JPS6323262B2 - - Google Patents
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- JPS6323262B2 JPS6323262B2 JP61021105A JP2110586A JPS6323262B2 JP S6323262 B2 JPS6323262 B2 JP S6323262B2 JP 61021105 A JP61021105 A JP 61021105A JP 2110586 A JP2110586 A JP 2110586A JP S6323262 B2 JPS6323262 B2 JP S6323262B2
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Landscapes
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は電気機器鉄心材料として使用される、
鉄損が低くかつ磁束密度の優れた無方向性電磁鋼
板およびその製造方法に関するものである。 [従来の技術] 近年、電気機器の高効率化は、世界的な電力・
エネルギー節減の動きの中で、強く要望されてい
る。このため、モーターおよび中小型変圧器等の
鉄心材料に広く使用されている無方向性電磁鋼板
においても、高い磁束密度を保ちながら、かつ鉄
損が低いことへの要請が益々強まつてきている。 従来の無方向性電磁鋼板では、鉄損を低くする
手段として一般に、固有抵抗増加による渦電流損
低下の観点から、SiあるいはAl等の含有量を高
める方法が用いられてきた。しかし、この方法で
は、反面、磁束密度が低下するという問題があつ
た。 また、単に、SiあるいはAlの含有量を高める
のみでなく、Cの低減、Sの低減、あるいは特開
昭58−151453号に記載されているようなBの添加
などの成分的な処置や、焼鈍温度を高くするこ
と、仕上焼鈍前の冷延圧下率を高くするなどの製
造プロセス的な工夫がなされてきたが、いずれも
鉄損の低下は図られても、磁束密度についてはそ
れ程の効果がなく、鉄損が低くかつ磁束密度の優
れた無方向性電磁鋼板を製造する要請に応えるこ
とはできなかつた。 [発明が解決しようとする問題点] 上記に鑑み本発明は、鉄損が低くかつ磁束密度
が高い無方向性電磁鋼板およびその製造方法を提
供するものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは、微量添加元素の積極的活用によ
り、集合組織を磁気的性質に望ましい100および
110集合組織に発達させ、かつ磁気的性質に好ま
しくない111集合組織を抑制することにより、低
鉄損かつ高磁束密度の無方向性電磁鋼板が得られ
ないかとの観点から鋭意研究を重ねた。 その結果、鋼にSnとCuを同時に少量含有させ
ることにより、鉄損を低くし、かつ磁束密度を高
くできることを究明した。 本発明はこの知見に基づいてなされたものであ
り、その要旨は、重量%で、C:0.010%以下、
Si:0.1%以上、2.0%以下、Mn:0.75%以上、
1.5%以下、Sn:0・02%以上、0.20%以下、
Cu:0.1%以上、1.0%以下、S:0.005%以下、
酸可溶性Al:0.1%を超え0.3%以下を含有し、残
部Feおよび不可避不純物元素より成る鉄損が低
くかつ磁束密度の優れた無方向性電磁鋼板にあ
る。他の要旨は前記成分を含有する鋼を、熱間圧
延後、750℃以上850℃以下の温度で捲取り自己焼
鈍するか、あるいは熱間圧延後、750℃以上850℃
以下の温度で熱延板焼鈍し、次いで一回または中
間焼鈍をはさんだ二回以上の冷間圧延をし、連続
焼鈍するところにある。さらに他の要旨は、冷延
板の前記連続焼鈍の後に、圧下率2〜12%でスキ
ンパス圧延をするところにある。 以下、本発明を詳細に説明する。 まず、本発明の鋼成分の限定理由について述べ
る。 Cは鉄損を高める有害な成分で、磁気時効の原
因となるので、0.010%以下とする。 Siは周知のように鉄損を低下させる作用のある
成分であり、この作用を奏するためには、0.1%
以上含有させる必要がある。一方、その含有量が
増えると前述のように磁束密度が低下し、また圧
延作業性が劣化し、またコスト高ともなるので、
2.0%以下とする。 AlはSiと同様に固有抵抗を高めて鉄損を下げ
る効果がある。このためには、0.0%を超えて含
