JPS6322965Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 産業上の利用分野 本案は、化粧用コンパクトに係る。

従来の技術 扁平な身と蓋とを後部で枢着し、また、閉蓋係
止手段とその作用を解除する押釦を内外に装備し
た化粧用コンパクトは、既によく知られている。

考案が解決しようとする問題点 本案は、斯る化粧用コンパクトにおいて、更に
改良を進めて、上記押釦を無くし、そして、操
作、取扱いを一層容易にし、外観を美麗にしよう
とするものである。

考案の構成 問題点を解決するための手段 本案は、図示の構成としており、図において、
１は、扁平で平面形状方形の身、２は、該身に対
応する扁平な蓋であり、後部で身と枢着してい
る。３は、該枢着部分で蓋を開蓋方向に付勢した
トーシヨン・スプリング、４は、身の内側に固定
した額縁、５は、身乃至蓋に装備した閉蓋係止装
置である。

身１は、厚肉の後壁１１の中間部外面を切欠い
て、該部に蓋２の後縁中央から垂設したボス２１
を回動可能に嵌合させ、その後壁１１とボス２１
とを軸６で枢着し、且つ、ボス２１内の一側部に
空所を設けて、該空所にトーシヨン・スプリング
３を内装し、該スプリングの一端を身１側へ、他
端を蓋２側へ係合させることにより、蓋２を開蓋
方向に付勢している。蓋２には、内面に鏡７を貼
着している。

身１の内側に固定した額縁４は、身の内周壁を
構成するリング４１の上縁に身の内側へ嵌合する
外向きフランジ４２を連設し、該フランジは、特
に前部を幅広く形成して、該前部の下に閉蓋係止
装置５用の小空室５１を形成させている。

閉蓋係止装置５は、上記小空室５１内におい
て、身１の両側壁１２，１２の内面に一対の支持
溝５２，５２を設け、該支持溝に前方へ彎曲した
細長い板ばね５３の両端を支持させて、該板ばね
を中間が後方及び上方へ弾性変形可能に内装し、
該板ばねには、中央部５３１の前面上半に係合突
条５３２を横設すると共に、下半を前方へ突出さ
せて上面が斜め前方に面する傾斜カム面５３３を
形成し、且つ、中央部５３１の両脇に上方から切
込んだ左右一対の切欠５３４，５３４を設け、該
切欠に面する中央部５３１の両側上縁に係合突子
５３５，５３５を突設し、身１の底１３の内面適
所に後退した傾斜カム面５３３の下端部従つて中
央部５３１の下端を係止する係止爪５４を突設
し、その中央部５３１に対応させて額縁４の外向
きフランジ４２の適所に窓孔５５を穿設してい
る。また、その板ばね５３の中央部５３１に対応
させて蓋２の前部下面から横断面コ字状の係合突
片５６を垂設し、該係合突片は、第４図、第５図
で明らかなように、コ字状の中間部５６１を前部
に位置させて、該中間部の下端内縁に板ばね中央
部５３１の係合突条５３２と係合する係合突条５
６２を横設し、コ字状の両側部５６３，５６３を
板ばね中央部５３１両脇の切欠５３４，５３４へ
挿入可能に形成し、両側部内面の後隅に後退時の
板ばね中央部５３１の係合突子５３５，５３５と
対応する係合突子５６４，５６４を突設してい
る。

なお、以上の各部材は、スプリング３を除き、
いずれも適宜合成樹脂から成る。

作用 如上の構成であり、身１内に化粧料及びパフを
収容して使用するが、蓋２の開閉と閉蓋係止装置
５との関係は、第５図〜に示す通りである。
すなわち、第５図において、 （） 蓋２を閉じると、蓋２にある係合突片５
６の係合突条５６２が、身１にある板ばね５３
の中央部５３１の係合突条５３２に係合して、
閉蓋係止状態が保たれる。

（） 閉じた蓋２を指で押して過下降させる
と、下降する係合突片５６の中間部５６１下端
が、板ばね中央部５３１の傾斜カム面５３３を
滑つて板ばね中央部５３１をこれの弾性に抗し
て後退させ、板ばね中央部５３１を係止爪５４
へ乗り越え係合させる。

（） 押した指を蓋２から放すと、蓋２はスプ
リング３の弾力で上昇し、これに伴い係合突片
５６の係合突子５６４，５６４が板ばね中央部
５３１の係合突子５３５，５３５へ一時的に係
合して、板ばね中央部５３１を少し上方へ引き
上げ、該板ばね中央部を係止爪５４から離脱さ
せる。

（） その離脱に伴い板ばね中央部５３１は自
体の弾性で前方へ復帰し、その過程で板ばね中
央部５３２の係合突子５３５，５３５が係合突
片５６の係合突子５６４，５６４から離脱し
て、係合突片５６がフリーとなり、蓋２はスプ
リング３の弾力で全開する。

なお、このように説明すると、閉蓋係止状態か
ら開蓋までかなりの時間がかかるようであるが、
実際には、蓋２を指で一押しし放す瞬時の間であ
る。

考案の効果 本案によれば、閉蓋状態の蓋２の一指一押で過
下降させれば、係止が解除されて、開蓋でき、開
いた蓋２は、押し下げるだけで閉蓋係止でき、従
つて、蓋２が従来の解除用押釦を兼ねることにな
り、蓋２の開閉操作、取扱いが極めて容易とな
り、外観がスツキリして甚だ美麗となり、商品価
値を向上できる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本案に係る化粧用コンパクトを示し、
第１図は、斜視図、第２図は、中央縦断側面図、
第３図は、要部の分解斜視図、第４図は、他の要
部の拡大斜視図、第５図は、動作説明図である。 １……身、２……蓋、３……スプリング、４…
…額縁、５……閉蓋係止装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扁平な身１の後部にこれに対応する扁平な蓋２
   を過下降可能に枢着すると共に、蓋２を開蓋方向
   に付勢し、身１乃至蓋２の前部に閉蓋係止装置５
   を設け、該閉蓋係止装置は、身１内の前部に小空
   室５１を設け、該小空室内で水平方向に弾性変形
   する板ばね５３を装着し、該板ばねの一面の上部
   に係合突条５３２を、且つ、下部に傾斜カム面５
   ３３を設け、蓋２の前部適所から係合突片５６を
   垂設し、該係合突片５６の下端に係合突条５６２
   を設けて板ばねの係合突条５３２へ係合させ、ま
   た、係合突片５６の下端を傾斜カム面５３３に対
   応させて、該係合突片５６の下降により板ばね５
   ３にその係合位置からの逃げの弾性変形を与える
   よう構成し、小空室５１内で身１の底１３の適所
   に逃げの弾性変形した板ばね５３を係止する係止
   爪５４を設け、更に、その係合突片５６と板ばね
   ５３との適所に係合突片５６の上昇に伴い相互に
   一時的に係合して係止爪５４に係止された板ばね
   ５３を離脱させる係合突子５３５，５３５，５６
   ４，５６４を設けたことを特徴とする化粧用コン
   パクト。