JPS6326342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はコンベヤからコンベヤへ物品を載せ替
える装置に関し、物の製造ラインや仕分ラインに
おいて利用される。

(ロ) 従来の技術 一方のコンベヤから他方のコンベヤへ物品を移
し替える装置に関しては、これまでにも様々な形
式のものが提案されている。実公昭53−20385号
公報に記載された装置では、平行四辺形リンク機
構を備えたリフターを用い、かなり距離の離れた
コンベヤ間で物品の移し替えを行つている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 平行四辺形リンク機構によれば、物品を持上げ
たり、降ろしたりする動きを簡単に得ることがで
きるが、持上げた後の物品の保持が不安定で、こ
れが装置の高速稼動を阻んでいた。本考案はこの
問題を解決すべくなされたものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案では、搬入コンベヤの端に対向する位置
と、搬出コンベヤの端に対向する位置との間を往
復する移動体に、この移動体を底辺として垂直面
内で揺動できる如く構成した平行四辺形リンク機
構を取付ける。リンク機構はアクチユエータによ
り揺動せしめられる。リンク機構の揺動端は物品
の上げ下ろしを行うバンド部となつているが、こ
れは前方進出位置と上方回避位置の２位置をと
り、上方回避位置に移動するに際しては、搬入・
搬出いずれのコンベヤの端部にもその支持する物
品を干渉させることのない位置にまで揺動せしめ
られる。移動体からは支持壁が立上がるが、これ
は上方回避位置に揺動したハンド部に並ぶ高さに
まで達する。

(ホ) 作用 リンク機構のハンド部が搬入コンベヤから物品
を持上げると、物品は支持壁とハンド部とにより
挾みつけられる。従つて、移動体が素早い動きを
しても物品が転落したりするようなことはない。

(ヘ) 実施例 第１図において、１，２はコンベヤ、３はこれ
に組合せられる載せ替え装置である。コンベヤ
１，２はいずれもベルトコンベヤであつて、コン
ベヤ１は載せ替え装置３の方へ物品を運んで来る
搬入コンベヤ、コンベヤ２は載せ替え装置３から
物品を受取つて運び去る搬出コンベヤとなつてい
る。搬入コンベヤ１と搬出コンベヤ２は上下に並
行して配置され、載せ替え装置３は下方の搬入コ
ンベヤ１から上方の搬出コンベヤ２へと物品を移
す作用をする。載せ替え装置３の取扱う物品は、
電子部品製造工程で用いるマガジン４である。マ
ガジン４は天板５、底板６及び側板７，８を組合
せて両端の開放した角筒を形成し、側板７，８の
内面には相対する水平溝９を多段に設け、この水
平溝９に部品を支持するパレツト１０の両側縁を
さし込む構成のものである。側板７，８の端は天
板５、底板６よりも外方に張出している。

載せ替え装置３の構成は次のようになつてい
る。１１はベースであつて、ガイドバー１２（第
２図）を２本、垂直に支持している。ガイドバー
１２，１２には移動体１３が昇降自在に取付けら
れる。移動体１３は送りねじ１４によつて昇降せ
しめられる。移動体１３の両側には移動体１３を
揺動中心として垂直面内で揺動する平行四辺形リ
ンク機構１５が一組づつ設けられる。各リンク機
構１５は、移動体１３そのものを底辺とし、これ
に一対のリンク１６，１７とハンド部１８を連結
して構成される。１９，２０は移動体１３に枢支
された軸で、これらの軸の両端に、左右のリンク
機構１５のリンク１６，１７を固着し、リンク機
構が左右同調して揺動するようにしている。リン
ク機構１５の揺動は、軸１９に固着したクランク
２１を、移動体１３の上面に揺動可能に支持した
エアシリンダ２２のロツド２３で押し引きするこ
とにより行う。リンク機構１５の揺動端を構成す
るハンド部１８は、搬入コンベヤ１ないし搬出コ
ンベヤ２の方へ差出された位置と、上方へ振上げ
られた位置の２位置をとる。前者を前方進出位
置、後者を上方回避位置と命名する。上方回避位
置に移動するに際しハンド部１８は、その支持す
る物品（マガジン４）が、搬入コンベマ１または
搬出コンベヤ２のいずれの端部にも移動体１３の
移動中に干渉しなくなる位置にまで揺動せしめら
れる。ハンド部１８は、マガジン４において手前
側に位置する側板（図の場合７）を受止めるスト
ツパ部２４と、同じ側板の裏側に入り込む突起２
５とを上面に有する。また移動体１３の上面には
支持壁２６が立設されている。支持壁２６の上部
は、リンク機構１５の揺動により上方に振上げら
れることになつたハンド部１８に並ぶ高さにまで
達し、更に、そこから幾分上方へ延び出してい
る。

