JPS6325590Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はオーデイオ、ビデオ、データレコーダ
ー等に使用されるテープカセツトに関し、特にカ
セツト筐体の前面に設けられた開口に沿つて架張
されたテープを覆う前蓋、およびその前蓋のテー
プカセツト不使用時における開放を阻止する蓋ロ
ツク片を有するテープカセツトに関する。

従来、この種のテープカセツトには例えば周知
のVHS、β方式のVTRに使用されるテープカセ
ツトがある。これら、いずれのテープカセツトに
おいても、前面の開口に沿つて架張されるテープ
を覆う方向に前蓋を回動するように前蓋バネが設
けられ、また、テープカセツトの不使用時に、前
蓋の開放を阻止し、テープカセツトの巾方向に回
動する蓋ロツク片およびその蓋ロツク片を、前蓋
と係合し、この前蓋の開放を阻止する方向に附勢
するロツクバネが設けられている。これらの前
蓋、蓋ロツク片およびそれぞれの附勢の機能を小
型化されたテープカセツトに適用しようとした場
合には、附勢バネを設けるスペースの問題や、蓋
ロツク片のロツク開放時の回動方向がテープカセ
ツトの巾方向に採られており、巾方向の寸法を大
きく必要とすること等の問題がある。また附勢バ
ネはテープカセツトの組立時にはずれてしまうこ
とがあるという不都合があり機械による自動組立
てを困難としている。

本考案はこれらの不都合に鑑み、附勢バネのう
ち特にロツクバネに対し、カセツト組立時の係合
はずれを防止し、かつ極めて簡単にロツクバネを
係止して、組み立てられた機械による自動組立て
を可能とするとともに、前蓋、蓋ロツク片の機能
を満足し、より小型化が図れるテープカセツトを
提供せんとするものである。

以下、本考案による実施例をあげ、図面を参照
して詳細に説明する。

第１図は本考案によるテープカセツトの実施例
を示す模式的な一部切欠平面図であり、一対のリ
ール２，３に巻回され、カセツト筐体の前面に設
けられた開口に沿つて架張されるテープ４は、上
下ハーフ１ａ，１ｂ（第２図参照）よりなるテー
プカセツト筐体１の側面に回動軸部５，６により
軸支される前蓋７により、テープカセツトの不使
用時には覆われている。そして前蓋７の一方の側
板部８とテープカセツト筐体１の側板部９との間
および側板部１０との間には所定の空間１１が設
けられており、この空間１１に以下説明を加える
如く、前蓋７の回動附勢を行なう前蓋バネ１２お
よび蓋ロツク片１３、さらにはロツクバネ１４が
設けられる。

第２図は、要部を分解斜視図で示したものであ
り、テープカセツト筐体１を構成する上ハーフ１
ａ、および下ハーフ１ｂには蓋ロツク片１３をテ
ープカセツトの厚さ方向に回動軸支すべく側板部
９，１０上に凹部１５が、また前蓋７を回動軸支
すべく、上ハーフ１ａの側板部９上に凹部１６が
それぞれ設けられ、相互に対応した位置において
凹凸が対応挾持し、軸支されるよう構成されてい
る。

なお前蓋７には後述の蓋開放部材１７（第６
図）の進入を許す切り欠き部１９、および第１図
において示した空間１１にテープカセツト１の前
面外部より進入する蓋ロツク片１３のロツク解除
部材１８（第６図）の進入を一部の位置で許し、
かつ、テープカセツトを本体装置（図示せず）に
装着するために、一担挿入するカセツトホルダー
（図示せず）への挿入方向位置決め当接部２０を
臨ませる切り欠き部２１が設けられている。さら
に、第３図に示す如く前蓋７の側板部８の内面、
すなわち第１図に示した空間１１に臨んだ位置に
突起２２，２３が設けられており、前蓋７をカセ
ツト筐体へ組み立てる以前の状態においては、前
蓋バネ１２の中央部が前蓋７の回動軸部５に挿入
され、その両端が係止形状を成した前記突起２
２，２３に係止されている。一方、第４図に示す
如く、上ハーフ１ａの側板部９と側板部１０の間
には、ガイド壁２４，２５とで構成される凹部２
６が設けられており、そこにロツクバネ１４をバ
ネ力に抗して矢印２７方向に挿入収納することに
より、ロツクバネ１４が係止される。

