塩水溶液
の濃度、温度を異にした系、凝固組成の全く異つ
た系等必要に応じて使い分ける事が可能である
が、工業的見地からすると同種の凝固系を組み合
した多段凝固浴が好ましい。 かくして得られたフイルムから水洗工程で、有
機溶剤,無機塩を除去することにより、均質な透
明の含水フイルムを得る事ができる。 本発明方法には、該含水フイルム又は、必要に
応じて一軸,逐次二軸,同時二軸延伸した含水フ
イルム、又は、該延伸フイルムを乾燥したフイル
ムを用いることができる。 本発明の熱処理を施すに際しては、芳香族ポリ
アミドフイルム中に1〜200重量%、好ましくは
3〜150重量%のアミド溶剤が含まれていること
が必要である。アミド溶剤の含有量が約1重量%
未満では、該ポリアミドの見掛けのガラス転移点
が下がらず、熱処理を施しても高結晶化等の本発
明の効果は達成されず、一方約200重量%までが
フイルム製膜上の限界である。 本発明で用いられるアミド溶剤としてはテトラ
メチル尿素,ヘキサメチルホスホルアミド,N,
N−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリド
ン−2,N−メチルピペリドン−2,N,N−ジ
メチルエチレン尿素,N,N,N′,N′−テトラ
メチルマロン酸アミド,N−メチルカプロラクタ
ム,N−アセチルピロリジン,N,N−ジエチル
アセトアミド,N−エチルピロリドン−2,N,
N−ジメチルプロピオン酸アミド,N,N−ジメ
チルイソブチールアミド,N,N−ジメチルプロ
ピレン尿素,N,N−ジメチルホルムアミド及び
それらの混合系が挙げられる。 芳香族ポリアミドフイルム中へアミド溶剤を含
有させる方法としては、例えば、 (i) アミド溶剤中への浸漬 (ii) アミド溶剤と、水,アルコール,アルキレン
グリコール,ハロゲン化炭化水素等の混合溶媒
浴中への浸漬 (iii) アミド溶剤蒸気雰囲気下でのフイルムへの蒸
気吸収 (iv) アミド溶剤のスプレー等によるフイルム表面
への塗布、 などを用いることができる。 本発明を実施するにあたつては、芳香族ポリア
ミドフイルム中に少くとも1重量%以上のアミド
溶剤が含まれていることが必要であるが、アミド
溶剤以外の溶剤、例えば水,アルコール,アルキ
レングリコール,ハロゲン化炭化水素等が必要に
応じて含まれていてもよい。本発明方法における
熱処理は、定長または緊張下で少くとも100℃以
上、該ポリアミドの分解温度以下で実施すること
が必要である。更に好ましくは、芳香族ポリアミ
ドのガラス転移温度をTgとしたとき(Tg−100
℃)、もしくは100℃のうち、いずれか高いほうの
温度以上で処理することである。 熱処理温度が約100℃未満では、フイルムの結
晶化,熱固定が充分でなく、一方分解温度を越え
ると、フイルムの機械物性が急激に低下し好まし
くない。なおここで定長または緊張下とは、原寸
に対し約0〜5%フイルムを伸長状態におくこと
をいう。 本発明によれば、得られる芳香族ポリアミドフ
イルムは、平衡吸湿率が低下し、比重の増大及び
寸法安定性の点で著しい改良が見られるが、かか
る効果は、次の点に起因しているものと考えられ
る。即ち、一般に高分子フイルムは、高分子のガ
ラス転移点より十分高い温度で熱処理することに
より、結晶化熱固定が実施されるが、芳香族ポリ
アミドは少くとも200℃以上の極めて高いガラス
転移点を有し、しかもガラス転移点と高分子の分
解点が近接している。このため、芳香族ポリアミ
ドフイルムのガラス転移点より十分高い温度での
熱処理は、高分子の部分分解による。強伸度など
の機械的性質を劣化を避けることが困難である。
本発明では芳香族ポリアミドフイルムに芳香族ポ
リアミドと親和性の高いアミド溶剤を特定量含有
せしめることにより、高分子の見かけのガラス転
移点を下げ、結晶化を促進せしめ、芳香族ポリア
ミドの部分分解の影響のない低い温度領域で芳香
族ポリアミドフイルムに熱処理を施すことで、高
い結晶化度と優れた寸法安定性,機械的性質が達
成されるものと考えられる。 以上の如く、本発明方法を採用することによつ
て、特に吸湿寸法安定性が著しく改良されるが、
前記の如くして得られたフイルムに、更に弛緩状
態下で100℃以上、前記芳香族ポリアミドの分解
温度以下で熱処理(弛緩熱処理)を施せば、更に
寸法変化率(吸湿変形+熱変形)を改善すること
が出来る。 弛緩熱処理温度が、約100℃未満では寸法変化
率改善の寄与に充分でなく、一方分解温度を越え
る場合は、例えば処理時間が短かくても機械的物
性が劣化し易い。上限温度の好ましい値は、前記
した定長又は緊張熱処理温度をT℃とすると、T
+30℃、更に好ましくはT+10℃であり、この温
度を越える場合は、フイルム変形が生じることが
あり、好ましくないことがある。 以上、明らかにしてきた如く、本発明方法を採
用する事により、芳香族ポリアミドフイルムを従
