JPS6324519Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、パチンコ機間に設置された台間玉貸
機に投入される硬貨を無端ベルト上に載置して一
端に移送する際特に、無端ベルト上に載置して搬
送されてくる硬貨の上に硬貨が落下した際の重合
した硬貨を一枚ずつ整列させて順送りする硬貨整
列搬送装置に関する。

（従来の技術） 従来、パチンコ遊戯機器に関する技術発展に伴
つて、パチンコ機間に設置された台間玉貨機に投
入された硬貨を回収する装置が考案され、前記回
収装置は台間玉貨機の背後に設ける排出口から落
下する硬貨を無端ベルト上に載置して移送し、一
端の回収箱に集めるようになつており、さらに回
収箱に落下する寸前に計数器等で計数する装置と
なつて提案されているが、パチンコ機間に設置さ
れた複数の台間玉貨機の排出口より無端ベルト上
に載置されるため回収箱の終端付近においては搬
送中の硬貨の上に落下して重なり合つたまま計数
器で計数してしまうため誤計数となつて売上げ金
額を正確に知ることが出来ず、また計数器で検出
する入口付近で硬貨詰りが発生してしまつてい
た。

そこで、重合した硬貨を一枚ずつに整列するた
めの装置として搬送方向の上部にブラシを設けた
物や第７図の従来の整列搬送装置のように無端ベ
ルト３０表面から硬貨２０の厚みに相当する間隙
３２を有して配設された整列回転ローラ３３を無
端ベルト３０と逆方向に回転させ、重なり合つた
硬貨が搬送されて来た硬貨２，２０の内、下位の
硬貨２０を搬送するのみで、重合した上位の硬貨
２を整列回転ローラ３３の外周面によつて搬送方
向とは逆方向にはね返す様に成して、硬貨の複数
枚の搬送及び食い込みを防止する構造であつた。

さらに、パチンコ遊戯機器以外の他分野の自動
販売機や自動券売機等においても複数の販売機等
を設置すると投入硬貨を回収するために、多種の
回収装置が提案されたうち、自動販売器で多数の
硬貨を無整列に貯蔵したホツパーから、つり銭補
給筒に硬貨を一定方向に積み重ねて投入する際、
２枚送り防止用ローラを設けても硬貨詰りをして
しまうため、無端ベルトコンベアの上方に硬貨の
起立を防止する起立防止用ローラを不正円筒形状
に設けるとともに、その先に１枚の硬貨の厚みよ
りやや大きく２枚の硬貨の厚みよりやや小さくし
た間隙に設けた２枚送り防止用ローラとの２つの
ローラから成る構造の考案が実公昭48−10469号
公報に記載され、 また、複数枚の硬貨を投入口に投げ入れて所定
枚数のチケツトや商品が送り出される自動販売機
で、一枚ずつ硬貨を挿入する構成となつているが
繁雑で時間もかかることから硬貨を一括して投げ
こまれると硬貨軌道上を滑り落ちる際、カバーの
入口付近と硬貨軌道で硬貨詰りを生じてしまう。
重合した硬貨を分離させるのに、八角形から成る
回転体を設けて硬貨詰りをなくす構造の考案が特
開昭48−33897号公報に記載されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、搬送方向の上部にブラシを設け
た硬貨整列装置は、ブラシの種類の選択が難し
く、柔らかすぎるブラシでは、重合した硬貨を一
列には出来ず、硬すぎるブラシでは重合した硬貨
のまま食い込んでしまい硬貨詰りの原因となる問
題点を有していた。

また、第７図での整列装置では重合した硬貨
２，２０が重なり合つたまま搬送されて来ると、
整列回転ローラ３３と無端ベルト３０との間へ硬
貨２，２０が食い込み、そのまま通路を遮断する
状態となり、次位硬貨（図示せず）が通過出来
ず、次々硬貨（図示せず）が停滞、渋滞してしま
うなどの不具合があつた。その為に硬貨の搬送を
中止し、人手による修複作業を必要としていた。

