JPS6322284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、たとえば防球ネツト、落下防止ネ
ツト、フエンスおよび面格子などに使用されるネ
ツト取付枠に関する。

この明細書において、ネツトには、アルミニウ
ムなどの板状押出型材に長さ方向に伸びる所定長
さの多数のスロツトを千鳥配置にあけ、この押出
型材を幅方向に引張り拡大することによつて製作
される金属製エキスパンジヨンネツトや、通常の
金網など、網状の材料が全て含まれるものとす
る。

たとえば、エキスパンジヨンネツトの取付枠
は、通常、ネツト周縁部が挿入される溝を有する
複数の直線状枠材を連結することにより長方形状
に構成されるが、枠材同志を強固に連結すること
は一般に困難であり、かつ枠の４隅において枠材
の先端部が露出しているため、枠の外観を損なう
ばかりでなく、人を傷つけるおそれがある。

この考案の目的は、枠材同志を簡単かつ強固に
連結することができ、かつ枠材の先端部によつて
外観を損なつたり人を傷つけたりするおそれのな
い安全で体裁の良いネツト取付枠を提供すること
にある。

以下この考案を実施例を示す図面を参照して説
明する。

第１図〜第９図は建物の垂直な壁１に取付けら
れた防球ネツトの１例を示し、ネツト取付枠２
は、長方形の４辺を構成する４本のアルミニウム
押出型材製の第１の枠材３と、上下の水平な第１
の枠材３間に直角にわたされて上記長方形の内側
に４つの長方形のネツト取付空間４を形成する３
本の垂直なアルミニウム押出型材製の第２の枠材
５とを備えており、これらのネツト取付空間４に
４枚のアルミニウム製エキスパンジヨンネツト６
が取付けられている。第１の枠材３は、第４図に
詳細に示すように、ネツト挿入溝７を有する横断
面略Ｕ字形のネツト挿入部８と、ネツト挿入部８
の溝７の片側の開口側縁の全長に一体に形成さ
れ、かつ溝７の幅方向外側に突出すとともに溝７
の長さ方向に伸びた連結用フランジ９とからな
る。このネツト挿入溝７の幅は、底部から開口部
に向つて徐々に広がつている。第２の枠材５は、
第５図に詳細に示すように、両側にネツト挿入溝
１０を有する横断面略Ｈ字形のネツト挿入部１１
と、ネツト挿入部１１の片面すなわち片側の溝側
壁１２の外面の幅方向中央部の全長に一体に形成
され、かつ溝１０の幅方向外側に突出すとともに
溝１０の長さ方向に伸びた連結用フランジ１３と
からなる。フランジ１３側のこの溝側壁１２の内
面は、溝１０の幅が底部から開口部に向つて徐々
に広がるように傾斜状に形成されており、これら
の側壁１２の溝１０底部内面に、ネツト挿入部１
１の全長にわたる小さい溝１４がそれぞれ設けら
れている。また、フランジ１３片面の基端部と先
端部とに、その全長にわたるねじ挿入部１５がそ
れぞれ設けられている。これらのねじ挿入部１５
は、フランジ１３片面の半円状の溝の両側に横断
面円弧状の１対の突条を一体に設けることにより
形成され、横断面円形で開口部の幅が狭くなつた
溝状をなす。

ネツト取付枠２を構成する各枠材３，５は、そ
れぞれのネツト挿入溝７，１０がネツト取付空間
４の内側を向くとともに、それぞれのネツト挿入
部８，１１に対するフランジ９，１３の突出方向
が互いに一致するように配置され、次に詳細に示
すように相互に連結されている。