来より極めて低い温度で、該フイルムの結晶化熱
固定が可能となり、工業生産上省エネルギー化を
はかり得たばかりか、実施例中に明らかにした如
く機械物性,吸湿寸法安定性が予期し得ない程著
しく向上しうる技術を提供するものであつて、芳
香族ポリアミド系フイルムの高密度配線等の電子
部品分野への実用化を可能とした点、本発明方法
の意義は極めて大きい。 以下、実施例をあげ本発明を更に詳細に説明す
る。 実施例 1 芳香族ポリアミドとしてポリ−m−フエニレン
イソフタルアミドを用い、アミド溶剤としてN−
メチル−2−ピロリドン、可溶化助剤として
CaCl2を使用して下記の組成をもつ芳香族ポリア
ミド組成物を調製した。 a/a+b=0.33 c/a=0.20 上記組成物を30m/m押出機を用い0.1mm,幅
400mmのT−ダイより110℃でキヤステイングロー
ラー上に押出し、90℃の43%塩化カルシウム水溶
液中に導入した。 続いて10℃以下の冷水中で洗浄した後、95℃の
熱水中で機械方法(MD)に1.9倍、さらに垂直
方向(TD)に1.9倍延伸を行つた。 このフイルムを30重量%NMP水溶液中に室温
で10分間浸漬したのち、60℃の熱風乾燥器中で10
分間乾燥し、NMP15重量%含有のフイルムを得
た。次いでこのフイルムを270℃で10分間熱処理
した。得られたフイルムは第1表に示す如く低吸
湿率で吸湿寸法変化が小さく、かつ、すぐれた機
械物性であつた。 比較例 1 実施例1で用いた二軸延伸フイルム(実質的に
NMP含有率0重量%)をNMP水溶液に浸漬せ
ずに、そのまま120℃の熱風乾燥器中で乾燥した
後、350℃の熱風乾燥器中で10分間熱処理した。
このフイルムの物性を第1表に示す。 実施例 2〜4 実施例1の芳香族ポリアミド組成物に各種の添
加剤を加え、他は実施例1と全く同様に実施し
た。その結果を第2表に示す如く本発明の効果が
明らかにみられる。 実施例 5〜8 熱処理温度を除き、他は実施例1と全く同様に
実施し、各種の熱処理温度で処理した。その結果
は第3表に示す如く極めて低温で熱処理が可能で
あり、かつすぐれた吸湿寸法安定性の芳香族ポリ
アミドフイルムが得られる事が明らかである。 比較例 2〜4 比較例1と同様に、実施例2〜4の芳香族ポリ
アミド組成物に各種の添加剤を加えたものに実施
した。その結果は第2表に示す。
【表】
【表】
【表】 実施例 9 実施例7で得られた芳香族ポリアミドフイルム
を弛緩状態で270℃,10分間熱処理した。得られ
たフイルム性能は第4表に示した如く極めて寸法
変化率のすぐれたものであつた。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 芳香族ポリアミドフイルムにアミド溶剤を1
    〜200重量%含有せしめ、定長または緊張下で100
    ℃以上該ポリアミドの分解温度以下で熱処理を施
    すことを特徴とする芳香族ポリアミドフイルムの
    処理方法。 2 芳香族ポリアミドフイルムにアミド溶剤を1
    〜200重量%含有せしめ、定長または緊張下で100
    ℃以上該ポリアミドの分解温度以下で熱処理を施
    し、次いで弛緩状態で100℃以上該ポリアミドの
    分解温度以下で熱処理を施すことを特徴とする芳
    香族ポリアミドフイルムの処理方法。
JP6029382A 1982-04-13 1982-04-13 芳香族ポリアミドフイルムの処理方法 Granted JPS58177320A (ja)

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EP83301930A EP0091778B1 (en) 1982-04-13 1983-04-06 Improvement in or relating to aromatic polyamide film
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JPS5233946A (en) * 1975-09-10 1977-03-15 Unitika Ltd Aromatic polyamide films having improved oil permeability
JPS52109569A (en) * 1976-03-12 1977-09-13 Mitsubishi Rayon Co Method of manufacturing heat proof film
JPS53123455A (en) * 1977-04-04 1978-10-27 Mitsubishi Rayon Co Ltd Production of heat-resistant films

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