JPS6324752B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は穀粒選別機の選穀装置の改良に関す
る。

一般に、ハト麦・豆類などの穀粒は近球形を呈
し、平板上の静止が不安定で極めて転動し易い形
態をなしているが、虫害病害稔実障害及び機械的
損傷を受けた被害粒は完全整粒に比べて形状また
は弾性が異なるのが通例である。

この種の穀粒選別機は、前記穀粒を波状面の多
孔壁選別板に供給し、整粒と被害粒間の形状と弾
性及び比重の差を利用して整粒・混合粒・被害粒
の各流束に分流し選別して末部行程に排出する選
別装置である。前記穀粒の選別作用を確実にかつ
円滑に実施するには、前記選別板上に形成される
穀粒層の全体層高を略一定に保持する必要があ
る。しかしながら、前記選別行程の終局時などで
は、選別板に供給される穀粒が不足して噴風斑を
生じたり、また穀粒流動が乱れたりしてその選別
精度を大幅に低下させる弊害を生ずるものであ
る。

本発明は上記の諸欠点を解決するため、多孔壁
選別板の排出側板端縁部に特有の閉塞板を装脱自
在に設けることにより、供給する穀粒量が不足し
て前記穀粒層の層高が変化すると、直ちに前記閉
塞板を選別板の排出側板端縁部に装着して穀粒流
出を阻止して前記穀粒層を所定層高に保持すると
共に、その選別作用を続行し、以つて多孔壁選別
板上に各選別粒のそれぞれの流束を正確に形成さ
せると共に、前記閉塞板を除脱して各流束の選別
粒を刷毛などにより各排出口に個別に掃出し、高
精度の穀粒選別をその全量に亘つて実施できる装
置を開発して提供せんとするものである。

本発明を実施例図について説明する。第１図は
穀粒選別機で、その一側に供給口２を設けた波状
面の多孔壁選別板１を緩傾斜状に装架し、該選別
機１の下部に送風室３を設けて一体的に、選別機
枠４を形成し、該機枠４の下部に揺動機構５およ
び風車箱６を関連的に配設し、揺動機構５によつ
て多孔壁選別板１を揺動すると共に、風車箱６で
発生した風を前記選別板１の下面から上方に噴風
するように形成し、７は昇降機、８は昇降機に吊
設した穀粒タンク、９は角度調節装置の操作ハン
ドル、１０は電動機である。

第２図は前記選別機枠４の一部を切開した平面
図で、多孔壁選別板１の末部行程に穀粒排出樋１
１を装着すると共に、その樋内に案内壁１２，１
２を立設して３流出路にそれぞれ区劃し、またそ
の樋底部に完全粒排出口１３、混合粒排出口１
４、被害粒排出口１５をそれぞれ設けてある。そ
して前記選別板１の揺上側の原料供給部に、その
樋体の一側に供給口部１６を、また他側に夾雑物
排出口部１７をそれぞれ設けた振動供給樋１８を
横または緩傾斜状に装架して選別機枠４に固定
し、前記供給樋１８の樋底部１９に多孔壁面２０
を設けると共に、該多孔壁面２０の下側に排穀口
２１のある流下用受樋２２を横架状に設けて一体
的に形設してあり、２３は供給樋を選別機枠に連
結する取付板である。

本発明の選穀装置は、（第３図、第４図参照）
前記多孔壁選別板１の排出側板端縁部２４に穀粒
流出を阻止するための閉塞板２５を装着・除脱自
在に設けてある。２６は閉塞板を上下動するため
の長溝、２７は閉塞板を固定するための締付金
具、前記閉塞板２５は、その取付方法を例示図に
限定されることなく任意の係脱手段を選定して実
施される。