第７図に詳細に示すように、両側の垂直な第１
の枠材３のフランジ９上端面は、上側の水平な第
１の枠材３のフランジ９片面に直角に当てられ、
ネツト取付空間４の内側からこれらのフランジ９
の片面に当てられたアルミニウム山形材１６と、
この山形材１６の各面を各枠材３のフランジ９に
固定するボルト１７およびナツト１８とにより、
これらのフランジ９同志が連結されている。そし
て、これらの枠材３のネツト挿入部８の互いに対
応する溝側壁１９，２０同志が密接し、かつこれ
らの側壁１９，２０の外面同志および内面同志が
それぞれほぼ面一になつている。また、水平な枠
材３のネツト挿入部８の両端面は、両側の垂直な
枠材３のネツト挿入部８の溝底壁２１外面とほぼ
面一になつている。

第８図に詳細に示すように、両側の垂直な第１
の枠材３のフランジ９下端面は、下側の水平な第
１の枠材３のフランジ９片面の先端に直角に当て
られ、アルミニウム鋳物製の連結材２２によりこ
れらの枠材３の先端部同志が連結されている。第
６図に詳細に示すように、連結材２２は、上記の
ように直交する枠材３の先端部のネツト挿入部８
が挿入される枠材挿入溝２３を有する略Ｌ字形の
枠材挿入部２４と、枠材挿入部２４の溝２３の片
側の開口側縁に互いに直交するように一体に形成
され、かつ２本の枠材３先端部のフランジ９にネ
ツト取付空間４の外側から接する連結用フランジ
当接部２５，２６とからなる。連結材２２の枠材
挿入部２４は、溝２３の開口部が内側を向くよう
に中間部で直角に曲げられ、これにより溝２３の
両側の開口側縁も中間部で直角に曲げられてい
る。そして、溝２３の幅方向外側に突出した水平
なフランジ当接部２５および垂直なフランジ当接
部２６が、溝２３の片側の開口側縁の全長に連続
して設けられている。また、溝底壁２７側の溝側
壁２８，２９側縁の角部すなわち取付枠２の長方
形の頂点の外側に位置する部分に丸みがつけられ
ている。水平な枠材３のネツト挿入部８両端部お
よび垂直な枠材３のネツト挿入部８下端部がそれ
ぞれ連結材２２の溝２３の一端水平部および他端
垂直部に挿入されており、水平な枠材３のフラン
ジ９の両端部片面ならびに同フランジ９の先端面
および垂直な枠材３のフランジ９の下端部片面
が、それぞれ連結材２２の水平なフランジ当接部
２５および垂直なフランジ当接部２６に密接して
いる。そして、各枠材３のフランジ９と連結材２
２の各当接部２５，２６とがボルト１７およびナ
ツト１８により連結されている。また、２本の枠
材３の互いに対応する溝側壁１９，２０の外面同
志および内面同志がそれぞれほぼ面一になつてい
る。

第９図に詳細に示すように、第２の枠材５のフ
ランジ１３下端面は、下側の水平な第１の枠材３
のフランジ９片面に直角に当てられ、第１の枠材
３のフランジ９を下から貫通して第２の枠材５の
フランジ１３のねじ挿入部１５にねじ込まれたね
じ（図示略）により、これらのフランジ９，１３
同志が連結されている。そして、各枠材３，５の
互いに対応する溝側壁１９，２０，１２，３１同
志が互いに密接し、かつこれらの側壁１９，２
０，１２，３１の外面同志および内面同志がそれ
ぞれほぼ面一になつている。第２の枠材５上端部
と上側の水平な第１の枠材３も、上記と同様に連
結されている。

エキスパンジヨンネツト６の周縁部は、ネツト
取付空間４の周囲に配置された枠材３，５のネツ
ト挿入部８，１１の溝７，１０に挿入され、各ネ
ツト挿入部８，１１の両側の溝側壁２０，１９，
３１，１２およびこれらの間のネツト６の網目を
貫通してフランジ９，１３側に突出したボルト３
２とフランジ９，１３側の溝側壁１９，１２の外
側からこのボルト３２にねじ止められたナツト３
３とにより固定されている。各枠材３，５のネツ
ト挿入溝７，１０の幅は底部から開口部に向つて
徐々に広がつているので、ネツト６の挿入が容易
であり、ボルト３２およびナツト３３で締付ける
ことにより各枠材３，５のネツト挿入部８，１１
が変形して溝７，１０の幅が狭くなり、ネツト６
周縁部が溝側壁２０，１９，３１，１２の間に挟
まれて固定される。このとき、第１の枠材３の場
合にはネツト挿入部８の横断面が略Ｕ字形をな
し、第２の枠材５の場合には片側の溝側壁１２に
溝１４が設けられているので、ボルト３２および
ナツト３３で締付けたときにネツト挿入部８，１
１が容易に変形する。