有させる必要があり、0.1%以下ではAlNの生成
により磁性が劣化する。また、0.3%を超えると
Si同様に磁束密度が低下する。 Mnは硫化物などの非金属介在物を生成し易い
ために、従来は無方向性電磁鋼板の磁気特性向上
に利用されていなかつたが、高純度鋼製造技術の
発展によつてその利用が可能になつた。本発明者
らの発見によれば、Mnは磁気的性質に望ましい
100および110集合組織を発達させ、かつ磁気特性
には好ましくない111集合組織を抑制する作用を
有する。Mnの含有量はこの作用をもたらすよう
特開昭58−117828号にて提案した様に、0.75%以
上が必要である。また、Mnはフエライト−オー
ステナイト変態温度を低下させるので、Mn含有
量が1.5%を超えると、熱延板焼鈍時にフエライ
ト−オーステナイト変態が起こり、Mnの集合組
織改善効果が少なくなる。従つて、Mnの含有量
は0.75%以上、1.5%以下とした。 Sは、磁性に有害なMnS等の非金属介在物を
生成させるため、0.005%以下にする必要がある。
特に、Mnを0.75〜1.5%含有することにより、フ
エライト−オーステナイト変態温度が低下するた
め、比較的低温で十分な再結晶を行わせる必要が
あるが、この目的のためにもS含有量は低くする
ことが有効である。 SnはCuとの複合含有により、鉄損を低くし、
かつ磁束密度を高める作用があるが、この作用を
奏するためには0.02%以上含有することが必要で
ある。一方、この含有が増えてもその作用は飽和
し、逆に結晶粒成長抑制等の悪影響をもたらし、
またコスト高も招くので0.20%以下とする。 Cuは上記のSnとの複合含有により、鉄損を低
くし、かつ磁束密度を高める作用を有するが、こ
の作用を奏するためには0.1%以上含有すること
が必要である。一方、この含有が増えても、熱間
脆性等を招き作業性、加工性に問題が生じるので
1.0%以下とする。 上述の成分以外は鉄および不可避不純物元素で
ある。 次に本発明の特徴とするSnとCuの複合作用に
ついて実施例に基いて説明する。 第1表に示した成分の鋼のスラブを熱間圧延
後、同表に示す処理条件にて製造し、エプスタイ
ン試料に切断し、790℃×1時間の歪取り焼鈍を
行い、磁気特性を測定した。その測定結果も併せ
て同表に示したが、SnおよびCuをいずれも含有
しない鋼11に比べて、Cuのみを含有した鋼12、
およびSnのみを含有した鋼13は鉄損の低下が認
められる。しかし、SnとCuを複合含有した鋼14
および15は、鋼12および鋼13よりもさらに一層の
鉄損の低下があり、Snのみの効果およびCuのみ
の効果を単純に加え合わせたよりもはるかに大き
な鉄損低下効果が認められる。しかも、磁束密度
も高められる。すなわち、Cuのみを含有した鋼
12の場合には、若干磁束密度が低下するのに対
し、SnとCuを複合含有した鋼14および15では、
SnおよびCuをいずれも含有しない鋼11およびSn
のみを含有する鋼13よりもさらに磁束密度が高め
られ、SnとCuの複合効果が明らかである。尚、
鋼14と15を比較すれば明らかなように、熱延板の
自己焼鈍は通常の熱延板焼鈍に置き代えても同等
の効果が得られる。 このように、本発明の特徴は、SnとCuを同時
に含有することにより、その複合効果で、鉄損が
低くかつ磁束密度の高い無方向性電磁鋼板を製造
することにある。 [作用] 次に本発明の製造方法について説明する。 前記成分からなる鋼は、転炉あるいは電気炉な
どで溶製されれ、連続鋳造あるいは造塊後分塊圧
延によりスラブとされる。 次いで熱間圧延されるが、この熱間圧延におい
ては、熱間圧延後に750℃以上の温度で捲取り、
熱延コイルの保有する熱で自己焼鈍させる。この
自己焼鈍に際しては、熱延コイルに熱の放射を防
ぐ保護カバーを被せると都合が良い。この場合、
捲取り温度が750℃未満では、SnとCuの複合効果
が少なく、鉄損を低くし、かつ磁束密度を高める
作用が少ない。また、Mnを0.75〜1.5%含有して
いることにより、850℃超ではフエライト−オー
ステナイト変態により、効果が消失しやすい。 また、熱間圧延において、750℃以上の温度で
捲取つて自己焼鈍させるのに代えて、熱間圧延後
750℃以上850℃以下の温度で熱延板焼鈍する。こ
れによつても、SnとCuの複合効果により、鉄損
を低くし、かつ磁束密度を高くすることができる
が、熱延板焼鈍温度が750℃未満では効果が少い。
また、Mnを0.75〜1.5%含有していることによ
