JPS6322253Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、横梁等の構造材に簡易且つ迅速で、
強固に取付けることができ、しかも取外しが簡単
にできる受金具に関する。

〔従来の技術及びその問題点等〕

従来より、折版状建築用板を取付ける受金具
は、種々の形状、構造のものが存在しているが、
その受金具を横梁等の構造材に取付けるには、現
在、殆ど溶接にて固着している。その溶接作業
は、その作業工程が多かつた。即ち、その現場に
溶接機をセツトし、実際の溶接作業をし、その後
その溶接箇所のスラグ落しをし、そこに防錆塗料
を塗る等の作業手順が必要とされている。その溶
接作業は摂氏０度以下の場合や風がある場合等に
は十分な溶接強度にならないことから作業できな
いし、雨の日には感電等の危険が伴うことから作
業できない問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで考案者は、前記問題点等を解決すべく鋭
意、研究を重ねた結果、本考案を、山状の受金具
本体の両下端に、断面コ字状の係止部を有する係
止片を着脱自在に設け、該装着時には両係止部の
開放側が互いに内方を向くようにし、該両係止部
の外面にコ字状の補強板を添設し、該補強板と受
金具本体の下端に設けた縦溝を嵌合可能とし、そ
の両係止片の係止部の上片に締付ボルトを螺合し
た受金具としたことにより、簡易かつ迅速で、強
固に取付けることができ、前記の問題点等を解決
したものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図乃至第７図に基
づいて説明する。

Ａは山状の受金具本体で、正面からみて台形山
形状をなしたり（図面参照）、或いは門形状をな
している。該受金具本体Ａは頂部１と両側の脚部
２，２とから形成されている。該両脚部２，２の
下端側は垂下状片として形成され、下端に縦溝
３，３が夫々形成されている。その頂部１の略中
央に剣先状のボルト４ａまたは貫孔４ｂが設けら
れている。

Ｂは係止片であつて、断面コ字状の係止部５と
その上片の外端より垂直状部６が一体成形されて
いる。その係止部５の上片に締付ボルト７が螺合
されている。該締付ボルト７は、係止部５の上片
の貫孔位置の上面にナツトが固着され、該ナツト
に螺合されたり（第１図、第３図乃至第５図参
照）、或いはその係止部５の上片に直接に内ネジ
部が形成され、該内ネジ部に螺合されることもあ
る（第７図参照）。

その係止部５の外面には、コ字状の補強板８が
添設され、該補強板８の上側片が前記脚部２の縦
溝３に嵌合可能に構成されている。実施例では、
補強板８を中心に対称的にその締付ボルト７，７
が設けられている。また、その締付ボルト７を係
止部５に１つのみ螺合させることもある。そのよ
うな係止片Ｂは２つ設けられ、受金具本体Ａの両
側の脚部２，２の下端に係止片Ｂ，Ｂが着脱自在
に構成されている。具体的には、前記脚部２の縦
溝３に補強板８の上側片が嵌合され、且つその脚
部２と係止片Ｂの垂直状部６とがボルト・ナツト
９にて固着され、その係止部５，５の開放側が互
いに内方を向くように構成されている。

図中１０は横梁等の構造材で、Ｈ型鋼で構成さ
れている。１１は硬質の合成樹脂製のコ字状断熱
片で、その係止部５の内面に必要に応じて固着さ
れている（第７図参照）。１２はナツト、１３は
座金、１４は折版状建築用板である。

〔考案の効果〕

本考案においては、山状の受金具本体Ａの両下
端に、断面コ字状の係止部５，５を有する係止片
Ｂ，Ｂを着脱自在に設け、該装着時に両係止部
５，５の開放側が互いに内方を向くようにし、該
両係止部５，５の外面にコ字状の補強板８，８を
添設し、該補強板８，８と受金具本体Ａの下端に
設けた縦溝３，３を嵌合可能とし、その両係止片
Ｂ，Ｂの係止部５，５の上片に締付ボルト７，７
を螺合した受金具としたことにより、第１に横梁
等の構造材１０に、極めて簡易且つ迅速な取付が
でき、第２に強固な取付ができ、第３に取外しが
簡単にでき、第４に極めて簡単な構成で安価な受
金具を提供できる等の効果を奏する。