建物の壁１の上部および下部には、アンカーボ
ルト３４などを使用してそれぞれ複数のブラケツ
ト３５が固定されており、各枠材３，５のフラン
ジ９，１３が建物の内側を向くようにネツト取付
枠２が垂直に配置され、上下の水平な第１の枠材
３のフランジ９がボルト３６およびナツト３７に
よりこれらのブラケツト３５の先端部に固定され
ている。

上記の防球ネツトは次のようにして組立てられ
る。

まず、上下の第１の枠材３の長さの中央に、中
央の第２の枠材５の両端をそれぞれ連結し、内側
の２枚のネツト６の周縁部をこれら３本の枠材
３，５のネツト挿入溝７，１０に挿入する。次
に、これら２枚のネツト６の外側周縁部に外側の
２本の第２の枠材５のネツト挿入部１１を被せ、
これらの枠材５の両端を上下の第１の枠材３にそ
れぞれ連結する。そして、外側の２本の第２の枠
材５の外側に上記と同様に外側の２枚のネツト６
を取付け、これら２枚のネツト６の外側周縁部に
両側の第１の枠材３のネツト挿入部８を被せ、こ
れらの枠材３の両端を上下の第１の枠材３にそれ
ぞれ連結する。最後に、このようにして組立てた
ネツト取付枠２の上下の第１の枠材３を壁１のブ
ラケツト３５に固定する。

ネツト取付枠２の建物への取付方は任意であ
り、上下の第１の枠材３を取付けるブラケツト３
５は、たとえば第１０図に示すように下向きの水
平な壁３８と垂直な壁３９とに固定されてもよい
し、第１１図に示すように水平な下向きの壁４０
と上向きの壁４１とに固定されてもよい。また、
上記実施例では、上下の水平な第１の枠材３がブ
ラケツト３５に取付けられているが、たとえば第
１２図に示すように両側の垂直な第１の枠材３が
ブラケツト３５に取付けられてもよい。なお、第
１０図〜第１２図において、上記実施例と同一の
ものには同一の符号を付している。

上記実施例では、アルミニウム押出型材から製
作されたエキスパンジヨンネツト６が使用されて
いるので、次のような効果を奏する。すなわち、
エキスパンジヨンネツトは、網目の外れや広が
り、強い衝撃による撓みのおそれがなく、丈夫で
あり、ネツトに当たる太陽光線が乱反射するた
め、建物内に暗さや圧迫感を与えず、いつも明る
さを保つことができる。また、ネツト６、枠材
３，５、連結材２２などがアルミニウム製であ
り、かつボルト、ナツト、ねじなどがステンレス
鋼製であるので、ネツト６および取付枠２が錆び
るおそれがなく、塗装が不要である。しかしなが
ら、エキスパンジヨンネツト６以外に、通常の金
網などの他の網状の材料を使用することも可能で
あり、ネツトおよび取付枠を構成する各部品の材
質も適宜変更可能である。

上記実施例では、第２の枠材５のフランジ１３
にねじ挿入部１５が設けられているので、第１の
枠材３との連結が極めて容易であり、かつねじ挿
入部１５がフランジ１３の基端部と先端部の２箇
所に設けられているので、第２の枠材５が第１の
枠材３に対して回転するおそれがなく、両者を強
固に連結することができる。しかしながら、第１
の枠材３のフランジ９と第２の枠材５のフランジ
１３との連結手段は任意であり、ねじ挿入部１５
は必ずしも必要ではない。また、第２の枠材５は
設けられないこともある。