り、850℃超ではフエライト−オーステナイト変
態が生じ、効果が消失しやすい。 次いで一回の冷間圧延または中間に中間焼鈍を
はさんで、二回以上の冷間圧延により所定の板厚
とされる。 次いで、フエライト−オーステナイト変態温度
以下で、再結晶および結晶粒成長のための連続仕
上焼鈍をする。 以上で、無方向性電磁鋼板が製造されるが、次
いでスキンパスを2〜12%の圧下率で行い、所定
の形状に打抜き後に歪取り焼鈍が施されるいわゆ
るセミプロセスタイプの無方向性電磁鋼板が製造
される。 スキンパス圧延での圧下率を2〜12%とするの
は、2%未満では歪取り焼鈍において磁気特性が
良くなり難いからであり、また上限を12%とする
のは、これをこえると磁気特性が劣化するからで
ある。 [実施例] 次に本発明の実施例を示す。 実施例 1 第1表に示した成分の鋼を、同表に示す処理条
件にて製造し、エプスタイン試料に切断し、790
℃×1時間の歪取り焼鈍を行い、磁気特性を測定
した。その測定結果も併せて同表に示した。本発
明により、著しく鉄損が低く、かつ磁束密度の高
い無方向性電磁鋼板の製造が可能であることが明
らかである。
鉄損が低くかつ磁束密度の優れた無方向性電磁鋼
板およびその製造方法に関するものである。 [従来の技術] 近年、電気機器の高効率化は、世界的な電力・
エネルギー節減の動きの中で、強く要望されてい
る。このため、モーターおよび中小型変圧器等の
鉄心材料に広く使用されている無方向性電磁鋼板
においても、高い磁束密度を保ちながら、かつ鉄
損が低いことへの要請が益々強まつてきている。 従来の無方向性電磁鋼板では、鉄損を低くする
手段として一般に、固有抵抗増加による渦電流損
低下の観点から、SiあるいはAl等の含有量を高
める方法が用いられてきた。しかし、この方法で
は、反面、磁束密度が低下するという問題があつ
た。 また、単に、SiあるいはAlの含有量を高める
のみでなく、Cの低減、Sの低減、あるいは特開
昭58−151453号に記載されているようなBの添加
などの成分的な処置や、焼鈍温度を高くするこ
と、仕上焼鈍前の冷延圧下率を高くするなどの製
造プロセス的な工夫がなされてきたが、いずれも
鉄損の低下は図られても、磁束密度についてはそ
れ程の効果がなく、鉄損が低くかつ磁束密度の優
れた無方向性電磁鋼板を製造する要請に応えるこ
とはできなかつた。 [発明が解決しようとする問題点] 上記に鑑み本発明は、鉄損が低くかつ磁束密度
が高い無方向性電磁鋼板およびその製造方法を提
供するものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは、微量添加元素の積極的活用によ
り、集合組織を磁気的性質に望ましい100および
110集合組織に発達させ、かつ磁気的性質に好ま
しくない111集合組織を抑制することにより、低
鉄損かつ高磁束密度の無方向性電磁鋼板が得られ
ないかとの観点から鋭意研究を重ねた。 その結果、鋼にSnとCuを同時に少量含有させ
ることにより、鉄損を低くし、かつ磁束密度を高
くできることを究明した。 本発明はこの知見に基づいてなされたものであ
り、その要旨は、重量%で、C:0.010%以下、
Si:0.1%以上、2.0%以下、Mn:0.75%以上、
1.5%以下、Sn:0・02%以上、0.20%以下、
Cu:0.1%以上、1.0%以下、S:0.005%以下、
酸可溶性Al:0.1%を超え0.3%以下を含有し、残
部Feおよび不可避不純物元素より成る鉄損が低
くかつ磁束密度の優れた無方向性電磁鋼板にあ
る。他の要旨は前記成分を含有する鋼を、熱間圧
延後、750℃以上850℃以下の温度で捲取り自己焼
鈍するか、あるいは熱間圧延後、750℃以上850℃
以下の温度で熱延板焼鈍し、次いで一回または中
間焼鈍をはさんだ二回以上の冷間圧延をし、連続
焼鈍するところにある。さらに他の要旨は、冷延
板の前記連続焼鈍の後に、圧下率2〜12%でスキ
ンパス圧延をするところにある。 以下、本発明を詳細に説明する。 まず、本発明の鋼成分の限定理由について述べ
る。 Cは鉄損を高める有害な成分で、磁気時効の原
因となるので、0.010%以下とする。 Siは周知のように鉄損を低下させる作用のある
成分であり、この作用を奏するためには、0.1%
以上含有させる必要がある。一方、その含有量が
増えると前述のように磁束密度が低下し、また圧
延作業性が劣化し、またコスト高ともなるので、
