JPS6326396B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、転写型静電複写機におけるクリーニ
ング方法に関し、特に転写域を通過した感光体表
面の残留トナーを磁気ブラシにより除去する転写
型静電複写機における残留トナーを除去するクリ
ーニング方法に関するものである。

従来の転写型静電複写機におけるクリーニング
方法にあつては、転写域とクリーニング域との間
に除電用コロナ帯電器或いは全面露光用ランプを
設けて、転写域を通過した感光体表面の残留トナ
ーに残つている電荷或いは感光体表面に残つてい
る電荷を消去して残留トナーを感光体表面から除
去するクリーニング方法及び前記除電用コロナ帯
電器と全面露光用ランプとの両方を備えて残留ト
ナーを感光体表面から除去するクリーニング方法
が知られている。

ところが、前記除電用コロナ帯電器により転写
域を通過した感光体表面の残留トナーに残つてい
る電荷を消去した後、磁気ブラシにより残留トナ
ーを除去するクリーニング方法では、前記除電用
コロナ帯電器のコロナ放電電荷量を最適な電荷量
とすることが困難であり、更に現像トナーが導電
性トナー、半導電性トナーであると、除電用コロ
ナ帯電器から該トナーに与えられるコロナイオン
は該トナーが導電性、半導電性であるが故にアー
スヘリークしてしまい、残留トナーに残つている
電荷を中和させる働きを成し得ない。したがつて
残留トナーを除去することができない。

また、特開昭50−75044号や特開昭50−79337号
の如く、全面露光用ランプにより転写域を通過し
た感光体表面に残つている電荷を消去した後、磁
気ブラシにより残留トナーを除去するクリーニン
グ方法では、転写後の感光体表面に残つた電荷量
及び残留したトナーの量が一定しないため電荷の
消去すなわち残留トナーの除去が不完全である。
すなわち、複写する原稿が転写されるシートより
も大きいと、感光体表面には原稿の大きさに対応
したトナー像が形成され、転写シートに転写の際
転写シートが小さいため、該転写シートからはず
れた感光体表面のトナー像がそのまま感光体表面
に厚い層で残留する場合等に全面露光用ランプに
よる照射光が前記残留トナーに遮られて感光体表
面に到達しないため、感光体表面に残つた電荷を
完全に消去することができない。したがつて、前
記感光体表面に残つた電荷による吸引力（クーロ
ン力）が、磁気ブラシによる吸引力（磁気引力）
よりも大きいため感光体表面の残留トナーが完全
に除去されない。

したがつて、前記除電用コロナ帯電器及び／ま
たは全面露光用ランプを用いたクリーニング方法
では感光体表面の残留トナーを完全に除去するこ
とができなかつた。

また、上記従来技術の欠点を除去するために、
例えば特開昭52−5530号や特開昭52−86337号の
如く、まずトナーずらし部材乃至マグネツトロー
ラーで感光体表面を摺擦して、トナーをある程度
移動乃至拭掃してから、除電用ランプを照射し
て、その後磁気ブラシクリーニング装置によつて
クリーニングするものが知られている。

しかしながら、かかる従来技術にあつては、磁
気ブラシクリーニング装置とは別個にトナーを移
動乃至拭掃させるための部材が設けられているた
めに、構成が複雑になるという欠点があり、特に
近年複写機の小型化に伴い、感光体の小型化が進
んでいるが、かかる場合には、感光体周辺の装置
も、スペース上、できるだけ簡単な構成であるこ
とが望ましい。

従つて、本発明の目的は、簡単な構成で転写域
を通過した感光体表面の残留トナーを完全に除去
し得る転写型静電複写機におけるクリーニング方
法を提供するにある。

本発明の他の目的は、絶縁性トナー、導電性ト
ナー、半導電性トナーの何れの現像トナーを用い
た転写型静電複写機であつても転写域を通過した
感光体表面の残留トナーを完全に除去し得る転写
型複写機におけるクリーニング方法を提供するに
ある。

本発明は前記目的を達成するために、転写域を
通過した感光体表面の残留トナーを磁気ブラシに
より除去する転写型静電複写機におけるクリーニ
ング装置において、 前記磁気ブラシを形成するために、内部に磁石
を有する円筒状スリーブの外周近傍に配設され、
且つ、該磁気ブラシが感光体表面と接触する感光
体クリーニング領域に光を照射するよう照射用ラ
ンプを設けたことを特徴とするものである。

以下、本発明の方法を用いた転写型静電複写機
を示す実施例図に基づいて説明する。

第１図において、転写型静電複写機２の上面部
には、複写すべき原稿を保持するための原稿載置
機構４が、それ自体周知の適宜の方式によつて原
稿走査方向（即ち第１図において左右方向）に滑
動自在に装着されている。該原稿載置機構４は、
静電複写機２が作動し複写工程を遂行する際には
停止位置から先ず第１図において右方の走査移動
開始位置まで準備移動し、次いでこの走査移動開
始位置から左方の走査移動終了位置まで走査移動
し、しかる後に右方へ前記停止位置まで戻り移動
するものである。

