JPS6322889Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主としてOA（オフイス オート
メシヨン）機器を載置するのに使用するデスクや
テーブルにおける高さ調整用の昇降脚装置に関す
るもので、目的とするところは、テーブル板に重
量物を載置した場合にも一対のテーブル板を個々
に容易に昇降操作できる昇降脚装置を提供するこ
とにある。

近年、OA機器の普及は著しいものがあり、そ
れに伴つてOA機器載置専用のデスクが種々市販
されている。これらデスクの一般的な形態は、主
としてCRT載置用とキーボード載置用とに二種
のテーブル板を具備し、両テーブル板はこれらを
支持する昇降脚の上下動によつて個々に高さを調
整できる構成になつていて、それにより使用者の
座高や視力等の個人差に対応して作業の疲労度の
軽減を図つている。

しかしながら、昇降脚を所望の高さに調整して
固定する従来の昇降脚装置は、昇降脚の上下動操
作に際して該昇降脚を固定している螺子を緩めた
時に、昇降脚に制動機構が付設されていない事に
起因して、テーブル板上のOA機器の重量で昇降
脚が急激に下動してOA機器を損傷したりする恐
れがある。そのため、螺子を緩める時にテーブル
板を落下しないよう保持している必要があり、少
なくとも二人で高さ調整作業を行なわなければな
らなかつた。また、二種のテーブル板を個々に高
さ調整する構成であるから、それらを支持する昇
降脚も必然的に個々の螺子で固定しなければなら
なず、構成が複雑化するだけでなく操作も煩雑と
なる。

この考案は、前記従来の問題点に鑑みなされた
もので、筒状支柱に出入自在に嵌挿された二種の
昇降用可動脚間に、当該両可動脚を支柱に対し係
合する方向にそれぞれ押圧するスプリングを揺動
自在に枢支する極めて簡単な構成によつて、従来
の問題点を悉く解消したデスク等の昇降脚装置を
提供せんとするものである。

以下、この考案をその一実施例を示した図面に
基づいて詳説すると、第１図および第２図におい
て、１はＨ字形の支台で、その左右一対の支台本
体１ａの中央部にそれぞれ角筒状の支柱２が鉛直
に立設されている。この両支柱２には、第３図乃
至第５図にも示すようにそれぞれ角筒状の二種の
可動脚３，４が上端開口から摺動自在に嵌挿され
ている。

前記両支柱２のそれぞれの上端近傍の対向側壁
には、係止突部５が内方に突出形態で嵌着されて
いるとともに、各可動脚３，４のそれぞれの一側
壁に、係止突部５が嵌入する複数個の係止孔６が
一定間隔で配設されている。そして、各可動脚
３，４は、何れも係止孔６の形成面を係止突部５
に対向させて支柱２に嵌挿されている。

７は湾曲形状の２枚の板ばねを楕円形状に突き
合わせて構成されたスプリングであり、各支柱２
において二種の可動脚３，４間に介在して両可動
脚３，４を支柱２の内壁に押圧するとともに、支
柱２の対向側壁間に回動自在に架設された支軸８
により揺動自在に吊下枢支されている。

９は各支柱２にそれぞれ設けられた両可動脚
３，４のブレーキ機構部を示し、第５図に示すよ
うに、支柱２の対向側壁に透設した一対の取付孔
１０，１１に、テーパー面１２ａ，１３ａのそれ
ぞれ形設された一組の締付部材１２，１３が支柱
２の外側から挿着され、操作摘子１４に固着され
た螺子杆１５が一方の締付部材１３の挿通孔１３
ｂを挿通して他方の締付部材１２の螺孔１２ｂに
螺合され、又、両締付部材１２，１３間において
両締付部材１２，１３を離反方向に付勢するコイ
ルスプリング１６が螺子杆１５に巻装され、他方
の締付部材１２には支柱２に係止する鍔部１２ｃ
が形成された構成になつている。１７は両可動脚
３，４間において支柱２の下部の対向側壁間に架
設された丸棒、１８，１９はそれぞれテーブル板
を示し、各テーブル板１８，１９は、各可動脚
３，４の上端から水平方向に延設された支持杆２
０，２１のうち左右（第１図における左右）の対
向支持杆２０および２１にそれぞれ横架載置され
るとともに、各支持杆２０，２１に長手方向に透
設した長孔状のガイド孔２０ａ，２１ａにガイド
螺子２２，２３が摺動自在に挿通され、且つこの
ガイド螺子２２，２３がテーブル板１８，１９の
底部に螺着されており、各ガイド螺子２２，２３
を緩めることにより、両テーブル板１８，１９を
第２図の矢印で示す前後方向に摺動でき、任意の
位置でガイド螺子２２，２３の緊締により固定で
きるようになつている。