また、複数から成る自動販売機等に回収装置を
設けた実公昭48−10469号公報の送出装置におい
ては、送り方向に回転する無端ベルトの上方にま
ず、落下した硬貨の起立を防止するため、起立防
止用ローラを設け、さらに先方に１枚の硬貨の厚
みよりやや大きく２枚の硬貨より小さい間隙を有
する２枚送り防止用の２つのローラを設けなくて
はならなかつた。さらに、起立防止用ローラと２
枚送り防止用ローラとの取付位置が狭いため、２
枚送り防止用ローラにおいて硬貨詰りが生じてし
まつた場合、起立防止用ローラとの間でも硬貨詰
りが発生してしまう欠点がある構造の送出装置で
ある。

また、複数枚の硬貨を一括して投入口より投げ
入れることにより所定枚数のチケツトや商品が送
り出される自動販売機に硬貨整列装置を設けた特
開昭48−33897号公報において、硬貨軌道に臨ま
せてたがいに重なり合つた状態の複数枚の硬貨に
接合して１枚毎に分離するように八角形から成る
回転体を設けて重なり合つた硬貨を一枚毎に分離
するが、八角形の形状の隅部の角にて接合して解
除する際、重合した状態で流下してきた場合、八
角形の形状の面であるため滑りやすく、且つ下方
に押されてしまうため硬貨に手あかなど付着して
いると、くつついてしまつているので解除できず
次位硬貨によつて硬貨詰りが生じてしまう回転体
である。即ち、解除する際の硬貨を受け止めて係
止させる部分がないものであり、さらに、隅部の
角の磨耗が生じて丸みとなつて不安定となる構造
の整列装置である。

本考案の目的は、台間玉貨機等に投入された硬
貨を無端ベルト上に載置して移送する際、載置し
て搬送されてくる硬貨の上に硬貨が落下して重合
となつた硬貨は、円筒形の外周に切込部を等間隔
に削成し、該切込部は軸の中心から外周に向つた
位置に略硬貨１枚分の厚みの短辺と、短辺の一端
から略直角に立ち上げた長辺を硬貨の搬送方向と
反対に硬貨の先端が進入する程度の深さに形成し
た整列回転ローラの短辺と長辺により重合した上
位の硬貨を受け止めると同時に後方へはね飛ばし
て硬貨詰りを防止し、無端ベルト上で硬貨が１枚
ずつ搬送されることで、終端の計数装置で１枚ず
つ確実に計数が出来るようになつた硬貨整列搬送
装置を提供するところにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため本考案の硬貨整列搬送
装置は、回転する無端ベルトを端と端の回転軸に
張架し搬送方向の無端ベルトの表面から、硬貨１
枚分の高さの隙間を有した位置で、該無端ベルト
の巾方向上方に、該無端ベルトと逆方向に回転す
る円筒形の整列回転ローラを配設して成る硬貨整
列搬送装置に於いて、前記、整列回転ローラは中
央に溝を設けた軸の両側に同位置になるように嵌
合され円筒形の外周に切込部を等間隔に削成し、
該切込部は軸の中心から外周に向つた位置に略硬
貨１枚分の厚みの短辺と、短辺の一端から略直角
に立ち上げた長辺を硬貨の搬送方向と反対に硬貨
の先端が進入する程度の深さに形成し、該切込部
で搬送されてくる重合した上位の硬貨を受け止め
て係止させたものである。

（作用） 以上のように構成された、本考案の硬貨整列搬
送装置はパチンコ機間に設置された台間玉貨機に
投入された硬貨を回収する際、島の端から端を無
端ベルトで張架し、投入された硬貨を背後より排
出して無端ベルト上に落下させ、矢印Ａ方向に搬
送させていく。

先ず、矢印Ａ方向に搬送されてくる硬貨が、各
台間玉貨機の排出口より１枚ずつ整列して無端ベ
ルト上に載置されて計数装置へと搬送していく場
合について説明すると、整列回転ローラは無端ベ
ルトの終端付近に設けてあり、その整列回転ロー
ラは、無端ベルトの表面から硬貨１枚通る間隙の
高さに取付け、無端ベルト上で１枚で搬送されて
くる場合のみ、そのまま整列回転ローラの下を通
過して計数検出部へと搬送されていく。