2.0%以下とする。 AlはSiと同様に固有抵抗を高めて鉄損を下げ
る効果がある。このためには、0.0%を超えて含
有させる必要があり、0.1%以下ではAlNの生成
により磁性が劣化する。また、0.3%を超えると
Si同様に磁束密度が低下する。 Mnは硫化物などの非金属介在物を生成し易い
ために、従来は無方向性電磁鋼板の磁気特性向上
に利用されていなかつたが、高純度鋼製造技術の
発展によつてその利用が可能になつた。本発明者
らの発見によれば、Mnは磁気的性質に望ましい
100および110集合組織を発達させ、かつ磁気特性
には好ましくない111集合組織を抑制する作用を
有する。Mnの含有量はこの作用をもたらすよう
特開昭58−117828号にて提案した様に、0.75%以
上が必要である。また、Mnはフエライト−オー
ステナイト変態温度を低下させるので、Mn含有
量が1.5%を超えると、熱延板焼鈍時にフエライ
ト−オーステナイト変態が起こり、Mnの集合組
織改善効果が少なくなる。従つて、Mnの含有量
は0.75%以上、1.5%以下とした。 Sは、磁性に有害なMnS等の非金属介在物を
生成させるため、0.005%以下にする必要がある。
特に、Mnを0.75〜1.5%含有することにより、フ
エライト−オーステナイト変態温度が低下するた
め、比較的低温で十分な再結晶を行わせる必要が
あるが、この目的のためにもS含有量は低くする
ことが有効である。 SnはCuとの複合含有により、鉄損を低くし、
かつ磁束密度を高める作用があるが、この作用を
奏するためには0.02%以上含有することが必要で
ある。一方、この含有が増えてもその作用は飽和
し、逆に結晶粒成長抑制等の悪影響をもたらし、
またコスト高も招くので0.20%以下とする。 Cuは上記のSnとの複合含有により、鉄損を低
くし、かつ磁束密度を高める作用を有するが、こ
の作用を奏するためには0.1%以上含有すること
が必要である。一方、この含有が増えても、熱間
脆性等を招き作業性、加工性に問題が生じるので
1.0%以下とする。 上述の成分以外は鉄および不可避不純物元素で
ある。 次に本発明の特徴とするSnとCuの複合作用に
ついて実施例に基いて説明する。 第1表に示した成分の鋼のスラブを熱間圧延
後、同表に示す処理条件にて製造し、エプスタイ
ン試料に切断し、790℃×1時間の歪取り焼鈍を
行い、磁気特性を測定した。その測定結果も併せ
て同表に示したが、SnおよびCuをいずれも含有
しない鋼11に比べて、Cuのみを含有した鋼12、
およびSnのみを含有した鋼13は鉄損の低下が認
められる。しかし、SnとCuを複合含有した鋼14
および15は、鋼12および鋼13よりもさらに一層の
鉄損の低下があり、Snのみの効果およびCuのみ
の効果を単純に加え合わせたよりもはるかに大き
な鉄損低下効果が認められる。しかも、磁束密度
も高められる。すなわち、Cuのみを含有した鋼
12の場合には、若干磁束密度が低下するのに対
し、SnとCuを複合含有した鋼14および15では、
SnおよびCuをいずれも含有しない鋼11およびSn
のみを含有する鋼13よりもさらに磁束密度が高め
られ、SnとCuの複合効果が明らかである。尚、
鋼14と15を比較すれば明らかなように、熱延板の
自己焼鈍は通常の熱延板焼鈍に置き代えても同等
の効果が得られる。 このように、本発明の特徴は、SnとCuを同時
に含有することにより、その複合効果で、鉄損が
低くかつ磁束密度の高い無方向性電磁鋼板を製造
することにある。 [作用] 次に本発明の製造方法について説明する。 前記成分からなる鋼は、転炉あるいは電気炉な
どで溶製されれ、連続鋳造あるいは造塊後分塊圧
延によりスラブとされる。 次いで熱間圧延されるが、この熱間圧延におい
ては、熱間圧延後に750℃以上の温度で捲取り、
熱延コイルの保有する熱で自己焼鈍させる。この
自己焼鈍に際しては、熱延コイルに熱の放射を防
ぐ保護カバーを被せると都合が良い。この場合、
捲取り温度が750℃未満では、SnとCuの複合効果
が少なく、鉄損を低くし、かつ磁束密度を高める
作用が少ない。また、Mnを0.75〜1.5%含有して
いることにより、850℃超ではフエライト−オー
ステナイト変態により、効果が消失しやすい。 また、熱間圧延において、750℃以上の温度で
捲取つて自己焼鈍させるのに代えて、熱間圧延後
750℃以上850℃以下の温度で熱延板焼鈍する。こ
れによつても、SnとCuの複合効果により、鉄損
