JPS63238B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は普通紙の単票類や通帳類等に印字可能
な感熱方式の印字機構を備えたポータブル端末装
置に関する。

TSS（タイム・シヤリング・システム）用端末
機に使用されているプリンタは感熱方式によるも
のが多いが、これはデータのハードコピー用とし
て１枚印字すれば良いもので、機構も印字ヘツ
ド、プラテン、用紙送り（１枚）から成る単純な
構成である。その基本的な構造を第１図によつて
説明すれば、１は熱印字ヘツド、２はプラテンで
あり、これらの間に感熱紙４を走行させて印字す
る。３は感熱紙４の送りローラである。

図示のように、感熱紙４をプラテン２のある曲
率を有する面に沿つて送られる関係上、使用でき
る感熱紙は薄手のものに限られ、また連続用紙の
形態のものに限られる。一般に感熱紙４としては
0.05mm以下のロール巻きした連続用紙が使用され
る。通帳や厚手の帳票類のように曲げにくいもの
は使用できない。また一般に、感熱紙（加熱によ
り発色するような用紙）は太陽光線、熱、化学薬
品に敏感であるため、印字後の書類の保管が容易
でないという問題もある。

尚、銀行のオンライン用に使用している端末装
置の印字機構は通帳、帳票、伝票などの印字も可
能であるが、用紙インサート部、用紙送り機構等
が複雑で、機能は充分満足するが大形化してコス
トも高いという問題がある。

本発明の目的は、厚手の通帳類も印字可能であ
り、また印字後の通帳や単票等の保管も容易な感
熱方式の印字機構を備えたポータブル端末装置を
提供することにある。本発明のもう１つの目的
は、全体を小形軽量にかつ簡単な構造とすること
のできる感熱方式の印字機構を備えたポータブル
端末装置を提供することにある。

しかして、本発明は、開閉自在の上フレームと
下フレームからなるアタツシユケースに印字機構
を配置してコンパクトなポータブル端末を実現す
るものである。詳しくは、アタツシユケースの上
フレームに感熱カーボン送り／巻取り部、感熱ヘ
ツド及び用紙送り第１ローラを配置し、下フレー
ムには平面プラテン、用紙送り第２ローラを配置
し、該平面プラテンに用紙を載せてアタツシユケ
ースを閉じることにより、用紙が第１と第２のロ
ーラにより平面プラテン上を送られる状態にな
り、感熱ヘツドと感熱カーボンにより用紙上に熱
転写形式で印字される。さらに、上フレームには
窓が設けられ、印字動作を観察することができ
る。

更に本発明は、ロール状に巻かれた感熱カーボ
ン紙と通帳とを同期して搬送することにより、通
帳に印字した印字情報の控を感熱カーボンに残し
て控とすることができる。

以下、本発明を実施例によつて詳細に説明す
る。

第２図は本発明の一実施例の外観斜視図であ
る。本実施例は銀行や保険会社の外務員が携帯す
るポータブル端末等として利用するに最適な構成
であり、装置はアタツシユケース状の上下のフレ
ーム１０７，１０８から成るケースに組込まれて
いる。上下フレーム１０７，１０８は第３図に示
すように蝶番１１６等で展開できるようになつて
いる。

装置の内部構造の一例を第４図に示す。図示の
ように、下フレーム１０８には平面形のプラテン
１１０、印字用紙（こゝでは通帳）１０６をプラ
テン１１０に沿つて直線的（図中、左方向）に送
る送りローラ１１２、上下フレーム開閉検出用ス
イツチ１２５が設けられている。上フレーム１０
７には、熱印字ヘツド１０１、熱印字ヘツド１０
１と印字用紙１０６との間に走行する感熱カーボ
ン紙１０５を案内するガイドピン１２２、押えロ
ーラ（下フレームの送りローラ１１２と連動する
ようになつており、実際には両ローラが共働して
用紙を送る）１２６、熱印字ヘツド１０１をプラ
テン１１０側に押圧するバネ１２７、使用前の感
熱カーボン紙１０５を収納している供給側収納筒
１１４と使用後の感熱カーボン紙１０５を収納す
る回収側収納筒１１５、感熱カーボン紙１０５を
送るローラ１１３、感熱カーボン紙１０５を印字
用紙１０６の表面から剥離させるためのセパレー
タ１１１が設けられている。また、送りローラ１
１２，１２６，１１３および熱印字ヘツド１０１
を印字用紙１０６の幅方向に移動させるキヤリツ
ジ（図示せず）を駆動するモータ等の駆動手段１
２０、および熱印字ヘツド１０１のドライバ等が
上フレーム１０７内に組込まれている。尚、ポー
タブル端末としては、電話回線との結合手段やキ
ーボード、その他必要な手段が設けられるが、
こゝでは印字機構についてのみ説明するに止め
る。