次に矢印Ａ方向に搬送していく途中で、無端ベ
ルト上に載置してある硬貨の上に硬貨が落下し
て、重合した硬貨となつた場合についての整列回
転ローラの作用は、整列回転ローラは搬送方向と
逆方向に回転していて、整列回転ローラは円筒形
の外周に等間隔の位置に短辺と長辺からる切込部
を削成し、いずれかの切込部の短辺が無端ベルト
と略直角となる最下部の位置で重合した硬貨の上
位の硬貨を受け止めて係止させ整列回転ローラの
逆回転に従つて除々に受け止めて係止した硬貨を
後方へはね飛ばすが、仮に一箇所の切込部ではね
飛ばせなくとも、次位の切込部によつて、はね飛
ばされることで、１枚の硬貨だけを通過させてい
く。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図は本考案の硬貨整列搬送装置の要部拡大
図で、第２図は整列回転ローラの取付状態図、第
３図は整列回転ローラの拡大図である。

本考案は第２図のように複数のパチンコ機２１
を横方向に列設した台間玉貨機２２を設置した島
台Ｓの内部に、動力によつて回動する回転軸９と
補助回転軸１０を両端に設け、水平状に無端ベル
ト１を張架し、矢印Ａ方向に電動機（図示せず）
によつて駆動される。

台間玉貨機２２に硬貨が投入されると下方の排
出口２３より落下して無端ベルト上に載置する。

２０は無端ベルト上に単体で落下した下位の硬
貨で、２は単体で落下した硬貨２０の上に重なつ
た上位の硬貨である。

３は整列回転ローラの外周４ａを無端ベルトの
表面から単体の硬貨１枚のみを通過させる高さに
整列回転ローラを取付けた際の隙間である。

整列回転ローラ４は無端ベルトの終端付近に設
置され、計数検出部１１に無端ベルトより硬貨が
落下する際、確実に１枚ずつ落ちるように整列さ
せるためのもので中央に溝８を設けた軸１３の両
側に同位置になるように嵌合し、電動機（図示せ
ず）によつて搬送方向とは逆のＢ方向に回転す
る。

切込部５は、整列回転ローラ４の外周４ａに等
間隔の四箇所に短辺５ａと長辺５ｂから形成され
ている。

短辺５ａは、軸１３の中心から外周４ａに向つ
た位置に略硬貨１枚分の厚みに削成してある。即
ち、整列回転ローラ４の外周４ａと無端ベルト１
の表面には、通常単体の硬貨１枚のみが通過する
隙間３となつているが重合した硬貨２，２０が搬
送してきた場合、重合した硬貨の上位の硬貨２を
無端ベルトと略直角となる最下部の短辺５ａで受
け止めて係止させ、整列回転ローラが逆回転して
いることで、重合した硬貨２，２０の上位の硬貨
２を後方へはね飛ばすことができるが、この厚み
が厚すぎると（２枚分以上）食い込みにより後方
へはね飛ばせず硬貨詰りとなつてしまうため、略
硬貨１枚分の厚さとしている。

長辺５ｂは、上記短辺５ａの一端から略直角に
立ち上げて、搬送方向と反対に硬貨の先端が進入
する程度の深さに削成してある。即ち、この深さ
が深く削成しすぎると、重合した硬貨２，２０の
上位の硬貨２を後方へはね飛ばせなかつたり、重
合した硬貨２，２０のまま半分以上進入してしま
うため食い込みの原因となつてしまうため硬貨の
先端より略半径分までの深さとしている。

第４図は重合した硬貨例の状態図で、第４−Ａ
図は搬送されてくる硬貨の上に略同位置に重合し
た状態の図であり、無端ベルト１により搬送して
きた際、整列回転ローラ４のいずれか一箇所の切
込部５の短辺５ａが無端ベルト１と略直角となる
最下部の位置において重合した硬貨２，２０の上
位の硬貨２のみの周縁の先端を受け止めて係止さ
せ、整列回転ローラ４の逆回転に従つて除々に後
方へ２′となつて滑り落ちて２０の硬貨のみ先方
へ２０′となつて搬送されていく。

第４−Ｂ図は搬送されてくる硬貨の上に重合し
た状態のうち、上位の硬貨２が略右下りの傾斜状
態の図であり、無端ベルト１により搬送してきた
際、整列回転ローラ４のいずれか一箇所の切込部
５の短辺５ａが無端ベルト１と略直角となる最下
部の位置より重合した硬貨２，２０の上位の硬貨
２のみの周縁の先端を受け止めて係止させ、整列
回転ローラ４の逆回転に従つて除々に後方へ２′
となつて滑り落ちて２０の硬貨のみ先方へ２０′
となつて搬送されていく。