を低くし、かつ磁束密度を高くすることができる
が、熱延板焼鈍温度が750℃未満では効果が少い。
また、Mnを0.75〜1.5%含有していることによ
り、850℃超ではフエライト−オーステナイト変
態が生じ、効果が消失しやすい。 次いで一回の冷間圧延または中間に中間焼鈍を
はさんで、二回以上の冷間圧延により所定の板厚
とされる。 次いで、フエライト−オーステナイト変態温度
以下で、再結晶および結晶粒成長のための連続仕
上焼鈍をする。 以上で、無方向性電磁鋼板が製造されるが、次
いでスキンパスを2〜12%の圧下率で行い、所定
の形状に打抜き後に歪取り焼鈍が施されるいわゆ
るセミプロセスタイプの無方向性電磁鋼板が製造
される。 スキンパス圧延での圧下率を2〜12%とするの
は、2%未満では歪取り焼鈍において磁気特性が
良くなり難いからであり、また上限を12%とする
のは、これをこえると磁気特性が劣化するからで
ある。 [実施例] 次に本発明の実施例を示す。 実施例 1 第1表に示した成分の鋼を、同表に示す処理条
件にて製造し、エプスタイン試料に切断し、790
℃×1時間の歪取り焼鈍を行い、磁気特性を測定
した。その測定結果も併せて同表に示した。本発
明により、著しく鉄損が低く、かつ磁束密度の高
い無方向性電磁鋼板の製造が可能であることが明
らかである。
【表】
【表】
実施例 2
前記実施例1で用いた鋼No.11,12,13,14,15
を0.50mm厚に冷間圧延し、850℃×40秒の連続焼
鈍を行い、次いで圧下率6%でスキンパス圧延を
施し、0.47mm厚とした。その後、エプスタイン試
料に切断し、790℃×1時間の歪取り焼鈍を行い、
磁気特性を測定した。その測定結果を第2表に示
す。本発明により、著しく鉄損が低く、かつ磁束
密度の高い無方向性電磁鋼板の製造が可能である
ことが明らかである。
を0.50mm厚に冷間圧延し、850℃×40秒の連続焼
鈍を行い、次いで圧下率6%でスキンパス圧延を
施し、0.47mm厚とした。その後、エプスタイン試
料に切断し、790℃×1時間の歪取り焼鈍を行い、
磁気特性を測定した。その測定結果を第2表に示
す。本発明により、著しく鉄損が低く、かつ磁束
密度の高い無方向性電磁鋼板の製造が可能である
ことが明らかである。
【表】
[発明の効果]
以上のように、本発明によれば、鉄損が低くか
つ磁束密度の高い無方向性電磁鋼板が得られ、電
気機器の高効率化に伴い、その鉄心材料として用
いられる無方向性電磁鋼板に対する要請に十分応
えることができ、その工業的効果は非常に大き
い。
つ磁束密度の高い無方向性電磁鋼板が得られ、電
気機器の高効率化に伴い、その鉄心材料として用
いられる無方向性電磁鋼板に対する要請に十分応
えることができ、その工業的効果は非常に大き
い。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で、C:0.010%以下、Si:0.1%以上、
2.0%以下、Mn:0.75%以上、1.5%以下、Sn:
0.02%以上、0.20%以下、Cu:0.1%以上、1.0%
以下、S:0.005%以下、酸可溶性Al:0.1%を超
え0.3%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純
物元素より成ることを特徴とする鉄損が低くかつ
磁束密度の優れた無方向性電磁鋼板。 2 重量%で、C:0.010%以下、Si:0.1%以上、
2.0%以下、Mn:0.75%以上、1.5%以下、Sn:
0.02%以上、0.20%以下、Cu:0.1%以上、1.0%
以下、S:0.005%以下、酸可溶性Al:0.1%を超
え0.3%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純
物元素より成る鋼を、熱間圧延後750℃以上850℃
以下の温度で捲取り、自己焼鈍し、次いで一回ま
たは中間焼鈍をはさんだ二回以上の冷間圧延を
し、連続焼鈍することを特徴とする鉄損が低くか
つ磁束密度の優れた無方向性電磁鋼板の製造方
法。 3 重量%で、C:0.010%以下、Si:0.1%以上、
2.0%以下、Mn:0.75%以上、1.5%以下、Sn:
0.02%以上、0.20%以下、Cu:0.1%以上、1.0%
以下、S:0.005%以下、酸可溶性Al:0.1%を超
え0.3%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純
