JPS6324852Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、電気掃除機、特に前蓋にて開閉自
在に覆われた集塵ケースの内部に使い捨て袋フイ
ルターが着脱自在に装着された電気掃除機におい
て前記使い捨て袋フイルターの塵吸入口を必要に
応じて開閉可能な機構の改良に関するものであ
る。

［従来の技術］ 電気掃除機にて吸入集塵された塵あるいはゴミ
を手を汚すことなく捨てるために使い捨て袋フイ
ルターを集塵ケース内に着脱自在に装着した電気
掃除機が周知であり、使い勝手に勝れ衛生的であ
ることから広く用いられている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、従来の使い捨て袋フイルター
は、フイルター内にたまつた塵を捨てるときに塵
吸入口から塵が漏れ出る場合が多く、使用者の手
あるいは周辺を汚しやすいという問題があつた。

従来においても、このような問題を解決するた
めに、塵処理時には塵吸入口を閉止する機構が考
えられたが、従来においては、このような塵閉止
作用が手動で行われたり、あるいは複雑な構造で
あつたために常に確実な動作を行うことができな
いなど各種の問題を有していた。

本考案は上記従来の課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は、極めて簡単な構造でかつ必要
に応じて塵処理時の塵吸入口閉止を行うことので
きる改良された電気掃除機を提供することにあ
る。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案は、集塵ケ
ース内部に装着される使い捨て袋フイルターを、
中央に塵吸入口が設けられると共に該塵吸入口を
開閉するシヤツターが回動自在に設けられた口紙
と、前記口紙に一端開口部が固定された袋状のフ
イルターとで形成し、一方、集塵ケースの前面開
口部側のケース側縁には少なくとも１個の凸ピン
が設けられた口紙支持壁面が形成され、前記使い
捨て袋フイルターの口紙がその凸ピン受け孔を前
記凸ピンと係合した状態で位置決めされるよう口
紙の周側面が口紙支持壁面と前蓋との間で挾み込
み支持される。

そして、本考案によれば、前記集塵ケースには
前記口紙支持壁面の上方にアーム支持壁面が形成
され、このアーム支持壁面には前記シヤツターを
閉成回動させるアームが回動自在に取り付けられ
ている。

また、本考案によれば、前記前蓋内には集塵ケ
ースの凸起と係合する係合部を有する止め具が上
下動自在に設けられており、前記集塵ケースに上
下動自在に設けられたラツチボタンが前記止め具
を押圧して集塵ケースと前蓋とのラツチ係合を解
除する。前記ラツチボタンの下端はラツチ解除ス
トローク後にアームを介してシヤツターを閉成回
動するために所定間隔をもつてアームの上面と対
応配置され、この結果、ラツチボタンはダブルア
クシヨン動作を行い、第１の動作にて前述した集
塵ケースと前蓋とのラツチ解除を、そして第２の
動作にてアーム及びシヤツターを介した使い捨て
袋フイルターの塵吸入口閉止を必要に応じて行
う。

［作用］ 従つて、本考案によれば、使い捨て袋フイルタ
ーはそれ自体塵吸入口を開閉可能なシヤツターを
その口紙に回動自在に有しており、集塵ケースに
装着されるときにはこのシヤツターが塵吸入口を
開く状態で装着され、また塵処理時には集塵ケー
ス側に設けられたアームが極めて簡単に前記シヤ
ツターを閉成回動し、この結果、集塵ケースから
前蓋を開いたときには、既にフイルターの塵吸入
口は確実にシヤツターにて閉じられ、塵が外部に
漏れることなく塵処理を行うことが可能となる。

また、本考案によれば、前述したごとく、ラツ
チボタンの押下ストロークは２段に異なる作用を
行い、第１の押下ストロークにて集塵ケースと前
蓋とのラツチ解除を行い、この状態で、使用者は
使い捨て袋フイルターの内部を塵吸入口から確認
することができる。また、ラツチボタンの最後の
ストロークにて、必要に応じて使い捨て袋フイル
ターはその塵吸入口をシヤツターにて閉止するこ
とができる。

［実施例］ 以下この考案を図示実施例により説明すると、
１は電動送風機２を内装した本体ケース、３は係
止体４により本体ケース１の前部に着脱自在に取
り付けられた集塵ケース、５はこの集塵ケースの
前面開口部６に形成された支持壁で、この支持壁
には凸ピン７が複数個形成されている。

９は一端を集塵ケース３の支持壁５の上方でボ
ス１０にねじ１１により回動自在に取り付けら
れ、他端にシヤツター押圧部１２を備えたアーム
で、ひねりばね１４により他端側が上方に付勢さ
れている。１５は集塵ケース３の前面開口部６を
開閉自在に覆う前蓋で、中央にホース接続口１６
を有している。