静電複写機２内の略中央部には、外周表面に感
光体を有する円筒状の回転ドラム８が矢印１０の
方向に回転するように装着されている。

前記回転ドラム８の周囲には、その矢印１０の
回転方向に沿つて順次に、感光体表面を帯電する
ための帯電用コロナ放電器１２、感光体表面上に
形成された静電潜像にトナーを施してトナー像に
せしめる現像手段を構成すると共に図示の具体例
においては転写工程の後に感光体表面に残留する
残留トナーを除去するためのクリーニング手段を
も構成する現像及びクリーニング装置１４、感光
体表面に形成されたトナー像を転写紙に転写する
ための転写手段を構成する転写用コロナ放電器１
６が配置されている。

前記現像及びクリーニング装置１４は、第２図
に示すように、磁気ブラシを形成するために、内
部に磁石を有し矢印１９の方向に回転する円筒状
スリーブ１８、該円筒状スリーブ１８にトナーを
供給するトナー供給器２０から成つている。

また、第１図に戻つて回転ドラム８の上方に
は、前記原稿載置機構４に保持された原稿の像を
感光体表面に投射するための光学系２６が配置さ
れている。該光学系２６は、静電複写機２の本体
上面に形成された露光開口２８を通して原稿を照
射する原稿照射ランプ３０、原稿からの反射光を
感光体表面に投射するための第１の反射鏡３２、
インミラーレンズ３４、第２の反射鏡３６及び第
３の反射鏡３８から成り、第１図に破線矢印で示
すように、原稿載置機構４に保持された原稿の像
を前記帯電用コロナ放電器１２と前記現像及びク
リーニング装置１４の間の所定位置で感光体表面
に投射する。

また、前記回転ドラム８の下方には、前記転写
用コロナ放電器１６に対応して転写紙搬送系が配
置されている。該転写紙搬送系は、ロール状転写
紙を巻き出すためのロール状転写紙供給機構５２
と、該ロール状転写紙供給機構５２から巻き出さ
れるロール状転写紙を案内すると共にそのカール
を矯正するカール取りローラ５６と、ロール状転
写紙を巻き出して送り出すためのロール状転写紙
供給ローラ５８とを有し、且つ該供給ローラ５８
の下流側には巻き出されたロール状転写紙を切断
するためのロール状転写紙切断機構６０が設けら
れている。更に、転写紙搬送系は、ロール状転写
紙供給機構５２から案内板７４を通つて転写用コ
ロナ放電器１６が配置されている転写域に搬入す
るための搬送ローラ７６、転写域にて前記回転ド
ラム８の表面に密接された転写紙を回転ドラム８
から分離して転写域から搬出するための分離ロー
ラ７８、該分離ローラ７８から案内板８０，８２
上を介して送られる転写紙を加圧して転写紙上に
転写されたトナー像を圧力定着するための加圧ロ
ーラ８４、該加圧ローラ８４から案内板８８を介
して送り出される転写紙を静電複写機２の左端壁
に形成された搬出開口９０を通して受け皿９２に
送り出す搬送ローラ９３を有する。

かくして、前記転写型静電複写機２は、原稿載
置機構４の走査移動開始と共に回転ドラム８が矢
印１０の方向に回転駆動され、帯電用コロナ放電
器１２のコロナ放電により回転ドラム８の外周表
面に設けられている感光体表面が帯電され、次い
で、回転ドラム８の感光体には破線矢印で示す如
く、原稿に対応する光像が照射され、感光体上に
静電潜像が形成される。更に該静電潜像は磁気ブ
ラシで形成されている現像装置１４で顕像化され
原稿に対応したトナー像が形成される。

一方、転写紙供給機構５２より、ローラ５６，
５８，７６により感光体上の前記トナー像の出現
と同期して転写域に搬送された転写紙は、回転ド
ラム８の表面に密着すると共に、前記転写用コロ
ナ放電器１６によつて前記トナー像が転写紙上に
転写される。

その後、転写紙はローラ７８によつて回転ドラ
ム８から分離され次いで転写紙上に得られたトナ
ー像は加圧ローラ８４によつて定着された後、受
け皿９２上に排出される。

他方、回転ドラム８は転写域を通過して後、転
写時に転写紙上に転写されなかつたトナーを感光
体表面に保持したままクリーニング装置１４に送
る。その間、前記帯電用コロナ放電器１２による
帯電及び光学系２６を介しての露光は行なわれな
い。

そこで、本発明の方法を実施するために、前記
転写域を通過した感光体表面の残留トナーを磁気
ブラシで形成されているクリーニング装置１４に
より除去する際に、該磁気ブラシと接触する感光
体表面に光を照射させることにあり、好ましく
は、前記磁気ブラシと接触する回転ドラム８の感
光体表面に照射する光を、感光体回転方向上流側
から照射させる除電用ランプ２１が設けられる。