物元素より成る鋼を、熱間圧延後750℃以上850℃
以下の温度で捲取り、自己焼鈍し、次いで一回ま
たは中間焼鈍をはさんだ二回以上の冷間圧延を
し、連続焼鈍した後、2〜12%の圧下率でスキン
パス圧延することを特徴とする鉄損が低くかつ磁
束密度の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。 4 重量%で、C:0.010%以下、Si:0.1%以上、
2.0%以下、Mn:0.75%以上、1.5%以下、Sn:
0.02%以上、0.20%以下、Cu:0.1%以上、1.0%
以下、S:0.005%以下、酸可溶性Al:0.1%を超
え0.3%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純
物元素より成る鋼を、熱間圧延後750℃以上850℃
以下の温度で熱延板焼鈍し、次いで一回または中
間焼鈍をはさんだ二回以上の冷間圧延をし、連続
焼鈍することを特徴とする鉄損が低くかつ磁束密
度の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。 5 重量%で、C:0.010%以下、Si:0.1%以上、
2.0%以下、Mn:0.75%以上、1.5%以下、Sn:
0.02%以上、0.20%以下、Cu:0.1%以上、1.0%
以下、S:0.005%以下、酸可溶性Al:0.1%を超
え0.3%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純
物元素より成る鋼を、熱間圧延後750℃以上850℃
以下の温度で熱延板焼鈍し、次いで一回または中
間焼鈍をはさんだ二回以上の冷間圧延をし、連続
焼鈍した後、2〜12%の圧下率でスキンパス圧延
することを特徴とする鉄損が低くかつ磁束密度の
優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61021105A JPS62180014A (ja) | 1986-02-04 | 1986-02-04 | 鉄損が低くかつ磁束密度の優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61021105A JPS62180014A (ja) | 1986-02-04 | 1986-02-04 | 鉄損が低くかつ磁束密度の優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62180014A JPS62180014A (ja) | 1987-08-07 |
JPS6323262B2 true JPS6323262B2 (ja) | 1988-05-16 |
Family
ID=12045593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61021105A Granted JPS62180014A (ja) | 1986-02-04 | 1986-02-04 | 鉄損が低くかつ磁束密度の優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPS62180014A (ja) |
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JP4542306B2 (ja) * | 2002-04-05 | 2010-09-15 | 新日本製鐵株式会社 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
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CN104937118A (zh) | 2013-02-21 | 2015-09-23 | 杰富意钢铁株式会社 | 磁特性优异的半工艺无取向性电磁钢板的制造方法 |
-
1986
- 1986-02-04 JP JP61021105A patent/JPS62180014A/ja active Granted
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JPS62180014A (ja) | 1987-08-07 |
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