１７は前蓋１５の内側に固着された前蓋カバー
で、中央にホース接続口１６と合致する吸入口１
８を有し、外周囲にはパツキン１９が取り付けら
れ、このパツキンが前面開口部６の周囲をシール
している。２０は前蓋カバー１７に形成された複
数個の中空状ボスで、凸ピン７をその内側に係合
させる。

２１は下端係合部２２が集塵ケース３の下面に
形成した凸起２４に係合する止め具で、前蓋１５
と前蓋カバー１７との間に圧縮ばね２３により付
勢されて前蓋１５内で上下動自在に支持されてい
る。

２８は一端に開口２９を有し、他端に閉塞面３
０を有するプレフイルターで、開口２９側が前面
開口部６に形成した支持壁５の裏側に接合するよ
う集塵ケース３に内装されている。

３５は使い捨ての袋フイルターで、中央に塵吸
入口３６、周縁部に凸ピン７が係合する凸ピン受
け孔３８を有する口紙３９と、この口紙にハトメ
４０により回動自在に取り付けられ、塵吸入口３
６を開閉するシヤツター４３と、口紙３９に一端
開口部がのり付けされ、紙等のろ材よりなる袋体
４７と、一端が塵吸入口３６周囲を覆うように口
紙３９にのり付けされ、他端が紙体４７内に開口
し、また正面からみた形状が×状に折りたたま
れ、かつ通気度が紙体４７より少ない材質よりな
る案内筒４８とから構成され、口紙３９が支持壁
５上に載置され、凸ピン７にその凸ピン受け孔３
８が挿入されて支持されている。

４９は前蓋１５のホース接続口１６と前蓋カバ
ー１７の吸入口１８により挟持されている逆止
弁、５１は前蓋カバー１７の吸入口１８の周囲に
取り付けられたシール用パツキンで、口紙３９の
塵吸入口３６の周囲と接合している。

５３は集塵ケース３の前面上部に取り付けられ
たヒンジ体で、前蓋１５を枢軸５５とひねりばね
５４により集塵ケース３に回動自在に支持してい
る。５６は後述するラツチボタン５９を支持する
支持穴５８を有するハンドルカバー、５９は集塵
ケース３の前方上部に取り付けられた上下自在の
ラツチボタンで、一端に有する押圧部６０は前記
止め具２１の上端と小間隔を有して対向し、押圧
部６０の先端下方に有するアーム押圧片６１は集
塵ケース３に形成された支持穴６２に挿入され、
その先端はアーム９の一側と前記押圧部６０と止
め具２１との対向間隔より大なる間隔を有して対
向し、さらにストツパー６３が形成されている。

６４は集塵ケース３の後部に内装されたメイン
フイルターである。

以上のように構成された本考案の一実施例にお
いて、次にその動作を説明する。

ホース（図示せず）を前蓋１５のホース接続口
１６に差し込むと、ホースの先端面によつて逆止
弁４９は押し広げられ、逆止弁４９は袋フイルタ
ー３５の×状に折りたたまれている案内筒４８を
わずかに押し広げる。

次に電動送風機２を運転すると、塵を含む空気
流はホースを通り、案内筒４８をさらに押し広げ
ながら袋体４７内に入り込み、体袋４７をその吸
気圧でもつてふくらませながら塵は捕獲される。

この結果、清浄空気のみがプレフイルター２８
及びメインフイルター６４を通つて本体ケース１
内に入り、電動送風機２を通過して本体ケース１
の排気口（図示せず）から外部に排出される。

塵が体袋４７内に一杯になると、案内筒４８を
封鎖し、ホースより塵を吸引しなくなるが、この
時、案内筒４８は袋体４７より通気性の少ない材
質で構成しているため、この案内筒を空気流が横
切ることにより電動送風機２には若干の清浄空気
が入り込むので、電動送風機２が異常過熱するこ
とはない。

この状態になつたならば、電動送風機２の運転
を止め、ラツチボタン５９を押し込むと押圧部６
０は止め具２１の上端を押圧して下降させ、下端
係合部２２が凸起２４よりから離れるため、ヒン
ジ体５３に取り付けられた枢軸５５とひねりばね
５４の付勢力により前蓋１５は集塵ケース３の前
面開口部６を開放する。このとき、シヤツター押
圧片６１も下降するが、対向間隔が大きいため、
アーム９とは接触しない。

この状態からさらにラツチボタン５９をストツ
パー６３の下端がヒンジ体５３の下面に当たるま
で押し込むと、アーム押圧片６１がアーム９の上
部側壁を押しながらアーム９を下方に回動させ、
その他端シヤツター押圧部１２がシヤツター４３
を回動させて口紙３９の塵吸入口３６を閉塞す
る。

即ち、本実施例によれば、ラツチボタン５９は
その押下ストロークの初期半分のストロークによ
つて集塵ケース３と前蓋１５とのラツチ解除を行
い、またこれに引き続く後半のストロークによつ
てラツチボタン５９はアーム９及びシヤツター４
３を閉成回動させ、口紙３９の塵吸入口３６を閉
塞することができる。