上述の構成であるから、原料豆粒を昇降機７に
投入して該装置を起動すると、前記豆粒は昇降機
７によつて上部の穀粒タンク８に揚穀されると共
に、該タンク８の豆粒は振動供給樋１８の供給口
部１６から樋体内に流下する。そして前記供給樋
１８は選別機枠４と共に振動するので、樋体内の
前記豆粒はその振動作用によつて樋内に平盤状の
穀粒層を形成して排出側に流動し、その間前記豆
粒は多孔壁面２０の通孔から下部の流下用受樋２
２面に落下すると共に、該樋面を流下し樋端の排
穀口２１から選別板１に供給される。また樋体内
に残留した粗大ゴミ・脱殻などの夾雑物は、樋
内を揺動搬送されて樋端の夾雑物排出口部１７か
ら機外に排出される。次に前記選別板１に供給さ
れた豆粒は、選別板の振動作用により、その波状
板面に平盤状の穀粒層を形成し、また、多孔壁の
通風孔からの噴風作用によつて比重の小さい被害
粒は穀粒層の上面に浮上すると共に、比重の大き
い整粒は穀粒層の底面に集合し、また前記波状板
面の山形脈状の振動作用によつて穀粒層底面の整
粒は前方高位側に押上げられながら横方向に偏流
して整粒流束Ｐを形成し、また穀粒層上面に浮上
した被害粒は、整粒上面を後方低位側に滑流しな
がら横方向に偏流して被害粒流速Ｒを形成し、前
記各流束Ｐ，Ｒ間の整粒と被害粒の混合流束Ｑを
形成し、各流束の穀粒は選別板の末部行程に設け
た穀粒排出樋１１内の各流出路を介して整粒排出
口１３、混合粒排出口１４、被害粒排出口１５か
らそれぞれ機外に排出される。そして、前記選別
行程の終局時などにおいて、供給する穀粒量が不
足して前記穀粒層の層高が変化すると、直ちに運
転を停止して選別機枠４に設けた締付金具２７を
緩めて閉塞板２５を所定高さに調節して固設する
と共に、供給量を適度に調節しながら運転を再開
始する。すると選別板１では、閉塞板２５によつ
てその板面から穀粒排出樋１１に穀粒が流下する
ことを阻止されると共に、供給側から適度に穀粒
が流入して所定層高の穀粒層を形成し、また噴
風・揺動による選別作用が続行されて選別板１上
に各選別粒のそれぞれの流束Ｐ，Ｑ，Ｒが正確に
形成される。そこで前記閉塞板２５を締付金具２
７を緩めて降下して開口すると共に、各流束Ｐ，
Ｑ，Ｒの選別粒を刷毛などによつて穀粒排出樋１
１内の各流出路にそれぞれ掃出すると共に、各選
別粒は穀粒排出口１３、混合粒排出口１４、被害
粒排出口１５から機外にそれぞれ取出される。ま
た、この選別作用を複数回繰返して穀粒選別を完
了する。

このように本発明の穀粒選別機の選穀装置は、
穀粒選別行程の終局時などで、多孔壁選別板上の
給穀量が減少して穀粒層の層高が変化しその選別
作用が乱れるときは、直ちに前記閉塞板を装着固
定してその流量を適度に規制して所定層高の穀粒
層に保持させると共に、選別作用を続行すること
により正確な各選別粒の流束が選別板上にそれぞ
れ形成されるので、前記閉塞板を除脱することに
より前記各流束の選別粒を刷毛などによつて穀粒
排出樋の各流出路に個別に掃出して高精度の穀粒
選別をその全量にわたつて確実に実施でき、しか
もその構造は簡単で取扱操作も容易であり、常に
高精度の精選穀粒の量産を確実に、かつ円滑迅速
に実施できる等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例図である。第１図は本装
置を一部切開した側面図、第２図、第３図は共に
多孔壁選別板の平面図、第４図はその閉塞板の一
部拡大斜視図である。 １……多孔壁選別板、２……供給口、３……送
風室、４……選別機枠、５……揺動機構、６……
風車箱、７……昇降機、８……穀粒タンク、９…
…操作ハンドル、１０……電動機、１１……穀粒
排出樋、１２……案内壁、１３……完全粒排出
口、１４……混合粒排出口、１５……被害粒排出
口、１６……供給口部、１７……夾雑物排出口、
１８……振動供給樋、１９……樋底部、２０……
多孔壁面、２１……排穀口、２２……流下用受
樋、２３……取付板、２４……排出側板端縁部、
２５……閉塞板、２６……長溝、２７……締付金
具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 緩傾斜状に装架した波状面の多孔壁選別板の
   下部に送風室を設けて一体的に選別機枠を形成す
   ると共に、該機枠の下部に揺動機構および風車箱
   を設けて相互に関連的に連結し、前記選別板を前
   上がり前後に揺動すると共に、その多孔壁の下面
   から上方に噴風して異種混合粒を整粒・混合粒・
   被害粒の各流束に分離選別して末部行程に排出す
   る選別装置において、前記多孔壁選別板の排出側
   板端縁部に穀粒流出を阻止するための閉塞板を装
   着・除脱自在に設けたことを特徴とする穀粒選別
   機の選穀装置。