これらの効果について詳述すると、先ず、係止
片Ｂ，Ｂの係止部５，５を、第４図に示すように
構造材１０の上面部の両端縁に係止し、次いで、
その締付ボルト７を締付けて左右の係止片Ｂ，Ｂ
を構造材１０の上面部の両端縁に強固に固定し、
そして受金具本体Ａの脚部２の縦溝３を補強板８
の上側片に嵌合し、且つ両脚部２，２を係止片
Ｂ，Ｂの垂直状部６，６にボルト・ナツト９にて
固着して本考案の受金具を取付ける（第５図参
照）。従つて、従来のような溶接作業ではその作
業工程が多く、具体的にはその現場に溶接機をセ
ツトし、実際の溶接作業をし、その後その溶接箇
所のスラグ落しをし、そこに防錆塗料を塗る等の
作業手順が必要とされていたり、その溶接作業は
摂氏０度以下の場合や風がある場合等には十分な
溶接強度にならないことから作業できないし、雨
の日には感電等の危険が伴うことから作業できな
い不都合があつたが、本考案ではそのような気象
条件に関係なく、この取付作業は、係止部５，５
を係止し、且つ受金具本体Ａをその係止片Ｂ，Ｂ
に取付けることのみで簡易且つ迅速にできるし、
取外しも溶接とは異なり簡単にできる。

特に、本考案では、両係止部５，５の外面にコ
字状の補強板８，８を添設したので、構造材１０
への係止力は、両補強板８，８を介して係止部
５，５に加わるものであり、該係止部５，５を、
補強板８，８にて抱持するようにしており、係止
部５，５が開いて、受金具本体がぐらつくような
こともなく、極めて強固な取付ができる効果があ
る。

また、取外しも、その締付ボルト７を緩めるこ
とのみであり、溶接とは異なり簡単にできる。

また、本考案では、受金具本体Ａと係止片Ｂ，
Ｂとを別体としたので、その構造材１０の上面部
の適宜の幅に対応して取付け、取外しが簡単にで
きるし、また、特にその受金具本体Ａを比較的厚
材にしても、取付けやすく、しかも補強板８，８
と受金具本体Ａの下端に設けた縦溝３，３を嵌合
可能としたので、嵌合すると、極めて強固にでき
る。

なお、その係止部５，５の内面にコ字状断熱片
１１，１１を固着すれば、これを使用して金属製
の折版状建築用板１４等にて壁または屋根等を施
工しても、受金具本体Ａに伝わる熱伝導は締付ボ
ルト７箇所で僅かにヒートブリツジが発生する
が、全体としてそのコ字状断熱片１１，１１にて
良好な断熱ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであつて、そ
の第１図は本考案の斜視図、第２図は受金具本体
の斜視図、第３図は一部切除した係止片の斜視
図、第４図は本考案の取付途中の状態を示す一部
断面を有する正面図、第５図は本考案を取付完了
した一部断面を有する正面図、第６図は本考案を
使用して屋根施工した斜視図、第７図は別の実施
例の受金具を取付完了した一部断面を有する正面
図である。 Ａ……受金具本体、Ｂ……係止片、３……縦
溝、５……係止部、７……締付ボルト、８……補
強板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 山状の受金具本体の両下端に、断面コ字状の係
   止部を有する係止片を着脱自在に設け、該装着時
   に両係止部の開放側が互いに内方を向くように
   し、該両係止部の外面にコ字状の補強板を添設
   し、該補強板と受金具本体の下端に設けた縦溝を
   嵌合可能とし、その両係止片の係止部の上片に締
   付ボルトを螺合したことを特徴とした受金具。