すなわち、前述した静電複写機２には、第２図
に示す如く、クリーニング装置１４のスリーブ１
８の周面に形成された磁気ブラシと接触する感光
体表面から回転ドラム８の回転方向（矢印１０の
方向）に沿つて上流位置にある感光体表面上方、
換言すれば残留トナーが磁気ブラシに接近する側
に、回転ドラム８の感光体の電荷を消去するため
の除電用ランプ２１を配設する。該除電用ランプ
２１は、前記トナー像形成時、すなわち帯電用コ
ロナ放電器１２による帯電、光学系２６を介して
の露光、現像装置１４による現像の間、光照射す
ることがなく、残留トナーのクリーニング時にお
いて光照射するようになつている。更に前記除電
用ランプ２１の照射光２２は、特に前記クリーニ
ング装置１４に形成される磁気ブラシと接触する
感光体表面を積極的に照射するようにすることが
好ましい。

かくして、転写域を通過した回転ドラム８の感
光体表面に残留した残留トナーは、クリーニング
装置１４の磁気ブラシと接触する感光体表面のク
リーニング域に達すると同時に残留トナーは、ク
リーニング装置１４のスリーブ１８内の磁石によ
る磁力と、矢印１９の方向に回転する磁気ブラシ
のブラツシング作用とによつて、感光体表面から
磁気ブラシ側へ転移しようとする作用、及び前記
磁気ブラシによる吸引力（磁気引力）、残留トナ
ーと磁気ブラシとのブラツシング作用によつて感
光体表面の残留トナーの配列が崩壊する。したが
つて残留トナーの粒子間に隙間が生じたり、残留
トナーの厚みが薄くなつたりして前記除電用ラン
プ２１の照射光２２が前記トナー粒子間の隙間ま
たは薄くなつた残留トナーを通過して感光体表面
に達し、それによつて感光体表面に残つていた電
荷を除去する。

したがつて、残留トナーは前記感光体表面に残
つていた電荷による吸引力（クーロン力）が消失
することになり、クリーニング装置１４の磁気ブ
ラシによる吸引力（磁気引力）によつて、前記残
留トナーはクリーニング装置１４に転移し、完全
なクリーニングが達成されることになる。

尚、本発明の方法は、第３図に示すように従来
のクリーニング方法に使用されていた除電用コロ
ナ帯電器２３及び／または全面露光用ランプ２４
と合わせてクリーニングすることも可能であり、
これによつて、除電用ランプ２１の照射光量を弱
くすることも更に完全なクリーニングを達成する
ことも可能である。

また前述した本発明の方法の実施例では、現像
とクリーニングとを一つの装置とし、回転ドラム
の１回転目に現像を行ない、２回転目にクリーニ
ングを行なう機構となつているが、現像とクリー
ニングとを別の装置として設け回転ドラムの一回
転により現像とクリーニングとを行なうようにし
た静電複写機にも適用し得ることは当業者には容
易であろう。

したがつて本発明は、転写域を通過した感光体
表面の残留トナーを磁気ブラシにより除去する転
写型静電複写機におけるクリーニング装置におい
て、前記磁気ブラシを形成するために内部に磁石
を有する円筒状スリーブの外周近傍に配設され、
且つ該磁気ブラシが感光体表面と接触する感光体
クリーニング領域に光を照射するよう照射用ラン
プを設けたので、前記残留トナーの量が多く、厚
い層で残留していても、残留トナーが磁気ブラシ
の吸引力及びブラツシング作用を受けている間に
照射された光が感光体表面に達し、感光体表面に
残つていた電荷を完全に消去し得るため、残留ト
ナーを完全にクリーニングすることができる。

さらに本発明に係るクリーニング装置によれ
ば、磁気ブラシを形成するための円筒状スリーブ
と照射用ランプとの相対的位置関係を、照射用ラ
ンプの光が、磁気ブラシが感光体表面と接触する
感光体クリーニング領域に当たるよう、ランプを
前記円筒状スリーブの外周近傍に配設し、その照
射する向きを規制したので、光照射に先立ち、感
光体表面上の残留トナーをを拭掃乃至移動させる
ための特別な部材を設けることなく、単にクリー
ニングのための磁気ブラシ形成用スリーブと照射
用ランプという非常に簡単な組合せのみで、完全
なクリーニングを達成することができるという優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法を実施した転写型静電複
写機を示す概略図、第２図は第１図の要部を示す
簡略図、第３図は他の実施例を示す簡略図であ
る。 ２…転写型静電複写機、８…回転ドラム、１４
…現像及びクリーニング装置、１５…磁気ブラ
シ、１８…スリーブ、２０…トナー供給器、２１
…除電用ランプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 転写域を通過した感光体表面の残留トナーを
   磁気ブラシにより除去する転写型静電複写機にお
   けるクリーニング装置において、 前記磁気ブラシを形成するために内部に磁石を
   有する円筒状スリーブの外周近傍に配設され、且
   つ、該磁気ブラシが感光体表面と接触する感光体
   クリーニング領域に光を照射するよう照射用ラン
   プを設けたことを特徴とする転写型静電複写機に
   おけるクリーニング装置。 ２ 前記照射用ランプを感光体回転方向上流側に
   配設したことを特徴とする前記特許請求の範囲第
   １項記載の転写型静電複写機におけるクリーニン
   グ装置。