従つて、本実施例では、前記第１段のラツチボ
タン５９の押下ストロークで、前蓋１５は集塵ケ
ース３から完全にラツチ解除されるので、この状
態で、使用者は、フイルター３５の内部を塵吸入
口３６から覗いて、内部を確認し、あるいは誤つ
てフイルター内に吸込んだものを取り出すことな
どを自由に行うことが可能となる。

この状態で、袋フイルター３５を集塵ケース３
から取り出し、ゴミ箱等に捨てればよい。

袋フイルター３５を集塵ケース３内から取り出
すとき、口紙３９の塵吸入口３６はシヤツター４
３で閉塞されているので、持ち運ぶ際に内部のゴ
ミがこぼれて床面等を汚すことはない。

次に新しい袋フイルター３５を集塵ケース３に
セツトする場合は、第５図に示すように支持壁５
に設けた凸ピン７に口紙３９の凸ピン受け孔３８
を挿通させるようにして支持壁５に載置し、次に
開かれている前蓋１５を下方に回動させて止め具
２１と係合部２２を係合させる。このとき中空状
ボス２０は凸ピン７をその内側に挿入させて口紙
３９を支持壁５に確実に支持し、また、前蓋カバ
ー１７に設けたパツキン５１は口紙３９の塵吸入
口３６の周囲を確実にシールする。

なお、上記実施例においてはシヤツター４３を
作動させるのにアーム９を介して行つているが、
ラツチボタン５９のシヤツター押圧片６１で直接
シヤツターを作動させるようにしてもよい。

［考案の効果］ 以上のようにこの考案は、集塵ケースの前面開
口部を覆つている前蓋の開閉操作を行うラツチボ
タンによつて袋フイルターに設けたシヤツターを
作動させるようにしているから、構成部品が少な
くて済み、構造の簡素化がはかれるとともに、必
ず前蓋の開放後にシヤツターが塵吸入口を閉口す
るので、前蓋を開いた状態で袋フイルターの状態
を見ながらシヤツターを操作でき、誤つて必要な
ものをフイルター内に吸込んだ場合にこれを容易
に取り出せるという効果を有する。またラツチボ
タンを押し込む力を二分することができ、即ちラ
ツチボタンを押し込む力がそれぞれ集塵ケースと
前蓋とのラツチ解除力あるいはシヤツター閉成動
作力のいずれか大きい力とすればよく、両動作を
同時に行うときの大きな力を必要とせず、小さな
力で充分であるという利点も有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は本電気掃除機全体の側面図、第２図は集塵ケ
ース部分の縦断面図、第３図は前蓋を取り除いた
状態で集塵ケースを前面からみた図、第４図は同
じくシヤツター閉成時における集塵ケースを前面
からみた図、第５図は集塵ケースに袋フイルター
を取り付ける状態を示す斜視図、第６図は袋フイ
ルターの斜視図である。 図中、３は集塵ケース、６は前面開口部、９は
アーム、１２はシヤツター押圧部、１５は前蓋、
２１は止め具、２２は係止部、２４は凸起、３５
は袋フイルター、３６は塵吸入口、３９は口紙、
４３はシヤツター、４７は袋体、５９はラツチボ
タン、６０は押圧部、６１はアーム押圧片であ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内部に使い捨て袋フイルター３５が着脱自在に
   装着される集塵ケース３と、該集塵ケース３の前
   面開口部６を開閉自在に覆う前蓋１５と、前記前
   蓋１５内に上下動自在に設けられ集塵ケースに３
   の凸起２４と係合する係合部２２を有する止め具
   ２１と、前記集塵ケース３に上下動自在に設けら
   れ前記止め具２１を押圧して集塵ケース３と前蓋
   １５とのラツチ係合を解除するラツチボタン５９
   と、を含み、 前記使い捨て袋フイルター３５は、中央に塵吸
   入口３６が設けられるとともに該塵吸入口３６を
   開閉するシヤツター４３が回動自在に設けられた
   口紙３９と、前記口紙３９に一端開口部が固定さ
   れた袋状のフイルター４７とから成り、 前記集塵ケース３の前面開口部６側のケース側
   縁には少なくとも１個の凸ピン７が設けられた支
   持壁面５が形成され、前記使い捨て袋フイルター
   ３５の口紙３９がその凸ピン受け孔３８を前記凸
   ピン７と係合した状態で位置決めされるよう口紙
   ３９の周側面が支持壁面５と前蓋１５との間で挟
   み込み支持され、 前記集塵ケース３の前記支持壁面５の上方には
   前記シヤツター４３を閉成回動させるアーム９の
   一端が回動自在に取り付けられ、 前記ラツチボタン５９の下端はラツチ解除スト
   ローク後にアーム９を介してシヤツター４３を閉
   成回動するために所定間隔をもつてアーム９の上
   面と対応配置されていることを特徴とする電気掃
   除機。