第４−Ｃ図は搬送されてくる硬貨の上に重合し
た状態のうち、上位の硬貨２が略左下りの傾斜状
態の図であり、無端ベルト１により搬送してきた
際、整列回転ローラ４のいずれか一箇所の切込部
５の短辺５ａが無端ベルト１と略直角となる最下
部の位置より重合した硬貨２，２０の上位の硬貨
２のみの周縁の先端を受け止めて係止させ、整列
回転ローラの逆回転に従つて除々に後方へ２′と
なつてはね飛ばし２０の硬貨のみ先方へ２０′と
なつて搬送されていく。

第５−Ａ，Ｂ図は団子状となつた硬貨が重なり
あつた際の硬貨群が搬送されてきた状態図で、無
端ベルト１上に載置されて、搬送されてきた際、
整列回転ローラ４のいずれか一箇所の切込部５
が、最下位の位置から上方へ約半周回転していく
途中、切込部５の短辺５ａ上に団子状となつた硬
貨群の一部周縁先端に当接して持ち上げ、回転に
従つて後方へはね飛ばすことができるので団子状
となつた硬貨群が搬送されてきても崩すことが出
来る整列回転ローラの切込部である。

６は突出片でカバー７の中央に溝８と略同じ幅
に形成して取付けられ、無端ベルト１上に整列回
転ローラ４と同等の高さで、重合した複数の硬貨
が上方より乗り越えないように防止するものであ
る。

７はカバーで無端ベルト１の幅よりやや大きめ
に形成して冠着してある。

９は無端ベルト１を回動する回転軸であり、１
０は補助回転軸、１１は計数検出部である。

（考案の効果） 以上の説明で明らかなように本考案の硬貨整列
搬送装置は、従来のように２つのローラからの構
造とせず、また、八角形の形状の隅部の角による
面接合の構造のようにしたものでなく、整列回転
ローラは中央に溝を設けた軸の両側に同位置にな
るように嵌合され円筒形の外周に切込部を等間隔
に削成し、該切込部は軸の中心から外周に向つた
位置に略硬貨１枚分の厚みの短辺と、短辺の一端
から略直角に立ち上げた長辺を硬貨の搬送方向
と、反対に硬貨の先端が進入する程度の深さに形
成し、該切込部で搬送されてくる重合した上位の
硬貨を受け止めて係止させることにより硬貨が１
枚づつ送られるので硬貨詰りでの修複作業が皆無
され、終端の計数検出部で正確に売上げの計数が
把握できる。

さらに、無端ベルト上に団子状となつた硬貨同
士が重なりあつた硬貨群がまとまつて搬送されて
きても、いずれかの切込部が最下部の位置より上
方へ約半周回転していく途中、切込部の短辺が団
子状となつた硬貨群の一部周縁先端に当接して持
ち上げ回転に従つて後方へはね飛ばすことが出来
るので、まとまつた団子状の硬貨群が搬送されて
きても、崩すことが出来る効果も有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の硬貨整列搬送装置の要部拡大
図、第２図は本考案の整列回転ローラの取付状態
図、第３図は本考案の整列回転ローラの拡大図、
第４−Ａ，Ｂ，Ｃ図は重合した硬貨例の状態図、
第５−Ａ，Ｂ図は重合した硬貨群の状態図、第６
図は第１図のＡ−Ａ断面図、第７図は従来の一例
図、 １……無端ベルト、３……間隙、４……整列回
転ローラ、５……切込部、５ａ……短辺、５ｂ…
…長辺。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回動する無端ベルトを端と端の回転軸に張架
   し、搬送方向の無端ベルトの表面から、硬貨１枚
   分の高さの隙間を有した位置で、該無端ベルトの
   巾方向上方に、該無端ベルトと逆方向に回転する
   円筒形の整列回転ローラを配設して成る硬貨整列
   搬送装置に於いて、前記、整列回転ローラは中央
   に溝を設けた軸の両側に同位置になるように嵌合
   され、円筒形の外周に切込部を等間隔に削成し、
   該切込部は軸の中心から外周に向つた位置に略硬
   貨１枚分の厚みの短辺と、短辺の一端から略直角
   に立ち上げた長辺を硬貨の搬送方向と反対に硬貨
   の先端が進入する程度の深さに形成し、該切込部
   で搬送されてくる重合した上位の硬貨を受け止め
   て係止させた硬貨整列搬送装置。