上記構成とした実施例の昇降脚装置の作用に付
いて説明する。操作摘子１４を回転させて螺子杆
１５を螺孔１２ｂから後退させると、コイルスプ
リング１６の付勢力と相俟つて両締付部材１２，
１３がそれぞれ取付孔１０，１１から外方に向け
離反方向に移動され、これによつてテーパー面１
２ａ，１３ａの可動脚３，４のコーナー部に対す
る押圧状態が解除される。換言すると、両可動脚
３，４の固定が同時に解除される。

斯るブレーキ機構部９による固定解除によつて
両可動脚３，４が上下動可能状態となるが、両可
動脚３，４はスプリング７によつてそれぞれの係
止孔６の形成面が支柱２内面に押圧されているか
ら、固定解除と同時に係止孔６が係止突部５から
抜脱して可動脚３，４がテーブル板１８，１９上
の機器の重量により急激に落下するようなことが
ない。

そして、テーブル板１８，１９の高さ調整に当
たつては、第４図に示すようにテーブル板１８ま
たは１９を把持して可動脚３または４を僅かに傾
斜させ、係止孔６を係止突部５から抜脱した後に
可動脚３または４を上下動させて所望の係止孔６
に係止突部５を嵌入させる。ここで、一方の可動
脚４を係止突部５から抜脱した時、第４図からも
明らかなように、前記可動脚４の変位によつてス
プリング７が押動され、スプリング７は伸長され
てその復元力で両可動脚３，４に圧接するから、
テーブル板１９上にOA機器が載置されていて
も、この重量がテーブル板１９を支える作業者の
手に軽減されて作用するので、一人でも容易に高
さ調整を行な得る。しかも、一方の可動脚４を係
止突部５から抜脱している状態において他方の可
動脚３を可動させようとしても、両可動脚３，４
間にスプリング７とブレーキ装置９が介装されて
いて、そのクリアランスに余裕がないことによ
り、一方の可動脚４を係止突部５に係合しない限
り他方の可動脚３は可動できないようになつてい
る。従つて、一方の可動脚４の高さ調整時に他方
の可動脚３が妄動することがなく、安全に作動で
きる。

又、下部において両可動脚３，４間に丸棒１７
が架設されているので、テーブル板１８，１９に
比較的重量の大きなOA機器を載置した場合、テ
ーブル板１８，１９が前後に張り出すよう片持ち
梁状に取着されていることから可動脚３，４に傾
動する力が加えられるが、これを第３図の１点鎖
線で示すように前記丸棒１７で阻止している。従
つて、可動脚３，４が傾動して相互に接触し、可
動脚３，４が円滑に上下動しないと云つた不都合
は生じない。

尚、前記実施例ではOA機器用のデスクに適用
した場合に付いて説明しているけれど、作業用テ
ーブルや体位の成長に応じて高さを調整する勉強
机等に広範囲に適用できるものである。

以上説明したように、この考案のデスク等の昇
降脚装置によると、一対の可動脚間にそれぞれを
支柱に対し係止する方向に付勢するスプリングを
揺動自在に設ける構成としたから、この可動脚を
個々に上下動する構成としながらもこれらを同時
に固定および固定解除するブレーキ機構を用いる
ことが可能となり、固定解除した場合にも可動脚
が載置物の重量で落下することがない。更に構成
が簡単なので安価に製作できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案のデスク等の昇降脚装置の一実
施例を示し、第１図は正面図、第２図は右側面
図、第３図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第４図は
第３図の状態から可動脚を上下動させる状態の断
面図、第５図は第１図のＢ−Ｂ線断面図である。 １……支台、２……支柱、３，４……可動脚、
５……係止突部、６……係止孔、７……スプリン
グ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支台上に一対の筒状支柱を立設するとともに、
   該各支柱にそれぞれ二本づつの可動脚を摺動自在
   に嵌挿して成るデスク等の昇降脚装置において、
   前記各支柱の対向内壁にそれぞれ一対づつの係止
   突部を設けるとともに、前記各可動脚に前記係止
   突部が嵌入する複数個の係止孔を所定間隔で長手
   方向に配設し、前記各一対の可動脚間に介在して
   該両可動脚の係止孔が前記係止突部へ嵌入する方
   向に押圧するスプリングを、該支柱に揺動自在に
   枢支して成ることを特徴とするデスク等の昇降脚
   装置。