次に作用を説明する。移動体１３は当初、搬入
コンベヤ１の端に対向する位置に降下しており、
エアシリンダ２２がロツド２３を引つ込めること
により、リンク機構１５は移動体１３の前方、搬
入コンベヤ１の横へと振り出されている。揺動端
のハンド部１８は、ストツパ部２４が搬入コンベ
ヤ１の搬送面上に突出し、突起２５が同搬送面よ
り下に位置する高さに支持される。これが前方進
出位置である。マガジン４は両端を搬入コンベヤ
１の両側に突き出した状態で運ばれて来て、第３
図のように側板７がストツパ部２４に当たること
により停止する。ここでエアシリンダ２２からロ
ツド２３を押出すと、リンク機構１５は第４図の
ように起上つて移動体１３の上にマガジン４を差
上げる。この行程中、ハンド部１８の上面は水平
を保ち、マガジン４を傾かせることがない。ハン
ド部１８を上方回避位置に振上げたリンク機構１
５は支持壁２６と突起２５の間にマガジン側壁７
を挾みつけ、エアシリンダ２２の圧力でしつかり
とクランプする。従つて引続き行われる移動体１
３の上昇行程中にマガジン４をとり落とすことが
ない。さてマガジン４を保持した移動体１３は送
りねじ１４により上昇し、搬出コンベヤ２に対向
する位置で停止する。次いでエアシリンダ２２が
ロツド２３を引つ込め、リンク機構１５が前方に
揺動して、マガジン４を搬出コンベヤ２に載せ
る。搬出コンベヤ２は当初停止しており、マガジ
ン４が完全に乗移つてから動き出す。以後移動体
１３は最初の位置に帰り、同じ動作を繰返す。

(ト) 考案の効果 本考案では、物品の持上げ手段として平行四辺
形リンク機構を採用し、単なる揺動のみで物品を
コンベヤから持上げ、またコンベヤに下ろすよう
にしたから、機構を極めて単純化できる。また平
行四辺形リングの性質上、物品を支持するハンド
部は常に水平を保ち、物品を転倒させることがな
い。更に本考案では、リンク機構のハンド部と移
動体に立設した支持壁とにより物品を挾みつけた
状態でコンベヤ間の物品移し替えを行うから、高
速移動しても物品を取落とす心配がなく、動作時
間を短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は装置の
概要をあらわす側面図にして経時的な状態変化を
同一図中に表現したもの、第２図乃至第４図は搬
入コンベアから物品を受取る動作を経時的に示し
た部分斜視図である。 ４……マガジン（物品）、１……搬入コンベヤ、
２……搬出コンベヤ、１３……移動体、１５……
平行四辺形リンク機構、２２……エアシリンダ
（アクチユエータ）、１８……ハンド部、２６……
支持壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 物品を運んでくる搬入コンベヤの端に対向する
   位置と、物品を運び出す搬出コンベヤの端に対向
   する位置との間を往復する移動体と、 前記移動体を底辺として垂直面内で揺動できる
   如く構成した平行四辺形リング機構と、 前記リング機構を揺動させて、その揺動端に前
   方進出または上方回避のいずれかの位置をとらせ
   るアクチユエータと、 前記リンク機構の揺動端を構成し、前方進出位
   置から上方回避位置への位置変更により搬入コン
   ベヤから物品を持上げ、その逆の位置変更により
   搬出コンベヤに物品を下ろすと共に、上方回避位
   置に移動するに際しては、搬入・搬出いずれのコ
   ンベヤの端部にもその支持する物品を干渉させる
   ことのない位置にまで揺動せしめられるハンド部
   と、 移動体に立設され、上方回避位置に揺動した前
   記ハンド部に並ぶ高さにまで達し、ハンド部の持
   上げた物品を、ハンド部と協働して挾みつける支
   持壁と、 を備えた物品載せ替え装置。