そして上・下ハーフ１ａ，１ｂおよび前蓋７
（第２図）を組み立てる際には以下の如く行う。
すなわち、第５図に示す如く、下ハーフ１ｂに蓋
ロツク片１３を凹部１５（第２図）に仮軸支させ
て台２７の上に置き、その後ロツクバネ１４を凹
部２６に挿入収納した状態で矢印２８方向に降ろ
し、上下ハーフ１ａ，１ｂを当接合体させる。こ
の際ロツクバネ１４の一端には折り曲げ部１４ａ
もあり凹部２６への挿入収納状態よりさらに曲げ
られつつスムーズに降ろされ蓋ロツク片１３をカ
セツト筐体１の厚さ方向（矢印２９方向）に回動
附勢し、上ハーフ１ａの側板部９に設けられる突
起３０に当接させる。この後第６図で示す如く、
前蓋バネ１２を伴なつた前蓋７の側板部８をテー
プカセツトの巾方向に撓ませて広げ、その状態で
矢印３１方向に移動させ、上下ハーフ１ａ，１ｂ
により挾持されるべく凹部１６（第２図）に回動
軸部５を挿入する。その際前蓋バネ１２の一端は
前蓋７の一部である突起２２への係止状態が維持
されるが、他端は突起２３に対する係止が断た
れ、上ハーフ１ａの側板部９に設けられる突起３
０と係合し、前蓋７を矢印３２方向へ回動附勢す
るものである。

なお第６図で明らかなように突起２３は前蓋７
への前蓋バネ１２の係止の他に蓋ロツク片１３の
係合部であり、かつまた、テープ４（第１図）を
介してテープカセツトの内外で光を通過させ透明
テープの通過により始終端を検出すべく側板部９
（第２図）に設けられる光路穴３３を覆い、テー
プカセツトの不使用時には光路穴３３よりテープ
カセツトの内部へのホコリの進入を防止している
ものである。また前蓋７の側板部８には前蓋７を
開放した位置において光の通過を許す穴部３４が
設けられている。

次に蓋ロツク片１３の解除動作および前蓋７の
開放動作について第６図を用いて説明を加える
と、テープカセツトを本体装置（図示せず）に装
着するために一担挿入するカセツトホルダー（図
示せず）への挿入によりカセツトホルダーに板金
材の切り起し等の手段で設けられ、既述の前蓋７
の前面にある切り欠き部２０を経て、空間１１
（第１図）内に進入するロツク解除部材１８が一
点鎖線で示す位置まで進入し、蓋ロツク片１３を
ロツクバネ１４に抗して、矢印２９とは逆方向、
すなわち前蓋７の突起２３との係合を解除し、か
つ前蓋７の開放を許す方向に蓋ロツク片１３を回
動させる。（一点鎖線でその回動後の位置を示し
た。）。

その後、カセツトホルダー（図示せず）ととも
にテープカセツト１を本体装置の方へ、すなわち
矢印３５の方向へ押し下げることにより、本体装
置とに固定あるいはカセツトホルダーに移動可能
に設けられており第１図において示した空間１１
および前蓋７の側板部８の厚さを含む範囲で相対
的に進入する前蓋開放部材１７が、切り欠き部１
９に対応した形状を成して、テープカセツトの底
面内に進入し、装着完了時には、一点鎖線で示す
位置まで前蓋７を開放するものである。

なお図示はせぬがカセツトホルダー内にはこれ
らの前蓋バネ１２、ロツクバネ１４等の力に対し
ても充分勝る力でテープカセツトを矢印３４方向
に附勢しており、これらの動作を防げぬよう構成
されているのは自明である。

なお、上ハーフ１ａの凹部２６（第４図、第５
図、第６図）に挿入収納されるロツクバネ１４は
例に示した捩りコイルバネに限定されるものでは
なく、例えば板バネ等でも良い。

以上の如く本考案によれば、蓋ロツク片のロツ
クバネを、組立時の係合はずれを防止し、かつ極
めて簡単な操作で組み立てられ、かつ前蓋、蓋ロ
ツク片の機能を満足しつつ小型化を図れるテープ
カセツトを提供でき、その工業的価値は大なるも
のがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるテープカセツトの１実施
例の模式的な一部切欠平面図、第２図は同要部の
分解斜視図、第３図、第４図はそれぞれ同要部の
斜視図、第５図は組立て時の状態を示す模式的側
面図、第６図は同要部の動作を示す模式的側面図
である。 １……テープカセツト、１ａ……上ハーフ、１
ｂ……下ハーフ、４……テープ、７……前蓋、１
３……蓋ロツク片、１４……ロツクバネ、２６…
…凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上および下ハーフよりなるカセツト筐体の側
   面に軸支され、前記カセツト筐体の前面に設け
   られた開口に沿つて架張されたテープを回動に
   より覆う前蓋と、少なくとも前記上および下ハ
   ーフの組立接合以前に、前記上および下ハーフ
   のうちの一方のハーフに仮軸支可能で、カセツ
   ト筐体の厚さ方向に回動することにより、前記
   前蓋の回動を阻止、あるいは許す蓋ロツク片
   と、前記上および下ハーフのうちの他方のハー
   フに配される前記蓋ロツク片のロツクバネを有
   し、前記上および下ハーフの組立接合時に前記
   ロツクバネの一端が、前記蓋ロツク片の一端と
   係合し、前記前蓋の回動を阻止する方向に附勢
   することを特徴とするテープカセツト。 ２ 上および下ハーフのうち、ロツクバネが配さ
   れる側のハーフに、前記ロツクバネの一部を挿
   入収納可納な凹部を有することを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のテープカセ
   ツト。