印字用紙１０６は、上フレーム１０７を第３図
のように上方に開いた状態でガイドフレーム１２
４と印字位置マーク１２３によつて位置合せして
プラテン１１０上にセツトする。上フレーム１０
７を第２図のように閉めると、スイツチ１２５に
よつてそれが検出され、印字可能な状態になる。
上フレーム１０７には、それを閉じた状態で印字
動作を観察するための窓１０９が設けられてお
り、また前後の壁には印字用紙１０６の搬入出口
が形成されている。

第５図は、感熱カーボン紙１０５の拡大断面図
であり、本図によつて印字の様子を説明する。印
字可能な状態では熱印字ヘツド１０１が感熱カー
ボン紙１０５を介して印字用紙１０６の表面に押
し付けられている。熱印字ヘツド１０１の発熱抵
抗体１２１が通電され発熱すると、その直下の感
熱発色層１１７が発色し、さらに基紙層１１８の
下にあるワツクス含カーボン層１１９が溶けて印
字用紙１０６に付着する。つまり、印字用紙１０
６にはワツクス含カーボンの転写により文字が印
刷され、同時に感熱カーボン紙１０５の表面にも
同一の文字が印字される。したがつてこの感熱カ
ーボン紙１０５を印字の控として利用できる。

尚、前記感熱カーボン紙１０５に印字用紙１０
６（通帳）の控を正確に取るために、前記カーボ
ン１０５と印字用紙１０６は、印字後に一行づつ
同期して搬送される。

このように転写によつて印字するため、印字後
の印字用紙１０６の保管が容易であり、また一般
用紙への印字が可能となる。また熱印字ヘツド１
０１はバネ１２７で押圧するようにしているの
で、印字用紙１０６の厚さは広範囲に任意に選べ
るとゝもに、平面形プラテン１１０を使用して印
字用紙１０６を直線的に送るので厚味のある通帳
類の印字も可能である。

尚、感熱カーボン紙１０５としては、透明（半
透明）の基紙とワツクス含カーボンの２層から成
るものでもよい。この場合も、印字文字に相当す
る部分のワツクス含カーボン層が転写によつて無
くなり白抜きの文字として基紙を通して見えるか
ら、感熱カーボン紙を印字控として利用できる。

上記セパレータ１１１はガイドピン１２２の適
正配置によつて省略することもできるが、感熱カ
ーボン紙と印字用紙との粘着力がかなり大きくな
るので、印字用紙のめくれ等を防止するためにセ
パレータ１１１を設けるのが好ましい。

以上に詳述したように本発明による印字機構を
備えたポータブル端末装置は感熱カーボン紙で転
写によつて印字するので一般紙に印字でき、従来
の感熱紙による場合のような印字後の保管の問題
がなく、また薄い単票やロール線から厚手の通帳
類まで印字用紙の形態に関係なく利用でき、印字
控も同時に得られ、さらに全体として小形軽量に
構成できる利点を有する。また、ポータブル端末
装置のアタツシユケースには窓が設けられている
ため、アタツシユケースを閉じた状態で印字動作
を観察することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の感熱方式プリンタの概略構成
図、第２図ないし第５図は本発明による印字機構
を備えたポータブル端末装置の一実施例を示し、
第２図は印字可能状態時の外観斜視図、第３図は
印字用紙のセツト時の様子を示す概略斜視図、第
４図は印字機構の構成図、第５図は印字動作を説
明するための感熱カーボン紙の拡大断面図であ
る。 １０１…熱印字ヘツド、１０５…感熱カーボン
紙、１０６…印字用紙（通帳）、１０７…上フレ
ーム、１０８…下フレーム、１１０…プラテン、
１１２（１２６）…用紙送りローラ、１１３…感
熱カーボン紙送りローラ、１２２…ガイドピン、
１２７…バネ、１２１…発熱抵抗体、１１７…感
熱発色層、１１８…基紙層、１１９…ワツクス含
カーボン層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印字機構及び通帳送りローラを備えるポータ
   ブル端末装置において、 熱印字ヘツドと、通帳の印字範囲幅より幅が広
   く、かつ熱印字ヘツドの発熱面に供給後回収され
   るロール式の感熱カーボン紙と、該感熱カーボン
   紙の送り機構と、該熱印字ヘツドにより印字され
   る通帳を搬送する第１の通帳送りローラとを有す
   る上フレームと、 該上フレームと開閉自在であつて、該上下フレ
   ームを閉じた際に前記熱印字ヘツドと向い合う位
   置に配置された平行プラテンと、前記第１の通帳
   送りローラと共働して通帳を搬送する第２の通帳
   送りローラとを有する下フレームとを備え、 前記上フレーム及び下フレームが閉じた状態
   で、前記第１及び第２の通帳送りローラによる通
   帳送りと、前記感熱カーボン紙の送り機構とが同
   期して通帳及び感熱カーボン紙を送ることを特徴
   とするポータブル端末装置。