上記実施例では、第１の枠材３同志の連結部の
下側の２箇所に連結材２２が設けられているが、
この連結材２２は少なくとも１箇所の連結部に設
けられればよく、必要があれば４箇所の連結部全
てに設けられてもよい。

また、この考案のネツト取付枠は、防球ネツト
以外に、落下防止ネツト、フエンスおよび面格子
などにも使用することができる。

この考案のネツト取付枠によれば、枠材３の連
結用フランジ９がネツト挿入部８のネツト挿入溝
７の開口側縁に形成されており、連結材２２が、
直交する２本の枠材３の先端部のネツト挿入部８
が挿入される枠材挿入溝２３を有する略Ｌ字形の
枠材挿入部２４と、枠材挿入部２４の溝２３の片
側の開口側縁に互いに直交するように一体に形成
され、かつ直交する２本の枠材３の先端部のフラ
ンジ９に上記方形の外側から接する連結用フラン
ジ当接部２５，２６とからなるので、直交する２
本の枠材３の先端部のフランジ９とこれらに接す
る連結材２２のフランジ当接部２５，２６を利用
して枠材３同志を簡単にかつ強固に連結すること
ができ、かつ直交する２本の枠材３の先端部のネ
ツト挿入部８を連結材２２の枠材挿入溝２３に挿
入して隠してしまうことができる。したがつて、
枠材３の先端部が露出することがなく、枠の外観
を損なうことがない。また、連結材２２に丸味が
つけられているので、人を傷つけるおそれがな
く、安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第９図はこの考案の１実施例を示し、
第１図は正面図、第２図および第３図はそれぞれ
第１図−線および−線の断面図、第４図
は第１の枠材の横断面図、第５図は第２の枠材の
横断面図、第６図は連結材の斜視図、第７図は第
１図Ａ部を裏から見た拡大斜視図、第８図は第１
図Ｂ部を裏から見た拡大斜視図、第９図は第１図
Ｃ部を裏から見た拡大斜視図、第１０図および第
１１図はそれぞれネツト取付枠の建物への取付方
の２つの変形例を示す第２図相当の図面、第１２
図は上記取付方のさらに他の変形例を示す第３図
相当の図面である。 ２……ネツト取付枠、３……枠材、７……ネツ
ト挿入溝、８……ネツト挿入部、９……フラン
ジ、２２……連結材、２３……枠材挿入溝、２４
……枠材挿入部、２５，２６……連結用フランジ
当接部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方形の４隅で互いに連結されて上記方形の４辺
   を構成する４本の枠材３と、上記方形の４隅の少
   なくとも１箇所において、直交する２本の枠材３
   の先端部同志を連結する連結材２２とを備えてお
   り、枠材３が、ネツト挿入部７を有する横断面略
   Ｕ字形のネツト挿入部８と、ネツト挿入部８の溝
   ７の片側の開口側縁に一体に形成され、かつ溝７
   の幅方向外側に突出すとともに溝７の長さ方向に
   伸びた連結用フランジ９とからなり、各枠材３の
   ネツト挿入溝７が上記方形の内側を向くととも
   に、各枠材３のネツト挿入部８に対するフランジ
   ９の突出方向が互いに一致させられており、連結
   材２２が、直交する２本の枠材３の先端部のネツ
   ト挿入部８が挿入される枠材挿入溝２３を有する
   略Ｌ字形の枠材挿入部２４と、枠材挿入部２４の
   溝２３の片側の開口側縁に互いに直交するように
   一体に形成され、かつ直交する２本の枠材３の先
   端部のフランジ９に上記方形の外側から接する連
   結用フランジ当接部２５，２６とからなり、連結
   材２２の上記方形の頂点の外側に位置する部分に
   丸みがつけられているネツト取付枠。